
命を守るギアとなる。登山における腕時計との付き合い方
健康&アウトドアブームとともに登山人気がすっかり定着。専用の腕時計があると、登山がもっと楽しくもっと安全になるってご存じですか? その理由をじっくり解説します。
本コンテンツはTASCLAPが制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
時計にあって時計にあらず。登山で腕時計を携行するという意味
安全に登山を楽しむためには、ルート・標高・日没時間を事前にしっかり確認し、登山中は現在時刻・現在地・ペースをしっかりと把握することが大切です。経験豊かなベテランガイドに毎回同行してもらうのが一番ですが、それは無理な話。でも、登山用の腕時計があれば、まるでガイドのようにあなたの登山をサポートしてくれ、登山の安全性が格段に向上します。
そんなに危険な山は登らないから……という人にも実はメリットがあります。ルートや所要時間、心拍など、登山ログを自動的に記録してくれ、また気に入ったスポットを腕元で登録できるので、あとで見返し思い出に浸ることも可能。ガチな人もカジュアルな人も、それぞれに価値のある存在、それが登山ウォッチなのです。
3ポイントで考える。登山における、腕時計の選び方
それでは実際に登山用時計にはどんな特徴がありどのような機能があるのか、そしてどう選ぶかを、3つのポイントに分けて詳しく説明していきましょう。
選び方1
防水&耐衝撃。大前提となるタフさについて
登山用ウォッチの大前提となるのがタフであることです。一度山に入れば、岩や木に腕時計が接触することは日常茶飯事。当然ショックで時計の精度が狂ったり、故障したりしてしまう時計はNG。そのため、登山ウォッチは素材や構造を工夫し耐衝撃性能に優れた作り込みがなされています。もちろん突然の雨に備え、高い防水性能も備えています。タフ仕様のトレードオフとして、特に本格的なモデルになればなるほど大きくゴツいという印象でしたが、最近はシンプルなモデルも多数リリースされており、用途によって自分好みの時計をセレクトできます。
選び方2
あればあるほど良い! ……わけじゃない、ギアとしての機能性
登山用ウォッチには安全性を大きく向上してくれる機能が多数搭載されています。GPSを搭載しているモデルはナビゲーション機能が使え、事前に設定したルートに沿って腕元でナビしてくれるので、道に迷うことが大幅に減少します。実際に通ったルートも記録され、スマホやPC上のアプリの地図上にルートを表示でき、登山記録として残すことも可能。気圧計を搭載したモデルでは、高度を表示したり、天気を予想したりできます。また、日没時間や登山ペースを知らせてくれたり、お気に入りポイントを登録したりと、登山を楽しく安全に行うためのさまざま機能が装備されています。とはいえ、フル機能を搭載したモデルはあくまでプロ用途。値も張りますし、機能をすべて使いこなすのはかなり大変。自分の登山スタイルを見極め、必要な機能を知ることが大切です。
選び方3
とっさのときに、バッテリー切れでは意味がない! 給電方式は要チェック
特にWear OSを搭載したモデルやApple Watchなど、大きくてリッチなスクリーンがあって汎用性に優れたスマートウォッチを登山用途で使う場合は、バッテリーの消耗に注意が必要です。大抵の登山用ウォッチはバッテリーセーバー機能がついていますが、それは機能を制限するものがほとんど。GPSや心拍測定などを常時オンにしていると1日持たないモデルもあり、日をまたぐ登山をする人は、ソーラー充電式など、バッテリーの持ちに定評のあるモデル選びが必須になります。
初めの1本からプロユースの“ガチギア”まで。登山用腕時計のおすすめ15本
では実際におすすめ登山ウォッチ15モデルを厳選して紹介していきます。カジュアルユースからガチモデルまで、幅広くピックアップしましたので、自分に合うモデルを見つけてください。
1本目
『ガーミン』フェニックス7 Sapphire Dual Power Ti Black DLC
世界的なGPSメーカー『ガーミン』のフラッグシップがこちら。さまざまなスポーツに対応しますが、登山とも相性抜群。複数の衛星から得られるGPS信号をキャッチし高精度なナビゲーションを実現するほか、気圧高度計を搭載し傾斜や距離、標高の上昇などのリアルタイム情報も表示されるClimbProトレイル機能も搭載しています。そして、最大の特徴がソーラー充電パネルの搭載。充電が難しい環境でも、バッテリー切れの不安を減少させるうれしい機能です。
2本目
『ガーミン』インスティンクト2 デュアルパワー
4つの測位システムに対応した高精度ナビゲーションを搭載したミッドシップモデル。トラックバックルーティング機能は、来た道をそのまま引き返しスタート地点まで導いてくれるもので、ルートに迷ったときに役立ちます。高度計や気圧計もビルドインされ、現在高度や天気予報も表示可能。ソーラー充電システムも備えるため、ロングバッテリーなのも魅力的です。ただ短時間の登山しかしない人は、ソーラー充電システムなしの安価なモデルを選ぶのもありです。
3本目
『スント』スント9 ピーク プロ
登山家をはじめとする冒険家に愛用されているプロウォッチがフィンランドブランド『スント』のフラッグシップ「スント9」です。最新作の「ピーク プロ」はバッテリーライフを大幅に伸ばし、GPSを使い続けても40時間バッテリーが持続します(通常使用では21日)。アメリカ軍のMILスペックに準拠したタフ仕様ながら、北欧ブランドらしいミニマルなルックスも魅力。血中酸素から高度順応の度合いを計測するほか、温度表示・天気予報・GPSナビゲーションなど、登山用機能も満載です。
4本目
『スント』スント5 ピーク
『スント』の中でも入門~中級者用に位置づけられる「スント5」。しかし、ほとんどの人にとってオーバースペックともいえる機能性を誇っています。魅力はGPSを使用したナビゲーション。スマホアプリが秀逸で、独自のルートを設定したり、他のユーザーが共有したルートを取り込んで時計に転送できたりします。そして、実際に登山したルートは、スマホアプリの3Dマップにオーバーレイされ、自分の登山をビジュアルで確認することが可能です。
5本目
『カシオ』プロトレック マナスル
標高8,000m峰14座の登頂に成功した超弩級クライマー・竹内洋岳氏をアドバイザーに迎えて開発されたプロ仕様「プロトレック」がこちら。気圧計を内蔵し天気予測や高度計測も可能。時間ごとの高度を自動で記録するモードも備わっています。アナログがベースのため、GPSのナビゲーションは使えないものの、コンパスが実装されているため方位の把握が可能で、登山時に重宝すること間違いなし。電波ソーラーを搭載し、時刻の正確性やバッテリーの持ちも特筆すべき点です。
6本目
『カシオ』プロトレック(PRW-30Y-1BJF)
多くのクライマーに愛される「プロトレック」のデジタルモデル。方位、気圧/高度、温度を計測できるトリプルセンサーを搭載、しかも右側の3つのボタンはそれぞれのセンサーに対応しており、ワンプッシュで計測情報にアクセス可能です。ソーラー駆動でバッテリーの心配も軽減でき、SNT液晶を採用することにより悪天候下でも確かな視認性を獲得しています。そのほか、日の出・日の入り表示や高度自動記録など便利な機能が満載です。
7本目
『カシオ』プロトレック(PRG-340-1JF)
多機能ゆえ、スポーツウォッチとしては比較的高価な登山用ウォッチ。それゆえ、カジュアルクライマーには敷居が高く感じられますが、最初の1本なら3万円以下で手に入るこちらの「プロトレック」で十分です。方位、気圧/高度、温度がきっちり測定可能で、特に方位は時計表示とは別の液晶にセットし、スクリーン全体にコンパスを表示することで視認性を高めています。ソーラー充電が可能で、10気圧(約100m)防水と、使い勝手やタフさも申し分ありません。
8本目
『セイコー』プロスペックス アルピニスト
登山時計が各種センサーを搭載しハイテク化する前の姿をとどめた往年のクラシカルクライマーズウォッチ。ムーブメントには機械式を採用し、シースルーバックなので裏蓋からテンプが動くさまを楽しめます。クラシックなルックスですが、視認性の高いアラビアインデックスで、20気圧(200m)防水とタフ仕様なため、実際に山に着けていくのももちろんあり。しかし汗に弱いカーフベルトのため、登山時はナイロンなどのスポーツタイプのベルトを別途用意したほうが良さそうです。
9本目
『シチズン』プロマスターランド エコ・ドライブ アルティクロン
『シチズン』のプロフェッショナルライン「プロマスター」に属する登山ウォッチ。海抜マイナス300mから10,000mまでの高度を計測し、それをアナログで表示する硬派な仕様が人気を集めています。タフさも異次元で、マイナス20度まで耐え、過酷な雪山でも難なく使用することが可能です。寒冷地ではみるみるバッテリーが消耗しますが、その点このモデルは光から充電可能なため電池切れの心配も無用。
10本目
『ポラール』ポラール グリット X PRO TITAN
日本ではまだ知名度が低いものの、心拍計では世界的な知名度を誇り多くのプロアスリートが愛用するフィンランドブランド『ポラール』。ウォッチではランナー向けが有名ですが、「グリット X」は、アウトドア用途に振った登山と相性の良いモデル。4つの衛星システムを使用可能な高精度GPSを搭載し、ターンバイターン方式のルートナビゲーションを実現。来た道をたどって戻るトラックバック機能も搭載しています。GPSを使用しながら40時間持続するロングバッテリーライフも魅力です。
11本目
『Apple』Apple Watch Ultra
2022年に発売された「Apple Watch Ultra」は、一部では最強の登山ウォッチと呼ぶ声もあるほど、アウトドア用途に振ったモデルとなりました。リューズガードを設けたタフ仕様も評判ですが、従来製の弱点となっていたバッテリーライフを大幅に伸ばし、通常使用で最大36時間の連続使用が可能になりました。また2周波のGPS信号を捉えることで、よりナビゲーションの精度が向上。バックトレース機能も標準で組み込まれています。また、180m離れた場所からも聞こえるサイレンなど、非常時の対策もバッチリです。
12本目
『Apple』Apple Watch Series8
登山用途に関していえば、アウトドアに最適化された「Apple Watch Ultra」の登場で、素の「Apple Watch」の存在感が薄まった感は否めません。しかし、日常使いにもガンガン使えて、山でも使えると考えれば、魅力的な存在です。ネイティブアプリでは登山向きとはいえませんが、元々GPSやコンパスの精度が高く、高度計も搭載しているため、登山アプリを導入すれば登山用に作られた時計と遜色ない機能性を発揮します。ただバッテリーの消耗が激しく長時間の登山には向かないこと、傷付きやすいのでケースが必須になることにはくれぐれも注意が必要です。
13本目
『Gショック』G-SQUAD PRO
Googleが作ったスマートウォッチ用のOS「Wear OS」を搭載した『Gショック』がこちら。もちろん、『Gショック』だけあって、タフ仕様であることは自明のことですが、方位、高度/気圧、加速度、ジャイロセンサー、GPSを搭載していることで、サードパーティアプリを入れれば即登山ウォッチに早変わり。登山中にルート案内や高度の表示ができ、ログの記録も可能です。ただ、素の「Apple Watch」同様、GPSなどの機能を常時オンにしておくと、バッテリーライフの消耗が激しいことには注意が必要です。
14本目
『ファーウェイ』HUAWEI WATCH GT 3 Pro
独自のOSを搭載した『ファーウェイ』のスマートウォッチは、ワークアウトモードに「登山」もプリセット。高度気圧計、高精度GPS、コンパス、歩行履歴保存機能、日の出日の入り表示機能を搭載しているため、まるで、登山専用ウォッチのような使い方が可能です。特筆すべきは、バッテリーの持ち。通常使用で2週間の連続使用が可能なため、GPSや心拍計などをフルに使い続けても、バッテリーが1日持たない事態は避けられるのが魅力です。
15本目
『ラドウェザー』センサーマスターIII
高度計・気圧計・デジタルコンパス・気温計を搭載しながらなんと1万円を切るプライスが魅力の『ラドウェザー』。残念ながらGPSは搭載されていませんが、この価格なら十分すぎるほどの機能性です。天気予測や、気圧・高度の履歴表示、バックライトなど、登山に役立つ機能も豊富で、初めての1本にもおすすめです。
この記事の掲載アイテム一覧(全15商品)
画像をタップクリックするとアイテム詳細が表示されます
-
『ガーミン』 フェニックス7 Sapphire Dual Power Ti Black DLC
-
『ガーミン』 インスティンクト2 デュアルパワー
-
『スント』 スント9 ピーク プロ
-
『スント』 スント5 ピーク
-
『カシオ』 プロトレック マナスル
-
『カシオ』 プロトレック(PRW-30Y-1BJF)
-
『カシオ』 プロトレック(PRG-340-1JF)
-
『セイコー』 プロスペックス アルピニスト
-
『シチズン』 プロマスターランド エコ・ドライブ アルティクロン
-
『ポラール』 ポラール グリット X PRO TITAN
-
『Apple』 Apple Watch Ultra
-
『Apple』 Apple Watch Series8
-
『Gショック』 G-SQUAD PRO
-
『ファーウェイ』 HUAWEI WATCH GT 3 Pro
-
『ラドウェザー』 センサーマスターIII
掲載アイテムをもっと見る(3商品)
KEYWORD関連キーワード