
“立ち襟”の粋を知る。スタンドカラーシャツの着こなし方とおすすめ12枚
シャツ特有のクリーンさと同時に、程良い抜け感をもたらしてくれるスタンドカラー。春や初夏、秋のおしゃれ着はもとより、大人の休日ウェアとして主役を張ってくれます。
グッとこなれ顔。スタイルに変化を呼び込むスタンドカラーシャツ
春から初夏、秋はシャツが特に頼りになる季節。ですが、必要以上にかっちり見えするシャツは休日の装いに合わないこともしばしばです。加えて、カジュアル化が進んだビジネスの装いにおいても、従来のワイシャツ的なきちんと感が求められる場面はグッと少なくなりました。こうした時流に乗ったシャツの選択肢として注目度が高まっているのが、シャツとしてのクリーンさは残しつつ、程良く力の抜けた印象も与えられるスタンドカラーシャツなのです。
いつものシャツがスタンドカラーになると得られる、メリットとは
スタンドカラーシャツの襟型は、従来のシャツのように襟羽根と呼ばれる折り返しの襟が付いていないのが特徴。ただし、首のつけ根に沿って立ち上がる台襟は付いているので、襟羽根があるシャツよりはカジュアルな印象ながら一定の品の良さは保たれています。ネクタイをしなくてもサマになるシャツとして脚光を浴びていますが、カーディガンやブルゾン、ニットといった首周りにリラックス感のある羽織りとの相性が良い点も特徴です。
襟羽根のないスタンドカラーシャツは、写真のコーデのように丸首のカットソーにも馴染みすく、レギュラーカラーのシャツとはまた違う、すっきりとしたシャツ姿を演出してくれます。また、上に着るアウターや羽織りものの襟型にも干渉しないシャツでもあるため、手持ちの服で気軽にレイヤードを楽しむことも可能です。
そもそもスタンドカラーシャツは、バンドカラーやノーカラーと何が違う?
スタンドカラーシャツは、バンドカラーやノーカラーと混同されやすい襟型です。しかしこれらは似て非なるもの。前者のバンドカラー(写真)は、台襟が付いている点はスタンドカラーシャツと同じ。ですが、その台襟がスタンドカラーより低い作りになっています。一方、後者のノーカラーシャツは、襟羽根のみならず台襟さえ付いていません。それゆえ、よりカジュアル度の高い見え方になるわけです。ただし、これらの類似する襟型を台襟の有無や高さで明確に呼び分ける基準はなく、メーカーや販売するショップによって一緒くたになっていることも。ですが、違いのわかる大人の基礎知識として、襟羽根なしの台襟付き、それが首に沿ってキリッと立ち上がっているものが正統派……ということは覚えておいて損はしません。
カジュアルもきれいめ見えもお任せあれ。スタンドカラーシャツ、コーデ構築のヒント
ここからは、スタンドカラーシャツがスタイリングにおいてどのように役立つのかを実際のスタイルサンプルで見ていくことに。合わせ方のヒントも一緒にご紹介します。
コーデ1
ジーンズと同系色のスタンドカラーで、“シャツデニ”コーデが新鮮かつ爽快に
こちらは、シャツにジーンズを合わせたいわゆる“シャツデニ”の装い。しかし、シャツがよくあるボタンダウンシャツではなくスタンドカラーになるだけで、かっちり感がトーンダウン。一転してリラックスした印象に導かれています。シャツの配色をジーンズと同トーンにしている点もポイント。ブルーの濃淡を作ることによって、襟羽根のないシャツ特有の爽やかさが底上げされています。
コーデ2
ゆるっとした半袖コーデも、濃色スタンドカラーシャツで大人見え
こちらは、半袖タイプのスタンドカラーシャツを主役にした装い。襟のない半袖姿となるとカジュアル度が一気に高まるかと思いきや、台襟はついているので大人らしさはしっかり保たれています。その分、シャツはビッグシルエットを、スラックスもワイドを選択してなお今感を無理なく取り入れることが可能です。たっぷりとしたシルエットを引き締める意味合いで、配色はダークトーンで統一すればより安定感を呼び込めます。
コーデ3
シャツイチのスラックス姿も、白スタンドカラーの首元留めで脱コンサバに
白シャツに濃紺スラックスという定番スタイルは決して間違いではないものの、レギュラーカラーのシャツだと、単なるビジネススタイルからジャケットレスしただけに見られがち。その点、シャツがスタンドカラーならシャツイチでも絵になり、それだけで新鮮な印象を与えられます。また、タックアウトして着てリラックス感を出してもだらしなく見えず、ちょうどいい塩梅で肩の力が抜けて見えます。
コーデ4
アンコン仕立てのセットアップスタイルに、スタンドカラーの引き算が効く
ゆったりと肩が落ちた、3つボタンジャケットが今風なセットアップスタイル。あえてベルトレスではいたスラックスも、リラックス感をあおります。そこに合わせたのは、洗いざらしのような風合いが心地良いスタンドカラーシャツ。ラペルが小ぶりなジャケットとのマッチングも見ての通りで、タックインによりさらにコンパクトな上半身を強調しています。
コーデ5
程良くゆるいジャケットスタイルを、スタンドカラーの“抜け”で調整
グレンチェックのトラッド顔ジャケットを主役に、ゆるいシルエットのイージーパンツ。その足元に『ムーンスター』を合わせたきれい見えコーデに、白のスタンドカラーシャツをインしたオフィスカジュアルスタイルがこちら。レギュラーカラーシャツではともすればあか抜けない空気が漂うところ、襟元がすっきり見えるおかげで全体で洒脱な空気にまとまっています。
コーデ6
ニットベストとのレイヤードでも、細良い高さの襟が威力を発揮
それ単体での実力、及び羽織りモノとの相性はここまでで証明されていますが、実は“かぶりもの”とのレイヤードだってお手のもの。バンドカラーよりやや高めに設定された台襟は、ニットベストの襟元からのチラ見せにちょうど良いのです。ベストの裾からも程良くシャツを覗かせれば、見ての通り好バランスに。襟がない分、“良い子見え”しないのも大人のカジュアルにはうれしいですね。
スタンドカラーシャツ12選。着こなしに変化を呼び込む即戦力を探そう
スタンドカラーシャツの選択肢は、色柄、シルエットともに選り取り見取りになってきました。手持ちの服と相談しながら、取り入れやすい一枚で新鮮さを呼び込んでみましょう。
1着目
『フォーク&スプーン』スタンドカラーシャツ
『アーバンリサーチ ドアーズ』のハウスブランドが手掛けた本作は、ループで閉じる仕様になった第一ボタンが一味違うアクセントに。ボディはポプリン系の張りのある生地で仕立てられており、ボックス型のゆったりシルエットをきれいに描き出せます。
2着目
『ビューティ&ユース』BY フェイドダンプ スタンドカラー シャツ
台襟にボタンのない立ち襟はマオカラーのようなキリッと感がありますが、デザイン自体はガーデニングシャツの要素を取り入れているユニーク顔。ボックスカットの裾周りには大型のハンドポケットも付いており、羽織りもの感覚でバサッと着たり、ポケットに手を入れたりしてもサマになります。セルロースコットンで仕立てたボディはふわりと軽やかで、製品洗いによってヴィンテージ感も付与。
3着目
『スノーピーク』コットンポプリン スタンドカラーシャツ
男らしさが欲しい場合は、ワークテイスト溢れる胸ポケットを備えた本作を。胸ポケットはボトムにマチが設けられているので、中にモノを入れた際に変に突っ張ることがないのがいいところです。左右の裾にはサイドシームに沿ったポケットも用意されています。ボディの生地はオーガニックコットン糸をゆるめに織ったもので、独特のムラ感を味として楽しむことも。
4着目
『スペルバウンド』スタンドカラーシャツ
国産デニムの産地として知られる岡山県の児島に縫製工場を構え、良質なワークウェアやアメカジウェアを生み出している『スペルバウンド』。しっかり打ち込まれたシャンブレー生地で仕立てた本作も、深めのスリットの入った裾やパッカリングが浮かぶステッチ周りからワークテイストが滲み出ています。
5着目
『オーディナリートゥルース』オフィサーシャツ
『オーディナリートゥルース』は、1970年代頃までのトラッドやミリタリー、ワークといったヴィンテージスタイルに造詣の深いOEMメーカーが立ち上げたオリジナルブランド。1960年代のオーストラリア軍のオフィサーシャツをオーバーサイズシルエットにアレンジした本作は、超長綿を高密度に織った生地の採用でストライプ柄が品良く引き立つ一枚に仕立てられています。後裾が長いオフィサーシャツ特有のシルエットで、印象的なバックスタイルを演出することも可能です。
6着目
『KATO(カトー)』ストライプスタンドカラーシャツ
『ダブルアールエル』の商品開発にも携わり、国内外のデニムシーンで活躍してきたデザイナーの加藤 博氏が自身の名を冠し、日本製の良質なカジュアルウェアを世界に発信している『KATO』。ピッチの細いストライプが清々しさを放つスタンドカラーシャツにも、背ヨークのギャザーで背中の運動量を確保しつつ襟足にフック掛け用のループを施すなど、温故知新なワークウェアの意匠が今どきのビッグシルエットボディにさりげなく散りばめられています。
7着目
『チャムス』×『アーミーツイル』別注コットンスラブ ハリケーントップ
『チャムス』の代表作である“ハリケーントップ”が、『アーミーツイル』、『ジャーナル スタンダード レリューム』とのトリプルコラボによってミリタリーテイストの半袖スタンドカラーシャツに変身しました。元ネタではスウェット素材となるボディを、スラブ感のあるコットンツイルに変更。爽やかな着心地を演出しています。米軍のスリーピングシャツからサンプリングしたリングスナップボタンはパパッとお手軽に開閉でき、チェコ軍のスモックから取り入れた胸ポケットは収納力抜群です。
8着目
『トゥモローランド』スーピマコットンタイプライター スタンドカラーシャツ
高密度タイプライタークロス生地の張りとコシを生かし、ゆったりとしたボックスシルエットをきれいに描き出したのが本作。ダブルポケットのフラップや台襟に薄く中綿を入れることによって、立体感を際立たせているのも特徴です。生地自体は超長綿のスーピマコットンを贅沢に使ったもので、肌当たりがしなやかなうえ発色も非常に鮮やか。
9着目
『キャプテン サンシャイン』スタンドカラーシャツ
超長綿とシルクを贅沢にブレンドし、それを旧式の織機でゆっくり織ったこだわり満載の生地を採用。長めの着丈に深いスリットを入れたゆったりシルエットによって、ふわりと軽やかな着心地を享受できます。首が詰まり過ぎないよう設計されており、第一ボタンを閉じて着た際も快適さを保てて、力の抜けた着こなしを印象付けられます。
10着目
『ダントン』スタンドカラーシャツ
フランス生まれのワークウェアブランドが手掛けた本作は、シャツとしては珍しいパリッと爽やかなナイロン仕立て。とはいえ後加工でコットンライクな風合いに仕上げているのでテック感はなく、スウェットパンツやジーンズといったいつものカジュアルにすんなり馴染んでくれます。オープンポケットは大容量で脱ぎ着がしやすいスナップボタン仕様ゆえ、キャンプシーンにおいても活躍が期待できそう。
11着目
『ジャパンブルージーンズ』スタンドカラーシャツジャケット 8oz ミリタリー デニム
欧州目線の国産デニムとして存在感を放つ『ジャパンブルージーンズ』だけあって、スタンドカラーシャツも8オンスの地厚なデニム仕立て。生地自体は、第二次世界大戦時の作業着だったといわれるミリタリーデニムを現代に蘇らせたもので、緯糸がインディゴ色ではなくカーキベージュのために味わい深い色落ちを楽しめるとのこと。前ポケット付きのボディは着丈が長く、カバーオール風の佇まいも新鮮です。
12着目
『バグッタ』スタンドカラーシャツ
カミチェリアの伝統が息づくイタリアならではの確かな仕立てを享受するなら本作を。肌離れが良く、それでいて上質感のあるリネン製で、背ダーツによるウエストシェイプを効かせた立体的なシルエットからも仕立ての良さが感じられます。左右の裾に極小サイズで施されたゴールド色の星形刺繍が、タックアウトして着た際の見どころに。
この記事の掲載アイテム一覧(全12商品)
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『フォーク&スプーン』 スタンドカラーシャツ
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『ビューティ&ユース』 BY フェイドダンプ スタンドカラー シャツ
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『スノーピーク』 コットンポプリン スタンドカラーシャツ
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『スペルバウンド』 スタンドカラーシャツ
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『オーディナリートゥルース』 オフィサーシャツ
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『KATO(カトー)』 ストライプスタンドカラーシャツ
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『チャムス』×『アーミーツイル』 別注コットンスラブ ハリケーントップ
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『トゥモローランド』 スーピマコットンタイプライター スタンドカラーシャツ
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『キャプテン サンシャイン』 スタンドカラーシャツ
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『ダントン』 スタンドカラーシャツ
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『ジャパンブルージーンズ』 スタンドカラーシャツジャケット 8oz ミリタリー デニム
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『バグッタ』 スタンドカラーシャツ
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