
スニーカーを履く行為を考え直そう。VEJA(ヴェジャ)が今選ばれるワケ
今やサステナビリティはファッション業界にとって重要な“使命”。『VEJA(ヴェジャ)』はスニーカー作りにおいて、そんなムーブメントと真摯に向き合うブランドの1つだ。
サステナブル、エシカルの言葉ではくくりきれない『VEJA(ヴェジャ)』のスニーカー
近年、数多の有名ブランドがさまざまなアプローチでサステナブル(持続可能)であることに取り組んでいる現状がある。時代を反映したムーブメントといえるだろうが、実はその動きが活発化する前からこの問題に取り組み続けてきたブランドは少なくない。フランス生まれの『VEJA(ヴェジャ)』もそんな銘柄の1つで、2004年からサステナブルなスニーカー作りを続けてきた先駆けというべきブランドである。
最大の特徴は、モノ作りの透明性にこだわり抜く姿勢にある。彼らのスニーカーには天然ゴムや自然栽培によるコットンといった環境に配慮した素材が使用され、さらに生産システムを見直しや情報の開示によって生産者や作り手の利益を守ることにも注力。そんな透明性はデザインにも息づいており、過度な装飾性がそぎ落されたシンプルなデザインを得意としている。
トレンドにも左右されないオーセンティックなスニーカーはカジュアルからドレス、モードまで合わせるスタイリングを選ばず長く履くことができ、その点でも環境保全に一役買っているということができるだろう。2005年のファーストコレクションの発表以来、着実にファンを増やし、現在では累計450万足を突破。ヨーロッパの有名セレクトショップでも展開され、英国の百貨店「セルフリッジ」でももっとも売れるスニーカーの1つとなっている。
大量生産に背を向け、地球と人に敬意を表すモノ作りを志向する『VEJA』。そのスニーカーの澄み切った姿を見ていると、“スニーカーを履く意味”を改めて考えさせられるのだ。
どこで、どのように作られた靴なのか。『VEJA』が見つめるスニーカーの“向こう側”
こまめにリペアをすれば長く使える革靴とは違って、スニーカーは消耗品というイメージが強いアイテムだ。また、生産数自体も革靴より断然多い。『VEJA』を設立した2人のフランス人、フランソワ・ギラン・モリィヨン氏とセバスチャン・コップ氏は、そんな大量生産の象徴としてのスニーカーに目をつけた。
NYの銀行で働いていた2人は、サスナビリティ・コンサルタントの会社を設立する計画を立て世界へと旅立った。ブラジルやインド、中国、南アフリカ……各地でソーシャル・プロジェクトを学ぶうちに「スニーカーなら世界を変えられる」と確信し、2004年にサステナブルなモノ作りを旨とするスニーカー専業ブランドを立ち上げた。
使用する素材は、天然ゴムのソールをはじめとして再生ペットボトルを使ったアッパー、オーガニックコットン製のシューレース、バナナ油やサトウキビを配合したミッドソール、水質に配慮したクロムフリーのレザーパーツなど環境に配慮した素材を厳選している。
生産拠点は天然ゴムやオーガニックコットンが豊富に採れるブラジルに置き、その調達と物流は、失業者の社会復帰を支援するNGOと共同で運営している。また、工場にも自社スタッフを配属し、作り手の適正な労働環境を管理。ビジネス面でも、再生可能エネルギーを供給する電力会社を選択したり、公式サイトに生産者との契約や購入したオーガニックコットンの価格を開示したりと、独自の取り組みを行っている。
今やサステナブルに取り組むブランドは数え切れないほどあるが、同ブランドはモノ作りのみならず生産者と消費者の関係、会社自体の在り方にまで透明性を追求している。『VEJA』というブランド名は、“見る”という意味するポルトガル語に由来するのだとか。そう、この名には「1足の靴の先には果たして何が見えるのか?」という問いかけが込められているのだ。
『VEJA』のスニーカーが選ばれる理由は、結局優れたデザインと履き心地にある
サステナブルへの関心は年々高まっているものの、当然、スニーカーを買う人にとって、この点だけが購入の決め手になるわけではないだろう。『VEJA』の場合も、人気の源泉を探れば、やはり優れたデザインと履き心地に行き着くのだ。
特にミニマルという言葉がしっくりくるデザインは、スタイリストやおしゃれ上級者たちから高い支持率を獲得している。過度に主張しないスニーカーは幅広いスタイリングにマッチするし、トレンドのベーシック服との相性も抜群だ。ファッション界での評価も高く、『マルニ』や『リック オウエンス』といったハイブランドとのコラボモデルも続々とリリースされている。
一度味わうとやみつきになるしなやかな履き心地も、『VEJA』の強み。ソールに使用されるブラジル産の天然ゴムは、鮮度を保つべく採取したその日のうちに生成することで粘度が増し、クッション性がアップするのだそう。加えてオーガニックコットン製のシューレースはしなやかで、再生ポリエステルを用いたメッシュのライニングも軽さと通気性を呼び込んでいる。
『VEJA』のスニーカーには、サステナブルなだけではない、厳選された素材がもたらす高いコンフォート性も備わっているのだ。
これまで述べた通り、質の高いサステナブルな原料を使用しつつ、生産者の利益を確保するのが『VEJA』のこだわり。となると当然、値段が高くなりそうなものだが、正規品の場合はほとんどのモデルが1万円台後半~2万円台に落ち着いている。その秘密は徹底したコストカットにある。一般的なスニーカーブランドが多大なコストをかける広告料を極力削減することで、手に届きやすい価格を実現しているのだ。にもかかわらず『VEJA』のモノ作りの姿勢は多くの人々に支持され、インターネットやSNSを通して知名度は高まり続けている。誠実なモノ作りが、自然と反響を呼ぶ。本来理想的な生産者と消費者の関係を、『VEJA』には見ることができる。
どれを選んでも主力級の良作揃い。『VEJA』のスニーカー8選
得意のローテクからランニングシューズ風、バッシュのようなハイカットモデルまでバラエティに富む『VEJA』のラインアップ。主張し過ぎない絶妙なデザインもさることながら、環境への配慮と機能性を両立した素材使いにも注目だ。
モデル1
V-10
2015年にブランドの設立10周年を記念して作られた「V-10」は、甲のパンチング穴が特徴だ。ちなみにこのマークのパーツにはラバーや籾殻の混合素材を使用。今シーズンの狙い目は、ヒール部分に赤とネイビーがあしらわれたトリコロールカラーが春夏らしいこちらの1足。バックシルエットにも、自然なアクセントを添える。
モデル2
エスプラー
「V-10」と人気を二分する『VEJA』のスタンダードモデルは、往年のテニスシューズを思わせる上品スポーティなデザイン。アッパーは環境に配慮したなめし工程で生産されたウルグアイ産の牛革。インソールには、天然ゴムとサトウキビ、リサイクルEVAなどが使用されている。
モデル3
ベンチュリ
厚いソールが特徴的なトレッキングシューズタイプの「ベンチュリ」。Lフォームと呼ばれる素材でできたソールは天然ゴムと合成ゴムをMIXしたもので、優れたクッション性が自慢だ。アッパーには、リサイクルペットボトルが使用されたアルベオメッシュが採用されている。
モデル4
リオ ブランコ
レトロなランニングシューズを思わせる「リオ ブランコ」は、スパイクのような突起を持つラバーソールが特徴。アッパーのベースはアルベオメッシュで、パネル使用したスエードが上質なムードをプラスする。大人っぽく履きたい人には、モノトーンカラーのこちらの1足をプッシュ。
モデル5
ロライマ
『ロライマ』はDリングやカラフルなシューレースなど、どこかマウンテンブーツを思わせるハイカットモデルだ。アッパーやサイドのVマークは撥水オイルで加工されたソフトスエードを採用。履き口にあしらわれたクッション材も手伝って、しなやかな履き心地を味わえる。
モデル6
V-15
薄味になりがちな春夏コーデ。足元のポイント作りには、存在感のあるハイカットモデルの「V-15」がうってつけだ。甲のパンチング穴などデザインは「V-10」がベース。アッパー、ソール、Vマークまでホワイトで統一されたこのモデルなら、足元が重くなる心配もない。
モデル7
ノヴァ
オーガニックコットンのアッパーを持つ定番モデルの「ノヴァ」は、丸っこいフォルムとつま先のラバーガード、波打つギザギザのソールパターンが目を引く。ヒール部分に設けられたループは、デザインのアクセントになっているほか、履く際に指を引っ掛けることができる。
モデル8
レシフェ
履き口の狭いレザースニーカーは、ときに着脱を面倒に感じることも。ならば、シューレース代わりに3連ベルクロがデザインされた「レシフェ」をどうぞ。アッパーのクロムフリーの牛革はしなやかで、履き心地も快適。丸みを帯びたボリューミィなトゥも今の気分にぴったり。
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『VEJA』 V-10
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『VEJA』 エスプラー
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『VEJA』 ベンチュリ
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『VEJA』 リオ ブランコ
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『VEJA』 ロライマ
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『VEJA』 V-15
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『VEJA』 ノヴァ
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『VEJA』 レシフェ
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