シリーズ8という腕時計には“シチズンの機械式”以上の意味がある

シリーズ8という腕時計には“シチズンの機械式”以上の意味がある

サステナブルな価値観が広がる中、かつて人気を博した「シチズン」の『シリーズ8』がエコな機械式ムーブメントでリブランディング。その魅力をじっくりご紹介します。

2022.06.02
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夏目 文寛

執筆者

海外での取材経験も多数。時計専門ライター

夏目 文寛
出版社勤務時にはファッション誌、モノ情報誌の編集を15年にわたって従事。各雑誌で編集長を歴任し、2017年よりフリーの編集者に。男の嗜好品に詳しく、特に腕時計は機械式の本場スイスをはじめとするヨーロッパに何度も取材に行くほど情熱を傾けている。興味のない人にもわかりやすく!がモットー。 記事一覧を見る
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従来のメーカーイメージを覆した『シリーズ8』、2021年の衝撃

「シチズン」といえば、独自の高性能光発電システム「エコ・ドライブ」をはじめとするハイテク機能を搭載した時計を世に多く送り出してきたイメージが強いのではないでしょうか。『シリーズ8』というモデルが初めて登場したのは、2008年のこと。モデル名の“エイト(8)”は無限を意味する“∞”に由来しており、「シチズン」のテクノロジー、その無限の可能性を象徴したものであったそうです。なお、発売当時は「シチズン」が誇る高効率なソーラー発電機構「エコ・ドライブ」を搭載した先進時計でした。

従来のメーカーイメージを覆した『シリーズ8』、2021年の衝撃

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しかし近年、「シチズン」は伝統的な機械式時計にも力を入れています。その機械式ムーブメントはスイスの高級ブランドにも引けを取らない完成度を誇っており、シリアスな時計ファンを中心に大きな話題に。2021年にリブランドされた『シリーズ8』はそんなハイクオリティな機械式ムーブメントを搭載し、舶来時計に比べてハイコストパフォーマンスで手に入れることができる衝撃作として登場しました。ここからは『シリーズ8』のバックグラウンドから、その魅力まで深掘りしていきます。

『シリーズ8』を支える、引き算のデザインとーブメントの妙

新生『シリーズ8』を語るうえで外せないのが、現代の空気を巧みに取り入れたデザイン性の高さと、ツウをも納得させる高性能な機械式ムーブメントです。この2つのトピックから、同ブランドを解剖していきます。

▼デザイン:かつての『シリーズ8』を規範としつつ、モダンなスポーティさを加味

▼デザイン:かつての『シリーズ8』を規範としつつ、モダンなスポーティさを加味

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2008年の登場時は、“引き算の美学”をデザインテーマに掲げていた『シリーズ8』。ミニマルな価値観の広がりに呼応し、装飾をそぎ落としシンプルで実用に徹したモダンなデザイン性が高く評価されました。当時のライフスタイルと腕時計のデザイン性がぴったりと合っていたわけです。実は、2021年の新生『シリーズ8』も“引き算の美学”というテーマ自体は変わっていません。しかし、時代の空気を敏感に反映した引き算が施されているのです。

▼デザイン:かつての『シリーズ8』を規範としつつ、モダンなスポーティさを加味 2枚目の画像

城下町松本の時計店 一光堂

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シンプルかつモダンなデザインが特徴だった『シリーズ8』、その新生モデルに加わったのは“スポーティ”という価値観です。そこには都会に住む人たちの間でもアウトドアブームに影響を受けたライフスタイルが定着し、オンファッションにおいてもいかに機能的な要素をMIXし、いかに堅苦しく見せないかに注力する時代観が反映されているのです。多層構造のベゼルや直線を多く取り入れたエッジィなケース&ストラップ形状からは、モダンな中にも今っぽいスポーティさを感じられるはずです。

▼ムーブメント:見えないながら、抜かりない。精度も薄さも追い求めた機構の採用

▼ムーブメント:見えないながら、抜かりない。精度も薄さも追い求めた機構の採用

neelセレクトショップ

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新生『シリーズ8』の大きなトピックのひとつが、機械式ムーブメントの搭載です。用意されたキャリバーは2つあり、Cal.0950はそれぞれ「870メカニカル」と「830メカニカル」の2シリーズに、Cal.9051は「831メカニカル」に搭載されています。特にCal.0950は『シリーズ8』のための特別調整品として生産されており、平均日差-5~+10秒と、スイスの高級時計が搭載するメカニカルムーブメントに引けを取らない高精度を実現しています。ちなみに、Cal.9051の平均日差は-10~+20秒とCal.0950には及ばないものの、日常生活では十分な性能を誇っています。

▼ムーブメント:見えないながら、抜かりない。精度も薄さも追い求めた機構の採用 2枚目の画像

時計館 タケカワ

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通常、自動巻き機構を備えた機械式ムーブメントはパーツの制約上厚くなってしまうもの。しかし、『シリーズ8』に搭載されたCal.0950とCal.9051は、厚さわずか4.1mm。「831メカニカル」は、ケース厚10.1mmと自動巻き時計ではかなりの薄さを実現しており、極上の腕馴染みを味わえます。また『シリーズ8』は着け心地を重視してソリッドバックを採用しています。当然ながら裏蓋から内部を鑑賞することは叶わないわけですが、それにもかかわらずCal.0950にはローターに金メッキが施されています。見えない部分にもこだわりを注いだ仕様は、所有感を高めてくれること間違いないでしょう。

ただ高精度なだけじゃない。『シリーズ8』には現代志向の機能も

ただ高精度なだけじゃない。『シリーズ8』には現代志向の機能も

時計館 タケカワ

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『シリーズ8』に限らず「シチズン」が多くのユーザーに信頼されている理由のひとつに、高い実用性があります。『シリーズ8』に採用されているムーブメントには、高い耐磁性能が備わっています。磁力はご存じの通り腕時計の天敵で、ムーブメントのパーツはPCやスマホ、タブレットなどの電子機器が発する磁気によって磁化されると精度が狂ってしまうのです。電子機器に囲まれた現代生活に合わせて、耐磁性能を搭載する辺りは流石実用性の「シチズン」といったところでしょう。また、Cal.0950のパワーリザーブは約50時間と長く、デイリーユースにおいても確かな利便性を発揮してくれます。

押さえるべきはこの3品番。『シリーズ8』の“今”をチェック

『シリーズ8』は、「870メカニカル」「830メカニカル」「831メカニカル」の3シリーズがラインアップされており、順にフラッグシップ~エントリーモデルと位置付けられています。とはいえ、フラッグシップだから「870メカニカル」が良いのかと問われればそんな単純な話ではなさそう。それぞれにデザインや価格面で、きちんとしたメリットが存在しています。これから『シリーズ8』の各モデルにフォーカスを当てていきますので、自分にぴったりのモデルを探してみてください。

▼『シリーズ8』の顔。2体構造のベゼルが目を引く「870メカニカル」

1本目

NA1004-87E

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2体構造、しかもグレーとシルバーのコンビカラーベゼルがスポーティな存在感を醸し出す「870メカニカル」シリーズ。角のないサークル形状のベゼルと対照的に、直線を基調としたケースは非常にシャープでモダンさ溢れるものとなっています。機械式ムーブメントはCal.0950を搭載し、耐磁性能もばっちりです。

2本目

NA1005-17L

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時計館 タケカワ

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こちらは2体構造のベゼルにブルーを採用。しかもウレタンバンドにも同じブルーを施しており、より爽快化かつスポーティなルックスに仕上がっています。ウレタンバンドは尾錠式ではなく、ワンタッチで着脱できる両プッシュの観音開きバックルを採用。ケース径40.8mmと大き過ぎないサイズ、そして厚さは10.9mmと自動巻きとしては薄い部類であるため、装着感が非常に高いのも特徴です。

3本目

NA1002-15W

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THREEC-WEB STORE

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トレンド感や大人っぽさを求めるなら、こちらの限定モデルがおすすめです。文字盤とベルトにフィーチャーされたグリーンは、近年の腕時計のトレンドカラー。そして、同様にトレンドカラーであるゴールドとの合わせは、大人っぽさを演出するのに最適です。白のステッチ入りのレザーベルトは上質感が漂うカーフで、オンのスーツにもよく似合います。

▼3層構造の文字盤が比類なき高級感を生み出す、「830メカニカル」

4本目

NA1010-84X

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腕時計本舗

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他人と被らない個性を主張できるのが「830メカニカル」シリーズです。鮮烈な印象を残す文字盤の加工は、メッシュ状の金属の下に白蝶貝を配したもの。無機質で幾何学的な金属格子とひとつとして同じものがない白蝶貝の輝きがコントラストをなし、まるで工芸品のような美しさを醸し出しています。オクタゴンケースもシャープなムードで、今っぽいラグジュアリースポーツの雰囲気を巧みに演出しています。

5本目

NA1015-81Z

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腕時計のセレクトショップ HATTEN

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クールなグレーコーティングを施した「830メカニカル」のバリエーション。ビス打ちのリューズガードなど力強いケース形状にもぴったりなカラーリングで、よりカジュアルなスタイルにもマッチする一本となっています。インデックスと針にはゴールドカラーをあしらい、特徴となっている白蝶貝ダイヤルと相まって腕元のアクセントになってくれます。

▼コスパは最高。10万円台前半でラグスポの妙が味わえる「831メカニカル」

6本目

NB6010-81A

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個性が立った『シリーズ8』の中で、もっともスタンダードなのが「831メカニカル」。その分、どんな装いにもマッチするモデルともいえるでしょう。とはいえ、都会的かつスポーティな印象のオクタゴンケースの存在感は際立っており、他人と差をつけるには申し分のない出来となっています。

7本目

NB6010-81L

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よりフレッシュな印象を演出したいなら、ブルー文字盤を選びましょう。直線基調のエレガントかつアクティブなストラップと、爽やかなブルー文字盤によってアクティブさを相手に印象づけることができます。前述したように厚さは10.1mmと非常に薄く、着用時のスマートさも抜群です。

8本目

NB6012-18L

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時計館 タケカワ

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極めてモダンでスポーティな印象のケース&ストラップを持つ「831メカニカル」に、カラーリングでひとさじのレトロ感をMIXしたのがこちらのモデル。とはいえ、深いネイビーの文字盤にはグレイン(梨地)加工で今っぽいマットな質感を持たせており、ストラップはカーフとウレタンを組み合わせたものとするなど、ディテールにはこだわりが満載です。

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夏目 文寛

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  • 『シリーズ8』NA1004-87E
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