
気取らないおしゃれをフレンチカジュアルで。活用すべきアイテムとブランドリスト
大人の定番スタイルであると同時に今の有力トレンドとしての一面も併せ持っているフレンチカジュアル。この“ハズさない”スタイルをぜひとも積極的に取り入れましょう。
こなれた大人メンズに味方する。フレンチカジュアルを攻略しよう
今、旬モノとして熱視線を浴びているヨーロッパ系スタイル。なかでもとりわけ本命と目されているのがフレンチカジュアルです。その名からも想像がつくかもしれませんが、フレンチカジュアルとは小粋なパリジャン(パリの男性)の日常着をお手本としたフランス人的なカジュアルスタイルのことを指します。今のビッグトレンドであると同時に、日本のファッションシーンに長らく根付いている定番的なスタイルでもあります。
フレンチカジュアルって、どんな着こなし? ポイントを押さえよう
米国がルーツとなるアメカジはラフ&タフなイメージがやや強めですが、対するフレンチカジュアルはシンプルかつ上品に仕上げるのが基本。パンチの効いたデザインや派手な配色に頼るのではなく、ボーダーTやベージュコートをはじめといったベーシックなアイテムが主役となります。その中でちょっとした“小粋さ”を演出するのがフレンチカジュアル成功のコツ。例えば、サイジングで抜け感を出したり、小物などで茶目っ気を潜ませてみたり……。つまり、シンプルな中にさりげなくメリハリを潜ませるのが重要なんです。
ただし、メリハリが必要といってもやりすぎはNG。極端にオーバーシルエットなウェアを織り交ぜたり、強烈な色合いのアイテムを使ったりといった行為はフレンチカジュアルの魅力である小粋さを損なう懸念があります。シルエットは上が細め・下がゆったりめの“Aライン”か、逆に上がゆるめ・下が細めの“Yライン”が定番。上下ともジャストでまとめる場合には、ちょっとした小物や色柄で遊びを取り入れると良いでしょう。また、着こなしに用いるカラーはあまり多すぎないほうが◎。最近だとワントーンorツートーンベースのコーデが人気です。
……と、いろいろ語りましたが、もちろんアメカジと同様に厳密なルールはないので、あまり堅苦しく考えなくてOK! 大人らしいシンプルさの中に、ちょっとした遊びやハズしを織り交ぜるくらいの感覚で楽しみましょう。
フレンチカジュアルを体現する、7つの代表アイテムとコーデ見本帳
ではここからは、フレンチカジュアルコーデに役立つ7つの鉄板アイテムを着こなしサンプルとともにお見せしていきます。手持ちのワードローブとも相談しながら、自身の着こなしと相性の良いアイテムを見つけ出してください。
▼アイテム1:ボーダーカットソー
フレンチカジュアルのイメージがもっとも色濃いアイテムといえばやはりボーダーカットソー。もともとはフランス海軍のユニフォームにも採用されていたアイテムです。大人っぽいムード感を重視するのであれば、ボーダーはスッキリ見えする“細ピッチ”がお約束。あまりに幅太のボーダー柄は幼い印象に見えてしまうこともあるので注意しましょう。
コーデ1
クリーンさ満点な模範的フレンチカジュアル!
ボーダーカットソー&ホワイトパンツのマッチアップで、爽やかさMAXなフレンチカジュアルスタイルをメイク。ワンサイズ太めのボトムスによって、絶妙なAラインシルエットを描き出しているのも印象的です。さらに、ストール感覚でサラリと肩掛けしたペールトーンニットがナイスなアクセントに。
コーデ2
セットアップスタイルにボーダーで抑揚出し!
コーチジャケットとイージーパンツによるシンプルなセットアップスタイルに、表情豊かなボーダーカットソーでリズムをプラス。ただし、カラーをブラウンのワントーンで揃えることにより、一体感もしっかりとキープしています。着こなし巧者らしい、バランスの取れたスタイリングです。
▼アイテム2:ベージュコート
羽織るだけで上品なスタイルへと導けるベージュコートも、必須級アイテムの1つ。スラックスのようなドレッシーなパンツと合わせるのではなく、デニムのようなカジュアルなボトムスと合わせて程良くドレスダウンするのが現代流です。デザインはミニマルなステンカラータイプが1番人気!
コーデ1
春っぽさを先取りした淡色コーディネート
ベージュとモノトーンで構成された、春らしさ香り立つ着こなし。品行方正なステンカラーコートにあえてスポーティなスウェットを合わせ、さりげなくゆるい雰囲気を打ち出しているのもポイントです。足元にはクールな黒スニーカーを持ってきて、全体の印象をピリッと引き締め!
コーデ2
きれいめだけど堅苦しくない、理想的大人カジュアル
ステンカラーコートにタートルネックニットというきれいめな組み合わせ。それでいて堅苦しく見えないのは、ゆったりとしたサイジングでほんのりとリラックス感を出しているからです。そしてボトムスにピックアップしたジーンズも“生真面目感”を程良く和らげてくれます。
▼アイテム3:ワークジャケット
欧州系ブランドが手掛けるワークジャケットも、フレンチカジュアルの王道アイテム。米国系のワイルドなワークジャケットとは一味違った、ミニマル志向なデザインが大きな特徴といえるでしょう。男っぽさ全開で着こなすのではなく、あえて品の良いアイテムと組み合わせるのが昨今の主流!
コーデ1
清々しさに満ちたアーバンなワークスタイル
骨太に映りがちなワークスタイルですが、あくまで都会的に料理するのがフレンチカジュアルの流儀。こちらの着こなしはブルー×ホワイトのカラーコンビネーションで清々しさを全面に打ち出しています。インナーのデニムシャツをタックインしているのも心ニクいテクニック!
コーデ2
モノトーンを軸としてシックにコーデメイク
ワークテイスト強めなカーキのカバーオールをメインとして抜擢。しかし、その他を一貫してモノトーンアイテムで揃えることにより、シックに着こなしています。インナーのヘンリーネックTでトーンアップしているのもポイントで、これにより一段とあか抜けたムードに。
▼アイテム4:濃紺ジーンズ
じっくりと味を出していくのがジーンズの醍醐味。しかしフレンチカジュアルにおいては、褪色したコクのあるモデルではなく色落ちしていないクリーンな濃紺モデルを選ぶのがセオリーとなります。シルエットに関しては細身~ジャストに照準を定めたいところ。“武骨に見せない”が最重要キーワードです!
コーデ1
ジャストなサイズバランスで大人っぽさを増幅
カーディガンにTシャツ、ジーンズと使っているアイテムはどれもスタンダード。それでいて大人っぽさ漂うのは、ジャストサイズを意識した美しいシルエットのおかげです。また、ジーンズの落ち着いた濃紺カラーもスマートさを格上げする一助となっています。チラッとTシャツのロゴを見せてアイキャッチを作っているのもさすが。
コーデ2
ミニマルな装いはシルエットで緩急を出すのが正攻法
濃紺デニムとジャケットのみで構成される潔いスタイリング。着こなしをストイックにまとめているからこそ、上ボリューミー&下タイトなYラインシルエットが際立っています。ごちゃごちゃレイヤードせずとも洒落感はちゃんと打ち出せるという好例ですね。
▼アイテム5:チノパン
ワークウェア由来のチノパンですが、ベージュやライトグレーといった淡めのカラーであればフレンチ系の洒脱なカジュアルスタイルとも好相性! 適度に“お行儀の良い”雰囲気へと導けます。こちらもジーンズと同様に、細身orジャストサイズで着用するスタイルがおすすめ。ただし、ジャストなトップスに太めのワイドチノを合わせるのも今ならアリでしょう。
コーデ1
ベージュチノで清潔感あるワークコーデを実現
やさしげなベージュカラーのチノパンをボトムスにセレクト。クラシカルなルックスのフレンチワークジャケットを、清潔感たっぷりに着こなしています。中からチラリと覗くボーダーTや足元に持ってきた「スタンスミス」も爽やかさを効果的に後押し!
コーデ2
キリっと仕上げつつひとさじの軽快さも注入
ライトグレーを纏ったアーバン顔なチノパンは、端正なチェスターコートと相性良好。シャープなサイズバランスとも相まって、実に精悍な雰囲気です。一方、ブルーのシャツ&スリッポンで春らしい軽快さにもアプローチ! 品と季節感が同居するワンランク上のコーディネートに帰結しています。
▼アイテム6:ローファー
ヒモつきの革靴ほど堅苦しくなく、かといってスニーカーほどスポーティでもない。まさしく“良い塩梅”のローファーは、パリジャンたちもよく着用しているアイテムです。汎用性重視なら写真のような正統派のコインローファーがベターですが、甲に金具が付いたビットローファーであればより品行方正な足元に!
コーデ1
大人リラックスな装いにはローファーがちょうどいい
ゆったりめのカラーパンツを選択し、今季らしいリラクシングなテイストを好演。その上、全体を無地で調和させることで大人びた印象も隙なく担保しています。大人の余裕とゆるさが同居するこんな着こなしには、きれいすぎず、ラフすぎずなコインローファーがベストマッチ!
コーデ2
ビットローファーが生み出すひとさじのエレガンス
ワッフル生地のざっくりしたカーディガンにオーバーサイズなシェフパンツなど、くつろぎ感あるアイテムを多用。その引き締め役として、エレガンスな顔つきのビットローファーを投入しています。スカーフとソックスの色を合わせるなど、ちょっとした小技にも注目を。
▼アイテム7:スカーフ
ベーシックなコーディネートにスカーフでしゃれっ気を出す手法は、フレンチカジュアルにおける常套テクニック。サラリと投入すれば首元がパッと華やいで、着こなしのこなれ感が大幅にアップします。あまり派手な色柄は好まれない傾向にあるフレンチカジュアルですが、スカーフでのワンポイント使いであれば多少強めのデザインを選んでもOK。
コーデ1
ワントーンだからこそスカーフの柄が生きる!
洋服全体をホワイト系のワントーンカラーでリンク。あえてメリハリ控えめの着合わせにしたことで、柄入りのシルクスカーフがコーデスパイスとして絶大な効果を発揮しています。ウェアでの総柄使いは悪目立ちが懸念されますが、スカーフの1点投入ならその心配もありません。
コーデ2
ウェアの色をスカーフで拾うのもアリ
少しスカーフに気恥ずかしさがある人は、ウェアと色合わせるように投入するのが良策。適度なアクセントとなりながらも、着こなしに違和感なく馴染んでくれるはずです。例えばこちらの着こなしでは、スカーフとデニムを同系色で同調。ネイビー系でリンクさせているため、洗練された雰囲気です。
フレンチカジュアルに欠かせない定番ブランドをチェック
最後は、フレンチカジュアルにおける鉄板の六大ブランドをピックアップ。いずれもフランスをルーツに持つ実力派で、ファッションシーンで絶大な支持を集めています。好印象なスタイリングを狙うなら、まずはこの6ブランドから押さえておくのが賢いやり方です。
ブランド1
『アー・ペー・セー』
デザイナーのジャン・トゥイトゥ氏が1987年にスタート。トレンドに流されないミニマルなデザインを特徴とし、設立以来洗練されたフレンチスタイルを提案し続けています。特に定番のジーンズはファンが多く、ファッションブランドらしい美しいシルエットとヴィンテージファンをもうならせるこだわりのディテールはココならではです。写真の1本はスリムストレート型の「プチスタンダード」。ほんのりテーパードが入っており、レッグラインを美しく見せてくれます。
ブランド2
『アニエスベー』
フランス人の女性デザイナー、アニエス・ベー氏が1975年に自身の名を冠したショップをパリ1区にオープンしたところからブランドの歴史がスタート。1980年代に入ると米国や日本にも進出し、今では世界的なカジュアルブランドとして成長を遂げました。得意とするアイテムの1つはワークジャケットで、今作では肌触りの良いコットン100%生地を使用。無駄な要素をそぎ落としたシンプルなデザインも持ち味となっており、多彩なボトムスとマッチします。
ブランド3
『パラブーツ』
1908年から変わることなくMADE IN FRANCEを貫いている希少なシューズメーカーで、パリジャンたちも御用達。製造工程のみならず使用する原料さえも70%以上がフランス製という徹底ぶりで、その品質の高さは折り紙付きです。ご紹介の1足は、人気コインローファーの「コロー」。アッパーにはしっかりとワックスを染み込ませた撥水レザーを使用し、ソールにはデッキシューズ用のグリップに優れたラバーソールと駆使しています。
ブランド4
『セントジェームス』
フランス・ノルマンディー地方にて1889年に設立。タグに記された“Ne de la mer(=海から生まれた)”という言葉どおり、古くから漁師や船乗りなど海の男たちに作業着を提供してきた、フランス屈指のマリンブランドです。代表的なアイテムとして知られるのがボーダーカットソーで、なかでも写真の「ナヴァル」は押しも押されもせぬマスターピース。かつてフランス海軍の水兵たちの制服であったこのアイテムは、細番手の糸で編み上げられており非常に心地良い肌触りです。おまけに耐久性にも優れており、ヘビーローテーションも余裕!
ブランド5
『ダントン』
『ダントン』は1935年に設立。もともとはフランス国鉄のユニフォームなどを作っていたワークブランドで、現在はカジュアルに着られるデイリーウェアを主に展開しています。なお、ブランドの象徴たるひし形ロゴは創業時から変わっていません。この1着は古き良きフレンチワークジャケットがイメージソース。素材には薄手で光沢感のあるポリエステルタフタを用い、今っぽさも巧妙に融合しています。フォルムはややオーバーサイズで、厚手のインナーとの重ね着にも対応。
ブランド6
『オーシバル』
1939年に誕生したブランドで、その名はフランス中央部・オーヴェルニュ地方にある小さな村の名前に由来。1950~60年代には、フランス海軍で同ブランドのマリンTシャツが制服として採用されていました。レコメンドするのは、同ブランドの定番作である「コットンロード」。1970年代から存在する今作は空紡糸で編み立てているのが特徴で、厚手な風合いとは裏腹に軽やかでコンフォートな着心地です。着るほどに味わいが増していくのも大きなメリット。
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『アー・ペー・セー』 プチスタンダード ジョウンド デニム パンツ
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『アニエスベー』 UF03 VESTE ワークジャケット
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『パラブーツ』 コロー
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『セントジェームス』 ナヴァル
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『オーシバル』 コットンロード
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