
プロに聞く、キャンプで挽きたてコーヒーを楽しむ方法。おいしい淹れ方や必要な道具とは?
自然の中で飲む、熱々の挽きたてコーヒーはキャンプの醍醐味の1つ。野外でも楽しめるおいしいコーヒーの淹れ方を、コーヒーマスターにレクチャーしていただきました!
キャンプで挽きたてコーヒーを味わう楽しみ
非日常の空間で楽しむ、挽きたてのコーヒーは格別! 本記事ではキャンプでのおいしいコーヒーの淹れ方やカフェオレの作り方、必要な道具やおすすめの道具セットまで、コーヒーを満喫する方法をまるっとご紹介。キャンプはもちろん、自宅でのベランダコーヒーでも、ぜひ挽きたてコーヒーを楽しんでみてください。
教えてくれたのは
「パドラーズコーヒー」加藤健宏さん
1983年生まれ。国内外でのバリスタを経て、東京・渋谷区西原に『PADDLERSCOFFEE(パドラーズコーヒー)』、中野に『LOU(ルー)』を共同代表として運営。「コーヒーは味はもちろん、季節や誰とどの場所で、どのカップで飲むのかなど、味以外でもおいしさが左右される飲み物です。そんなところにもこだわって楽しんでもらえたらうれしいです」
コーヒーマスターに聞く。キャンプでコーヒーを楽しむポイント
贅沢に時間を使えるキャンプだからこそ、ゆったりとした気持ちで楽しみたい珠玉の1杯。存分に楽しむためのポイントを3つ伺いました。
ポイント1
キャンプではゆっくり時間をかけて淹れるハンドドリップを
「キャンプや山でのコーヒーは、ゆっくりと時間をかけて淹れるハンドドリップがおすすめ。現地でコーヒーを淹れる直前に、手挽きのコーヒーミルで豆を挽くことで、挽きたての香りと風味も楽しめますよ。外で飲む、丁寧に抽出したコーヒーは格別です!」
ポイント2
おいしく淹れる秘訣は、豆とお湯の分量
「コーヒーは豆とお湯の分量がとても重要。計量器で量ると安定した抽出が行え、野外でもお店のようなおいしいコーヒーを楽しめます。もちろん、自分の感覚を信じることも大切ですが、初心者であれば計量器を活用するのがおすすめです。また、コーヒー豆は鮮度が1番大事なので、焙煎してから1週間~10日くらいまでのものを持参してみてください」
ポイント3
季節に合わせてコーヒー豆の産地を変える楽しみ
「肌寒い秋や冬は、酸味が少なくコクの深いインドネシア産のコーヒーがおすすめ。どっしりとしたコーヒーの力強いコクが身も心も温めてくれます。さらに、春には酸味とコクのバランスが特徴の中南米産の豆を選んだり、夏はアイスコーヒーにしてもおいしい果実味の酸味が特徴のアフリカ産の豆をスッキリ味わったりと、季節に合わせて豆の産地を変えてみるのもいいですね」
キャンプ好きの著者が実践。おいしいコーヒーの淹れ方
早朝に飲む淹れたてのコーヒーを目当てに、毎年ファミリーキャンプを楽しんでいる元アウトドア雑誌編集者でキャンプ好きの著者。お気に入りのキャンプギアで加藤流おいしいコーヒーの淹れ方を実践してみました。
▼まずは必要な7つのアイテムをチェック
キャンプでコーヒーを淹れるために必要な7つの道具を、筆者の愛用品とともにご紹介。アウトドアならではの機能性&省スペースを兼ね備えたアイテムなどもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
アイテム1
挽きたてのコーヒーを楽しむための手動「コーヒーミル」
キャンプで挽きたての本格コーヒーを楽しむために欠かせないのが、豆を挽く「コーヒーミル」。わが家では手動タイプで、ハンドルを収納できるコンパクトなタイプのものを愛用。豆は細かすぎるとえぐみ・苦味が強くなり、粗すぎると酸味が強くなります。好みに合わせて挽き目を調整してみてください。ちなみに、キャニスターを使うとかさばるので、豆は購入した袋のまま入れていくのがおすすめです。
アイテム2
折りたたみ式、組み立て式が便利な「ドリッパー」
野外でのハンドドリップで使うコーヒードリッパーは、耐久性と安定性のほか、コンパクトに収納できる点も考慮して選びたいところ。『ユニフレーム』と『ミュニーク』のドリッパーはどちらもステンレス素材で耐久性に優れ、軽量かつ使わないときには平たく収納できるので使い勝手抜群です! 『ユニフレーム』は専用の収納バッグ付き。
アイテム3
ドリッパーと同じ形を使うのが◎。「コーヒーフィルター」
コーヒーフィルターは、使っているドリッパーの形に合わせて形を決めてみてください。わが家で愛用しているドリッパーは円錐型なので、フィルターも円錐型に。 使い捨てのペーパーフィルターを使うと、キャンプ場で洗う手間が省けますよ。ゴミはジップロックなどで持ち帰るようにしてください。
アイテム4
キャンプでの必須アイテム「バーナー」
キャンプでの火起こしに必須のアイテムがバーナー。野外で使うので、防風性や安定性に優れているのかが重要なポイントに。わが家で愛用しているのは、手に入りやすく安価なCB缶を使える、『SOTO』のシングルバーナーです。火力が常に安定しているのでキャンプで重宝しています。収納時は折りたたんでコンパクトに。
アイテム5
初心者には細口タイプの「ケトル」がおすすめ
丁寧にじっくりと抽出した本格コーヒーを味わいたいなら、ケトルにもこだわってみてください。ハンドドリップ初心者には、 お湯の落ちる位置や量をコントロールしやすい、注ぎ口が細いタイプがおすすめです。『スローコーヒースタイル』のケトルはステンレス素材で直火もOK。スタイリッシュなデザインなので、アウトドアだけでなく家でも活躍しています。
アイテム6
お気に入りで気分を上げたい「マグカップ」
熱々の淹れたてコーヒーをもっと楽しむために、こだわりたいのがマグカップ。キャンプでは保温性が高く冷めにくいカップがおすすめ。わが家では軽量なチタンでできた二重構造のマグカップを愛用しています。 ハンドルが収納時に折りたためるのもうれしいポイント。コーヒータイムを演出してくれる、お気に入りのカップを見つけてみてください。
アイテム7
安定した抽出を行うなら「計量器」も大切
『タニタ』デジタルクッキングスケール KD-182(生産終了)
安定したおいしいコーヒーを抽出するために重要なアイテムが、豆とお湯の量を量る「計量器」。わが家では自宅でも使用しているクッキングスケールをそのまま使っていますが、豆とお湯の量だけでなく抽出時間などを同時に計測できるハンドドリップのためのスケールなどもあるので、ぜひチェックしてみてください。
類似商品はこちら
『タニタ』クッキングスケール KD-320
コーヒー専用の計量器もおすすめ
『ハリオ』ドリップスケール VSTN-2000B
『アカイア』コーヒースケール Lunar
▼本格ハンドドリップコーヒーをおいしく淹れる7つの手順
キャンプや山では、ゆっくりと時間をかけて淹れるハンドドリップコーヒーで、贅沢な時間を過ごしたいですよね。以下でその手順とともに、初心者でもできるコーヒーのおいしい淹れ方のコツをご紹介します。「ハンドドリップでは、ドリッパー内にお湯が溜まりすぎず、コーヒー豆が呼吸しているようなリズムで落とすのがポイントです」
手順1:バーナーでお湯を沸かす。
手順2:お湯を沸かしている間に、豆の準備。ミルの挽き目を調整して、手挽きのミルで杯数分の豆を挽く(1人分 15g/2人分 30g/3人分 45g)。
手順3:ドリッパーにペーパーフィルターをセットして、計量器で測りながら人数分の豆を入れる。
手順4:豆は揺すって平らにしておく。
手順5:沸騰したお湯を注いで、30秒蒸らす。
手順6:計量器で湯量を測りながら、コーヒーを丁寧に抽出(お湯の量1人分 200g/2人分 400g/3人分 600g)。
手順7:本格的な淹れたてコーヒーのできあがり!
楽しみが広がる! カフェオレレシピ&ペアリング
ストレートコーヒーを味わったあとは、少しステップアップしてカフェオレやスイーツとのペアリングに挑戦してみるのはいかがですか? キャンプならではのレシピや、コーヒーと相性抜群のスイーツをご紹介します。
▼豆選びも重要! カフェオレのおいしい淹れ方
カフェオレは、初心者でも簡単にできるコーヒーとミルクを半分ずつ入れるレシピです。「あえてミルクフォームを使わず、熱々のコーヒーに沸騰したてのミルクを入れたカフェオレは、体が芯から温まるので特にキャンプではおすすめです。また、豆選びも重要に。カフェオレには、コクの深いインドネシア産やブレンド、深煎りの豆が好相性です」
手順1:ストレートコーヒーと同じ要領でコーヒーを淹れる。
手順2:同時にミルクを鍋にかけて沸騰させる(注ぐ前にミルクの膜は除いておく)。
手順3:淹れたての熱々コーヒーに、沸騰したてのミルクをハーフアンドハーフで。
手順4:ホッと温まるカフェオレのできあがり!
▼和菓子と相性抜群! あんことコーヒーのペアリング
「コーヒー自体にあれこれアレンジをするよりも、ストレートコーヒーとスイーツのペアリングがおすすめ。特に和菓子やあんことコーヒーの相性は抜群です!」加藤さんのおすすめは、『虎屋』のスティックタイプの羊羹だそう。和菓子とのペアリングをすれば、いつもより特別なコーヒータイムになるはず。
便利でおしゃれ。おすすめのキャンプコーヒーセット
1つずつお気に入りアイテムを揃えるのもいいですが、キャンプでコーヒーを楽しむためのツールをまとめたセットを購入するのも1つの手。ブランドやデザインが統一されているので、おしゃれなハンドドリップセットになること間違いなし!
アイテム1
『ポケトル』コーヒーキット
高品質な金属製ツールボックスを作り続ける『東洋スチール』と、ミニボトルブームを生んだ『ポケトル』のコラボアイテム。丈夫な工具箱に、人気のミニ水筒をはじめ、新潟燕三条製のコーヒーミルやドリッパー、スタンドなど計10点をひとまとめ。アウトドアでも家でも絵になるこだわりのアイテムが揃い、本格的なコーヒーをいつでも手軽に楽しめます。
アイテム2
『TIMEMORE NANO』キャリーイングキット
ブラックで統一された、デザイン性の高いスタイリッシュなハンドドリップセット。コーヒーミル、300mlケトル、キャニスター3つ、ドリッパー、ケトル、円錐ペーパーフィルター10枚、清掃用ブラシが専用キャリーケースに入っているので持ち運びや収納にも便利。ワンランク上のコーヒータイムを演出したい人にぜひ!
アイテム3
『ウィロー』ポータブルコーヒーセット
外遊びを楽しくするアイテムを展開する『ウィロー』のハンドドリップセットは、コーヒーミルとドリッパー、オリジナルマグカップ&ポーチ付きで、お湯さえあればどこでも挽きたてコーヒーを楽しめます。汚れに強い内生地を使った、小分け用のメッシュポケット付きポーチも使い勝手抜群です。
キャンプや自宅のベランダでも。挽きたてコーヒーを楽しむ休日を
お気に入りのアイテムやコーヒー豆の種類などを選ぶ楽しさもある、キャンプでのコーヒー。非日常の中で楽しむからこそ、贅沢に時間をかけて丁寧にハンドドリップをした、淹れたての珠玉の1杯を味わってください!
Photo_Kentaro Hanamura
この記事の掲載アイテム一覧(全9商品)
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『ポーレックス(Porlex)』 コーヒーミル2ミニ
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『ユニフレーム』 コーヒーバネット
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『キントー』 スローコーヒースタイル ペーパーフィルター
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『SOTO』 レギュレーターストーブ ST-310
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『スローコーヒースタイル』 ドリップケトル
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『スノーピーク』 チタン ダブルマグ 300/450
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『ポケトル』 コーヒーキット
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『TIMEMORE NANO』 キャリーイングキット
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『ウィロー』 ポータブルコーヒーセット
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