
今から始める観葉植物の害虫予防と対策。こんな症状や環境は要注意!
観葉植物だけに限らず、植物を育てる際に切っても切り離せないのが虫。普段の管理でできる予防対策から、虫が比較的付きにくい植物、発生時の対処法をまとめました。
観葉植物を育てる際に気になる”害虫”。なぜ発生するの?
観葉植物を育てたり、室内に置いたりしたいけれど、害虫が気になってできない……という方も多いのではないでしょうか? 害虫の中でもよく発生し、メジャーな害虫といえば、アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ。ハダニは乾燥、アブラムシとカイガラムシは暗く、風通しが悪いところを好んで発生します。まずはどんな風に症状が出るのかを解説します。
害虫がどこから来るのかというと、風で運ばれるなど自然と植物に付いてしまうこともありますし、虫が虫を連れてくることもあるなど、経路はさまざま。どの虫も植物が成長し始める春以降に発生し増えていきます。特に発生しやすいアブラムシ、カイガラムシ、ハダニは植物を吸汁していきますので、吸汁された部位は色が悪くなり弱っていきます。一度発生するとしぶとい害虫なので早めに対処することが大事です。
先にご紹介した3害虫にも共通して、害虫がいるサインとして挙げられるのは、葉の色が悪くなったり、葉先がくるんとカールしたり、小さい点があったりと目視できることが多いです。様子がおかしいなと思ったら細かい部分まで確認してみてください。専門書を読むのもおすすめです(ただし、虫が苦手な方は無理しないでくださいね)。
また、腐葉土など有機質の土は小さい虫が潜んでいることもあります。それは自然のことで完全に防ぐことはできないので、どうしても気になる場合は虫が湧きにくい土に植え替えたり、マルチング材を土の上に被せたりして対策をすると良いでしょう。
観葉植物を害虫から守るために。日頃の管理で意識すべきポイント
普段の管理の中でも虫が付きにくいようにすることはできます。どれも難しいことではなく植物を健やかに育てるためのポイントでもあります。害虫は健康な株より、弱っている株に発生しやすいので丈夫な株に育てていくことが重要なんです。
ポイント1
風通しと日当たりの良い場所に植物を置く
植物は本来、自然の中に自生していて常に日光と風に当たっています。そのため、植物が健やかに育つためには、少しでも日光が当たり風が流れる場所が理想です。逆に暗くて風通しの悪い環境は害虫が好む環境。日が当たらないことで植物も光合成がうまくできずに弱い株に育つと害虫も狙いやすくなります。日当たりの悪い場所でも育つ観葉植物もありますが、極力日当たりと風通しの良い場所のほうが好ましいのです。
ポイント2
過度の水やりはNG! ジメジメしっぱしは避ける
暗い場所と同じく避けたいのがジメジメした環境。水はけの悪い土や、過度に湿度が高い状況は避けてください。ただし、シダなど植物の種類によってはジメっとしたほうが良い種類もありますので、育てている植物がどんな環境を好むのか調べて知っておくと育てやすくなります。
ポイント3
こまめに霧吹きで「葉水」をしよう
葉や茎に発生するハダニは乾燥した環境を好み、発生しやすくなります。ハダニの予防のためにも、こまめに霧吹きで葉に水やりをし適度な湿度を保つようにすると良いです。葉全体にたっぷり吹きかけてください。なお葉水をする際、家電が近くにないか確認することをお忘れなく。
ポイント4
日々、数分でもいいから愛でて観察!
緑色だった葉がいつの間にか黄色っぽい。新しく出る葉が大きくならずに枯れる。蜘蛛の糸みたいなものが付いている。葉がベタベタする……などの害虫がいるサインは、見て触って気付くことができます。害虫が育つ前に駆除するほうが良いので観葉植物からのサインを見逃さないこと。日々愛でて調子を確認することは、害虫から守る大事なことなんです。
ポイント5
枯葉、咲き終わった花は早めに取り除く
落ちた葉や、咲き終わった花はそのままにしておかず、早めに取り除いてください。葉や花に病害虫の発生の原因がないとは言い切れません。また取り除いたほうが見た目も良くなりますよね。取り除くとき、無理矢理ひっぱったりせずやさしく扱ってください。手でそのまま取るのもOKですが、ピンセットが1本あると何かと便利です。
ポイント6
放置しない。季節に合わせて環境を見直す
日の入り方は季節によって変わります。最初に置いたときはその場所が日当たりが良くても、季節や時間によって変わります。特に気を付けたいのが夏の直射日光。乾燥して、葉焼けの原因になります。葉焼けは病気ではないですがダメージを受けています。害虫は弱った株や、傷んだ部分を悪化させることも。害虫が付きにくい丈夫な株を育てるためにも、環境の見直しは大切です。
虫が苦手な方におすすめ。害虫が付きにくい観葉植物とハーブ
病気の原因になったり、美観を損ねたりと害虫はできれば避けたいところ。数ある植物の中でも比較的虫が付きにくい植物をピックアップしました。あくまでも、植物は自然のもの。100%絶対に付かないということではありませんのでご了承ください!
植物1
ローズマリー
地中海原産の常緑低木です。庭や植栽などで目にしたことがある人も多いと思います。キリッとした香りはドライにしても続くほど。料理やドライフラワー、ハーブバスなど使い道も多く人気があります。加湿が苦手なので、水やりのしすぎはNG。混み合ってきたら剪定してどんどん使うほうが良いです。写真のように縦に成長するタイプと這うように成長するタイプがあります。
植物2
レモングラス
レモンに似た爽やかな香りを楽しめる葉は、アジア料理やハーブティーによく使われます。細長いススキのような見た目で大きく育つと1mくらいまで育ちます。比較的虫が付きにくいのですが、まれにナメクジが付くことがあります。ナメクジがはった場合、つやっとした後が葉に残ります。鉢底など暗いところと夜に発生しやすいので、はった跡があった場合は周辺をチェックしてみてみましょう。
植物3
タイム
小さい葉が連なる「タイム」。独特でスパイシーな香りを楽しめます。多湿が苦手なので、葉が混み合ってきたら剪定を兼ねて収穫をしてください。生育旺盛でどんどん大きくなります。収穫した葉は料理やクラフトに使えますよ。ドライフラワーは、葉がポロポロと落ちてくるのであまりおすすめしません。
植物4
センテッドゼラニウム
葉に強い香りがあるのが特徴の「ゼラニウム」。虫が嫌う成分シトロネラを含み「蚊避け草」という名前でも販売されています。虫が嫌う香りとはいえ、全部の虫が寄り付かないわけではありません。風通しが悪い場所で管理するとハダニが発生することもあります。できるだけ風通しの良い場所で管理してください。
植物5
エアプランツ(チランジア)
土を使わないで育てられる「エアプランツ」。土が不要な分、虫も付きにくいほうではあります。とはいえ、日当たりと風通しが悪い場所に置いていると害虫のリスクは上がります。高温多湿は避けて管理してください。水やりは必要で、春~秋は霧吹きなどで株全体を水で濡らして水やりしてください。水やり後は風によく当て乾かしてから飾ってくださいね。濡れっぱなしが続くのは病害虫とは別に、傷む原因にもなります。
植物6
サンスベリア・ローレンティ
日当たりの悪いところでも育てられることと、乾燥にも強いので室内でも管理しやすい観葉植物です。観葉植物の中では比較的病害虫に強いといえます。株が混み合ってきたら株分けして風通しを良くするほうが健やかに育ちます。水やりは土が乾いてからたっぷりと与えましょう。丈夫で育てやすいので初めて植物を育てる方にもおすすめです。
観葉植物に害虫が発生したらどうする!? 手早くできる対処法や応急処置
害虫に気付いても、焦らずに対処しましょう。可能ならすぐ捕殺が良いですが、難しい場合もあるかと思いますので、ここでは手早くできる対処法や薬剤を使わずできる応急処置をご紹介します。
対処1
細かく確認! 専用薬剤で素早く対処
ハダニ、アブラムシ、カイガラムシなどは目視できても小さく、1匹も残さず完璧に取り除くのは大変。葉裏や隙間に残っていることもありますので、専用の薬剤を使い徹底的に駆除するほうが、再発の予防にもなります。葉裏にスプレーしやすいタイプは使いやすいのでおすすめ。殺虫だけではなく予防にも効果を発揮するものが1本あると、いざというときの強い味方になります。購入する前に害虫に適用しているか確認し、また使用前に必ずラベルを確認し使用方法に従ってください。
対処2
時期によっては、思い切って剪定する
薬剤を散布しても、しぶとく発生する場合があります。なかなか改善されない、次から次へと発生する場合は剪定し、該当部分をまるごと取り除く方法もあります。ただし、成長期ではないシーズンに行うと、新しい枝葉が出るのに時間がかかることも。健康な葉はなるべく取り除かないようにしましょう。剪定した後もこまめに様子を見るようにしてください。
対処3
鉢の中も気にしてみる。植え替えも手段
植物と切っても切り離せない土。知らぬ間に土の中に虫が潜んでいることもあります。ねじらみなど根に発生する虫は一度鉢から抜いてみないとわかりません。また、よくあるのがコバエの発生。こちらも土に卵が付いていることがあります。葉や茎を見ても害虫が見つからないけれど、調子が良くなかったり、コバエがやたらと多かったりするときは一度鉢から抜いて確認してみてください。植えるときは新しい土を使いましょう。
対処4
薬剤を使わず取る方法もあります
薬剤を買ったけど届くまで時間がかかり、すぐに用意できないとき。この間にも害虫は成長し、勢力を増していきます。全滅は難しいかもしれませんが、応急処置として手で駆除することもできます。該当部分の害虫をセロハンテープやマスキングテープにくっ付けて取ります。カイガラムシはピンセットやヘラで剥がしていきます。このときできれば土の上に虫が落ちないようにしてください。毛虫やイモムシはピンセットや割り箸などでつまんで退治します。毛虫は素手では触れないように。
対処5
夜のパトロールもお忘れなく
室内ではあまりないと思いますが屋外で管理をしている場合、朝になったら葉にヌルッとした跡があるのはナメクジが潜んでいる可能性が! ナメクジは夜間に活動し、ジメッとした暗いところを好みます。昼間は鉢底や土に隠れていることがあります。どうも様子がおかしいなと思ったら夜暗くなってから周りをチェックしてみてください。ナメクジの忌避剤を取り入れてみるのも手段です。
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