
“窓”を愛でる。ハオルチアのおすすめ10種と育て方のポイント
マットな質感、透き通った葉に、タワー型から扇状など個性豊かなシルエットで人気が高い多肉植物のハオルチア。おすすめの品種、育て方や植え替えについてご紹介します。
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個性的なルックスと丈夫で育てやすさが魅力のハオルチア
ハオルチアは南アフリカが原産の多肉植物です。歴史深い植物で1800年初頭まではアロエの仲間でしたが、後にハオルチア(ハオルシア)属になりました。アロエとは異なり、手のひらに収まるくらいのコンパクトなサイズ感のものがほとんど。ハオルチアの特徴といえば、「窓」と呼ばれる透き通った葉面です。これは地面に埋まった状態でも日光を効率良く取り込むためのものなんですよ。
葉の先が透き通っているもの、不思議な模様があるもの、塔や扇子のようなシルエットのものなど、ハオルチアは種類が多く、どれも個性的なルックスなのが魅力。葉をスパッとナイフで切った切り口のような「万象(まんぞう)」、開いた扇子のような「玉扇(ぎょくせん)」などユニークなものも揃います。種類の多さと、家庭でも育てやすいこともあり愛好会が多く、人気の植物なんです。
軟葉系と硬葉系に分けてご紹介。育てやすいハオルチアの10品種
とにかく種類が豊富なハオルチア。ここでは「軟葉系」と「硬葉系」に分けて比較的手に入りやすくて育てやすい種類をおすすめとしてピックアップしました。
▼軟葉系のハオルチア
葉の先端や上部に日光を取り込むための透き通った窓部分があり、柔らかい葉をしている「軟葉系」。ふっくらとしたものから、どっしりとした雰囲気、紫色っぽいものなどさまざまなラインアップに注目を。
種類1
オブツーサ
ハオルチアの定番中の定番といっても過言ではないのが「オブツーサ」。和名では「雫石(しずくいし)」といいます。まさにその和名の通り、ふっくらとした葉の先端は透き通っていて美しく、窓の透明度が高いので、光にかざすとキラキラと輝きます。この美しさに心奪われる人も多いはず。繊細そうな見た目ですが、丈夫で育てやすい種類ですよ。
種類2
紫オブツーサ
こちらもオブツーサですが、葉色に注目を。緑というより紫がかっているものが「紫オブツーサ」です。日光量によっては紫に見えない場合もありますが、日光によく当てることで紫色が強くなる印象です。個体差がありますが、窓の透明度はやや曇っています。
種類3
ベヌスタ
薄い葉を幾重も重ねたような姿の「ベヌスタ」。葉先の窓がふわふわとした白銀色の産毛で覆われているのが特徴です。コロンとした小型の姿といい、まるで粉砂糖がまぶされた洋菓子のよう。葉先はシュッと尖っています。冬は環境によってはうっすら紅葉することもありますよ。
種類4
ボルシー
薄くて細長い葉にレースを重ねたような姿が印象的な「ボルシー」。葉の縁にはギザギザとした鋸歯(きょし)、先端にはノギ(鋸歯より太く先端にある毛状態の部分)があります。この鋸歯とノギは空気中の水分を取り込むための部位とされ、トゲではないので触っても痛くありません。
種類5
竜鱗(りゅうりん)
シャープな葉先をした大ぶりな葉で、軟葉系の中でもかっこいい印象の「竜鱗」。窓部分に独特な網目模様がかかっているのが特徴です。小さな窓がいくつもあるようにも見えるユニークな品種で、秋以降は紅葉も楽しめます。子株もよく出て丈夫で育てやすい品種です。
▼硬葉系のハオルチア
ここでは「硬葉系」のハオルチアとしてご紹介しますが、数年前から「ハオルチオプシス属」と「ツリスタ属」に分離されました。軟葉系とは異なり、硬い表皮で色も濃くザラザラ、ゴツゴツと鮫肌のような質感や、不思議な模様があるものなど個性豊かな種類が多く揃います。
種類6
ビスコーサ
塔のような姿とざらついた肌感が特徴的な「ビスコーサ」。成長はゆっくりですが、どんどん上に伸びて子株を出し群生していきます。子株は増えやすいので、ある程度の大きさになったら外して育てるのも良いでしょう。水やりを少なめにし、よく日光に当てることで濃い緑色の締まった姿になります。
種類7
鬼瓦(おにがわら)
ハオルチオプシス属の「鬼瓦」。爬虫類を彷彿とさせるゴツゴツとした肌質と濃い深緑色の葉がワイルドでかっこいい品種です。葉は他の種類よりは大ぶりで存在感満点。螺旋を描くように葉が重なり合い成長し、子株を出して増えていきます。渋めの多肉植物が好みの方におすすめの品種です。
種類8
ニグラ
ザラザラした質感の肉厚な硬い黒い葉をした「ニグラ」。こちらは、ハオルチオプシス属の植物です。この武骨さに魅了される人が多く、非常に人気が高い品種です。成長がゆっくりな小型種のため、じっくりと成長を楽しみたい人にもおすすめ。日光が不足していると間延びしてしまうため、たっぷり日に当ててください。水やりは控えめのほうが締まったかっこいい株に育ちます。
種類9
十二の巻(じゅうにのまき)
ハオルチオプシス属に属する「十二の巻」。縦長の濃い緑色の葉に白い縞模様が入ったユニークな見た目が特徴です。多肉植物の中でもとてもポピュラーで非常に丈夫な種類なので、初めて植物を育てる人やギフトにもおすすめ。成長はゆっくりですが子株はよく出ます。
種類10
天使の泪(てんしのなみだ)
キャッチーな名前と楕円型の白い模様、縦に入るラインが特徴的な「天使の泪」。「冬の星座」と「天守閣」の交配種とされています。本記事でご紹介したものの中では比較的レアな品種です。コンパクトな作りと美しい模様が映える葉で愛好家の間でも支持されています。
初心者でも難しくない。 ハオルチアを育てるポイント
個性的な形や繊細そうな見た目のものが多いハオルチアですが、育て方はそこまで難しくはありません。基本的なことを押さえておけば、健やかに育ち、長く楽しむことができる植物です。置き場や季節ごとの管理方法などをまとめました。
ポイント1
日当たりは強すぎより、やさしい光が好み
直射日光を避けた明るい場所が理想です。特に初夏から夏の日差しは要注意。強い日に当て過ぎると葉焼けの原因になります。一度葉焼けしてしまうとその部分は戻りませんので気を付けましょう。逆に日光不足の場合は、葉が間延びします。ひょろっとしてきたら日光不足の可能性があるので、置き場所を変えてみてください。
ポイント2
水やりは土が乾いてから
ハオルチアの水やりは、他の多肉植物と同様に土が乾いてから鉢底穴から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。春と冬は頻度を減らして控えめに。受け皿に水を張り、鉢を浸けて鉢底から水を吸わせる底面給水をする方法もあります。植え替え後は底面給水ではなく普通の水やりをしてください。
ポイント3
こんなときは植え替えのサイン
植え替えのサインはいくつかあります。水やりをしたときに、水はけが悪い場合は土が古くなっているので新しい土に変えたほうが良いでしょう。他にも鉢底穴から根が見えている場合も植え替え時。そのままにしておくと根詰まりの原因になります。しかし、これらのサインがあっても冬の植え替えはできるだけ避けてください。休眠期が終わるくらいに植え替えをして、成長期になったとき新しい土でスタートできるのが望ましいです。
ポイント4
成長期は春と秋。夏と冬はお休みで
ハオルチアは夏の暑さと冬の寒さは苦手で休眠期になるため管理方法が変わります。休眠期の水やりは、月に1回程度控えめに。夏は夕方以降の涼しい時間帯に、冬は暖かい日の気温の高い昼間に水やりをしてください。置き場は夏は涼しい半日陰、冬は暖かい窓辺が向いています。どちらも風通しの良い環境が好ましいです。
ハオルチアの窓を透明に保つには?
軟葉系のハオルチアの葉にある「窓」。できればこの透明感をいつまでも保っていたいですが、栽培する環境や、管理次第ではやや曇ることもあります。何が正解かはっきりしたことはわかりかねますが、冬に寒さに当ててしまうと白濁することがあります。きれいに育てるには、風通しと適度な日光が重要なのは確かです。ベストな環境を探してみてください。
ハオルチアは2~3年に1回、植え替えをしましょう
そもそも植え替えとは、鉢を大きくして根詰まりを防いだり、土を新しく入れ替えたりするために行います。ハオルチアの植え替えは2~3年に1回程度で、時期は4~6月と9~10月がベストです。植え替え時に土が湿っていると、土を崩しにくいので乾いている状態が理想的。植え替えをする前は水やりは控えて土が乾いてから行うようにしましょう。以下では手順を簡単に説明します。
手順1
鉢からやさしく抜いたら根の状態を確認
鉢からハオルチアを抜くときは上からつかんで引っこ抜くのはNG。株をやさしく手で包むように支え、鉢を徐々に横にして抜きます。根が長く、混み合っている場合は古い根を整理しましょう。このとき太い根は傷つけないよう注意を。また、ネジラミが付いていないかもチェック。白い点々としたものが付いて甘い香りがする場合はネジラミの可能性があるので、薬剤を使い対処してから植え替えをしましょう。
手順2
土は水はけの良いものを。専用の土が手軽です
ハオルチアの土は市販の多肉植物・サボテン専用の土を使うのが手軽でおすすめです。最近では生産者が植物に合わせてブレンドした土や、専門店がオリジナルの土を作って販売しています。ハオルチアは乾燥地帯が原産なので水はけの良い土が適しています。
手順3
鉢底に鉢底ネットと鉢底石を入れる
鉢底にある穴から土が漏れないように鉢底ネットを敷きます。その上に鉢底ネットが隠れる程度の鉢底石を入れます。鉢底石は排水性を良くするために入れるので、鉢底石の代わりに中粒くらいの粒の大きい赤玉土を使ったり、大きめのパーライトを使用したりしてもOKです。
手順4
隙間に土を入れて全体を整える
鉢のサイズに合わせて、少し土を入れてから苗を入れ、隙間を土で埋めていくように植えていきます。割り箸など細い棒を使って馴染ませていくとやりやすいですよ。ただし、根や葉を傷つけないようにやさしく扱ってください。土は鉢の上まで入れず、縁より少し下くらいの部分まで入れます。お好みで上に化粧砂を乗せても◎。
手順5
水やりはすぐはしない。1週間程経ってから
土を鉢に入れて完成したところで水やりをしたくなりますが、すぐにはしません。植え替え時に根や古い葉を取った場合、濡れることでそこから傷んでしまうことがあるのです。切り口が乾いてから水やりするほうが傷むリスクは少なくなります。ハオルチアは葉に水分を蓄えているので、数日水やりをしなくてもすぐに枯れるようなことはないのでご安心を。
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オブツーサ
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紫オブツーサ
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ベヌスタ
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ボルシー
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竜鱗(りゅうりん)
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ビスコーサ
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鬼瓦(おにがわら)
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ニグラ
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十二の巻(じゅうにのまき)
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天使の泪(てんしのなみだ)
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