
ジッポがアウトドアギアとして人気再燃中。定番ライターの魅力と使い勝手を解説
渋いおじさんの喫煙用アイテムと思いきや、実はキャンプやアウトドアシーンで密かに人気を集めているジッポ。嘘だと思ったら、要注目。その理由をしっかり解説します!
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一生使えるライターといえばコレ。『ジッポ』をキャンプの相棒に
1930年代のペンシルベニア州で誕生した老舗オイルライターブランドの『ジッポ(ZIPPO)』。当時の着火器具といえばマッチ、もしくはオーストリア製のオイルライター『イムコ』が主流でしたが、いずれも一長一短があり、どうにも具合が良くない……。そこで創業者のジョージ・G・ブレイズデル氏は既存のオイルライターを改造し、ワンタッチで着火できるような仕組みを開発しました。これが『ジッポ』の始まりです。
片手で開け閉めできて、親指でフリントを擦れば火が着き、しかも風に強いという『ジッポ』は瞬く間に人気を博し、今ではオイルライターは『ジッポ』といわれるまでに。そんな『ジッポ』ですが、禁煙ブームもあって街で見かける回数が減ったような気が……。しかし新たな活躍の場があるんです。そう、それがキャンプやアウトドアシーンです!
『ジッポ』がなぜアウトドアシーンで人気を集めているか。その理由のひとつに、徹底したタフさがあります。わずかなパーツで構成されているため壊れる部分が極めて少なく、フリントストーン(火打ち石)や芯、中綿といった消耗品類は個別で購入が可能です。それだけでなく、ケースやフリントが壊れた際は、無料で交換もしくは修理を行なってくれる生涯保証付きという点からも、その信頼性の高さがうかがえます。
そんな『ジッポ』のタフネスぶりがよくわかるのが、第二次大戦時中の逸話。ベルギー戦線に従軍したアメリカ兵がドイツ軍に狙撃された際に胸に入れた『ジッポ』が弾を受け止めたのだとか。しかもその『ジッポ』は凹んだものの壊れることもなく、オイルを入れれば今でも火が着くそうなのです。ベトナム戦争時でも『ジッポ』は兵士たちに愛され映画や当時の写真には、ヘルメットバンドにマルボロと一緒に挟んでいる兵士たちを観ることができます。また、これは湿気と雨の多いベトナムにおいても、確かな着火性能を確保していた証しでもあります。
意外な盲点。アウトドアで『ジッポ』をおすすめしたい理由って?
一般的にアウトドアのライターといえば『チャッカマン』のようなロングノーズのガス注入式ライターやCB缶を接続するトーチが主流。確かにそれらのアイテムは焚き火やバーナーに着火する際に火元から距離を取れるため安心ですし、最近はガレージブランドから見た目や機能にこだわった製品も出されています。しかし、ここ数年はキャンプサイトにテーマを持たせてコーディネートするのがトレンド。なかにはミリタリーなカモ柄や実際に放出品のギアを使ってサイトを作る人も多いでしょう。そんなサイトを作るなら、当然G.I.たちが愛用した『ジッポ』がライターの第一選択肢といえるのではないでしょうか。しかもその使い勝手ときたら現役でアウトドアに使えるほどの利便性を備えている、いやむしろ最新のギアに勝っている部分すらあるのです。
理由1
ポケットに入る携行性の高さが、ジッポの強み
さて、『ジッポ』がアウトドアで使える理由ですが、まずはそのコンパクトさ。ガス式のロングライターやCB缶トーチはそれなりのサイズがあるため、基本的にテーブルの上に置いておくか、どこか場所を決めて収納しておくのが普通。そしてキャンプあるあるなのが、暗くなっていざランタンやバーナーを点火しようとしたら「あれ? ライター、どこにやったっけ?」と探し物地獄が始まったり、ひどいときにはライターそのものを忘れてしまっていたり……。
それに対して『ジッポ』はポケットに入れておけるように設計されているため、肌身離さず持っておけば失くす心配も無用。なにせジーンズのコインポケットにも入るぐらいのサイズですから、ストレスフリーで持ち運べます。普段から携行していれば、忘れる心配もないでしょう。
理由2
一度着火すれば燃え続ける便利さが、キャンプには心強い
『ジッポ』を使うぐらいなら100円ライターで十分、と思ったら大間違い。キャンプシーンで100円ライターはやや不向きともいえます。というのも、100円ライターで火を着け続けるにはグッと押し続ける必要があります。生木の小枝など火が着くまでに時間がかかるものには不向きですし、指を火傷してしまうことも。その点、『ジッポ』なら一度火を着けてしまえば蓋を閉めるまで着きっぱなし。倒れないように気をつければ、そのままテーブルの上に置くことすら可能です。ただし、あまりにも長時間着けっぱなしだと金属製のボディが帯熱してしまうためご注意を。
理由3
どんなときもしっかり火が着く、耐風性能の高さ
風の強い日もあるアウトドア。一生懸命に体を風避けにし、四苦八苦しながら火を着けた経験のある人も多いはず。そして『ジッポ』の最大の長所こそが、耐風性。そのタフさといったら、火を着けた状態でブンブン振ってもそう消えないほど。燃料にオイルを採用していたり、電子式が増えるなかでフリント方式の点火を採用していたり……、さらに、大ぶりな風防を備えている点なども耐風性に貢献しています。アウトドアマンの信頼も厚く、風が強い高所登山ではあえて『ジッポ』を選ぶ人もいるほど。
なお、『チャッカマン』には“気温10度以下や高地では着火しにくいことがあります”というただし書きがあります。これは、ガス式のライターや100円ライターの燃料が、低温や高地では気化しにくいため。『ジッポ』も同様に、低温下では火が着きにくいことがあります。これは肌身離さずポケットに入れておけばクリアできるでしょう。
理由4
カイロとオイルを併用すれば冬キャンプにも
冬キャンプの就寝時に愛用者が多いのが、ハクキンカイロと『ジッポ』のハンディウォーマー。ともに、金属製のボディにオイルを入れることで気化したオイルが触媒の作用で酸化発熱する化学カイロの一種で、燃料を注ぎ足しすれば継続して使用可能です。そして一酸化炭素の発生もないため、テント内でも使えます。なお、どちらかといえば、個人的には『ジッポ』のハンディウォーマーがおすすめ。というのも、ハクキンカイロはベンジンを使用するため専用の燃料を用意する必要がありますが、『ジッポ』の場合はライターオイルでOKなのです。キャンプ時はもちろん、普段からなるべく共通の燃料を使えるほうが便利ですし、ライターオイルはコンビニやスーパーで入手できるのもありがたいところです。
理由5
ルックスも所作も、やっぱり『ジッポ』はかっこいい
そして何よりの『ジッポ』の魅力こそが、元来は喫煙具ゆえに嗜好性が高いところ。蓋を開けたときのキン、という澄んだ音や、オイルの燃える匂いなど、五感に訴えかけてくる使い心地も魅力です。また、使い込むに従って味が出ますし、オイルの補充や芯の交換など手入れをするたびに愛着が増す道具でもあります。素材もシンプルなステンレス製から真鍮やシルバー925製などバリエーションも豊富で、ミリタリー風のサイトに合わせてヴィンテージのベトナム『ジッポ』を……といった男のこだわりを反映できるギアでもあります。ちなみにクルッと回して蓋を開けたり、ジーンズで擦って蓋を開けつつ点火したり……、と所作にも各人各様のこだわりがあったりするものです。
『ジッポ』初心者にはコレ。まず検討すべき3型を紹介
ノベルティものからヴィンテージまでさまざまなバリエーションが存在するのが『ジッポ』。まずは定番3型をチェックし、『ジッポ』の魅力に入門していきましょう。
アイテム1
#200FB クロームサテーナ
一般的に『ジッポ』といえば、こちらをイメージするはず。手に握りやすい幅にシンプルな造形で、多様なバリエーションモデルのベースになった一品でもあります。こちらはクロームメッキを施したのちに荒めのバフを掛けて、ヘアライン加工をおこなったクロームサテーナ仕上げ。傷が目立ちにくいのが特徴です。ヘアライン加工だけでも杉綾風に入るヘリンボーン・スイープや曲線でヘアラインが入るクローム・アーチなどバリエーションが存在するだけでなく、その他にもポリッシュ、サテンクロム、ブラック、クラッケルなど無数の仕上げが存在します。
アイテム2
#162 アーマーB クロームサテーナ
先程のスタンダードモデルのケース厚が0.5mmなのに対し、約1.5倍の0.75mmの厚みを採用しているのがアーマー。アーマーモデルのボトム部分には「A」の刻印が入るため見た目で区別できるほか、通常モデルと持ち比べてみればその差は歴然。がっしりとした質感に蓋を開けるときの重厚感も楽しめます。
アイテム3
#1600 クロームサテーナ
通常モデルの幅が39mmなのに対し、こちらは30mm幅を採用したスリムモデル。1956年から女性層を狙って売り出したモデルで、コンパクトなためポケットなどに入れて持ち運びしやすいのも魅力です。
なお、ここまで紹介してきた上記3種類のスタイルをベースに、異なる仕上げや素材を用いたさまざまなバリエーションモデルが展開されています。
クラシックにキメるなら。レプリカモデルの『ジッポ』をチョイス
長い歴史の間にさまざまな変遷を遂げており、“ヴィンテージジッポ”のコレクターも存在するほど。もちろんオリジナルを探して使うのもアリですが、ここではより手に入りやすいヴィンテージレプリカのモデルをご紹介いたします。
アイテム1
1932レプリカ セカンドリリース
創業当時の姿を正確に再現したのが「1932レプリカ」。その復刻モデルは1988年に一度発売されたもののわずか数年で廃盤となり、こちらも既にヴィンテージ市場ではプレミアム値で取り引きされるレアピースになっています。こちらはその復活を望む声に応え、1997年から発売されたセカンドリリースと呼ばれるもの。しかし、こちらも「ジッポ」社の資料で実は1933年から製造されていたことが判明し、わずか1年足らずで製造を終了した貴重品となります。一説には、ファーストレプリカよりも高い市場価格で取り引きされているのだとか。レギュラータイプより背が高いデザインに二度と刻印されない“1932 REPLICA”の文字が施され、マニアックな欲求を満たしてくれます。
アイテム2
#230.YS クロームサテーナ
創業当時の『ジッポ』の作り方はブラスの角材を輪切りにし、溶接でヒンジを付ける手法であり、非常に角ばった形状をしていました。スクエアな形状の年代は通称“フラット・トップ”と呼ばれ、“ヴィンテージジッポ”好きの憧れでもありますが、そこにダイアゴナルラインと呼ばれる斜線を施すようになったのが1937年頃。外付けのヒンジをはじめ、現行品とは異なる武骨なデザインが魅力です。また数年の間に仕上げが変わり、わずかに角が丸くなっているのも変更点のひとつです。
アイテム3
1941レプリカ
“フラット・トップ”に対して、ラウンドコーナーモデルと呼ばれる1940年代初期の復刻版。現行アイテムと比べて、角が丸みを帯びたデザインが特徴です。ちょうど第二次大戦中の期間であり、数々の戦地で活躍したのもこのスタイルの『ジッポ』だったのでしょう。もともとは復刻版として発売されましたが、数々のバリエーションが登場したことで今や定番入りしているモデルでもあります。
用途に応じて検討すべし。キャンプに使いたい『ジッポ』5選
ここまでは『ジッポ』の定番ラインをご紹介してきましたが、キャンプやアウトドアで使うならコレといった『ジッポ』をご紹介いたします。豊富なバリエーションが存在するのが『ジッポ』の魅力ゆえに、お気に入りのモデルを見つけてはいかがでしょう?
アイテム1
革巻き 栃木レザー
最近はOD缶カバーやスキレットのハンドルカバーなどを、ガレージブランド各社が革巻きでリリース中。そういったアイテムを使っているキャンパーなら、例えばこんな『ジッポ』はいかがでしょう? 使用される革も植物タンニンのピットなめしで知られる栃木レザー製のため、非常に堅牢かつ使い込むに従って経年変化を見せてくれるのも魅力です。
アイテム2
オフィシャルハンティングバッジ
狩猟がプチブームになり、免許を取得する人も多い昨今。こちらのようにレギュラーモデルの表面を光を反射しにくいブラッククロームにアップデートし、ハンティングモチーフをプリントしたモデルなら、さりげなく趣味を主張することができるはず。ちなみに“OFFICIAL”と文字が入っていますが、どうやら全米狩猟協会などの公式ライターというわけではなく、単に「狩猟に使うライターといえばこれだよね」程度のノリなようです。
アイテム3
#204 ブラス サテーナ仕上げ
人気のガレージブランドが多用する素材のひとつが真鍮。なぜなら加工が比較的容易なだけでなく、クラシックなルックスを演出でき、使うほどに経年変化を楽しめるからです。となると、『ジッポ』も真鍮製を選ぶのは自然な流れといえるでしょう。落ち着いたゴールドカラーの色合いは自然の中でも良く馴染むため、キャンプチェアに座って手の中で転がしていれば、ゆったりと流れる時間を楽しめるはず。
アイテム4
#231ZL
ハイテク系のウェアやギアに似合いそうなのが、こちらのモデル。エマージェンシーオレンジカラーのマット加工が施されており、持ったときにヒヤッとしないのも秋冬のキャンプではうれしいものです。また、目立つ色のため、どこかに置き忘れてしまった際も見つけやすく、キャンプやアウトドアでも重宝しそう。
アイテム5
ゆるキャン△ A カリブー
キャンプブームを巻き起こしたといっても過言ではない、日常系アウトドア漫画『ゆるキャン△』公式アイテムがこちら。第8話に登場するアウトドアショップ「カリブー」のロゴなど、原作好きにはニヤリとする刻印が前面に彫り込まれています。刻印もかなり深めなため、意外とグリップが良好なのもポイントです。
この記事の掲載アイテム一覧(全11商品)
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『ジッポ』 #200FB クロームサテーナ
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『ジッポ』 #162 アーマーB クロームサテーナ
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『ジッポ』 #1600 クロームサテーナ
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『ジッポ』 1932レプリカ セカンドリリース
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『ジッポ』 #230.YS クロームサテーナ
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『ジッポ』 1941レプリカ
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『ジッポ』 革巻き 栃木レザー
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『ジッポ』 オフィシャルハンティングバッジ
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『ジッポ』 #204 ブラス サテーナ仕上げ
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『ジッポ』 #231ZL
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『ジッポ』 ゆるキャン△ A カリブー
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