
サイドゴアブーツもレッド・ウィング。力強い足元を演出できる2型をレコメンド
ポスト・スニーカーの存在として勢力拡大中のサイドゴアブーツ。みんな大好きな『レッド・ウィング』にも、秀作があることをご存じでしょうか。気になる全貌をチェック!
タフに履きこなしたいサイドゴアブーツが、『レッド・ウィング』にあった
空前のスニーカーブームに対する反動から盛り上がりを見せるブーツ人気。それをけん引しているのが、折から人気継続中のサイドゴアブーツです。勢力図的には、ドレスライクなスタイルを得意とする英国系ブランド、そして『ブランドストーン』に代表される実用重視系ブランドが多数派の様相を呈している模様。ですが、TASCLAP世代の皆さんならきっと思い入れがあるであろうあのブランド、そう『レッド・ウィング』も足入れする価値のある秀作を手がけているのです。
詳しくは後述しますが、『レッド・ウィング』が手がけているサイドゴアブーツは型数こそ限られるものの、いずれも同社らしいタフな世界観を十分に堪能できる仕上がり。ワークブーツでお世話になっている私たち世代にはたまらないオイルドレザーや代名詞であるトラクション・トレッド・ソールを採用したサイドゴアブーツもあり、絶賛復権中のジーンズやチノ、カーゴパンツといったアメカジ系パンツの相棒にもおあつらえなのです。
レザーもラストも異なる、『レッド・ウィング』のサイドゴアブーツ2種を比較
現在、『レッド・ウィング』のサイドゴアブーツの二枚看板を担っているのが、「クラシックチェルシー」と「ミルワン コングレスブーツ」という2型のモデルです。同じサイドゴアというスタイルを体現しているものの、採用しているレザーはもとより木型やソールといった仕様がまったく異なり、靴としての方向性やキャラクターのすみ分けがなされています。どちらかお好みの1足を選ぶためのヒントとして、双方の持ち味を見ていきましょう。
▼モデル1:脱ぎ履き楽々。エイジングも楽しみな「クラシックチェルシー」
サイドゴアブーツ自体が19世紀のロンドン・チェルシー地区で流行したことにちなみ、英国風のモデル名を冠した本作。ですが、『レッド・ウィング』の十八番であるワークブーツ然とした佇まいはしっかりと生かされています。オイルをたっぷり染み込ませたエボニー・ハーネスレザーは、堅牢にして経年変化の味わい深さも魅力。履き込むほどにブラウンの下地色が表面に浮かび上がり、エイジング好きにはたあまらないヤレ感を楽しめるのです。クッション性に優れるラバーソールや抗菌・防臭効果に富むライニングといった実用性に重きを置いた設計も相まって、足元に力強さをもたらしてくれます。
採用しているラストは、ワークブーツでもお馴染みの“#8”。ぽっこりフォルムのつま先からトゥにかけて程良いボリュームを設けつつ、かかとから履き口に向かって美しく立ち上がるラインの採用より心地良いフィット感を獲得しています。デザイン面においてもこのシルエットは機能しており、武骨さの中に大人らしさも感じさせる足元を印象付けてくれます。
足首に吸い付くようにフィットするシャフト部分は、エラスティックのおかげで締め付け感は一切なし。ヒールのプルストラップがあるおかげで、脱ぎ履きも苦になりません。アッパーに採用したエボニー・ハーネスレザーは非常に肉厚で、2枚の革を貼り合わせた二重構造となっており、ワークブーツに必要不可欠な堅牢性を担保しています。
ワークテイストを感じさせるボリューミーなアウトソールは、中底としてクッション性に優れる“ポロン素材”を用いることで衝撃吸収性を高め、適度な反発力で歩きやすさを向上。抗菌・防臭効果が期待できるエアメッシュをライニングするなど、快適さや清潔感も意識した作り込みがなされています。
▼モデル2:ドレスライク、でもグッとタフな「ミルワン コングレスブーツ」
「クラシックチェルシー」と比べるとワーク色控えめで、ドレスライクな足元に導いてくれるのが「ミルワン コングレスブーツ」です。『レッド・ウィング』においては、「キャバリーチャッカ」に代表されるクラシックドレス・ラインの流れを汲むモデル。“コングレス”とは英語で議会を意味し、議員が履くような高級感のある靴というのが名称の由来なのだとか。アッパーは「ベックマンブーツ」でお馴染みのフェザーストーンレザー仕立て。この革は、牛一頭からごく少量しか取れない希少性の高い皮を原皮として使ったオリジナルレザーで、オイルとワックスをたっぷり染み込ませているため独特の透明感を楽しめ、耐久性にも優れています。
高さを抑えたトゥ周りからの流れるようなフォルムが、ミルワンラストの持ち味。ラストには2016年にミルスペックのオフィサーシューズ用として開発されたミルワンラストを採用しており、これは1950年代に米国海軍で使われていたネイビーラストをベースに開発されたものなのだとか。なんと、この名称がモデル名にも冠されています。「クラシックチェルシー」と比べてアウトソールのコバの張り出しが抑えられているため、横顔にもシャープさが感じられる点にも注目。サイドゴアの幅も脱ぎ履きのしやすさをスポイルしない範疇で、すっきりとしたフォルムに作り込まれています。
アウトソールには、クラシックドレス・ラインの「キャバリーチャッカ」や「ジラードブーツ」と同じ“グロコード・メダリオン・ソール”を採用。「クラシックチェルシー」の“トラクションソール”と比べると厚みがグッと押さえられており、ドレスライクな印象を与える仕上がりです。
高さを押さえた甲部からパンツの裾周りが段差なくつながるようなシルエットゆえ、カジュアル靴でありながらどこか品良く見える足元を演出してくれます。アッパーのフェザーストーンレザーは革自体が非常にきめ細やかで、ケアを怠らなければ履き込むほどに美しいツヤを放ち、スタイリッシュさえ印象付けてくれること請け合いです。
同じ『レッド・ウィング』のサイドゴアでも、短丈派なら「ロメオ」をチェック
長丈のブーツに苦手意識がある人も抵抗なく履けるモデルとして、「ロメオ」の存在もお忘れなく。本作はブーツではなくポストマンシューズの流れを汲むモデルで、全米の郵便配達員が愛用した「ポストマン・オックスフォード #101」の派生形。レースアップだった仕様を、スリッポンとして履けるサイドゴア仕様に変更したモデルです。アッパーの革も「#101」と同じシャパラルレザーを使用。これはガラスレザーに近い加工レザーで、仕上げ段階で塗り込む塗料により特有のツヤと耐久性を付与したもの。ひものない甲部のすっきりとしたフォルムを、品良く引き立てる効果も発揮します。
アウトソールも、ポストマンシューズ由来のクッションクレープソール仕様。郵便物が満載のバッグを担いで歩く郵便配達員の足への負担を軽減すべく開発されたクッション性自慢のソールゆえ、長時間履いた際の疲れにくさは折り紙付きです。
サイドゴアならではの品の良さと快適さを享受しつつ、短靴特有の軽快さを味方につけられるのが「ロメオ」の長所。ロールアップしたパンツや9分丈パンツでくるぶし見せして履けば足元に抜け感をもたらせて、特徴的な顔付きもアピールできるとあり一石二鳥です。
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