
大人のためのプレッピースタイルの作り方。アイテム選びや今っぽいコーデを解説!
“プレッピー”という言葉を知っていても、きちんと理解している人は少ないのでは? そこでプレッピースタイルの特徴や魅力、今っぽいコーデの作り方などを解説します。
プレッピースタイルとは? 大人コーデに取り入れたい理由
プレッピーとは、名門私立学校に通学している良家、お金持ちの子息に対する俗称。若きエリートたちを育てる、一流大学への進学コースや名門私立高校を意味するアメリカのプレパラトリースクールに由来します。これを“プレップ”と略し、その生徒たちをプレッピーと呼ぶようになりました。つまり、プレッピーには“お坊ちゃん”的な意味合いがあり、プレッピースタイルは彼らがしていた着こなしを指します。
となると、大人には合わないイメージがありますよね? しかしその代表アイテムを見てみると、紺ブレやオックスフォードのボタンダウンシャツなど、メンズファッションの定番アイテムばかり。組み合わせ次第で品のある着こなしに仕上がるので、プレッピースタイルは大人にもおすすめなのです。
似ているけど何が違う? プレッピーとアイビーの違い
そもそもアイビーは、ハーバードなどのアメリカ東部の伝統あるアイビーリーグ校の学生たちが好んだ服装のこと。一方プレッピーは、その一流大学を目指す予備校的な位置付けで、いわば弟分的な存在。ファッションにおいては明確な違いはないといわれていますが、強いていうならプレッピーのほうが少し着崩したスタイルになります。
基本はコレ! プレッピースタイルを作る5つの定番アイテム
プレッピースタイルを作るには、それを代表するアイテムが必須。ただ、一度にそのすべてを取り入れるとコスプレ的な着こなしになってしまうので、1コーデにつき1~2アイテムがベストといえます。ということで、プレッピースタイルの定番アイテムを見ていきましょう。
アイテム1
ネイビーブレザー(紺ブレ)
“紺ブレ”という名称で親しまれているネイビーブレザーは、プレッピースタイルにおいて欠かせないアイテム。ゴールドやシルバーといったメタルボタンが装飾され、着用するだけできちんと感や清潔感を醸し出すことができます。また、よりシンプルに着こなしたいなら、ボディと同色のボタンのネイビージャケットをセレクトするのもアリ。
アイテム2
チルデンニット
チルデンニットはVネックの襟元や裾、袖口に幅広のストライプが配されたニットのこと。もっとも正統でクラシックなのはケーブル編みのボディですが、最近は薄手のハイゲージやベストタイプなども展開されています。ともするとお坊ちゃん色が強くなるアイテムでもあるので、インナーにTシャツなどの襟なしを合わせてすっきり都会的な印象に仕上げるのがベター。
アイテム3
オックスフォードのボタンダウンシャツ
男性のワードローブに必須であり、カジュアルからビジネスまで幅広い着こなしで親しまれているオックスフォードのボタンダウンシャツも、実はプレッピーを象徴するアイテム。ビジネスではビシッとアイロンをかけたほうが良いですが、プレッピースタイルで取り入れるなら、あえての洗いざらしで着こなしにこなれ感をプラスするのもおすすめ。
アイテム4
ベージュのチノパン
スポーティで活動的なボトムスであり、プレッピーの定番アイテムとの相性も抜群に良いチノパン。ホワイトやカーキといったさまざまなカラーが展開されていますが、プレッピースタイルでは紺ブレと相性が良いベージュがベストです。また、シルエットは細身テーパードではなく、太めストレートをセレクトすると今っぽさも演出できますよ。
アイテム5
コインローファー
プレッピースタイルの足元といえば、ローファー以外は考えられないほど定番。なかでもコインローファーがおすすめで、その理由はあらゆる着こなしに合う汎用性を備えているから。ベージュのチノパンはもちろん、ジーンズやスラックスまで相性が抜群。色や素材は好みによりますが、ブラックの表革が一番使えるはず。
着こなしの参考に! 今どきプレッピースタイルの作り方とコーデサンプル
伝統的なプレッピースタイルを大人がそのまま実践すると、ガチガチのお坊ちゃんスタイルになってしまって似合わない場合も……。程良く取り入れて今っぽく見える着こなし方を洒落者たちのサンプルとともにご紹介します。
▼作り方1:紺ブレ×チノパンの王道コンビでスタイリング
プレッピースタイルの王道といえば、やはり紺ブレ×チノパンですよね。大人も実践しやすい組み合わせですが、一歩間違えると昔っぽく見えてしまう可能性も。都会的なネイビージャケットを選んだり、引き続きトレンドのオーバーサイズでまとめたり、今っぽさをプラスするのがおすすめ。
コーデ1
ネイビージャケットでプレッピー感をマイルドに
タイドアップのプレッピースタイルに仕上げていながらガチガチに見えないのは、紺ブレではなくネイビージャケットをチョイスしているから。さらにキャップでスポーティな要素をプラスしつつ、白ソックスで抜け感を持たせているのもお見事です。
コーデ2
大胆なオーバーサイズで王道コーデを今っぽく
紺ブレもチノパンもオーバーサイズで揃えることで、王道プレッピースタイルを今どきに格上げ。マドラスチェックのシャツはタックインですっきりと仕上げ、バランスを図っているのもポイントです。チノパンとあえて同色でまとめた足元は、視覚的な脚長効果も。
▼作り方2:ボタンダウンシャツをインしてロゴスウェットにきちんと感をプラス
カレッジテイストのロゴスウェットもプレッピーを象徴するアイテム。ただ、インナーがTシャツだと大人にはラフすぎてしまい、何よりプレッピー感が軽減してしまいます。そういうわけで、ボタンダウンシャツをインして、着こなしに適度なきちんと感をプラスするのがベターです。
コーデ1
定番アイテムを巧みに組み合わせた王道プレッピー
ロゴスウェットにボタンダウンシャツ×ネクタイを組み合わせているのが新鮮。クルーネックだと見える面積が少ないのでやりすぎに見えず、よりバランス良く仕上がっています。ベージュのチノパンとローファーで、プレッピー感をさらにアップさせたところにも注目を。
コーデ2
きちんと感と抜け感を両立させたレイヤードがカギ
ロゴスウェットとボタンダウンシャツのレイヤードに、紺ブレを羽織ってきちんと感をさらに強調。それでいてキメすぎに見えないのは、シャツの第1ボタンを開けて抜け感を持たせているから。ボトムスはゆったりめをチョイスし、今どきのリラックス感をプラスしたのも成功のカギ。
▼作り方3:チルデンニットは襟なしインナーを合わせるのが大人の選択
プレッピーの定番アイテムの中で、特に難易度が高いチルデンニット。というのも、シャツとレイヤードすると、お坊ちゃん感や学生っぽさが強くなってしまうから。そうならないためにインナーはクルーネックTなどの襟なしを合わせ、すっきりした印象に仕上げるのが今どきに着こなすコツ。
コーデ1
チルデンニットを今っぽく着こなした好例
チェスターコートにクルーネックTシャツ、イージーパンツというシンプルな着こなしも、チルデンニットをプラスすることでプレッピー感が一気にアップ。このレイヤードによってこなれ感が高まり、さらにはストライプとコートの色をリンクさせているので統一感ある着こなしに仕上がっています。
コーデ2
お坊ちゃん感を軽減する今っぽいサイズ感がお見事
チルデンニットとクルーネックTシャツのレイヤードが決め手の夏のプレッピースタイル。どちらもオーバーサイズでまとめることで、今っぽい都会的なムードがさらに高まっています。ボトムスもプレッピーを意識して、チノのショートパンツというセレクトも◎。
▼作り方4:ジャケットに同色ニットを肩掛けしてこなれ感も獲得
紺ブレにニットを肩掛けするのは、プレッピースタイルならではのテクニック。紺ブレを着ていてもかしこまった感が弱まり、こなれた着こなしに仕上げることができます。ニットを同色で揃えるとやりすぎ感を防ぐことができるので、ぜひチャレンジしてみてください。
コーデ1
同系色合わせでニットの肩掛けをモダンに昇華
ジャケットにニットを肩掛けしてもやりすぎに見えないのは、ネイビーでリンクさせているから。しかもシャツやネクタイも同系色で揃えているので、プレッピースタイルながらもどこかモダンな印象に。ボトムスはサンドベージュのコーデュロイパンツで、コントラストをつけているのも好バランスに見える秘訣。
コーデ2
ニットの肩掛けでお馴染みセットアップの鮮度をアップ
ニットを肩掛けすれば、お馴染みのセットアップもプレッピーな雰囲気漂う着こなしに早変わり。あえてずらしてセットしているのもポイントで、さらなるこなれ感アップに一役買っています。インナーや足元はニットの色を拾ったホワイトで揃え、爽やかさや清潔感もプラス。
▼作り方5:ボタンダウンシャツとショートパンツで夏のプレッピースタイルを構築
プレッピー感の強いバミューダ系のショートパンツは、お坊ちゃん感が強くなってしまうのが懸念事項。そんな悩みは、シンプルなボタンダウンシャツをトップスにセレクトすると解決します。肌見せ面積も狭くなるので、大人のショートパンツスタイルを演出できますよ。
コーデ1
定番アイテムで作るオーセンティックなプレッピースタイル
シンプルな着こなしではありますが、ポイントはボタンダウンシャツのサイズ感。コンパクトすぎず大きめすぎない絶妙なサイジングのおかげで、細身のショートパンツともバランスの良い仕上がりに。足元はコインローファーでプレッピー度を高めているのもGOOD。
コーデ2
スタイリッシュ度を高める巧みなレイヤードに注目
ボタンダウンシャツにTシャツをレイヤードしたスタイリングが新鮮。どちらも淡色なのでやりすぎ感はなく、逆にスタイリッシュな印象を与えます。ボトムスは夏らしいマドラスチェックのショートパンツを選択。あえて足元はラインソックス&スニーカーでカジュアルにまとめているのも良い感じ。
アイテム探しはここで! プレッピースタイルといえばこの5ブランド
プレッピースタイルを作りたいけど、どんなブランドを選んだら良いのかわからない人も多いのでは? そこで最後に、アメリカの老舗『ブルックスブラザーズ』をはじめ、大人におすすめのブランドをご紹介します。
ブランド1
『ブルックスブラザーズ』
アメリカでもっとも歴史がある衣料ブランドとして、1818年に創業した『ブルックスブラザーズ』。プレッピーを象徴するアイテムを数多く生み出し、顧客リストにはリンカーンやケネディなどの歴代米国大統領から、フレッド・アステアなどの有名人まで名を連ねる名門です。同ブランドといえば、やはりポロカラー(ボタンダウン)シャツですよね。1896年に登場して以来、いまなお『ブルックスブラザーズ』のアイコンとして支持されている名品です。
ブランド2
『J.プレス』
1902年にアメリカ東部のコネチカット州で創業し、現在は日本にて進化し続けている『J.プレス』。元祖アイビーともいえるブランドですが、もちろんプレッピーにおいても欠かせないブランドです。しかも過去だけに縛られず、次世代スタイルを新たに作り出せる実力派でもあります。今回はブランドの伝統とクラフトマンシップを象徴するアイコニックな紺ブレをセレクト。写真のようにパーカーを合わせた、今っぽいカジュアルスタイルにもマッチする1着です。
ブランド3
『トミー ヒルフィガー』
いまなお現役で活躍する創始者のトミー・ヒルフィガーが、1985年に自分の名を冠したブランドをスタート。昔ながらのスタイルにクールなテイストやヒネりを効かせた、フリースタイルのプレッピーを提案しています。トラディショナルな紺ブレは、『トミー ヒルフィガー』のアイコン的アイテム。ベーシックな見た目とは裏腹に、上襟の内側にはフラッグのカラーブロックが施され、さりげないブランドらしいエッセンスが取り入れられています。
ブランド4
『ラコステ』
フランス発の『ラコステ』が提案し続けているのはフレンチプレッピー。紺ブレ×チノパン×ローファーの着こなしに、代名詞のポロシャツを合わせるのはもはや王道にもなっています。洗練されたプレッピースタイルを作る際に、同ブランドは欠かせないといっても大袈裟でないはず。そこでここでは、オーガニックコットン製のチルデンニットをチョイス。モダンな配色で構成したストライプや大ぶりのワニロゴが、都会的な着こなしを構築してくれますよ。
ブランド5
『ビームスプラス』
“永年着られる飽きのこない本物の男服”をコンセプトに、次世代へと続く正統派のアメリカンカジュアルを追求している『ビームスプラス』。モダンな解釈を加えたプレッピーアイテムも数多く展開しており、現代的なプレッピースタイルを演出するのにもってこいのブランドです。こちらは1960年代のヴィンテージのパンツを基にデザインしたもの。裾は9分丈のターンアップ仕様に仕上げられ、今っぽいフィーリングで着こなすことができます。
この記事の掲載アイテム一覧(全10商品)
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『ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング』 TWトロ ネイビー 3B ブレザー ジャケット
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『ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 』 オーバーサイズ チルデンニット
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『ノーティカ』 オックスフォード BD シャツ
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『ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ』 チノ 2プリーツ トラウザー
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『ジーエイチバス』 WEEJUN’90 日本限定 ペニーローファー
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『ブルックスブラザーズ』 ノンアイロン ストレッチオックスフォード GFロゴ スポーツシャツ
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『J.プレス』 ペピンメリノトロピカル 紺ブレザー
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『トミー ヒルフィガー』 THヘリテージ ネイビーアンコン ブレザー
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『ラコステ』 オーガニックコットンチルデンセーター
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『ビームスプラス』 コットンツイル アイビー トラウザーズ アンクルカット
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