
レッド・ウィングはオックスフォードも名靴揃い。鉄板の3モデルを徹底解説
ワークブーツブランドを代表する『レッド・ウィング』ですが、オックスフォードと呼ばれる短靴もまた名靴揃いなんです。“らしさ”が息づく定番を見ていきましょう。
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ブーツだけじゃない。オックスフォードも、『レッド・ウィング』で
“一芸に秀でる者は多芸に通ず”とはよくいったもので、ワークブーツにおいて絶対的な信頼を得ている『レッド・ウィング』は、オックスフォード(短靴)においても名靴と呼んではばかられない秀作を手がけています。オックスフォードとは本来、内羽根式の短靴を表す呼称。英国靴においてはドレス寄りの革靴に用いられてきたものです。しかし、そのくくりはアメリカにおいては非常にゆるく、短靴全般をオックスフォードと呼ぶことがほとんど。こうした文化的背景から『レッド・ウィング』のオックスフォードにはワークに根ざしたモデルが多く、その佇まいには短靴特有のドレス感というより質実剛健さと男らしさが宿っています。カジュアルな装いの足元を任せる1足なら、同ブランドに頼って間違いなしというわけです。
アメリカブランドならでは。オックスフォードも『レッド・ウィング』なら男っぽさ満点
『レッド・ウィング』のオックスフォードの持ち味は、それを取り入れた装いを見れば一目瞭然です。こちらはストライプシャツにワイドパンツを合わせた都会的な装いの足元に「#101」こと「ボストマンシューズ」を一点投下したスタイル。すっきりとしたワンピース構造のアッパーが街感の演出に一役買ってくれる一方で、実用に徹したぽっこりフォルムが足元の起点となる力強さももたらしてくれます。
こちらは、復権中のストレートジーンズにアワードジャケットを合わせた王道アメカジスタイル。足元に投入したのは、『レッド・ウィング』らしさが宿るモックトゥの短靴「クラシック オックスフォード」です。ブーツほど足元にボリュームが生まれず、重厚な印象に傾き過ぎるのを防いでいます。ちょうどいい塩梅の男らしさを付与できていることが、うかがえるでしょう。
『レッド・ウィング』の短靴といえばこれ。「クラシック オックスフォード」のすべて
『レッド・ウィング』のオックスフォードモデル、その顔として覚えておきたいのが「クラシック オックスフォード」です。「#8106」という品番で呼ばれることも多いモデルですが、実は日本発信。逆輸入的にアメリカでも発売されたという異色の経歴があります。
同社のモックトゥブーツといえば8インチ丈の「アイリッシュセッター #877」が代表作ですが、日本では6インチ丈で白い厚底のトラクション・トレッドソールを搭載した「6インチ クラシックモック #875」が人気を博していました。こうした背景から、1980年代半ばに「#875」のローカット版が日本市場向けに発売されることになったのです。トラクション・トレッドソール採用の短靴自体は本国でも1950年代から存在していたようですが、モックトゥの短靴との組み合わせは、これが初めてのことだったのだとか。この日本市場向けモデルが、ウェルト変更などのマイナーチェンジを経て現在の「クラシック オックスフォード #8106」に。今では本国アメリカをはじめ、イタリアなどの世界市場で人気を博しています。
ブーツタイプのモックトゥが2枚の革をU字状に縫い合わせているのに対し、オックスフォードの場合は、一枚革の甲部をつまんでステッチを施す“飾りモカ”を採用しています。ブーツのモカ縫いと比べて凹凸感はやや控えめで、装飾的な意味合いが強い仕様となっています。その一方で採用している“23番ラスト”は、「6インチ クラシックモック #875」や「アイリッシュセッター #877」といったブーツと同様のもの。甲部に高さを持たせた、安定感あるフォルムは健在です。
同社の靴のトレードマークでもある白くて分厚いトラクション・トレッドソールは、フラットな底面が路面をしっかりグリップ。また、衝撃を吸収し、弾むようなクッション性で歩行をアシストしてくれます。上記の特徴から、本国では工事や建設現場において長時間履いても疲れにくいソールとしてワーカーからの信頼を得ています。
製法としては、靴本体とアウトソールをつなぎ合わせる役割を持つウェルトを周囲にぐるりと一周させるオールアラウンド グッドイヤーウェルトを採用しています。コバの張り出したウェルトと出し縫いの糸が放つ特有の存在感は、ワークブーツ由来のもの。あっさりとした印象になりがちな短靴の足元も、この特徴的な意匠のおかげで印象的に見せることが可能なのです。
アッパーに採用したブラック・クローム・レザーは表面に厚い塗膜が形成されているため、内部に浸透させたオイルが抜けにくいのが特徴。一般的なオイルドレザーほど頻繁にオイルを塗布する必要がなく、日常的なブラッシングで汚れやほこりさえ落としておけば、たまにミンクオイルなどを薄く塗布するだけでOK。そんなイージーケアな革でありながらしっかり水を弾いてくれるため、よほどの豪雨でもない限り雨天を気にせず履くことができます。
「ポストマン」に「ミルワン」。『レッド・ウィング』のオックスフォード名作選
「クラシック オックスフォード」以外のオックスフォードにも、履いてみる価値のあるモデルが揃い踏みしています。「ポストマン」や「ミルワン」といった知る人ぞ知る名靴からゴアテックス搭載のハイスペックモデルまで、現在手に入るモデルをご紹介します。
1足目
ミルワン ブルーチャー オックスフォード
アメリカ軍のオフィサーシューズ用に開発された“Mil-1 (ミルワン) ラスト”を採用した、外羽根式のプレーントゥ。美しい光沢を放つアッパーの革はエスカイヤレザーと呼ばれるもので、ヘファーハイド(若い未経産の牝牛の皮)をなめし、染色後の表面に樹脂をコーティングしています。履き込む過程で生まれる細かいシワさえ美しく、撥水性にも優れるこの革の採用で実用面にも抜かりない作りとなっています。
アウトソールは、レザーに半張りしたラバーによって反りの良さと衝撃吸収性を兼備した設計に。ラバーソールの部分のパターンは、1920年代に『レッド・ウィング』が好んで使用していたグロコードソールを再現。元々はハンティングフィールド用に開発されたソールゆえ、耐久性とグリップ力の高さは折り紙付きです。
2足目
ポストマン・オックスフォード
1954年に開発され、USポスタルサービス(アメリカ合衆国郵便公社)の指定靴に採用された実績を誇るのが「ポストマン・オックスフォード」。側面に安全基準をクリアした靴の証しである“SR/USA”刺繍のタグが、その名残として現在も施されています。外羽根式のプレーントゥアッパーは、1950年代当時の警官やポストマン、駅員の制服に合わせても遜色のないドレス感を表現したもので、レザーには加工レザーの一種であるブラック・シャパラル・レザーを使用。ガラスレザーに近い作りですが、ひび割れのような細かいシワが発生しにくく、美しいツヤと耐久性を兼備した革に仕上がっています。
この靴の心臓部といっても過言ではないのが、開発当初はクッションクレープソールと呼ばれていた黒くて厚手のトラクション・トレッドソールです。元々はハンティングブーツに採用されていたもの。軽量かつ適度なクッション性が得られる一方、特徴的なフラットな靴底はポストマンたちが芝生の上を傷つけることなく歩くことに貢献していたようです。
3足目
フォアマン オックスフォード
耐久性の高いコルクソールを、同社で初めて採用したオックスフォードモデルが本作です。工場などで働くワーカーのために設計された靴ゆえ、ワークブーツと同様の甲部にゆったりとボリュームを持たせたラストを採用。アッパーのチョコレート・クローム・レザーは、「クラシック オックスフォード」の革と同じ製法で表面に厚い塗膜が形成されているため水や油などに強く、ワーク向けオックスフォードにふさわしい作りとなっています。
本作のトレードマークであるコルクソールは、一般的なコルクソールでは使われないミッドソールを追加しているのが特徴です。靴底自体に厚みがあり、頑丈な底周りに仕上がっています。 なお、このコルクソールの正式名はニトリルコルクソールと呼ばれ、ラバーソールの軽量化とグリップ力向上を図るために細かいコルク片が混ぜられており、耐久性と耐油性にも優れています。1950年から80年代にかけてよく見られたソールですが、現在はワークブーツのメインストリームから姿を消し、温故知新な佇まいを楽しめる意匠として愛されています。
4足目
ポストマン オックスフォード ゴアテックス
『レッド・ウィング』のポストマンシューズの特徴的な製法であるワンピースヴァンプ(つま先からかかとまで一枚の革を継ぎ目なく使って吊り込む製法)を生かし、内側にゴアテックスを貼り合わせることで完全防水を実現。採用しているラストは「ポストマン オックスフォード」と変わらず、防水シューズっぽさをまったく感じさせることなくクラシカルな短靴として履くことが可能。アッパーの革はブラック・ユーコンと呼ばれる牛革で、なめし段階で防水加工を施す一方、ゴアテックスの特徴である透湿性能を損ねないよう通気性はしっかり保たれています。
ゴアテックスファブリクスのライニングとして採用したのは、耐摩耗と吸汗速乾に優れるキャンブレルと呼ばれるナイロン不織布。インソール表面にはクッション性に富むポロンという素材を使い、断熱素材のシンサレートを加えることで快適さも担保した作りとなっています。
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