
パキポディウムは塊根植物の代表格。その人気種や育て方のポイントとは?
どっしりとした佇まいでかっこいい、とファンを増やしている塊根植物のパキポディウム。その人気はブームではなく、いちカルチャーとして根付いてきています。
塊根植物の中でも特に人気の高いパキポディウム
パキポディウムはマダガスカルや南アフリカが原産のキョウチクトウ科の植物です。株元がぽってりと太くトックリのような姿だったり、縦に長かったり、とにかく個性的な姿の種類が多くインテリア性も高いことから人気があります。武骨な見た目とは裏腹にかわいらしい花をつけるというギャップも魅力のひとつでしょう。花色は種類ごとに違い、黄色や白が多いです。
ここ数年では輸入株ではなく、国内で実生(みしょう:種から育てて栽培すること)した株も出回っています。数センチのサイズ感なので、ぱっと見た感じでは個体の特徴をつかみにくいかもしれません。最初から国内で育っているため、日本の環境に馴染んでいることもあって、輸入株よりは育てやすいと思います。小さいころからの成長を見ていると愛着も湧いてきますよ。
個性的なパキポディウムは、部屋でもよく映えるんです
インテリアグリーンとしても人気のパキポディウム。普段は外で育てつつ、大切な株をじっくり部屋で愛でたいときは、おしゃれに飾って楽しみましょう。
窓際に並べた植物に注目。鉢の色や素材、トーンを同じものでまとめることで統一感のある空間を作っています。黒などモノトーンの鉢はパキポディウムの葉色が際立つのでおすすめです。鉢の型やスタンドを使ってメリハリをつけても◎。
お気に入りの鉢にパキポディウムを仕立て、オブジェなどと合わせて飾るのも素敵。ドライフラワーなどとも相性良く飾れます。またクロスを敷いてその上に飾るのもおすすめ。クロスを変えるだけで印象が変わるので、鉢を植え替えることなく雰囲気を変えることができます。
種類豊富なパキポディウム。愛でたくなる人気9種
ここでは数あるパキポディウムの中でも人気でメジャーなものをピックアップしました。種類によっては丈夫で育てやすい種類もあります。見た目で選ぶも良し、育てやすさで選ぶも良し。好みの種類を探す参考にしてください。
種類1
パキポディウム・グラキリス
マダガスカル原産の「グラキリス」。和名で「象牙宮(ぞうげのみや)」とも呼ばれます。塊根植物(コーデックス)の代表格的存在で、人気のあるパキポディウムでもあります。ぽってりと膨らんだ基部の上部から短めのトゲのある幹が伸びて細長い葉をつけます。そして鮮やかな黄色い花を咲かせます。成長期は夏です。
種類2
パキポディウム・ホロンベンセ
「ホロンベンセ」の特徴は、他のパキポディウムの花と比べて、大きめでベルのような姿の黄色い花が咲くことです。また、太く短いトゲがびっしりと肌を覆っています。寒さには弱いほうなので10度を切る前には暖かい場所へ移動することが望ましいです。成長期は夏。
種類3
パキポディウム・サンデルシー
パキポディウムを初めて育てるという人にもおすすめなのが「サンデルシー」。パキポディウムの中でも特に丈夫で、寒さにも比較的強いほうです。別名「白馬城」とも呼ばれています。白みがかった幹には鋭いトゲを持ち、カールした葉も特徴です。花の色は白色で、晩夏から秋にかけて開花します。
種類4
パキポディウム・ラメリー
やや緑がかった幹肌にびっしり生えたトゲが特徴的な「ラメリー」。他のパキポディウムに比べると成長が早く、縦に伸びるように成長します。丈夫な品種なので観葉植物初心者でも育てやすいです。日光不足になると先端が細く弱々しい印象になるので、できるだけたっぷり日に当てて育てましょう。
種類5
パキポディウム・ブレビカウレ(恵比寿笑い)
まるで大きな石のようなユニークな株姿で人気のパキポディウムです。種から育ち、株が小さいときはそれほど扁平ではありませんが、平べったく大きく育っていきます。とても成長がゆっくりなので、気長にじっくりと育てたい人に向いています。黄色い花が咲きます。
種類6
パキポディウム・イノピナツム
パキポディウム・ロスラーツムの変種が「イノピナツム」。個体差もあるとは思いますが、肌が白っぽく、トゲも短めで白い花が咲きます。寒さには強いほうですが、湿度が苦手です。ちなみに、「Inopinatum(イノピナツム)」とはラテン語で「意外」という意味。
種類7
パキポディウム・バロニー
パキポディウム属に最初に分類されたのが「バロニー」です。マダガスカルが原産。花の色はパキポディウムの中では珍しく、鮮やかな赤い花を咲かせます。表皮にはしっかりとした大きめのトゲがあり、また他のパキポディウムと比べて葉が大きいのも特徴の1つ。成長するにつれて基部はトックリ状に育っていきます。
種類8
パキポディウム・ウィンゾリー
バロニーの変種とされているのがこの「ウィンゾリー」。バロニーと同様にパキポディウムでは珍しい赤い花が咲きます。バロニーと比べると全体的にコンパクトで、基部がふっくらどっしりしたトックリのようなシルエットになりやすいです。バロニーより枝は分岐しやすいのも特徴。比較的成長はゆっくりなので、じっくり育てて赤い花を愛でたい種類です。
種類9
パキポディウム・恵比寿大黒
パキポディウム・デンシフローラムとブレビカウレ(恵比寿笑い)の交配種が「恵比寿大黒」です。そのため「デンシカウレ」という名前でも流通していることもあります。背が低くどっしりとした印象ですが、交配種のため個体差があります。丈夫な品種なので初めての1鉢にもおすすめです。春に黄色い花が咲きます。
パキポディウムの育て方。水やりや置き場所のポイントは?
パキポディウムを育てるには、成長する「成長期」と生育が緩慢になる「休眠期」を知り、それに合わせた水やりと置き場所が鍵になります。知っておきたい季節の管理など大事なことをまとめました(ここでは夏型のパキポディウムを基本としています)。
ポイント1
成長期に合わせた水やりを。基本は土が乾いてから
他の多肉植物と同様に、パキポディウムにも成長期があります。大体の種類が夏型ではありますが、「光堂(ナマクアナム)」のように夏に休眠をする冬型のパキポディウムもあります。それぞれの成長期に合わせて水やりをするようにしましょう。基本は、土が乾いてから鉢底の穴から水が出るくらいたっぷりと水やりをします。葉が落ちてきたら休眠のサインなので徐々に水やりを減らして断水し、成長期まで待ちましょう。
ポイント2
水やりの再開は焦らず、少しずつ量を増やす
冬から春へと季節の変わり目は大事な時期。ここで水やり再開のタイミングが早すぎると、株が傷む原因になることがあります。春先はまだ朝晩が冷え込んだり、急に寒い日があったりするため、すぐに水やりをするのではなく、葉が出てきたら、または気温の寒暖差が少なく安定してきたら少しずつ再開させていくのが良いでしょう。
ポイント3
春~秋は日当たりの良い屋外管理が望ましい
春以降、朝晩の気温が上がり安定してきたら屋外での管理が望ましいです。このとき、いきなり強い日光が当たってしまうと葉焼けの原因になります。冬の日差しと春以降の日差しでは強さが異なるため、徐々に日光に慣らすことで葉焼けを防ぐのがポイントです。屋外で管理するとき、成長期ならば雨ざらしでもOK。ただし梅雨時期や長雨が続く場合は、雨が当たり続けないように屋根のある場所へ移動させてください。
ポイント4
休眠期に入ったら、暖かい場所で冬越しを
パキポディウムは秋の紅葉シーズン前後に休眠し始めます。秋以降に落葉したら休眠のサインです。屋外で育てている場合は暖かい室内の窓辺など、日当たりと風通しの良い場所へ移動し冬越しをします。鉢はたまに回して、株全体に日光がよく当たるようにしてください。無事冬を越したら春以降に葉が出てきますので、水やりを徐々に再開させましょう。
ポイント5
見るだけではなく、触れて健康チェックを
ぱっと見では、いつもと変わらず元気そうだけど、なんか葉の色が悪いかも……、成長期の春になっても葉が出てくる気配がない……。そんなときは株に触ってみましょう。場合によってはぶよんぶよんになっていた……なんてことも。このように見ただけではわからない症状というのもあるので、毎日ではなくとも、たまに触れて健康チェックしてみてください。ただし、トゲがあるものは無理せずに。
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パキポディウム・グラキリス
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パキポディウム・ホロンベンセ
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パキポディウム・サンデルシー
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パキポディウム・ラメリー
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パキポディウム・ブレビカウレ(恵比寿笑い)
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パキポディウム・イノピナツム
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パキポディウム・バロニー
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パキポディウム・ウィンゾリー
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パキポディウム・恵比寿大黒
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