
スーツと腕時計の相性学。ビジネスシーンでハズさない選び方と合わせ方を知る
いい大人たるもの、ビジネススタイルにマッチする腕時計を1本は持っておきたいところ。デザインや色、サイズなどの観点からスーツに合う腕時計の最適解を導き出しました。
革靴同様、TPOあり。オンビジネスのスーツに合わせる腕時計について考える
よく革靴やバッグといった小物は“スーツの額縁”といわれます。確かに、それなりの絵画(スーツ)でも、額縁(小物)が上等であれば、装いの印象は格段に良くなるもの。腕時計も、そう。しかるべき腕時計はオンビジネスの着こなしを格上げするだけでなく、人となりや仕事への価値観をももの語る重要なアイテムとなるのです。
とはいえ、決して「高価であれば良い」というものではありません。大切なのは仕事で役立つ実用性を備えつつ、スーツと違和感なく調和するデザイン。本記事ではビジネスパーソンのアドバンテージとなる、スーツに似合う理想の腕時計をご紹介していきます。
まずはこの3つ。ビジネススーツにふさわしい腕時計の基本ルール
スーツに合わせる腕時計に、絶対的な決まりはありません。ただ、スーツに似合う基準は存在します。デザインとサイズの観点から、ビジネススーツの腕元にふさわしい3つのルールを導き出しました。
ルール1
“顔”に迷ったら、シンプルなアナログ時計を選べば間違いない
ビジネススタイルの多様化が進む昨今。どんな腕時計が正解か不正解かを、はっきり決めるのは難しいものがあります。ただ、ビジネススーツに合わせる腕時計であれば、やはり初対面の人に対する第一印象がプライオリティ。誠実さや清潔感、知性などがキーワードとなります。そう考えると、カジュアルな印象の強いデジタルではなく、アナログモデルがベター。それもシンプルな3針モデルこそが間違いない選択肢といえるでしょう。職種にもよりますが、クロノグラフやダイバーズといったスポーティなモデルもOK。ただ、なるべく色数の少ない、主張が控えめなデザインを選ぶことを心がけましょう。
ルール2
石付きなどラグジュアリーテイストの強いモデルは避けるべし
パーティシーンならともかく、ビジネスシーンでは、華美な印象に映ることは好ましくありません。そう考えるとビジネススーツに合わせる腕時計の場合、石がちりばめられたようなラグジュアリーモデルは基本的に避けるべきでしょう。文字盤はホワイトやブラック、シルバーといった定番カラーが間違いありません。ブルーなどのカラーダイヤルでも、極力トーンの抑えられた色を選びたいところ。ケース素材は、知性やスマートさを感じさせるステンレススチール(SS)がおすすめです。
ルール3
デカ厚は上級者向け。シャツの袖口の邪魔にならないサイズ選びを
デザインや色のほか、ケースの厚みも見逃せないポイントです。スーツやシャツの袖に引っ掛かっている腕時計は見栄えがよくありません。そう考えると、ケースは大き過ぎず、かつ薄いものがベター。ビジネススーツやフォーマルスーツに合わせる腕時計の場合、ケースの厚みは15mm以下を目安にすると良いでしょう。
よりこなれて見せるなら、手首に対する腕時計のサイズも考慮したい
ケースの厚みの項でも言及しましたが、腕元への収まりの良さは当然ケースのサイズにも関わってきます。
一般的に日本人の腕に合うのは大体40mm前後といわれていますが、手首が細い人の場合は34~36mmのサイズも合いますし、手首が太い人の場合は42~44mmの大ぶりのケースもバランス良く収まります。ただ、スーツスタイルの場合、腕元にすっきり収まるのは大体36~40mm前後。これくらいのサイズであれば、シャツの袖に引っ掛かったり、悪目立ちしたりする心配はグッと少なくなります。
ビジネススーツの腕時計。最後のチューニングは業種に合わせて考えるべし
業種や職種もまた腕時計選びの決め手となります。特にドレスコードが厳しい金融系や営業職の場合は気を遣う必要があります。間違いのない腕時計の条件を挙げるなら、デザインは3針で文字盤は白か黒、ケースはシルバーのステンレススチールで、ケースは幅36~40mm程度で薄型、さらに万全を期すなら黒のレザーストラップを選びましょう。ちなみに、こうしたクラシックな腕時計を作るのは、おのずと質実剛健なブランドがほとんど。ブランドイメージが相手に与える印象も悪くないはずです。
広告やIT関係、クリエイティブ職などでは、ビジネススタイルのカジュアル化がどんどん進んでいます。これまで述べてきた“NG”の色やデザインの腕時計でも問題ないケースが少なくありません。とはいえ、あくまでビジネスですから、相手に与える印象を考えて悪目立ちする腕時計は避けるほうが賢明。いつもの3針をダイバーズやクロノグラフにしてみる、トレンドカラーの文字盤を選んでみる、といったように個性の演出も控えめにしたほうが無難です。また、アナログウォッチの場合は文字盤を注視せずともパッと見るだけでおおよその時刻や時間の経過が把握できるので、相手に失礼になりにくいというメリットも期待できます。
スーツの鉄板4カラー別に見る、それぞれに似合う腕時計の色とおすすめモデル
続いてスーツとの色の相性を検証してみましょう。スーツの基本カラーといえば、ブラックとネイビー、グレー、ブラウンの4色。スーツと相性の良い腕時計のルールを押さえたモデルの中から、それぞれの色のスーツにマッチするモデルをピックアップしました。
▼ブラックスーツには……シルバーや白を基調としたメリハリの利いた時計がおすすめ
フォーマル度の高いブラックスーツに黒やネイビーなどの文字盤の腕時計を合わせると袖口で埋もれてしまい、腕元の印象がぼんやりしがち。そう考えると、白やシルバーの文字盤の腕時計が間違いない選択に。腕元にメリハリが生まれるだけでなく、品の良さや清潔感も際立ちます。白の場合はアイボリーやベージュではなく、はっきりとした白だとよりフォーマルな印象に仕上がります。
1本目
『ロンジン』レコード
『ロンジン』の誇るベストセラーモデルは白マットな文字盤とローマ数字のインデックスがエレガントなイメージを演出しつつ、ブルースティールの針がモダンなスパイスを効かせる1本。ケースの厚みも、袖に引っ掛かりにくい10.7mmとなっています。ムーブメントはシリコン製ヒゲゼンマイによる高い精度を備えた、COSCによるクロノメーター認定のキャリバーL888.4。サイズ:38.5mm、SSケース、自動巻き。
2本目
『ハミルトン』ジャズマスター シンライン
6時位置のスモールセコンドとアラビアンインデックスが特徴の「ジャズマスター シンライン」。グレイッシュなダイヤルとシャープな針、黒いクロコの型押しストラップによって、ドレッシーなブラックスーツにも似合うモダンなムードを醸成する。クォーツムーブメントの長所を生かした袖に引っ掛かりにくい7.45mmの薄型ケースもこのコレクションならでは。サイズ:40mm、SSケース、クォーツ。
3本目
『ティソ』ジェントルマン
定番の「ティソ ジェントルマン」の中でも、もっともブラックスーツに合いそうなのが、ダイヤルからケース、ストラップまでシルバーで統一されたこちら。シンプルなデザインに加え、丹念に面取りされたバーインデックスも端正なイメージを強めます。約80時間のロングパワーリザーブを誇るムーブメント、パワーマティック 80 シリシウムを搭載。サイズ:40mm、SSケース、自動巻き。
▼ネイビースーツには……黒・シルバー・白の顔立ちに、少しゴールド&ブラウンを利かせると吉
ビジネススーツの王道といえば、ネイビー。真っ白な文字盤の腕時計で清潔感を強調するのも良いですが、モデルによってはフレッシャーズなイメージも強くなりがち。大人っぽくまとめるなら、シルバーやブラックの文字盤が狙い目。また、文字盤がアイボリーのモデルやブラウンのレザーストラップを選ぶ、ゴールドのワンポイントを効かせる、などでエレガントな色気を演出するのもアリです。
4本目
『ラドー』ゴールデンホース オートマティック
1957年にリリースされたレジェンドモデルの復刻版は、文字盤の色やインデックス、針の形状、さらに12時位置の回転するいかりマークなどオリジナルの姿を忠実に再現。直径37mm、厚み10.9mmというケースサイズは着け心地も軽快で、シャツの袖にも引っ掛かりにくくなっています。約80時間のパワーリザーブを実現するETA社製の最新キャリバーC07.611を搭載。サイズ:37mm、SSケース、自動巻き。
5本目
『グランドセイコー』メカニカル 9S SBGR261
「エレガンスコレクション」にラインアップされる「SBGR261」は、クラシックなネイビースーツにしっくりきそうな1本。ボックス型サファイアガラスにアイボリー調の文字板、ブルースティールの秒針など上品なクラシックスタイルが持ち味です。高い精度と約72時間のロングリザーブを誇るキャリバー9S65を搭載するなど、ビジネスでも信頼を置けるタイムピースに仕上がっています。サイズ:39.5mm、SSケース、自動巻き。
6本目
『チューダー』1926
『チューダー』の設立年がモデル名に冠された「1926」。エンボス装飾があしらわれたドーム型ダイヤルは、交互に配されたアラビア数字のアプライドインデックスと矢印型のアワーマーカー、そして剣型の針が存在感を放ちます。異なる7列リンクが用いられたエレガントなブレスレットは、外側がサテン加工、リンクはポリッシュ仕上げという凝った作りに。サイズ:39mm、SSケース、自動巻き。
▼グレースーツには……ブラックやホワイトの腕時計が鉄板。オールブラックも選択肢のひとつに
ビジネススーツにおける定番色のひとつであるグレー。ネイビースーツが誠実さや清潔感といったイメージが強いのに対し、グレースーツは洗練された都会的なイメージを持ち味としています。そのため腕時計選びも、装飾性が控えめなシンプル&シックが鉄則。白文字盤のモデルのほか、文字盤&ケースがオールブラックになったモデルでモダンにまとめるのも一興です。
7本目
『アテッサ』CB3015-53E
『アテッサ』の数あるラインアップの中でも、もっともスーツに似合いそうなのがこちら。「シチズン」独自の表面硬化技術・デュラテクトDLCによるダークグレーのスーパーチタニウムが、エッジの効いた『アテッサ』のデザインを精悍に引き締めます。フル充電で約2年間駆動するエコ・ドライブをはじめ、世界4エリアの標準電波受信機能などビジネスで役立つ機能も充実。サイズ:40mm、スーパーチタニウム、エコ・ドライブ。
8本目
『ミドー』バロンチェッリ ヘリテージ
バロック調の建築物からインスパイアされた人気コレクションから。オールブラックのマスキュリンなルックスに、2面仕上げの針や7連ブレスがエレガントなエッセンスをプラスしています。7.25mm厚のスリムなケースも、スーツに似合うポイント。グレースーツの腕元を精悍に引き締めます。ムーブメントにはパワーリザーブ最大42時間のキャリバー、MIDO1192を搭載。サイズ:39mm、SSケース、自動巻き。
9本目
『ルイ エラール』オープンハート エクセレント
“手の届く高級時計”を志向するスイスの実力派は、スーツに似合う上品クラシックなデザインにも定評あり。白い文字盤に大ぶりのローマンインデックスとブルーの針が映える本作は、グレースーツの腕元にさりげなく上品なアクセントを効かせてくれます。6時位置の窓からは、約40時間パワーリザーブの自動巻きムーブメントを眺めることも。サイズ:40mm、SSケース、自動巻き。
▼ブラウンスーツには……意外とどんな色も合う茶にあえて選ぶなら、ホワイトかゴールドか
一過性のトレンドを超え、今やビジネススーツの定番としても認知されつつあるブラウンスーツ。コーデが難しそうなイメージを受けますが、ネイビーやブラック、ホワイトなど幅広い腕時計と合わせられます。ビジネス時計としては派手に映りがちなゴールドケースの腕時計とも、相性よし。スーツの色味と馴染みが良く、エレガントな腕元を演出できます。
10本目
『ユンハンス』マックス・ビル ウォッチ
ドイツの老舗からはバウハウス最後の巨匠と謳われたクリエイター、マックス・ビル氏の名が冠された1本をピックアップ。視認性を追求するべく余分な装飾性がそぎ落とされたミニマルデザインにイエローゴールドのPVD加工が施されたケースとブラウンのレザーストラップがほのかな気品を添えています。高精度を誇る機械式ムーブメント、J800.01を搭載。サイズ:38mm、SSケース、自動巻き。
11本目
『モンブラン』スター レガシー オートマティク デイト
『モンブラン』の定番「スター レガシー オートマティク デイト」は、ブラウンスーツに馴染みやすいレッドゴールドがポイント。アイコンのホワイトスターをモチーフにした6時位置のアイコン、オニオンリューズといったディテールもスーツに似合うクラシックテイストを演出します。厚さ9mmのケースとブラウンのアリゲーターベルトもスーツスタイルに似合う一因に。サイズ:39mm、18kレッドゴールド、自動巻き。
12本目
『ブローバ』97B198
『ブローバ』の熱烈な愛用者だった世紀のボーカリスト、フランク・シナトラ氏にささげたコレクションから。優美な曲線を描くイエローゴールドPVDのトノーケースといい、珍しいブラウンの文字盤といい、まさにブラウンスーツに似合う1本に。12時位置に配されたフランク・シナトラ氏のアイコンであるハット、6時位置のサインもクラシックな雰囲気を強めます。サイズ:45×33.5mm、SSケース、自動巻き。
この記事の掲載アイテム一覧(全12商品)
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『ロンジン』 レコード
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『ハミルトン』 ジャズマスター シンライン
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『ティソ』 ジェントルマン
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『ラドー』 ゴールデンホース オートマティック
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『グランドセイコー』 メカニカル 9S SBGR261
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『チューダー』 1926
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『アテッサ』 CB3015-53E
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『ミドー』 バロンチェッリ ヘリテージ
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『ルイ エラール』 オープンハート エクセレント
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『ユンハンス』 マックス・ビル ウォッチ
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『モンブラン』 スター レガシー オートマティク デイト
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『ブローバ』 97B198
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