
20代メンズの腕時計選び。失敗しないために知っておきたい3つのポイント
スマホネイティブ世代の20代男性にこそ、価値を知ってほしい腕時計。身に着けて実利のある腕時計に出合うポイントと、20代の良き“相棒”となるモデルをご紹介します。
時間はスマホで見ればいい……。そんな20代メンズにこそ知ってほしい腕時計の意味
20代男性の“クルマ離れ”が叫ばれている昨今。ですが、腕時計離れはいささかもったいないことかもしれません。もちろん、ただ時刻を確認するだけならスマホで事足りますし、実を取るなら多機能なスマートウォッチという選択が時代の趨勢といえるでしょう。しかし、腕時計を身に着けることには、そうした実利に勝る価値があります。
ある程度歳を重ねた男性にとって、腕時計はコミュニケーションツールとして重要な役割を担うもの。TPOを踏まえ、しっかり意図を持って選んだ1本は、礼節を備えつつ仕事と向き合っていることを印象付けてくれます。選び方次第では一目置かれ、名刺以上に自分の“人となり”を語ってくれるアイテムにもなるでしょう。また、それなりのお店やレストランに出かけるときも、腕時計次第で対応も変わってくる……というのもあながち都市伝説ではないようです。
オン・オフをカバーしたい20代男性の腕時計選び。最低限押さえるべきポイント3点
まずは、20代の腕時計選びにおいて留意したいポイントを見ていくことにしましょう。腕時計自体のデザイン・配色・ストラップの素材という3つの観点から、理想的な腕時計を導き出していきます。
ポイント1
予算をフルに生かすなら、オン・オフ兼用可能なシンプル顔が懸命だ
20代の場合はある程度、無理なく使える予算内で腕時計を選びたいもの。自分磨きと称して身の丈以上に高額な腕時計に手を出すのは、腕時計を使い慣れて知識もついてからにするのが賢明です。限られた予算内で最も実を取るのであれば、シンプルで汎用性の高いデザインを選ぶのが理想的。ビジネス用とオフ用を使い分けるために予算を分散させるより、兼用できるシンプル時計1本に予算を投下したほうが費用対効果は高いでしょう。腕時計のケース形状はラウンドでもスクエアでもどちらでも問題ありませんが、クロノグラフや装飾性の高いものはなるべく避け、シンプルな三針を選ぶのがベターです。
ポイント2
ビジネス主体で考えるならネイビー・黒・白から選びたい
ファッション目線だけでなくビジネス使いも考えるなら、ダイヤルの配色はネイビー・黒・白といった定番色を選びましょう。なかでもスーツを着用するビジネスマンに人気が高いのは、意外にもネイビー。ネイビー文字盤はスーツ姿で身に着けた際に黒や白ほどコントラストが強くならず、自然に馴染んでくれるのが利点。精悍さや品の良さも印象付けられる面があります。もちろん、黒や白も定番色ではあるので品良く纏えて、与える印象も非常にスマート。他者の印象を一番に考えるなら、基本色がベターと覚えておきましょう。
ポイント3
費用対効果で考えるなら、ステンレススチールストラップが最適
腕時計のストラップは、肌に直接触れる部分。それだけに見た目の印象に加え、快適さや使用感にも留意して選びたいところです。この両面において費用対効果が高いのが、ステンレススチールストラップです。品の良さやドレス感においてはレザーが勝りますが、水濡れや汗に強く、通年使えるのはステンレス製。ラバーストラップと比較した場合も、フィット感では負けるもののステンレスのほうが耐久性に優れ、それでいてラバーにはないフォーマル感を印象付けられます。
“上”からの目線も気にするなら、腕時計のブランド選びもかなり重要
腕時計のコミュニケーションツール的な側面を味方につけるなら、ブランド選びも重要になってきます。おすすめは、何かしら話題のフックになる要素があるブランドの腕時計を選ぶこと。長い歴史があり、認知度が高いブランドはその好例です。ハイエンドな機械式腕時計を手掛けており時計好きから一目置かれているブランド、あるいはダイバーズや光発電といった特定のカテゴリにおいて一日の長があるブランドも、会話のきっかけ作りにはうってつけです。
5万円未満から10万円超えまで。価格別に選ぶ、20代メンズのための腕時計15選
ここからは、3つの価格帯に分けて20代の男性におすすめしたい腕時計をピックアップ。無理なく購入でき、腕時計好きも納得の性能を備えた5万円未満。そして、初めての機械式モデルに挑戦するのにも適した5万~10万円。さらに、歳を重ねても使え、良質な選択肢が増える10万~20万円。これらのプライスゾーンから、良き相棒を探してみましょう。
▼10万~20万円:ちょっとの背伸びで10年、20年使える。憧れブランドの腕時計
10万円超えの腕時計となるとハードルが少し高くなりますが、これ未満の価格帯と比べると選択肢の豊富さがまったく違ってきます。憧れブランドでも手にできるモデルに出合え、機械式時計でも選べるモデルがグッと増えるもの。30代・40代と歳を重ねていっても違和感なく使えるモデルを選べるという意味でも、ちょっと背伸びする価値は大いにあるでしょう。
1本目
『ハミルトン』アメリカン クラシック スピリット オブ リバティ H42415041
『ハミルトン』が創業した1800年代当時のアメリカンスタイルを、現代に蘇らせた自動巻きモデル。佇まいこそクラシカルですが、ムーブメントが時を刻む様子を鑑賞できるシースルーバック仕様で、80時間のロングパワーリザーブ搭載とスペック面のモダナイズも抜かりありません。着こなしに品格をもたらしながら、快適な使用感を享受できます。
2本目
『チューダー』チュードル1926
世界各国の海軍に時計を供給してきた『チューダー』。そんな同社の創業年を冠した本作は、エンボス装飾の白ダイヤルにブルーのアワーマーカーと指針が映える清々しい顔立ちが見どころです。38時間パワーリザーブの自動巻きムーブメントを搭載し、着けたままスポーツクラブのプールで泳いでも安心な100m防水を実現しています。
3本目
『シチズン』シリーズ8 NB6010-81A
信頼性の高さに定評のある『シチズン』。その中でも「シリーズ8」というラインは、機械式時計の大敵であるスマホやPCが発する磁気によって精度が狂わない耐磁性能の高さを誇っています。本作は、そのスタンダードモデル。バーインデックスを基調とするシンプルデザインですが、オクタゴンケースによって力強い腕元を演出してくれます。
4本目
『ロンジン』コンクエスト V.H.P.
クォーツムーブメントにも定評があるスイスの老舗『ロンジン』。高精度を支える独自開発の機構で、年差±5秒という驚異的な精度の高さを実現しています。カレンダー付きの三針ダイヤルに加え、41mm径のケースサイズも相まって品良く纏うことも。バッテリー切れの前に、インジケーターで寿命が近いことを知らせる機能も搭載。
5本目
『セイコー プレザージュ』SARX065
『セイコー』の伝統とテクノロジーに対し、日本の匠たちの技を高次元で融合したラインが『セイコー プレザージュ』。本作は、その「プレステージライン」の代表作となる琺瑯(ほうろう)シリーズの3針モデルです。国内最高峰の技巧を誇る琺瑯職人が手掛けた琺瑯ダイヤルは、100年経っても色褪せない仕上がり。ストラップはステンレススチールではなくレザー製ですが、ケースサイズは日本人の腕に馴染みやすい39.9mm。搭載したムーブメントは70時間のロングパワーリザーブを誇るなど、実用性の高さは申し分なしです。
▼5万~10万円:機械式入門機も揃う価格帯。迷ったら、まずはここから
自動巻きモデルの入門機も揃うこの価格帯ですが、機械式にこだわらなければ有名ブランドの腕時計を手にすることが可能です。そろそろどこに出しても恥ずかしくない時計を身につけたいと思い立ったら、このプライスゾーンから始めるのも手でしょう。
6本目
『ティソ』PRX オートマティック
ポリッシュとサテン仕上げを駆使した美しい仕上がりのケースや80時間ロングパワーリザーブといったスペックで、価格以上のクオリティを享受できるのが「PRX オートマティック」。時計界におけるトレンドであるブレスレット一体型ケースも、会話作りのきっかけになってくれそうです。本作も耐磁性の高い設計ゆえ、デジモノ必携のノマドライフの相棒としても頼もしい限り。
7本目
『セイコー プレザージュ』Style60’s SARY211
1964年の東京五輪開催に合わせ、国内初のストップウォッチ機能を持つ腕時計として開発された『セイコー』の「クラウン クロノグラフ」。その佇まいをヴィンテージスタイルとして再現したモデルがこちらです。ボックス型風防やドルフィン針といったディテールで当時のスタイルを楽しめる一方、サークル状のエンボス加工で視認性を高めたダイヤルや、6時位置のスモールセコンドなどクラシカルな味付けも白眉。
8本目
『ハミルトン』カーキ フィールド AUTO H70455133
ミリタリーウォッチ愛好家たちに愛されている腕時計のひとつ、「カーキ フィールド」のブレスレットモデル。その歴史の深さに反してミリタリー感は控えめで、洗練された印象を与えるダイヤルデザインに仕上がっています。10気圧防水、80時間パワーリザーブ搭載といった実用的なスペックを満載したケースは、38mm径と小ぶりなサイズ感。シャツ袖にもすっきり収まる厚みが絶妙です。
9本目
『シチズン』アテッサ エコ・ドライブ電波時計 デイデイト
最先端技術を惜しげもなく搭載したウォッチで存在感を放つ『シチズン』。その代表作といえば、電池要らずの光発電を採用した光発電エコ・ドライブ&電波による時刻修正機能でしょう。その両方を搭載した、エントリーモデルが本作です。手首に心地良くフィットするよう計算されたコマ数多めのブレスレットが、ブルーダイヤルのエレガントさを引き立ててくれます。ケース素材は傷に強いスーパーチタニウム製で、着け心地もすこぶる軽快。
10本目
『ユンハンス』マックス・ビル オートマティック
バウハウスの流れを汲む、ミニマルにして実用性に富む腕時計作りに定評のある『ユンハンス』。「マックス・ビル」と名付けられた本作は、その代表作における自動巻きモデルです。ラグやベゼルの形状に加え、インデックスの書体さえもが繊細この上ない仕上がり。ですが、不思議と視認性が非常に高く、3時位置のデイト表示で実用性も抜かりなく担保されています。
▼5万円未満:2本目にも検討したい、費用対効果高めの腕時計5本
予算配分を考えると腕時計は5万円以内に抑えたい……という場合でも、腕時計を持つ価値ときちんと感を享受できるモデルを手にすることができます。この価格帯のモデルであれば、着こなしに合わせての使い分けを楽しむ2本目の腕時計としてもうってつけです。
11本目
『ブローバ』クラシック クリッパー
『ブローバ』の創業年は1875年と古く、本国アメリカでは世界初の音叉式電子腕時計の開発やNASAの宇宙計画に貢献した腕時計ブランドとして広く知られています。現在展開している5つのシリーズの中において、流行に左右されない普遍性とドレス感を讃えているのが「クラシックコレクション」です。装飾性をそぎ落としたダイヤルと思いきや、日付表示に加え、曜日表示も備えたデザインで機能美を体現。自動巻きで4万円台というお値頃感も魅力ゆえ、初めての機械式としてもおすすめです。
12本目
『スカーゲン』グレーネン ウルトラスリム
『スカーゲン』といえば、北欧ウォッチの品質とデザイン性の高さを世界に広めた立役者。そのシンボル的なモデルが、軽量なチタンで手首に美しくフィットする4mm厚の超薄型ケースを描いた「グレーネン」です。清々しさを放つ海色のダイヤルは、中心から外周に向かって筋目模様を施すサンレイ仕上げにより高級感を匂わせる作りに。インデックスには発光塗料を用い、暗所での視認性もしっかり確保しています。
13本目
『ティソ』PR 100
バーインデックスにバー針という視認性が極めて高い組み合わせにデイト表示を加え、腕時計の基本性能を前面に押し出したクォーツ時計。「PR 100」というモデル名の由来は、“Particularly Robust and 100 m water-resistant (どこまでも頑丈で、なおかつ100 m防水)”というコンセプトを表現したものなのだとか。鏡面仕上げとヘアライン仕上げを要所で使い分け、3万円台というお値段以上の上質感を楽しませてくれる出来栄えです。
14本目
『カルレイモン』マジェスティ
『カルレイモン』は、“手の届く高級クラシック時計”というコンセプトを掲げ、日本の大学で学んでいた2人の外国人留学生がクラウドファンディングによって立ち上げた希少な国産時計ブランド。憧れのクラシック時計を手にしたいと願う若い世代はもちろん、目の肥えた時計愛好家にも愛される同社の魅力を存分に楽しめるニューモデルが本作です。見ての通り、ブレス一体型のスタイリッシュなスポーツモデル。文字盤は、月と日付、曜日がひと目でわかるトリプルカレンダーに、月の満ち欠けを示すムーンフェイズを組み合わせたデュアルな設計となっています。それを過度に装飾的に見せない黄金バランスに、創業者のセンスが光ります。
15本目
『ベーリング』マックス レネ
北欧ウォッチにおいて『スカーゲン』と双璧を成す人気を獲得しているのが、デンマーク生まれの『ベーリング』です。本作を手掛けたのは、“無駄をそぎ落としたミニマルで美しいデザイン”を追い求めるデンマーク人デザイナーのマックス・レイ氏。わずか7mmの極薄ケースと引き算の美学が息づくダイヤルにその感性が体現されており、スーツスタイルや、気負いなく装ういつものカジュアルにセンスを感じるアクセントをもたらしてくれます。工具を使うことなく、ラバーストラップへの交換を簡単に行える設計も特徴。

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『ユンハンス』 マックス・ビル オートマティック
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