
40代メンズファッションをおしゃれに導く処方箋。おじさんぽく見られない秘訣とは
楽はしたいが、だらしないのは命取り。トレンドはもちろん大切だが、浮ついてもいられない。微妙なさじ加減を要する40代メンズファッションの作り方について解説しよう。
40代ファッション=大人の男の着こなし、というのを意識しよう
若い頃は自分本位なファッションに走りがち。周りにどう思われようとも、好きを突き詰めることこそ正義、と信じて疑わなかった人も多いはず。ただ、40代ともなるとなかなかそうはいかない。場所やシチュエーションに応じた着こなしだったり、後輩や上司に囲まれながら周囲の空気に合わせたりする必要も出てくるもの。とはいえ、周囲に埋もれることなく存在感をそこはかとなくアピールすることも大事だろう。個性と協調のはざまにいる微妙な世代のメンズにとって、どんな着こなしが正解か? 何を意識すれば良いのか? そのバランスは思っている以上に難しいが、手始めに年齢に見合った大人なスタイリングを意識することが重要となってくるだろう。
おじさんぽいとはいわせない。40代のメンズファッションで押さえるべき四大ポイント
大人っぽさを意識することは40代の真っ当なコーディネートにおける基本。とはいえ、下手にクラシックへ振りすぎるとおじさんぽさが顔を出し、トレンドばかりを追いかけると若作りしていると思われかねない。ここでは、そう思わせないための4つのポイントをご紹介。これらを意識することで、周囲からの評価を変えることができるはずだ。
ポイント1
どこかに品のあるアイテムを投入
40代にもなると、ただおしゃれしていれば良い、というわけにもいかなくなってくる。締めるところは締めないといけない世代でもあるからだ。となれば、その役割を担うアイテムがカギを握る。参考になるのは、ラペル付きのジャケットやシャツ、スラックスといったドレス寄りのアイテムだ。キリッとしたアイテムを1点投入するだけで、カジュアルなコーディネートに一本筋を通すことができるため、存分に頼ってみてほしい。
ポイント2
色や柄の数は抑える
コーディネートにトレンドの色を取り入れることは大事なこと。カラフルな色や柄の投入が、オリジナリティに直結することもよく心得ている。ただ、色や柄の多投におけるハードルの高さは歳を重ねるたびに実感しているはずで、無理をしている感が出てしまうことも。足元を見つめ、ここはひとつ、落ち着きをもたらすモノトーンやネイビーを軸に据え、色数もせいぜい2つくらいまでに抑えたい。
ポイント3
シルエットはジャスト~ややゆるめくらいまで
昨今、メンズカジュアルにおいてルーズシルエットが隆盛を極めている。ボトムスも、スキニーやナローよりもワイドやビッグが主流だ。ただ、それを鵜呑みにしてそのまま取り入れると、結果だらしなく見られたり子供っぽく見られたりするのが関の山。ここは冷静に見極め、ピチピチではないジャストなシルエットか、過度ではなく程良いゆとりのあるアイテムを選びたい。
ポイント4
清潔感はもちろんマスト
着こなしやアイテム選びを考える前に、まず大前提として意識しておきたいことがある。それが清潔感だ。40代ファッションのコーデ攻略は、どれだけ周囲から好印象を引き出せるかにかかっているといっても過言ではない。確かに古着のような味のあるアイテムが大好物な大人は多い。ただ、誰もがその価値観を共有しているとは限らない。極端な汚れやダメージがあるアイテムはなるべく避け、クリーンなアイテムを取り入れたほうが無難だろう。
ポイント5
クラシック一辺倒は避ける
紳士たれ、とは歳を重ねるたび言われてきた言葉であり、その背中に憧れを抱き追ってきた大人はきっと少なくない。おそらくその視界には、ステレオタイプ的紳士像を描いている人もいるだろう。ただ、そこへ従順に自分を当てはめていくと、どこか古めかしく見えてしまうことがあるのも事実。クラシックを否定はしないが、そこへ抜け感、遊び、今っぽさを加えて、現代的紳士像を作り上げるよう注意しよう。
この5つを揃えよう。40代メンズファッションに効く“鉄板”アイテムとコーデ術
40代の大人たちがスタイリングする際に必要な要素は先に述べた通り。では、それらを踏まえたうえで、数ある選択肢の中からどんなアイテムを手に取るべきか。その答えは、意外なほどシンプルで、実は以下の5つさえワードローブに備えておけば安心。その活用法を、街のおしゃれ上級者たちから学びたい。
▼鉄板アイテム1:羽織ればきちんと感が纏えるジャケット
セットアップスーツの端正な姿を支える一翼であることも、おそらくそのイメージを支えている要因だろう。ラペル付きのジャケットを羽織るだけで、アメカジ的着こなしも、ストリート的着こなしも瞬時に端正な佇まいへと変貌。ゆえに、アンコンタイプや機能系であってもその威力は衰えない。今なら、リラックスできる一着を手に取ることで大人としての余裕を醸したい。
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コーデ1
ドレスへアウトドア要素を招き入れるための妙案
ドレスとアウトドア。おおよそ相容れない2つの要素をワンスタイルで表現するのは至難の業のように聞こえるが、一部に気を配ることで実践できる。例えば、ジャケットのインナーに白シャツを選んで上半身はきちんと感を意識。そこに合わせたショートパンツとレギンスのレイヤードは、色を同色にしながらロングレンジのボトムスのように振る舞えば、山系の着こなしの融合は一気に進む。
コーデ2
派手色カジュアルをたしなめるジャケットの威力
ラフなアイテムの代名詞たるパーカー。しかも、ブルーとグリーンの中間色のような鮮やかな色味にキャッチーなプリントが踊るモノは、得てして子供っぽさが漂ってしまいがちだ。ただ、クリーンなジャケットを羽織ることですべてが解決。トップスで遊んだ分、ボトムスは落ち着いた色味の美脚チノパンとカラーをシンクロさせた革靴然とした足元でバランスを取りたい。
コーデ3
大胆なパターンのアイテムをジャケットで手懐ける
春や夏などのシーズンは、季節柄つい着こなしや選ぶアイテムも大胆になることもあるだろう。しかし、冷静になったときに後悔した人も多いのでは。そこで、そうならないための処方箋となりうるのが40代にとっては馴染みのあるグレージャケットだろう。程良くデザインされたものなら、胸元が大胆に開いたカットソーだろうが、極端なワイドシルエットのデニムだろうが自分のものにできるはずだ。
▼鉄板アイテム2:クリーンさが主張できる白シャツ
オフィシャルな場において、先述したジャケットと同様に主役級の存在感を発揮するのがシャツ。特に、色のイメージからして白シャツは、労せずしてクリーンさを周囲に伝えることができる。しかも、オックスフォード生地なら適度にカジュアルさを、ポプリン生地ならエレガントさを、ビロードならば上品さを、というように、素材の違いによって周囲に与える印象も変わってくるので使い分けも可能だ。
コーデ4
幼く見えがちなショートパンツを白シャツで改善
暑い日ともなればショートパンツに手を伸ばしたくなる。ただ、合わせ方を一歩間違えれば子供っぽい印象になりかねない。そこで、オーソドックスな白シャツの出番。とはいえ、かっちりしすぎれば他アイテムとのテンションの差に違和感が出てしまうこともあるため、バンドカラーなどをカジュアルにも振りやすいアイテムをセレクトしたい。さらにベストを加えればワンランク上の着こなしが叶うだろう。
コーデ5
過度なルーズさを救うクリーンな白
ワイドシルエットが今の主流とはいえ、鵜呑みにしては楽さゆえのだらしなさが顔を出してしまうおそれも。ただ、それも白のクリーンさが救ってくれるため心配はいらない。さらにそこへ白シャツをプラスすればより清潔感のある雰囲気を主張できる。とはいえ、上下を白でまとめると、若干ハードルが上がってしまうため、白とウマが合うベージュのニットベストなどでバランスを取るのがおすすめだ。
コーデ6
白シャツ1枚で男らしさと清潔感の両取りを
ワークやミリタリーに漂う武骨さやたくましさは、いつの時代も男たちの心をつかんで離さない。ただ、普段から身につけるのであればその“いかつさ”を和らげるちょっとした気遣いは必要だろう。最も近道なのが、真逆なイメージのアイテムである白シャツ。清楚な姿はミリタリーの重たい印象をうまく中和してくれるだろう。さらに小物をちりばめ、重厚さも軽くいなしたい。
▼鉄板アイテム3:スッキリとした雰囲気が醸し出せるテーパードパンツ
脚のフォルムに沿ったテーパードシルエットのボトムスは、それだけでもスマートさをアピールできる。それはつまり、どのタイプを選んでも相応の佇まいを演出できるということ。品を上乗せしたいなら直球的にスラックスを。ジーンズやチノパンであればアメカジやアメトラっぽさを出せるだろう。流行を意識するならクライミングパンツを選び、ほんのりアウトドア感を香らせるのもアリだ。
コーデ7
手軽にフレンチカジュアルを表現するためのトリセツ的コーデ
程良い品を取り入れたカジュアルスタイルを考える際、もっともイメージしやすいのはフレンチカジュアルではないだろうか。ブルーとホワイトの配色、ボーダー柄のバスクシャツなど、特徴的なポイントを押さえることですんなり表現できる。さらにスタイリッシュな印象を追加したいなら、ボトムスはスマートなテーパードシルエットを選ぶことをすすめたい。
コーデ8
大人っぽさの中に見せる抜け感で洒脱さアップ
薄手のステンカラーコートは、それだけでも大人っぽい雰囲気を醸せるため1着持っておいて損はない。その際、開放的なネックのカットソーを取り入れるなど、丈長の重たさはインナーで調整する配慮を。ボトムスも同様で、コートの印象に足並みを揃えるべく、テーパードをさりげなく利かせた一本を採用しつつ、適度な肌見せで抜け感を加えよう。
コーデ9
アメカジを一気にシックな雰囲気に変えるテーパードパンツ
アメカジが再び注目されている。となれば、Gジャンは実に頼りになるアイテム。そこにグレースウェット&太めのワークパンツを合わせればもうキマり。だが、そのまま踏襲しては懐かしさばかりが先行してしまうため、ボトムスを変更してアップデートを図りたい。例えば、アウトドアブランドのテーパードがかったこんな一本。それによりグッと今風に仕上がる。
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▼鉄板アイテム4:上品な足元を作るレザーシューズ
足元は口ほどにモノをいう、というのはもはやメンズファッションの定説。普段履きするなら、なにも内羽根のストレートチップのようなフォーマルの正統派でなくても良い。そう、例えばカジュアル色の強いローファーであればアメトラな雰囲気に仕上がり、ポストマンシューズなら凛々しい足元に。チャッカブーツやサイドゴアブーツならプレーントゥに勝るとも劣らない気品を打ち出せる。
コーデ10
ワークアイテムの粗野感をレザーブーツでいなす
男くささが先行しがちなワークアイテムだが、合わせるアイテムによってどこか品のある着こなしへと仕上げることももちろん可能。渋みのある色合いのハンチングやマフラーなどの小物に頼る、というのも対処法としては申し分ない。小物はあまり持ち合わせていない、なんて人は足元を変えるだけでも良い。チャッカタイプのレザーブーツで引き締めれば、どこか大人びた風情がコーディネートに漂うだろう。
コーデ11
馴染み薄の鮮やかな彩りは正統派な足元で引き締める
高まる気温に背中を押され疼きだす行動のムシ。そのテンションに合わせて、スタイリングにもどこか鮮やかな色を取り入れたい。とはいえ、カラーコーデはハードルが高いもの。だとすると、周辺は扱いなれたアイテムで固めてみるとどうだろう。濃紺のデニムやダークブラウンのローファーと、お馴染みアメトラアイテムを従えれば鮮烈な赤も怖くない。
コーデ12
今、古着を着るための選びとこなし
清潔感を優先したいがために、否応なく古着を選択肢から外すのはもったいない。であれば、品を印象付けるアイテムを古着で選べば良い。ニットや美脚パンツを追加すれば、さらに大人な雰囲気を醸し出せる、極め付きは足元の革靴。ほんのり漂うエレガントさは、好印象を得るための呼び水になるに違いない。
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▼鉄板アイテム5:これぞ大人のファッション小物、レザーバッグ
革靴同様、少ない面積で絶大な存在感を発揮するのが革小物である。特にバッグは、日頃から持ち歩くものだけに意識したいところ。手っ取り早いのはクラッチバッグかもしれないが、サコッシュやトートバッグ、リュックといったカジュアル畑のバッグであってもレザーメイドのものであれば心配ご無用。素材が醸す上質さや気品はむしろ、そんなアイテムでこそ、より実感するかもしれない。
コーデ13
直球的アメカジに違いを生み出す気の利いた小物
得てしてデニムのセットアップは土っぽく見えがちで、往年のアメカジにもよく見られたスタイルだけに少々時代錯誤感が出ることも。ただ、濃紺であれば途端に見え方が変わる。さらに後押ししてくれるのが小物の活用。胸元にスカーフを巻く、足元は革靴を合わせる、そして、バッグはレザーのものにする。これだけでクラス感がそこはかとなく漂う着こなしが完成するのだ。
コーデ14
レザーのボディバッグでコーデにシックさとアクティブさを
大人っぽさを目指すならトラッドな着こなしが最短ルート。とはいえ、それ一辺倒では少々お堅いイメージに。要は持ち前のハンサム感を生かしつつ、程良くラフさを持ち込むのがキモということだ。たっぷりめのニットベストにカジュアル革靴の代名詞でもあるローファー、そして革製のボディバッグと、同じようなバランスのアイテムで固めればおのずと最適解に行き着く。
コーデ15
ラフな着こなしにはレザーバッグで品を
楽な格好がしたいが、大人っぽさは忘れたくない。そんなときはレザーバッグが大いに活躍するはずだ。例えば、スウェットにゆるめのパンツ、キャップにスニーカーとラフな着こなし。しかし、そこにレザーバッグを投入するだけでご覧のように品のある雰囲気を醸し出すことができる。その際、よりシックに見せるため全身モノトーンにするのも手だ。
欲しいのはさりげない“品”。40代メンズにおすすめのファッションブランド5選
大人が手にすべきアイテムやコーディネートのポイントは、これまで述べてきたことを考えれば概ね想像がつくだろう。そんなアイテムを数多くラインアップするブランドは、当然、大人な着こなしを目指すうえではぜひとも押さえておきたいところ。なかでも、40代の大人が手にすべきファッションブランドを5つに絞って取り上げる。
ブランド1
『ポロ ラルフローレン』
40代であれば、誰もが一度はその門戸をくぐってきたであろうアメリカントラッドの雄。その始まりは創設者、ラルフ・ローレン氏がネクタイ販売業を始めた1967年まで遡る。アメリカ的視点から英国スタイルを表現したそのコレクションは共感を集め、1970年にはファッション界のアカデミー賞といわれるコティ賞を受賞。今では世界中にファンを持つ。名作も数知れずで、ポロシャツはその代表格のひとつ。国内ではビッグポロが大きな話題をさらった。
ブランド2
『ブルックスブラザーズ』
ラルフ・ローレン氏がブランドをスタートする以前、『ブルックスブラザーズ』でセールスマンとして働いていたことは有名。アメリカ国内でもっとも早く既成スーツを販売したことでも知られ、歴代プレジデントたちからの深い寵愛も得てきた。そんな同ブランドの大定番といえば、創業者の孫が英国でポロの試合を観戦した際、彼らが着用していたアイテムから着想を得たポロカラーシャツ。“ファッション史上最も模倣されたアイテム”ともいわれている。
ブランド3
『サンスペル』
『サンスペル』もまた歴史のあるブランドである。創業は1860年で、創設者のトーマス・ヒル氏が、英国のレース産業の中心地、ノッティンガムのニューゲイトに繊維工場を開業したのが始まりだ。以降、数々の困難を乗り越え、高級下着のパイオニアとして多くの名誉を得ることになる。英国スパイ映画の金字塔『007』の21作目『007 カジノロワイヤル』では、ジェームス・ボンド扮するダニエル・クレイグ氏が『サンスペル』のアイテムを着用。多くの耳目を集めたことも記憶に新しい。
ブランド4
『スタジオニコルソン』
これまでのブランドに比べたら、2010年設立と圧倒的に歴史は浅い。ただ、圧倒的にエレガントで40代の大人たちにマッチする逸品といえよう。デザイナーのニック・ウェイクマン氏は、自身が影響を受けた紳士服が備えるドレッシーさやシルエットの美しさを実用的なワードローブへ落とし込み、感度の高いファッションフリークや識者たちから多くの称賛を集めた。また、日本の文化や建築からもインスピレーションを受けており、我々の感性にもことさら響くのである。
ブランド5
『ジェイプレス』
創業120周年を迎えるアメリカの老舗。当時から掲げられている、“服は着る者の人格を表す”というテーマは今なお掲げられ、その時々の空気を吸い込みながら進化を遂げてきた。そんな彼らが紡いできたアメリカントラッドの精神は、アイテムの一つひとつに宿っている。代表的なものとしては、紺ブレ、オックスシャツ、そしてトラウザーズだろう。それらを身に纏うことで、アメリカンクラシックの伝統を体感することができるはずだ。
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『ポロ ラルフローレン』 ポロシャツ
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『ブルックスブラザーズ』 オックスフォードBDシャツ
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『サンスペル』 ロングスリーブモックネックシャツ
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『スタジオニコルソン』 ボリュームパンツ
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『ジェイプレス』 ウエストポイントトラウザーズ
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