三大モデルが人気! アー・ペー・セーのジーンズが支持される理由

専業ブランドでないにも関わらず『アー・ペー・セー(A.P.C.)』にはジーンズのイメージが強く結びついています。その魅力と人気モデルを詳しくわかりやすく解説しましょう。

平 格彦

平 格彦

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2020.04.13

『A.P.C.(アー・ペー・セー)』というブランド名に込められた想い

フランスの人気ブランド『A.P.C.(アー・ペー・セー)』は、デザイナーのジャン・トゥイトゥ氏が1987年に立ち上げたブランド。ブランド名は、“生産と創造の工房 (Atelier de Production et de Creation)”の頭文字を取った略語で、「デザイナーの名前を服のデザインに結びつけたくない」という想いが込められています。

『A.P.C.(アー・ペー・セー)』というブランド名に込められた想い

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そんなコンセプトはデザインにも投影されていて、シンプルで“脱・個性的”という点が同ブランド最大の特徴であり魅力。付け足していくのではなく削ぎ落とすことにより生まれるミニマルなデザインは、30年以上経った今なお新鮮に映ります。フレンチベーシックに機能性を融合しつつ、ほのかなストリートテイストやや反骨心といった要素も感じさせるコレクションですが、全体としてはいたってシンプルです。

『アー・ペー・セー』のジーンズが万人に受け入れられる3つの理由

着る人を選ばず、着る人の個性を最大限に引き出すデザインが、ファッショニスタだけでなく多く人の心を捉えています。とはいえ、支持者が後を絶たない理由はどこにあるのでしょうか?

理由1

ベーシックかつ洗練された中性的なシルエット

ベーシックかつ洗練された中性的なシルエット

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時代の流れを的確に捉え、デザインに落とし込んでいるのが『アー・ペー・セー』のプロダクトに共通する魅力。ジーンズにおいても、モダンで美しいシルエットが長所となっています。定番モデルが放つ研ぎ澄まされたシルエットは男性だけでなく女性にもマッチし、どこか中性的でありユニセックス。幅広いサイズ展開のため、メンズにもレディースにも対応しています。

理由2

厳選に厳選を重ねた良質なデニム生地

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天然素材を中心としたマテリアルを徹底追求しているのも『アー・ペー・セー』の特徴。ジーンズは基本的に日本製のデニム生地を採用しています。アイテムや時期によって生産国やボタンの仕様などは変わっていますが、生地は原則“MADE IN JAPAN”。熟練した職人ならではの技法を用いてインディゴ染めのコットンで織られたデニム地は、当然ながらハイクオリティ。タテ糸にマザーコットンと呼ばれる高級綿糸を採用するなどデザイナーのこだわりは細部におよび、それらが美しい色落ちを実現する要因にもなっています。

理由3

徹底してミニマルに徹する一貫した世界観

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ジーンズに限ったことではありませんが、『アー・ペー・セー』のコレクションはシンプルなデザインがベース。ジーンズに関しては無駄な装飾を一切排除し、ミニマルに仕上げているのが大きな特徴です。象徴的なのはヒップ周りで、名門ブランドのジーンズには必ず施されているバックポケットのステッチを省略。また、ブランドのタグやパッチなども省いています。その一方、オレンジのステッチなどがジーンズならではの表情を演出。そのバランスが秀逸です。

『アー・ペー・セー』 を代表する、三大定番モデル

定番モデルのシルエットは、スリムにして普遍的。『アー・ペー・セー』のジーンズはミニマルだからこそ、洗練されたシルエットが際立っています。人気の高い定番モデルの魅力と着こなし例を、ニュースタンダード、プチスタンダード、プチニュースタンダードの順に解説します。

▼モデル1:微テーパードが美脚を生む、ストレートシルエットのニュースタンダード

▼モデル1:微テーパードが美脚を生む、ストレートシルエットのニュースタンダード

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1989年に誕生し、『アー・ペー・セー』のジーンズ人気を押し上げたクラシックなモデル。定番3モデルの中では最もシルエットに余裕があり、裾に向かって緩やかなテーパードを効かせることで見た目の印象がストレートレッグになるように工夫しています。イメージソースは今世紀の初めにアメリカ開拓者の間で愛用されていたジーンズ。肉厚な14.8オンスのデニム生地は、ねじれにくく縫い目の強度も増す赤耳を採用しています。

着こなし1

ジーンズの美脚シルエットをさシックな色使いで後推し

ジーンズの美脚シルエットをさシックな色使いで後推し

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ニュースタンダードはストレートに見えるシルエットが特徴的。クラシックなアメカジテイストのムードを宿していますので、野暮ったいイメージにならないように着こなすのがセンス良く見せるポイント。ダークなノンウォッシュのジーンズを選びつつ、ほかのアイテムをブラックで統一することでクールかつ落ち着きのあるスタイリングにまとめています。裾をさりげなく折り返すことで、足元に抜け感もプラス。

着こなし2

文字通りの”スタンダード”は、品良くも装える

文字通りの”スタンダード”は、品良くも装える

WEAR

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ストレートシルエットによる程良い男らしさを残しつつも、9分丈に仕上げることで品良くはきこなした好例。14オンスのハリのあるデニム地により、スラックス然としたカッチリ感も備えています。すっきりとさせた足元には、きれいめムードを後押しするローファーをオン。太ストライプのシャツがカジュアルさを醸しつつも、色を揃えたカーディガンとのコンビネーションで統一感も演出しています。

▼モデル2:やり過ぎないスリムシルエットが新鮮な、プチスタンダード

▼モデル2:やり過ぎないスリムシルエットが新鮮な、プチスタンダード

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最初に紹介したニュースタンダードをベースにしつつも、よりスリムに仕上げたストレートジーンズがプチスタンダード。ヒップ周りやレッグラインを細く仕上げているのはもちろん、股上も浅めに設定することでコンパクトなシルエットにまとまっています。ロックスタイルで使われるようなスキニー系ではなく、細すぎない独自のタイトジーンズという提案が絶妙で、新しい定番となりました。

着こなし1

ワーク調のアメカジスタイルもどこかスタイリッシュに

ワーク調のアメカジスタイルもどこかスタイリッシュに

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プチスタンダードの細身なシルエットを生かしたデニム・オン・デニムスタイルのお手本。上下がデニムだと野暮ったいムードに陥りがちですが、パンツもシャツもタイトシルエットにすることでスタイリッシュに着こなしています。さらに、ワークテイストの男臭さを緩和するためにインナーとスニーカーで白を差して爽快に。ジーンズの裾を太めにロールアップしたり、シャツの袖をまくったりすることで、こなれたムードも加味しています。

着こなし2

シャープなシルエットを活かしたメリハリシルエット

シャープなシルエットを活かしたメリハリシルエット

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定番モデルで最も細いジーンズとなるプチスタンダード。だからこそ、トップスはルーズなアイテムを選んで今どきのリラックス感を演出するのもおすすめです。シルエットによる上下のコントラストがお互いの特徴を強調。細身のジーンズには収縮色となる寒色のダークトーン、ゆるめのニットは膨張色となる暖色のライトトーンを選ぶことでメリハリをさらに際立たせています。シルエットで遊びを利かせつつも、各アイテムはシンプルなので落ち着きのある大人なカジュアルスタイルという印象に落ち着いています。

▼モデル3:定番2モデルの長所を凝縮した、プチニュースタンダード

▼モデル3:定番2モデルの長所を凝縮した、プチニュースタンダード

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前出の2モデル、ニュースタンドとプチスタンダードの特徴をMIXしたシルエットが最も今日的なプチニュースタンダード。股上は深めでニュースタンダードに近く、膝から裾にかけてのテーパードは強くしてプチスタンダードのような細身のレッグラインを実現しています。つまり、両モデルの長所をブレンドしてバランスを整えたモデルがプチニュースタンドというわけです。

着こなし1

ざっくりとカーディガンを羽織ったVラインシルエットとも好相性

ざっくりとカーディガンを羽織ったVラインシルエットとも好相性

WEAR

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シルエットが美しい『アー・ペー・セー』のジーンズは、色落ちしててもラフな印象になり過ぎることがありません。とくにプチニュースタンダードはシルエットのバランスがモダンなので、何気なくはくだけでスタイリッシュ。トップスにはボリュームのあるカーディガンを合わせ、メリハリの利いたリラックス感満点のVラインシルエットを構築しました。

着こなし2

スキニーシルエットも馴染みやすい、サイジングの妙

スキニーシルエットも馴染みやすい、サイジングの妙

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定番の3モデルには、加工や生地が異なるタイプも展開されています。ストレッチ生地を使用したタイプを選べば、タイトなサイズ感でも動きやすく快適です。とくにプチニュースタンダードはレッグラインがタイトでも腰周りに適度な余裕があるため、好みによってフィット感の強いサイズを選んでもOK。そんなサイズ感を選んだ際は、フェミニンな印象にならないようにライダースジャケットやブーツなどで男っぽさを加味するのがおすすめです。

手軽にリアルなユーズドジーンズを楽しめる「バトラープログラム」

実は、はき込んだ『アー・ペー・セー』のジーンズは下取りに出すことができます。それを実現しているのが、“何も生み出されることも、破壊されることもなく、ただ形が変えられるのみ。” という哲学をコンセプトに生かした独自の「バトラープログラム」です。

手軽にリアルなユーズドジーンズを楽しめる「バトラープログラム」

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その概要は、はき古した『アー・ペー・セー』のジーンズをショップに持ち込めば、新しいロージーンズを半額で購入できるというものです。ただし、中古ならどんなジーンズでも良いというわけではありません。今回紹介した定番の3モデルであり、ノンウォッシュインディゴジーンズであるというのが条件。さらに、美しくインディゴが残りつつ、適度に色落ちしてヒゲやアタリがはっきり出ているのが適した状態です。さらに、大きな穴がなく、サイズ感も一般的なほうが好ましいようです。アイテムやショップごとの個別判断というところも少なくないようですので、興味がある人は実際に持ち込んでみてください。

手軽にリアルなユーズドジーンズを楽しめる「バトラープログラム」 2枚目の画像

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引き取られたジーンズはワークショップで洗濯され、リペアされたうえで、最初の所有者のイニシャルが内側に記されます。そして、“バトラージーンズ” として再び店頭に並びます。反対の視点から見れば、ユーズド加工のジーンズが欲しいという人は、バトラージーンズを狙うのも賢い手段。こまめにチェックすれば、幸運な出会いに恵まれるかもしれません。

※詳細や対象ショップは公式サイトの「A.P.C. BUTLER」という項目をご参照ください。

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あらゆるボトムスの中で、一度手に入れたらもっとも長い付き合いになるのがジーンズ。それゆえ、確かなモノ作りを行うブランドをしっかり押さえておくことが重要だ。

那珂川廣太

2020.03.02

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多くの人が『アー・ペー・セー』のアイテムを通してフランスを身近に感じてきた。常に我々を惹きつけるその引力の源を、新作Tシャツのラインアップから探っていきたい。

菊地 亮

2020.05.28

注目編集者
平 格彦

60以上のメディアで執筆。「着こなし工学」提唱者

平 格彦
出版社を経て独立。「Men’s JOKER」と「RUDO」は創刊から休刊までほぼ毎号で執筆。さらに「MEN’S CLUB」「GQ」「GOETHE」など、60以上のメディアに関わってきた。横断的、俯瞰的に着こなしを分析するのが得意。そんな視点を活かし、「着こなし工学」としての体系化を試みている。
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