
こなれた男はスウェットもオーバーサイズ。選びの作法とおすすめを紹介
久しぶりに袖を通す大人が続出中のスウェットシャツ。狙い目は、時代感を味方につけられるオーバーサイズの1枚です。これまでとは違う、選びの作法と頼れる秀作とは?
スウェット1枚でも、説得力。オーバーサイズを選んでコーデ巧者に
今シーズンのトップスの主力を担ってくれそうな服といえば、筆頭株はスウェットシャツ。なんといっても、トップスとしての立ち位置が絶妙なんです。ロンTの延長で着られる気楽さがありつつも十分な温かさを得られ、セーターほど洗濯に気を使わないイージーケアな点も魅力。加えて、その服としての気楽さがリラックス感を重視する昨今のおしゃれマナーにもしっくり馴染んでくれます。久しぶりに袖を通したいという思いに駆られる大人が続出するのも、ある意味当然です。とはいえ、どうせなら時代感にも配慮したモノ選びを行いたいところ。ということで、時代の気分を追い風にしてスウェットを着るのであれば、やはりオーバーサイズに照準を定めるべきでしょう。
オーバーサイズが今どきのスウェット選びの絶対条件ではありますが、他のビッグシルエット系の服と同様に、だらしない印象やあか抜けない印象に傾かないための用心深さは必要不可欠です。ということで本記事では、そんな落とし穴に落ちないようにするためのアイテム選びと着こなしの作法を取りまとめてみました。いくつかの要点さえ押さえて選べば、旬な装いを完成させるインナーとして戦力になってくれるだけでなく、1枚でもサマになるコーデの主役となってくれること請け合いです。
オーバーサイズスウェットを手堅く着こなすなら、注意すべきはこの2点
スウェットをオーバーサイズで着こなすときに留意したいのは、サイズ感と生地の厚さ。必要以上にボリューミーになってしまうのを回避したうえで、リラックスした印象を味方につけるためのコーデのポイントをご紹介します。
ポイント1
肩は大きく落としつつ、丈は股上を心がけるべし
ただ単にサイズアップして選んだスウェットは、どうしても着丈まで長くなりだらしない印象になりがちです。そんな過ちを犯さないよう、肩線は思いっきり落として着られるサイズ感でありながら、着丈は股上くらい(お尻が隠れる寸前くらい)のレングスを選ぶのがベターです。もちろん昨今のオーバーサイズスウェットは、こうした着丈バランスを補正されたものが多いので失敗するリスクは低め。しかし念には念を入れて、試着や採寸によるサイズ合わせは必ず行ってからの購入が賢明です。
ポイント2
マッチョ見え注意。生地の厚さはほどほどで
スウェット自体の生地厚はヘビーウェイトが好まれる昨今ですが、分厚過ぎると肩周りや腕周りにボリュームが出過ぎて、意図せずマッチョ見えしてしまう恐れがあります。必要以上にゴツ見えしてしまうと、余程の上級者でもない限りおしゃれ感がスポイルされてしまいがち。なので、生地厚は程良い厚さ~やや薄手でハリのあるものを選ぶか、肉厚でも柔らかでとろみのある素材感のものを選ぶのが得策です。
あくまで上品な空気を演出したいなら、ハイネックという選択肢も
ただでさえカジュアルなスウェットをオーバーサイズで着ることに、どうしても抵抗があるという人もいるかもしれません。その場合は、襟ぐりがモックやタートルといったハイネック仕様になったものを選んでみましょう。これなら、スウェット特有の力の抜けた雰囲気を打ち消さない絶妙な塩梅で品良く見せることが可能。ルーズ見えの心配もなく、きれいめにさえ見えるスウェットスタイルが叶います。
洒落者たちに学ぶべし。オーバーサイズスウェットの着こなしサンプル
オーバーサイズスウェットは、1枚でコーデを完成させる力量がある一方、インナーとしての戦力も極めて強力。持ち味を生かした着こなしのポイントを、スタイルサンプルとともにご紹介します。
コーデ1
極太チノと合わせて、存在感ある今どきアメカジに
たっぷりしたシルエットのスウェットは、それだけで存在感があります。なので、この写真のようにチノパンに合わせるだけのシンプル極まりないコーデも、絵になる装いに仕上がります。ちなみにチノパンは、スウェットのボリューム感に負けないくらいの極太シルエットを合わせてあげると、時代感を味方につけた今どきのアメカジスタイルに仕上がります。
コーデ2
派手色スウェットで、コートのコンサバ見えを回避
たっぷりとしたサイズ感に加え、色使いもインパクトのあるスウェットはインナーとしても使い勝手良好。このコーデのように、ビッグシルエットのコートの中に仕込んであげれば、コンサバ感など微塵も感じさせない大人カジュアルに落とし込めます。こうした冬の挿し色をニットで行うのはもはや当たり前ですが、スウェットだからこそ新鮮さを印象付けることができます。
コーデ3
スポーティさ溢れるハーフジップで、セットアップ姿を新鮮に
こちらは同じスウェットでも、ハーフジップ仕様のモノを取り入れたコーデ。ハイネック特有の品の良さがセットアップにすんなり溶け込んでくれるのは、言わずもがなです。それでいてスウェット特有の力が抜けた雰囲気が、Vゾーンにリラックス感をもたらしています。ちなみにスウェットもジャケットもオーバーサイズなので、重ね着も違和感なく行えています。
色もディテールも多種多様。今季検討すべきオーバーサイズスウェットのおすすめ10枚
オーバーサイズスウェットの戦力分析が完了したら、この冬のおしゃれの戦力増強として1位指名すべきスウェットを選ぶステップへ。安心安定の決め球となるクルーネックから、頼りになる変化球として持っていたいハーフジップまで、即戦力候補を集めました。
1着目
『ロサンゼルスアパレル』14オンス ヘビーウェイト クルーネック プルオーバースウェット
アメリカ製にこだわったブランドによる1枚。14オンスという肉厚なボディながらふわりと軽やかな生地感に定評があり、裏毛仕様なので保温力も申し分なし。肩幅や身幅にゆとりを持たせたボックスシルエットを採用する一方、着丈は長過ぎないバランス(XLでも着丈は69.5cm)なので、サイズアップして選んでもルーズに傾く心配なく着られます。
2着目
『ナノ・ユニバース』ビッグクルーネックスウェットシャツ
1935年に創業し、日本のスウェット産業を支えてきた「久米繊維工業」とコラボした本作は、同社が得意とする柔らかかつ軽量な丸胴スウェットを採用。ベースとなったモデルではゆったりとしている襟ぐりを首に沿うような設計に変更し、クリーンな印象にアレンジしています。また、袖口や裾周りのリブは、インラインよりも幅広にデザイン。アクセント効果を高めつつ、袖まくりもキマるデザインに仕上がっています。
3着目
『フリークスストア』12オンス ヘビーウェイト ビッグシルエット タートルネックスウェット
秋冬における定番としてリピート購入が後を絶たないハイネックスウェットが、新色を引っ提げて今季もお目見え。思い切ったドロップショルダーで、袖も身頃もたっぷりとしていますが、高過ぎず低過ぎもしないハイネックと短めの着丈バランスのおかげで品良く着こなせます。ソフトな裏毛ボディはかなり地厚ながら、ポリエステルを22%混紡しているので、洗濯後に乾きにくいというヘビーウェイト特有のお悩みも解消済みです。
4着目
『カーハート WIP』チェイス ネックジップ スウェットシャツ
ヴィンテージ風味のフロントジップや左袖の“C”ロゴ刺繍で、『カーハート』らしさを印象付けられるハーフジップ仕様。コットン58%、ポリエステル42%の混率を採用した裏毛スウェットは厚手ながら非常に軽く、イージーケアな点も魅力です。単品で着たときのアクセント効果が期待できるカンガルーポケットは、ハンドウォーマーとしての使い勝手も良好。
5着目
『チャンピオン』×『アーバンリサーチ』リバースウィーブ11.5オンス モックネックスウェット
スウェットの代名詞である『チャンピオン』のリバースウィーブスウェットを、旬のモックネックに落とし込んだ1着。左胸のロゴ刺繍はあえて排除し、モックネックならではのすまし顔を十分に享受できる気の利いたモデルに仕上がっています。ボディはインラインにはないオリジナルパターンを採用しており、程良いドロップショルダーと落ち感のあるシルエットを楽しめます。
6着目
『トゥモローランド』ハイツイスト コットン ビッグプルオーバー
本作を特徴づけるほんのりと光沢が浮かぶハリのあるボディは、強撚糸で毛羽立ちを抑えたハイツイスト生地を採用したもの。アームホールをたっぷり取ったドルマンスリーブ風のシルエットも特徴で、丸首のスウェットながら頭一つ抜けた上品さを味方につけられます。
7着目
『ビームス』フェード ルーズシルエット スウェット
Mサイズでも身幅が61cmというゆったりシルエットを描いた本作は、特殊な後加工によって表現した色褪せ感のある配色が印象的。太番手の糸を度詰めで編み立てた生地だからこそ映える加工により、そのやさしい風合いからも癒やしを感じられます。ブランドを主張する意匠をそぎ落としたミニマルな作りゆえ、セットアップやきれいめなパンツにも無理なく自然に合わせることが可能です。
8着目
『キャル オー ライン』ベンテッドスウェット
なぜ、ベンデットという言葉がアイテム名に含まれているのか。その答えは、後ろ身頃の上背部がトレンチコートのように二枚仕立てになっており、そこから通気を行えるというユニークな作りだから。スウェットシャツには珍しい胸ポケットも付いており、前から見ても後ろから見ても違いを印象付けられます。
9着目
『ナナミカ』スウェットシャツ
本作は、生地の表面に糸の製造過程で生まれる落ち綿を再利用した糸を用いた、エコ意識の高い作りが特徴。さらに裏面には、体が発する遠赤外線を利用して保温効果を発揮する光電子スパンポリエステルを使っており、冬場における頼り甲斐も十分です。加えて縫い代が当たるストレスを解消したフラットシーマーを採用するなど、快適さに対するこだわりも満載。
10着目
『タトラス』ドフロ
ジャカード織りによる編み柄が目を引く本作は、肩線を少し落とし、身幅にもゆとりを持たせた程良いオーバーサイズ感が絶妙。ビッグシルエット過ぎるスウェットに苦手意識を持つ人でも、抵抗なく着られる仕上がりです。生地の組成は、ポリエステル74%に綿26%を混紡した軽やかなもの。ふっくらと厚みがありながら、ストレスを感じることなく着られます。
この記事の掲載アイテム一覧(全9商品)
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『ロサンゼルスアパレル』 14オンス ヘビーウェイト クルーネック プルオーバースウェット
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『ナノ・ユニバース』 ビッグクルーネックスウェットシャツ
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『フリークスストア』 12オンス ヘビーウェイト ビッグシルエット タートルネックスウェット
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『カーハート WIP』 チェイス ネックジップ スウェットシャツ
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『チャンピオン』×『アーバンリサーチ』 リバースウィーブ11.5オンス モックネックスウェット
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『ビームス』 フェード ルーズシルエット スウェット
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『キャル オー ライン』 ベンテッドスウェット
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『ナナミカ』 スウェットシャツ
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『タトラス』 ドフロ
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