センスある大人は、北欧デザインの腕時計ブランドを持っている

センスある大人は、北欧デザインの腕時計ブランドを持っている

老舗が放つ威厳に満ちた腕時計は、大人垂涎の代物。だが、いかんせん簡単に手にできるものでもないだろう。そこでおすすめしたいのが、北欧デザインを落とし込んだ1本だ。

菊地 亮

2019.01.29

腕時計
北欧

スタイリッシュな北欧デザインで、腕元のクラスアップを

腕元に添える1本が、きらびやかな高級時計なら俄然ハクがつく。休日なら、シーンをわきまえた高性能なモデルも好ましいだろう。ただ、オン・オフで胸を張って身に着けられる万能な1本があれば、それほど心強いものはない。シンプルで合わせやすく、コストパフォーマンスにも優れ見た目もスマート。インテリアだけではない、北欧デザインの1本がいざという時の秘密兵器になる。

大自然と生活環境によって紡がれた“北欧デザイン”の歴史

北欧ブランドの腕時計に触れる前に、そもそも“北欧デザイン”とはなにか、という基礎を知っておこう。

元来、大自然と雪に囲まれてきた北欧諸国にとって生活の主戦場は屋内。必然的に快適な生活=室内生活レベルの向上に主眼が置かれ、手工業も盛んだった。そして高い技術を有する職人も多く生まれたのである。彼らが生み出すアイテムはシンプルながら機能的で美しいものばかり。その根底には自然素材を大切にする信念があった。

18世紀〜19世紀欧州の後進国エリアが手にした唯一無二の宝物

18世紀半ばからイギリスでおこった産業革命は、従来の生産システムや市場原理に大きな影響を及ぼした。ただ、後進国エリアだった北欧はその波にさほど影響を受けず、これまで培ってきた伝統技術と手作業の良さを継承。その結果、シンプルで温もりに溢れ、自然美の際立った独特なデザインが誕生し、語り継がれてきたのだ。

20世紀北欧デザインの繁栄とミッドセンチュリー

戦後、欧州各国は外貨獲得のため米国市場向けの家具などの輸出を開始。1950年代から巡回し始める「デザイン・イン・スカンジナビア展」の後押しもあり、北欧デザインが注目されるようになる。そして、近未来的で鮮やか、かつ人間工学に基づいたミッドセンチュリーなるスタイルが流行していた米国で広く受け入れられるようになった。

人物知っておきたい、20世紀の北欧デザインを代表するアルネ・ヤコブセン氏

ハンス・ヨルゲルセン・ヴェグナー氏にアルヴァ・アアルト氏など北欧デザインの大物は数多いるが、その先駆けと言える存在がデンマークデザインの父、アルネ・ヤコブセン氏。北欧デザインの原型を作ったとされる彼は、オックスフォードのセントキャサリンズ・コレッジ、ラディソンのロイヤルホテルといった建築物からセブンチェアに代表されるインテリアまで数多くの名作を生み出してきた。

1943年にデンマーク鉄道に正式採用された「ステーション」に代表されるように、アルネ・ヤコブセン氏の作品には、彼が手掛けた建築物と合わせて製作したウォールクロックも決して少なくない。この原型となった“ローマン”もその1つで、もとは1942年に手掛けたデンマーク市役所のウォールクロックとしてデザイン。それを、腕時計へとフィードバックしたものだ。以降、北欧デザインの時計におけるベーシックとして君臨し続けている。北欧腕時計ブランドとその歴史を語るうえで、氏の名前は知っておいて損はない。

迷ったらここ。北欧の腕時計ブランドと人気モデル

北欧らしいシンプルかつスタイリッシュな腕時計のなかでも、とくに大人の男性が選びたくなるような語れるブランドを5つ厳選。ルックスや機能だけではなく、北欧らしいストーリー性あるデザインのバックグラウンドやテーマにも着目してほしい。

▼ブランド1:端整な顔立ちのなかに高い品質が同居する『ベーリング』

デンマークで誕生した『ベーリング』の魅力は、腕時計としてのクオリティの高さ。高級時計にも使われる素材を使用したり、信頼の日本製クォーツや機械式駆動を導入したりと本格的な作りに力を入れている。そこに北欧らしい、秀逸かつ繊細なデザインが合わさった北欧腕時計の代表格だ。

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モデル111739-727

『ベーリング』の高品質を味わえるフルチタンコレクションの1本。スペースシャトルなどにも用いられるチタン素材により、見た目の重厚感とは裏腹に72gという圧倒的な軽さを実現。同素材の採用により耐久性や耐腐食性・耐熱性にも優れているうえ、シンプルで視認性の高いフェイスデザインで実用性も抜群だ。オン・オフの汎用性に長けた上品なブラック×ブルーカラーなら、スーツの腕元にも馴染み良い。

モデル216243-000

海外でも評価されている、日本のミヨタ製ムーブメントを搭載した機械式モデル。ホワイトフェイスにバーインデックスとスモールセコンドという北欧らしいシンプルな佇まいながら、気品あふれるミラネーゼブレスや存在感のある43mm径ケースで腕時計らしい機械感を味わえる仕上がりに。裏蓋はシースルーバッグで機構の動きを楽しむことができる。

モデル313436-564

北欧らしい、極めてシンプルなデザインを貫いたペアコレクション。ダークブラウンとローズゴールドのコンビは男女ともに着用シーンを選ばず、コーデにも取り入れやすい色合いだ。また、シンプルなルックスのなかにもドーム型にしたサファイアガラス、華奢なバーインデックスなどクラシカルなディテールを取り入れたことで、アンティークな雰囲気を持つ大人のペアウォッチに仕上げられている。

▼ブランド2:『スカーゲン』

ブランドの設立は1992年。"デザインの美しさと品質の高さは、必ずしも高価である必要はない"というコンセプトのもと、これまでにない斬新かつスタイリッシュなデザインによりここ日本でも北欧腕時計ブームの火付け役として受け入れられた。まるでモダンな建築物のような、センスあふれる洗練された雰囲気は『スカーゲン』ならでは。スマホとの連動可能なスマートウォッチも発表するなど技術面の躍進にも余念が無く、今後の取り組みにも注目したいブランドだ。

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モデル1ANCHER

デンマークデザインを象徴するようなミニマルかつ繊細な定番モデル。アラビアインデックスを用いたベーシックなクロノグラフながらも、小ぶりなケースや丸みのあるフォント、上品なネイビーグラデーションフェイスによりスタイリッシュな雰囲気を漂わせる。クロノグラフながら、腕馴染みの良い37mm径と存在感を抑えたプッシャーにより、ミニマルな出で立ちに収まっている。オンでもオフでも手元のセンスアップにひと役買う、北欧的ファッショナブルウォッチだ。

モデル2JORN

シックなケースデザインをベースに構築されたシリーズ「JORN」の中で、もっともスタイリッシュな1本。オールブラックウォッチといえばゴツめな印象になりがちだが、必要最小限の装飾だけにすることで北欧らしい洗練されたイメージを携えている。メッシュタイプのベルトを採用することで、品の良さもアピール可能だ。

モデル3HYBRID SMARTWATCH HALD CONNECTED

スマートフォンと連動して日時の調整や活動量計、着信などの通知を表示してくれるハイブリッドスマートウォッチシリーズの新作。充電式ではなく、自分で電池交換も行える電池式というのも腕時計らしさが残っていて魅力だろう。いちいちスマートフォンと並べて充電をする必要が無いというのもうれしいポイントだ。『スカーゲン』らしい北欧的で繊細なルックスに最新テクノロジーを搭載した話題のモデルだけに、押さえておいて損はない。

▼ブランド3:北欧腕時計ブランドの急先鋒、『エルラーセン』

『ラースラーセン』と聞くと、知っているという方もいるかもしれない。現在では、『エルラーセン』という名前で販売されている。

デンマークで2012年より一貫して製造している、新進気鋭の同ブランド。2016年に日本に上陸後、瞬く間に業界関係者や腕時計マニアたちに注目され話題になった。今もっとも勢いのあるブランドの1つで、新しく北欧腕時計を探すなら候補に入れておいても良いだろう。

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モデル1LW22

北欧腕時計としては珍しい、厚みのあるガラスと42mmというミディアムレンジのケースサイズを持つ「LW22」。美しい曲線を持つケースやシンプルなバーインデックス、ブラックに近いダークブラウンの天然ヌメ革ベルトにより、腕元でクラス感を演出してくれる。着こなしの格上げを図るなら、ぜひともおすすめしたい大人のための1本だ。

モデル2LW33

デンマーク由来のモダンなデザインと国旗カラーでもあるレッドの差し色で、ゴージャスすぎず普段使いしやすいクロノグラフ。デザイン性だけでなく、タキメーターや10気圧防水、ミヨタ製のクォーツムーブメントを採用するなど機能性をとっても本格的な仕上がりとなっている。北欧腕時計のなかでも珍しい、北欧的解釈を載せた本格スポーツウォッチだ。

モデル3Christopher×ふぶき

『エルラーセン』を代表するミニマルモデルである「LW32」。そのストラップに徳島の阿波藍を使用し、京都の呉服職人によって藍染めされたSUKUMOレザーを採用したエクスクルーシブモデル。京都の水で染め上げた天然本藍染めならではの透明感のある色みや独特なソフトな風合い、優しい肌触りが魅力的な遊び心のあるカジュアルウォッチだ。

▼ブランド4:巨匠の魂とデザインを継承する『アルネ ヤコブセン』

『アルネ ヤコブセン』はモダン様式を代表するデンマークの建築家であるアルネ・ヤコブセン氏の手によるトータルデザインブランド。ほかと大きく異なるのは、腕時計だけでなく壁掛け時計や置き時計にも統一された独特なデザインを施している点。建築家でもあり、デザイナーとしても辣腕を振るった氏のたぐいまれな感性は、今なお腕時計の上で息づいている。

モデル1BANKERS

「BANKERS」は、ヤコブセン氏がデザインしたデンマーク国立銀行内のオリジナルクロックを基に再現されたモノ。一見細長い棒状に見えるインデックスは実は12個のブロックで構成されており、これにより文字盤の上にオウムガイの断面図を思わせる黄金比を落とし込んでいる。デザインアクセントとして映える赤いドットも含め、氏ならではの個性的なアートワークが光る。

モデル2STATION

スタンダードなアラビア数字を用いた、親しみやすいデザインの「STATION」。当時のヨーロッパでは珍しい視認性を意識したデザインが高く評価され、デンマーク国内の駅をはじめとする公共の場に採用されていたことからこの名が付けられた。デンマークデザインの雄がこだわりぬいた“普通”のデザインは、70年以上たった現在でも普遍的な1本として愛されている。

モデル3ROMAN

「ROMAN」はそのネーミングのとおり、ローマン数字を大胆にレイアウトしたインデックスと、「ランス」と呼ばれる槍型の時分針により、クラシカルでエレガントな雰囲気を醸し出す1本。やや斜めから見るとよりわかる、すり鉢状に緩やかな弧を描く独特な文字盤のフォルムなど、ヤコブセンクロック特有の構造が腕時計にも見事に再現されている。

▼ブランド5:異素材による異端。デザイン性の高い『トリワ』

スウェーデンの首都・ストックホルムで生まれた『トリワ』は、美しい街の情景を映し出したような繊細なデザイン性がポイント。モデルごとにイメージが掲げられており、色や風合い、ケースデザインにまでこだわりをのぞかせる。北欧ブランドには珍しく、べアセテート素材のケースや複数色を取り入れたストラップなど個性的なルックスを有している。その造形美から女性からの支持も高い。

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モデル1NEVIL

『トリワ』の定番シリーズである「NEVIL」のクラシッククロノグラフは、その落ち着いた印象が大人向け。光沢感を抑えたマットなステンレススチールケースやダークグレーの文字盤、そこに研磨仕上げされたゴールドのインデックスがアクセントとして機能している。また、ベルトにはエルメスにも皮革製品を供給している高級皮革会社TARNSJO(ターンショウ)社製のオーガニックレザーを採用。シンプルながらも高級感にあふれた1本だ。

モデル2FALKEN

大空を舞うファルコンの翼のラインの滑らかさと鋭さからインスピレーションを受けた「FALKEN」。男女問わず使用できる38mm径と、薄くエッジの効いたラグを組み合わせたスマートさで母国スウェーデンでも支持されている。この「MIDNIGHT FALKEN」と名付けられたオールブラックモデルは、よりスタイリッシュでファッショナブルな腕元を演出してくれる。

モデル3『スクルツナ』別注 SKUL104

スウェーデンを代表する王室御用達の老舗真鍮ブランド、『スクルツナ』との400本限定コラボモデル。最たる特徴は、真鍮ならではのマットな質感や、経年変化による風合いを楽しむことができるケース。また、ムーブメントには自動巻きを採用しており、シースルーバックの裏蓋など機械式腕時計としても楽しめる作りになっている。

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