
テーラードジャケットにスウェット素材を選ぶ理由。その選び方とおすすめ10着
快適さの価値が増し、今やビジネス服にも適度なカジュアル感が求められる時代。スウェット素材のテーラードジャケットが、着心地と見た目の両面で時代のニーズに応えます。
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ビジカジのキラーアイテム。“抜け”のジャケットはスウェットが適任だ
ビジネスシーンにおいても快適さが求められる時代を迎え、適度なカジュアル感も許容されるようになりました。そんな折、従来のテーラードジャケットに代わる選択肢として“楽ジャケ”がデフォルト的な存在に。その中でも機能性や利便性、そして洗濯などケアの面での扱いやすさに秀でた一着として選ばれているのが、スウェットジャケットです。ここでいうスウェットとは、製法的な分類においてはいわゆるニット生地を指します。糸でループを作りながら編んでいくため、一般的なテーラードジャケットに使われる布帛(ふはく)と比べると、伸縮性が非常に高いのが特徴。また、テーラードジャケットに使われるものの多くは仕立て映えするハイゲージな編みを採用しているため、遠目からは布帛と見分けがつかないものも珍しくありません。加えて通気性が高く、シワになりにくいといった特性も、快適さに重きが置かれる昨今のビジネスシーンにマッチしています。
スウェット素材のジャケットを選ぶときに、気をつけたい3つのこと
布帛のテーラードジャケットにはない利点が多数あるスウェット素材。ですが、カジュアル度の高い素材ゆえ、ビジネスの場で着用する場合はいくつか留意すべきことがあります。「シルエット」「配色」「仕立て」という3点において、気を配りたいポイントをご紹介しましょう。
ポイント1
ルーズなシルエットは厳禁! ソフトな素材だからこそ“ダラ見え”しないものを
布帛より伸縮性の高いスウェット素材は、その風合いもソフトで柔らか。こうした特徴も快適さに直結する要素ではあるものの、楽さを重視しているからといってゆったりシルエットを選ぶのはおすすめできません。素材の柔らかさが悪いほうに出て、ルーズな印象を与えてしまう可能性があるからです。やはりここはテーラードジャケットの基本に則って、肩周りやウエストの絞りがしっかり出るようなジャストサイズを選ぶべき。少々タイトに感じても動きに追従して伸びてくれるので、快適さはスポイルされません。
ポイント2
カジュアル見えを避けるなら、ライトなカラーは避けるべし
すべてのアイテムに当てはまるわけではありませんが、色味はネイビーやブラック、グレーの場合は濃いめのチャコール系を選ぶのが賢明です。特にライトグレーや杢グレーは、いかにも普段着のスウェットっぽい見え方となり、必要以上にカジュアルな印象を与えてしまいます。また、ベージュや白といった淡い配色も、かっちり感がない素材ゆえに安見えする恐れがあり、汚れが目立つというデメリットをはらんでいます。
ポイント3
ひとつ上の快適さを求めるなら、縫製の始末や裏地にも注目
スウェット自体はソフトでやさしい着用感が持ち味。しかし、テーラードジャケットに用いた場合は型崩れというデメリットと向き合うことになります。この問題を解消できるかどうかの鍵を握るのが、ジャケット自体の仕立てです。縫い代の始末に用いるパイピングや、芯材などの副資材を省きながら仕立て映えさせる縫製やパターンがこれにあたり、ブランドによっては袖の通りを良くするために裏地を設けるなど、上質なテーラードジャケットに見られる製法を、手間を惜しまず取り入れているケースも珍しくありません。試着する際は、こうした作り込みが丁寧になされているかどうかにも目を向けてみましょう。
春夏は主役で、冬はインナーで。スウェットジャケットの着こなしハウツー
ここからは、スウェットジャケットをビジカジの中でどう生かすのか、スタイルサンプルで見ていくことに。主役を任せる春夏、インナー使いする冬という2つのパターンにおける良きお手本をどうぞ。
▼春夏:スウェットならではのリラックス感を生かしつつ、シックにまとめてバランスを
スウェットジャケットはテーラード特有のきちんと感がありつつ、Tシャツやスニーカーといったカジュアルなアイテムで“抜け”を作りやすいのが魅力。しかし一方で、カジュアル要素を増やし過ぎるとだらしなく見えるリスクが高まります。そのため、リスクヘッジのためにこの写真のようにジレを加えたり、パンツはセンタークリース入りにしたりというように、きれいめな要素も加えてバランスを取るのが賢明です。革靴やスカーフで洒落感を添えるといった、クリーンな小物使いも有効。
コーデ1
白Tによるカジュアルダウンを、革靴で品良く調節
こちらは、濃紺のスウェットジャケットを『PT01』の細身チノパンで適度にカジュアルダウンした装い。インナーにシャツではなく白Tシャツを採用しているがゆえのカジュアル感を、足元のスリッポンにレザー素材を採用することにより上品な印象に誘導しています。首が詰まったジャストフィットの白Tも、ゆる見え回避に貢献!
コーデ2
スウェジャケ&リブパンツのスポーティさを、爽やかなシャツで相殺!
きちんと感を印象付けられる濃紺スウェットジャケットに、革靴という組み合わせ。それに対し、イージーパンツで抜け感をプラスしています。パンツはリブ裾なので足元に漂うスポーツ感はかなり強めですが、インナーを襟付きのシャンブレーシャツにすることでカジュアル感を相殺。ジャケットとシャツ、革靴を青系で揃えた爽やかな色使いも好印象を与える要因となりそうです。
▼冬:フィット感の高い素材特性を生かし、ヘビーアウターとのレイヤードを
生地自体が伸縮し、重ね着しても窮屈さを感じさせないスウェットジャケットは冬のコートとのレイヤードにもうってつけ。素材感はソフトながらテーラード顔ゆえ、かっちりとしたステンカラーコートやチェスターコートにも合います。カジュアルな素材感を生かしてミリタリーアウターやメルトン素材、あるいはダウン&中綿素材のアウターに挿しても雰囲気良くまとまります。
コーデ3
ブルーのスウェットジャケットと白ダウンで、爽やかさマシマシのレイヤードに!
重そうな印象になりがちな冬のコート姿を、柔らかなスウェットジャケットとオフホワイトのダウンコートで軽快な印象に導いた装い。タイドアップの後押しがあれば、これくらい思い切ったカジュアルダウンでもビジネスシーンに遜色ないスタイルに仕上がります。シャツの配色をスウェットジャケットと同系色のネイビー系にすることで、白ダウンとの清々しい配色を印象付けることも可能です。
コーデ4
スウェットジャケットを挿せば、クラシカルなキルティングコート姿も新鮮に
フランネルやツイード系のテーラードジャケットと抜群の相性を描くキルティングコートですが、やや見慣れたスタイルなのは否めません。その点スウェットジャケットなら、コートからチラ見えした際に軽快かつ新鮮な印象を呼び込めます。プレーントゥの革靴で足元さえ整えておけば、チノパンを9分丈にして軽快さを底上げしても品の良さを担保可能です。
イタリアの名門製から、手頃な一着まで。スウェットジャケットおすすめ10選
スウェットジャケットにおける嚆矢といえば、『チルコロ1901』を筆頭とするイタリア勢でしょう。しかし、現在はセレクトショップも良質なオリジナルを手掛けており、選択肢がグッと増えています。スタイルもプライスもよりどりみどりな10選をご紹介します。
1着目
『チルコロ1901』ストレッチコットン ジャージー 2Bジャケット
テキスタイルカンパニーの「S.G.L.」社が母体というバックボーンから生み出される独自生地で、テーラードクロージングに革新をもたらしている『チルコロ1901』。こちらの2Bジャケットも裏起毛の柔らかなスウェット仕立てで、空気をたっぷり含んだ生地はまるでカーディガンのように体をやさしく包んでくれます。それでいてややワイドなラペルの返りは美しく、ゴージラインやウエストの絞り位置の高さも相まってキリッと品良く着こなせる一着に仕上がっています。
2着目
『チルコロ1901』CN3450 D.PETTO FELPA INDACO
ダブルブレステッドを採用したこちらのジャケットにおいても、『チルコロ1901』の革新的な生地使いが光ります。採用している裏パイルのスウェットは、インディゴ染めを施したもの。さらにストーンウォッシュによる製品洗いをかけることで、デニム顔負けの色落ちとあたりを表現しています。シルエット自体はタイトで、アームホールもスッキリとしているため無駄なシワも出ずフィット。体に美しく沿うからこそ、持ち味である柔らかな風合いやストレッチ性の高さを十分に体感できるのです。
3着目
『チルコロ1901』コットンストレッチフリース ダブル ジャケット
『チルコロ1901』が手掛けるスウェット生地は、プリント技術の高さにも定評があります。こちらのダブルブレステッドジャケットに採用した生地では、デニムの色調や風合いを“ファブリックプリント”で表現したもの。ところどころに浮かぶネップまでリアルに再現したその表情は、ヴィンテージデニム顔負けの味わい深さ。そんなカジュアルな香りを味方につけつつ、ワイドなピークドラペルが映えるジャケット自体の仕立ては超一流というギャップがまた、上級者感の演出に一役買ってくれそうです。
4着目
『スリードッツ』ハイゲージ ダンボールスウェットジャケット
こちらの一着は、表面と裏面を中間層でつなぐように編み立てたダンボール素材系のコットンスウェット仕立て。表面に施された特殊加工によりしっとりした風合いを実現しており、スウェットであることを感じさせないほど仕立て映えのする生地になっています。ウエストの絞りを効かせ過ぎず程良いリラックス感を確保している一方、アンコンながらきれいな肩線を描く仕立ての良さでクリーンさを印象付けられます。
5着目
『ポロ ラルフローレン』スウェットジャージー ジャケット
3つボタン段返りとナチュラルショルダーを特徴とする王道のトラッドジャケットと思いきや、コットンポリステルをマテリアルとするジャージージャケットで仕立てた“楽ジャケ”仕様。裏地を排することでより軽い着心地に訴求しています。サイドベントを採用したことによる、バックシルエットのクラシカルな空気にも注目です。
6着目
『ウェルダー』ユーティリティ テーラードジャケット
『ウェルダー』は、レディースが人気を博す『Name.(ネーム)』を手掛けていたデザイナーの清水則之氏が2019年に立ち上げたユニセックスブランド。オリジナル生地を駆使したデイリーウェアを打ち出す同ブランドらしく、本作もスウェット生地を超ハイゲージに編み立てることでエレガントに昇華しています。ゆったりと着丈長めに設定されたダブルブレステッドながらだらしなさを感じさせないのも、素材感によるところが大きいでしょう。トラウザーズにもワイドパンツにも映える守備範囲の広さが魅力です。
7着目
『デンハム』SWEAT BOW BOS
広義にカットソーと呼ばれる生地は編み物の総称であり、ニットやスウェット、Tシャツの平織り生地もこれに含まれます。こちらの2BジャケットではTシャツ生地とスウェット生地の中間的な厚みのコットンカットソー生地を採用しており、テーラードジャケットとしては出色の軽さとソフトな着心地を追求。後ろ裾には『デンハム』を特徴づける“シザーロゴ”が施されており、振り向きざまのさりげない見どころになってくれます。
8着目
『ティゴラ』ライトテックスウェットテーラードジャケット
アルペングループが手掛ける『ティゴラ』のライフスタイルライン「ティゴラ スマート」からお目見えした本作は接触冷感機能をプラスした“テックスウェット”仕立て。秋冬仕様の生地から15%の軽量化を図り、春夏シーズンにおける快適な着用感を担保しています。共布の「ライトテックテーパードパンツ」とのセットアップ使いも可能。
9着目
『ユニオンステーション』コットンリネンWフェイスカットジャケット
糸自体の撚りを強めることで、薄手ながら型崩れしにくい生地に編み立てた一着。コットンリネン特有のさらりとした素材感と、肌に触れる面をふっくら柔らかく仕上げたダブルフェイス仕立てが、サマーニットのような爽やかな着心地をもたらします。
10着目
『アストロノミー』カットスウェット長袖テーラードジャケット
張りのあるやや肉厚なスウェットで仕立てた本作は、カジュアルなパンツにも合わせやすい着丈短めの1Bジャケット。ラペルのエッジの内側にミシンで施したステッチングやパッチポケットによる、アメリカントラッドな味付けもまたTシャツなどのカジュアルインナーとの親和性を高めてくれます。
この記事の掲載アイテム一覧(全10商品)
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『チルコロ1901』 ストレッチコットン ジャージー 2Bジャケット
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『チルコロ1901』 CN3450 D.PETTO FELPA INDACO
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『チルコロ1901』 コットンストレッチフリース ダブル ジャケット
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『スリードッツ』 ハイゲージ ダンボールスウェットジャケット
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『ポロ ラルフローレン』 スウェットジャージー ジャケット
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『ウェルダー』 ユーティリティ テーラードジャケット
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『デンハム』 SWEAT BOW BOS
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『ティゴラ』 ライトテックスウェットテーラードジャケット
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『ユニオンステーション』 コットンリネンWフェイスカットジャケット
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『アストロノミー』 カットスウェット長袖テーラードジャケット
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