
本気のワーク感が頼もしい。レッド・ウィングのエンジニアブーツに改めて注目!
渋カジ&古着ブームを足元から支えてきた『レッド・ウィング』のエンジニアブーツ。1990年代のヴィンテージが盛り上がっている今こそ、その魅力を再認識すべきでしょう。
『レッド・ウィング』のエンジニアブーツこそは、ブーツの中のブーツだ
まだまだ引き続き、巷ではイージー&コンフォートなスニーカーがトレンドの筆頭。ですが、たまにガチッとハードなワークブーツを履くと背筋がピンと伸びるものです。スニーカーの楽さにかまけてブーツの存在を忘れていた人も、まだ一度も履いたことがない人も、本格的な1足に足を通してみればその頼もしい履き味に魅了されるだけではなく、新しい着こなしに目覚めるかもしれません。
では、ワークブーツの中でもどんな1足を手にするべきなのか。せっかくだからタフ・オブ・タフなブーツを履いてみたい……と思うならエンジニアブーツが最適解でしょう。特に、エンジニアブーツにおける定番として挙げられる『レッド・ウィング』のそれなら、その醍醐味を心ゆくまで実感できるはずです。以下でその魅力と特徴を掘り下げてみましょう。
そもそもエンジニアブーツとは。その歴史と特徴をおさらい
エンジニアブーツが初めて登場したのは1930年代のアメリカ。当時発達しつつあった、鉄道輸送網を支える機関士のためのワークブーツとして登場しました。蒸気機関車の車内は狭く、バルブやパイプなどが飛び出しているもの。シューレースが引っかかって怪我の原因にならないように、スポッと履けるシャフトを採用したといわれています。
そして労働現場だけでなく、街中でもエンジニアブーツが履かれるようになったのは1950年代。当時のアメリカでは、第二次世界大戦の復員兵を中心にモーターサイクルクラブが次々と誕生していました。Tシャツに革ジャン、ジーンズ、足元にはエンジニアブーツを履いて改造したハーレーを乗り回す……というのが彼らの定番でした。というのも、バイクに乗る際に重要なのが足元の保護。加えて、当時のアウトローバイカーたちはクラッチカバーを取り外して剥き出しにするオープンプライマリーという改造を施すことも多く、編み上げブーツではシューレースがクラッチに巻き込まれることがあったのです。
1960年代から1970年代にかけては、労働者向けというよりもむしろアウトローバイカー向けにさまざまなメーカーがエンジニアブーツを作り続けていました。そして80年代の後半から、ミドリ安全により日本でも『レッド・ウィング』のエンジニアブーツが取り扱われるようになると、当時真っ只中であった渋カジブームの足元に欠かせないブーツとして人気を博することになります。『バンソン』のレザージャケットに『リーバイス』の「517」、『ゴローズ』のアクセに『レッド・ウィング』のエンジニアブーツ……という組み合わせが鉄板だったのです。渋カジブームが巻き起こったことでバイカーではない層も履くようになり、エンジニアブーツはファッションアイテムのひとつとして定着するにいたりました。
スニーカーにはない魅力。『レッド・ウィング』のエンジニアブーツを推す理由とは
重くて足馴染みは悪く、決して歩き心地に優れているとは言いがたいブーツ。しかし、それは言い換えれば、スニーカーにはない特徴を持っているという証拠でもあるのです。たとえ普段履きはスニーカーだったとしても、ここぞというときに履くためのエンジニアブーツが靴棚にあるとグッと気合いが入るというもの。そして、そんな1足として選ぶなら、絶対に『レッド・ウィング』のエンジニアブーツがおすすめなんです。以下でその理由をご説明しましょう。
理由1
ならでは、の重量感から生み出されるタフなルックスと機能性
アウトローバイカーや渋カジなど、男らしさを強調するスタイルの中にエンジニアブーツが取り入れられてきたことからもわかるように、そのハードなルックスは唯一無二の迫力を備えています。また、歩くときのゴツゴツという重量感のある音や感触も、男らしさを強調してくれます。
そのゴツさゆえに足元のプロテクション性に優れるのは言わずもがな。『レッド・ウィング』をはじめとする本格派ブランドのトゥには基本的にスチールカップが入っているため、つま先を軽自動車に踏まれた程度では無傷なほど頑丈です。また、長いシャフトがくるぶしまで覆い隠してくれるだけでなく、ソールも硬いため事故やケッチン(バイクのキックレバーが逆回転して足にヒットすること)からも守ってくれるなど、バイカーが愛用するのも納得なタフさを備えているのです。
理由2
長く使えると考えれば、意外にリーズナブル
スニーカー1足を10,000円で買ったとしましょう。それがいくらお気に入りだとしても、毎日履いていれば基本的には1年以内にソールがすり減ってゴミ箱行き。しかし、『レッド・ウィング』のエンジニアブーツなら50,000円強で購入したとしてもほぼ一生履けるほどのタフさが備わっています。仮に年1回のヒール交換で4,000円、2~3年に1回のオールソール交換に15,000円かかるとしても、5年、10年といったロングスパンで考えればスニーカーよりずっと安いはず。特に『レッド・ウィング』はその丈夫さに対してリーズナブルな価格帯を維持しており、しかも公式の修理サービスも充実しているため、結果的にお財布にはやさしいといえるでしょう。
理由3
高品質なレザーだからこそ。履き込むほどに高まるオーラと履き心地
『レッド・ウィング』のエンジニアブーツが、長く履ける理由。そのひとつが、グッドイヤーウェルト製法を採用していることです。マッケイ製法やセメント製法と違って、オールソール交換を何度でも行えるだけでなく、内蔵されたコルクが着用者の足型に沿って沈むため、履き込むうちによりフィットするようになるのです。そのため履き込んだ『レッド・ウィング』の足馴染みの良さは、その人だけのもの。手入れをしながら長く履くことでアッパーが経年変化して味が出るだけでなく、フィット感も向上していくため、履くほどに愛着が増すのもうれしいところです。
理由4
自然に高身長にしてくれる、厚みのあるヒール
エンジニアブーツ全般にいえることですが、ヒールが高いため身長を高く見せてくれるのも高ポイント。シークレットシューズを履いたり、スニーカーにシークレットインソールを追加したりすれば同様の効果が見込めますが、バレたときの気恥ずかしさは半端ありません。しかもそれらのアイテムはコンフォートなスニーカーをハイヒールのような歩き心地に変えてしまうため、歩き方も変になりがちです。
その点、エンジニアブーツであればはじめからヒールを高めに設計してあるため、自然な歩き心地と歩き方で高身長に見せることが可能。加えて、やや前のめりの重心になるため自然と背筋が伸びてさらに背が高く見える、といった効果も期待できます。ちなみに、より背を高く見せたい人はオールソール交換の際にミッドソールをもう1枚追加してさらにプラス1cmするという裏技も……。
『レッド・ウィング』のエンジニアブーツ購入時に気をつけたい、サイズ選びの作法
『レッド・ウィング』のブーツは一般的な靴よりもやや大きめのサイズに設定されています。また、ラストによってもサイズ感が異なるもの。特に編み上げ式と違ってエンジニアブーツの場合はベストなサイズかどうかが履き心地を大きく左右するため、できれば一度試着したいところです。また、ブーツソックスと一緒に履くことを想定して設計されているため、試着する際は必ず厚手の靴下を履くようにしましょう。
選び方1
ヒールカップのフィット具合をチェック
今なおMADE IN USAを貫いている『レッド・ウィング』は、基本的にアメリカ人の足型に合わせたラスト設計になっています。そして、特にエンジニアブーツで問題になるのがかかとのサイズ。日本人は一般的にかかとが小さめなのですが、ここがゆるいとブーツ内で足が泳いでしまい、歩きづらかったり靴擦れの原因になってしまったりするのです。サイズを変えてもかかとがフィットしない場合は、ソックスの厚みやインソールを追加して調整すると良いでしょう。
選び方2
甲の高さは合っているか
また、日本人の足は甲高のため、足入れ時に甲が引っかかって脱ぎ履きしづらいことも。しかし、ここはベルトが設けられていることからもわかる通り、エンジニアブーツのフィット感を左右する重要な部分でもあります。クリームを塗って履いているうちにアッパーが伸びたり、ソールが足に馴染んで沈み込むうちにジャストフィットすることもあったりするため、足入れの際は少々きついぐらいでもOKです。あまりにも足が入りにくく、履くのがイヤになるようであれば、サイズを上げるべき。ですが、できればブーツ伸ばし機でアッパーを伸ばしたり、ベルトを毎回外して履いたりといった対策で済ませたいところです。ちなみに、足入れの際に足とブーツが完全に密着してシュポッと空気抜けの音がするぐらいがベストなサイズ感と心得ておきましょう。
選び方3
つま先の捨て寸もチェック
一般的に、ブーツにはつま先に“捨て寸”という余裕が取ってあります。これは履くうちにトゥが反り上がり、シーソーのようにスムーズな体重移動ができるように設計されているもの。エンジニアブーツの場合はスチールカップにつま先が当たって痛めないように配慮されています。履いたときに自分の足のつま先から靴の先端まで、10~15mmぐらいの余裕があるように選ぶのがポイントです。
選び方4
サイズ(全長)だけでなく、ワイズ(足幅)もチェック
ワイズとは靴の幅のこと。『レッド・ウィング』ではD、E、EEまで設定があり、直営店ならすべて取り揃えられています。直営店のスタッフはサイズ&ワイズ選びのプロですので、8Eだと幅にゆとりがあるけれどつま先がきつい……、といった状況であれば8.5Dを選ぶなど、さらに細かく自分の足に合った1足を選ぶことも可能です。また、ワイズが違えば見た目の印象が変わるのも面白いところ。あえて細めのワイズを選んでスッキリと見せて……といったツウな楽しみ方もできます。
選び方 【番外編】
インソールにより、ハーフサイズアップ
ワークブーツを履く理由のひとつに、足元にボリューム感が欲しいから……というものがあります。そのため、ブーツ好きの中にはジャストなサイズよりもハーフサイズ大きめを選び、インソールを追加する人も少なくありません。実はこれ、ボリューム感が出るだけでなく、硬めの履き心地がインソールのおかげで柔らかくなるといううれしいおまけもついてきます。ただしその半面、フィット感が犠牲になりやすく、特にエンジニアブーツの場合はサイズ選びが歩きやすさに大きな影響を与えるため、ハーフサイズアップする際は入念に試着をしたうえで行いましょう。
永遠の定番。『レッド・ウィング』のエンジニアブーツカタログ
さて、ここまで『レッド・ウィング』のエンジニアブーツを手に入れる前に押さえておくべきポイントをおさらいしてきました。ですが、ここからは実践編です。1990年代は30,000円台で手に入っていたエンジニアブーツも、今や50,000円台になるほど常に値上がりしてきたアイテムなうえ、今後さらに値上がりすることも予想されます。逆にいえば、今が1番安く買える時期かも。気になる人はお早めの決断を!
アイテム1
『レッド・ウィング』 11インチエンジニア #2268
ブランドを代表する定番モデルであり、エンジニアブーツの代表作ともいえるのが「#2268」。厚めの塗膜を持つ芯通しの革であるブラック・クローム・レザーは傷や汚れに強く、オイルも抜けにくいためメンテナンス頻度も低めでOKです。また、スチールトゥとネオプレン・コードソールを採用しているのもポイント。コードソールとはゴムの中に糸を混ぜることで耐油性や耐スリップ性を向上させるクラシックな技術であり、ソールのサイドから覗く糸の断面がソールのパターンも相まってヴィンテージ感溢れる印象を与えてくれます。
アイテム2
『レッド・ウィング』 11インチエンジニア #8268
渋カジを象徴するアイテムとして知られているのが、ホーソン・アビレーンというベージュのラフアウトレザーをアッパーに採用した「#8268」です。実はこちらはもともと渋谷の名店「バックドロップ」の別注として誕生したもの。そのときに店長として企画したのが、今やアジアで爆発的人気を誇るシルバーアクセサリーブランド『ストップライト』の高山 隆氏です。重たい印象になりがちなエンジニアブーツですが、ベージュのカラーを採用したことでしゃれっ気が生まれ、しかもスエードなら傷も気にならずにラフに履けるとあって大ヒットを記録。その後、名実ともにインライン化した、という逸話付きのアイテムでもあるのです。
アイテム3
『レッド・ウィング』 アイアンスミス #8121
1905年創業という、アメリカのブーツメーカーの中でも屈指の歴史を誇る『レッド・ウィング』。その資料の中に見られるクラシックなブーツをモチーフに、現代に蘇らせるのが「アイアンレンジ」ラインです。こちらは同ラインの中でも、エンジニアブーツの原型ともいえる1足を再現したもの。“アイアンスミス”という名の通り鍛冶職人が履いていたブーツをイメージしたもので、つま先を革で二重に覆うことで保護性を高めたキャップド・トゥや、履き口を補強しつつ異物がブーツ内に入るのを防ぐ360ストラップなど、クラシックなディテールを採用しています。
アイテム4
『レッド・ウィング』 8インチエンジニア #2965
エンジニアブーツが登場した当初は膝下まである長さでしたが、シャフトは時代を経るにしたがって短くなっていきました。スタンダードとして定着したのが、ふくらはぎの半ばまで覆う11インチ丈。ですが、2007年にはより短くすることで足捌きの良さに訴求した8インチが登場します。こちらの「#2965」ではさらに、ホーソン・アビレーンをアッパーに採用することで軽やかさを強調しています。
『レッド・ウィング』のエンジニアブーツを長く履くために欠かせないアッパーのケア
『レッド・ウィング』の魅力のひとつが、ブーツに適したレザーを自社タンナリーで製造していること。ですが、その革の良さを100%引き出すには普段のケアが欠かせません。といっても、基本的な手入れは他の革製品と同じ。汚れを落とし、クリームで油分や水分を追加してあげればOKです。また、雨に打たれやすいアイテムでもあるため、気になるようであれば新品時に撥水スプレーを使用しておくのもアリです。
手遅れになる前に、早めのヒール交換を心がけるべし
上記に加え、ブーツならではのメンテナンスといえばソールとヒールの交換です。普段履きとしてデイリーに使用していると、つい後回しにしてしまいがち。ですが、長持ちさせるためには靴底の交換は早めに行うのが大原則です。というのも、トップリフト(かかとのゴム底部分)を超えてヒール(ゴム底の上にあるパーツ)まで削れてしまうと、ヒールの交換費用も加算されてもったいないですし、ひどく削れたまま履き続けるとブーツ全体の形も崩れがち。もちろん足の健康にも良くありません。ちなみに『レッド・ウィング』は樹脂製ヒールを採用していますが、修理のついでに積み革製のヒールに交換することで、一気に10万円ぐらいするハイエンドブーツのような高級感が加わります。
KEYWORD関連キーワード
PICK UP
編集部の注目
腕元に宿るソリッドな質感。オリエントスターの新作スケルトンは理想のオン・オフ兼用時計だ
ビジネスにもカジュアルにもマッチする時計が欲しい。であれば、『オリエントスター』の新作を。オン・オフ兼用できる万能さに加え、所有する喜びも感じられる逸品です。
SPONSORED by エプソン販売
続きを読む
こだわる大人の毎日を格上げする、タオル!? 男心をくすぐるライフスタイルコレクション登場
愛用品に囲まれた生活を送る大人の男なら、毎日何げなく使っているタオルにもこだわりたいもの。『育てるタオル』には、そんなニーズに応えるプレミアムな逸品が揃います。
SPONSORED by 英瑞
続きを読む
趣味の一人時間を最高のチルタイムに誘う、新感覚のボタニカル系麦焼酎とは?
落ち着いた気分へと誘う新感覚のボタニカル麦焼酎「チルグリーン」。趣味人が好む穏やかな一人時間との相性を探るべく、ごく私的なリラックス空間にお邪魔しました。
SPONSORED by 濵田酒造
続きを読む
STAFF STYLING
スタッフスタイリング
VIDEO
注目動画
ACCESS RANKING
アクセスランキング
ITEM RANKING
アイテムランキング