
武骨ながらも美しい。アガべの人気種と育て方のポイント
“かっこいい”という言葉が似合う観葉植物、アガべ。のこぎりの歯に縁取られたような葉や、模様が入ったものなど多種多様で、インテリアグリーンとしても人気なんです。
男ゴコロをくすぐる。武骨でかっこいいアガベ
アガべはキジカクシ科リュウゼツラン属の植物で、原産地はメキシコや南アフリカ。 葉を縁取るように連なるギザギザの部分は鋸歯(きょし)と呼ばれ、大きさも色もさまざまです。武骨なルックスが特徴でインテリアグリーンとして人気ですが、ここ数年で庭の植栽としても人気が高まっているんです。テーマパークや公園などで大きな姿のアガべを見たことがあるという人も多いのではないでしょうか?
ユニークなルックスもアガべの人気の理由の1つ。種類も豊富で個性的なものが揃います。こちらは葉を白く縁取ったような見た目が特徴的な「笹の雪」。白い塗料で模様を描いたようなものを愛好家の間では「ペンキ」とも呼んでいます。
続いてくるくるカールした糸のようなものが特徴の「滝の白糸」。この糸のようなものは「フィラメント」と呼ばれています。
お気に入りを見つけよう。アガベの人気10種
葉の色やシルエットだけではなく鋸歯の色、形、ペンキにフィラメントと、個性的な特徴を持ち、種類が豊富なアガべ。庭やベランダでも育てられるサイズで代表的な種類や人気の種類をご紹介します。
種類1
チタノタ
鋭いトゲと、大きめでギザギザの鋸歯が特徴的な「チタノタ」。アガべの中でも非常に人気が高い品種です。愛好家の中では、葉の幅や、鋸歯の色の異なるものをコレクションしている人もいるほど。大きく育つと、とにかく武骨でかっこいいです。
種類2
雷神(らいじん)
ロゼット状に広がる肉厚で青みを帯びたライトグリーンの葉に、赤みの強い茶色の鋸歯がポイントの「雷神」。昔から定番の種類でありコンパクトなサイズから流通していますが、大きく成長すると1メートルくらいにまでなります。水やりは控えめのほうが、締まった姿に育ちます。
種類3
王妃雷神錦(おうひらいじんにしき)
幅が広く、肉厚な葉がロゼット状に広がる「王妃雷神錦」。コンパクトな作りの姿形はもちろん、白い斑が中央に入って華やかさもある美しいアガべです。他の種類に比べると小型なので、ベランダや窓辺など置き場所が限られている場合でも飾りやすいですよ。子株が吹くので、株分けで増やすことができますが、群生させて育てるのもアリ。
種類4
笹の雪(ささのゆき)
メキシコ原産の「笹の雪」。見ての通り、白い絵の具で描いたように縁取られた葉が特徴で、葉の表面にもラインが入っているものもあります。大きく育った株姿は、アート作品のようでとにかく美しいですよ。蒸れに弱いため、水やりのときに株の上から水をかけるのは避けるようにしましょう。梅雨や雨の続く時期に屋外で育てている場合は、雨が当たらない場所に移動させてください。
種類5
吉祥冠(きっしょうかん)
シンプルな見た目で昔からの定番の種類。ぱっと見では「雷神」? と思うかもしれませんが、個体差はあるものの、「吉祥冠」のほうが葉の色が青白く、鋸歯は茶色が強く焦茶色をしています。非常に強く育てやすい種類なので、アガべを初めて育てるという人にもおすすめです。
種類6
キュービック
注目してほしいのは葉の形状です。突然変異したといわれている葉は、他のアガべと異なり、葉が重なり合ったような独特な形状をしていて、葉裏に鋸歯があります。鋸歯とトゲが茶色く鋭いのも特徴。変わった見た目ではありますが、育てるのが難しいわけではないので個性的なアガべを探している人におすすめです。
種類7
ホリダ
メキシコ原産の「ホリダ」。「チタノタ」と同様にとても人気のある品種です。葉は薄めで細長い形をし、鋸歯が細かく縁取っています。その鋸歯は若いうちは茶色く、成長するにつれ白みがかった淡いグレーのような色へ変わるのも特徴的です。鋭いトゲがワイルドで、武骨さと美しさを兼ね備えたアガべです。
種類8
アテナータ
ぱっと見ただけでも他のアガべと違って、明るいライムグリーンの葉が広がり観葉植物っぽさが強いのが「アテナータ」。鋭いトゲや鋸歯がなく、木立した姿も特徴です。葉は柔らかめなため、折れやすいので移動のときは気を付けましょう。直射日光で葉焼けをしやすいので、強い日光は避けたほうがきれいに育ちます。
種類9
五色万代(ごしきばんだい)
葉のストライプが黄色と緑で5色に彩られていることが名前の由来とされている「五色万代」。「ロファンサ錦」とも呼ばれています。黄色い斑入りですが、栽培が難しいことはなく、昔からある強くて育てやすい定番品種です。子株で増やすことができます。アメリカからメキシコが原産。
種類10
マクロアカンサ
マットで青白く、細長い葉でシャープな印象の「マクロアカンサ」。メキシコが原産のアガべです。1番の特徴といえるのが、葉先にある鋭く太いトゲ。まるで削りたての鉛筆の芯のようなトゲをしています。都内では冬でも庭の簡易温室で越冬はできますが、霜が降りるような予報のときは室内に取り込んだほうが良いでしょう。移動させるときはトゲに気を付けてください。
かっこいいアガベを育てるために。知っておきたいポイント
インテリア性の高い見た目でかっこいい種類も多くあるアガべ。その引き締まった姿も、育て方次第で、間延びしたり葉が開いたりしてしまいます。ここでは水やりなど知っておきたい基本的な管理についてお伝えします。
ポイント1
水やりは土が乾いてからたっぷりと
アガべは毎日水やりをする必要はありません。乾燥気味に育てるほうが向いています。基本は土が乾いてから、鉢底穴から流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。「笹の雪」など種類によっては、湿度が苦手な種類もあるので、そのような種類は株の上から水をかけずに、水挿しなどで土に水をやるようにしてください。
ポイント2
置き場は日当たりの良い場所
屋内、屋外どちらで育てる場合も、日当たりの良い環境が望ましいです。可能ならば春から秋は庭やベランダなど屋外で育て、冬は室内へ取り込むのがおすすめです。ただし、5月以降真夏までは直射日光に要注意。強すぎる日差しは葉が焼けて傷みます。直射日光が強すぎる場合、屋外ならば遮光ネットを使ったり、室内ならレースカーテン越しに置いたり、窓から離したりと、対応が必要です。
ポイント3
健やかに育てるために欠かせないのが、風
日光、水と同様に大事なのが風です。風通しが悪い環境は病害虫の原因になります。屋外でも湿度が高く風通しが悪い場所は避けてください。室内の場合、こまめに換気をしたりサーキュレーターを使ったりして空気を循環させると良いでしょう。クーラーや暖房は直接風が当たりすぎないよう調整してください。
ポイント4
冬越しは寒さ対策が必須
寒さに強いアガベもありますが、霜に一度でも当たると傷んでしまいます。傷んだ部分は戻ることはありません。実際著者は油断して傷めてしまった経験があります。昼間は暖かくても朝晩は冷え込みますし、急に気温が下がることもありますので、ギリギリまで外に出さずゆとりを持って取り込むなどして冬を越すことをおすすめします。
ポイント5
子株はある程度育ってから株分けする
順調に育っているうちに、種類によっては子株が吹くことがあります。その場合、すぐには株分けず、ある程度育ってから分けましょう。株分けするときは無理やり分けるのではなく、株を傷付けないようやさしく行います。分けた株は新しい土に植えて、数日置いてから水やりをしましょう。また株分けの時期は冬は避けてください。春と秋の植え替え時に同時に行うのが良いです。
インテリアとも好相性。参考にしたいアガベの飾り方
武骨なルックスのアガベはそれ単体でもインテリアのアクセントになりますが、以下ではさまざまな観葉植物と合わせておしゃれに飾った好例をご紹介します。
インテリア例1
ショップのようなディスプレイは、ライトにひと工夫アリ
レールを上手に使い、壁にはビカクシダを飾り、シェルフにはアガべやサボテンなど、ジャンルを問わずに飾られたこちらは、まるで園芸店やインテリアショップのディスプレイのよう。ライトを活用して印象的に飾るだけではなく、植物専用のLEDライトを使用することで自然光が足りない場合の補助的役割も果たしてくれます。
インテリア例2
小物を使って高低差をつけて飾る
こちらもアガベやサボテンなど、さまざまな観葉植物をバランス良く飾った好例。シェルフの上に小さめの鉢を並べるとき、きれいに1列に並べるのも良いですが、雑貨を使って高低差をつけるとメリハリが出ます。背丈が低い植物の場合、高さを出すことで日当たりの確保ができるというメリットも。窓辺に飾るとき、窓ギリギリに配置すると窓の開閉時に鉢を落としたり、冬は寒かったりするので、シェルフやスタンドなどの雑貨をうまく利用して落下や寒さから守りましょう。
インテリア例3
挿し色のブラウンが映える、落ち着いたコーディネート
白、グレー、ブラックを基調としたクールな雰囲気のインテリアに、アガベやサボテンといった武骨な植物を配置。そこに流木などの雑貨、サボテンのトゲ、アガべの鋸歯のブラウンが入ることで、温かみが加わりグッとあか抜けた雰囲気に。鉢も素材感を生かしたものがよく似合います。
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チタノタ
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雷神(らいじん)
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王妃雷神錦(おうひらいじんにしき)
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笹の雪(ささのゆき)
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吉祥冠(きっしょうかん)
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キュービック
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ホリダ
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アテナータ
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五色万代(ごしきばんだい)
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マクロアカンサ
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