
アイビールックは永遠の定番だ。歴史からおすすめブランドまで徹底解説
現代のメンズファッションに対して最も影響を与えたといえるアイビールック。その歴史から代表的なアイテム、さらにはコーデ例やおすすめブランドまでをご紹介します。
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今のファッションを語るうえで欠かせない、アイビールックとは?
1950年代にアメリカで生まれたアイビールック。そもそもは1954年にアメリカのハーバード大学やイエール大学など、8大学のフットボール連盟である「アイビーリーグ」が結成され、そこに所属していた学生たちが好んで着用していたファッションをアイビールックと呼ぶようになったのが始まりです。その着こなしの定番といえば、紺ブレにボタンダウンシャツ、コットンパンツ、ローファーの組み合わせ。つまり、正統派アメリカントラッドを少し着崩したスタイルがアイビールックともいえるのです。
ちなみに独自の文化として日本で流行したのは1960年代。『ヴァンヂャケット』がアイビールックを日本に持ち込み、ブランドの『VAN』を展開したのです。それが社会現象にもなるほど一世を風靡し、アイビールックを纏った若者たちが銀座・みゆき通りに集まり、“みゆき族”と呼ばれるカルチャーが誕生しました。そんな日本とも縁のあるアイビールックは、メンズファッションにおける永遠の定番として今もなお愛され続けています。
ちなみに……
アイビールックとプレッピースタイルはどう違う?
伝統あるアイビーリーグ校の学生が好んだ服装を指すアイビーに対し、プレッピーはその一流大学を目指す予備校的な位置付け。つまり、弟分的な存在になります。ファッションにおいては明確な違いがないといわれていますが、強いていうならプレッピーのほうが少し着崩したスタイルになります。
これがマストハブ。アイビールックを構成する基本の4アイテム
まずはアイビールックを作るうえで欠かせないアイテムをご紹介。紺ブレやボタンダウンシャツなど、どれもメンズファッションの定番でもあるので、ワードローブにあるとあらゆる着こなしで重宝するはずです。
アイテム1
紺ブレ
アイビールックの象徴的なアイテムである金ボタンの紺ブレ。要はネイビーのブレザーのことで、3つボタンの段返りでクラシカルなパッチポケットが、古くから愛されている普遍的なデザインとなります。胸ポケットにワッペンが施されたモノも見かけますが、大人はできるだけシンプルな紺ブレをチョイスすると、より着こなしに取り入れやすいでしょう。
アイテム2
ボタンダウンシャツ
ボタンダウンシャツがないとアイビーは始まらないというくらいの王道アイテム。この襟型はポロ競技のユニフォームからヒントを得て、『ブルックスブラザーズ』が世界で初めて考案したといわれています。現在はさまざまな生地で展開されていますが、アイビーを意識するならオックスフォード生地をセレクトするのが◎。あえての洗いざらしで、着こなしにこなれ感をプラスするのもおすすめ。
アイテム3
チノパン
1970年代までアイビーリーグではジーンズが禁止されていたため、学生たちの定番ボトムスになっていたのがチノパンをはじめとするコットンパンツです。当時は細身が主流でしたが、今っぽいアイビールックを演出するならやや太めをセレクトするのがベター。ちなみに尾錠付きの1本が最もアイビーらしいといわれています。
アイテム4
コインローファー
『ジーエイチバス』が開発したコインローファーも、アイビールックに欠かせないアイテム。当時の学生は甲のスリットに、1セントコインを挟むのが定番スタイルでした。簡単に脱ぎ履きできる脱力感がありながら、革靴としての上品さを獲得できるのが何よりの魅力。汎用性も重視するなら、あらゆる色のコットンパンツと相性が良い、ブラックやブラウンをチョイスするのがベストです。
ぜひ着こなしのお手本に。今どきなアイビールックのコーデサンプル5選
アイビールックは普遍的な着こなしではありますが、昔のままではコスプレっぽく見えてしまう危険も。そう見せないためには、アイテム選びやシルエットに今っぽさを取り込むのが正解。その理想でもあるコーデサンプルを厳選したので、ぜひ参考にしてみてください。
コーデ1
アイビーとミリタリーを絶妙に融合した着こなし
金ボタンの紺ブレのタイドアップはアイビー濃度が高く、現代ではコスプレのように見える懸念も。それを絶妙に回避しているのが、こちらの着こなし。ボトムスに骨太なカーゴパンツを選び、紺ブレをはじめとするトップスもオーバーサイズに。そうすることでコスプレ感は薄れ、逆に今っぽいアイビールックに仕上がっています。
コーデ2
今の気分にもマッチする“ヘビアイ”を見事に体現
1970年代後半に流行したヘビーデューティとアイビーを融合した、”ヘビーデューティアイビー(ヘビアイ)”を体現したスタイリング。ポイントはマウンテンパーカーで、どこかレトロな配色も目を引きます。足元はローファーではなく、レザー製デッキシューズというチョイスもお見事。
コーデ3
+ラガーシャツで巧みなレイヤードを披露
紺ブレ×ボタンダウンシャツという王道スタイルに、アイビーを象徴するアイテムのひとつであるラガーシャツをレイヤード。ラガーシャツ単体だとスポーツ色が強めですが、紺ブレを羽織ると一気にタウン仕様に。しかも存在感ある配色をセレクトしているので、定番色で構成した着こなしのスパイス役にもなっています。
コーデ4
インナーに効かせたマドラスチェックが決め手
夏のアイビールックの定番でもあるマドラスチェックのボタンダウンシャツをセレクト。ボトムスにデニムのショートパンツ、足元にモカシンシューズを合わせることで、スポーティな着こなしに仕上がっています。その雰囲気をキープするべく、ジャケットは軽快なナイロン生地を選んでいるのも良い感じ。
コーデ5
シンプルコーデをこなれた印象に導いたテクニックが秀逸
ボタンダウンシャツ×チノクロスのショートパンツというベーシックな着こなしながらもこなれて見えるのは、色違いのボタンダウンシャツをラフに肩かけしているから。これはアイビーの常とうテクニックのひとつで、もちろんニットやカーディガンで代用してもOK。無造作な腕まくりでこなれ感を倍増させたところにも注目を。
アイテム探しはここからどうぞ。アイビールックにハマるブランド10選
いざアイビールックを実践したくても、馴染みのない人はブランド選びに迷ってしまいますよね。そこで最後に、アイビーのアイテムが充実しているブランドをピックアップ。アメリカブランドとセレクトショップとカテゴリ別にご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
▼発祥国ならではの安心感。定番のアメリカブランド
まずはアイビールック発祥国であるアメリカブランドから見ていきましょう。『ブルックスブラザーズ』をはじめとする老舗から、『ローイングブレザーズ』などの新鋭までをチョイスしました。アイテムのバリエーションも豊富なので、アイビー好きならずともチェック必須!
ブランド1
『ブルックスブラザーズ』
アメリカで最も歴史がある衣料ブランドとして1818年に創業。ポロカラー(ボタンダウン)シャツをはじめとする数多くの名品を生み出し、顧客リストにはリンカーンやケネディなどの歴代米国大統領からフレッド・アステアなどの有名人が名を連ねる名門です。今回ピックアップしたのは、今っぽい機能を装備したチノパン。ストレッチの効いたツイル生地は快適なはき心地に加え、シワになりにくい加工による扱いやすさも見どころ。
ブランド2
『J.プレス』
現在は日本にて手がけられていますが、『J.プレス』は1902年にアメリカ東部のコネチカット州で創業したアイビーの元祖ともいえるブランド。過去だけに縛られず、次世代スタイルを新たに作り出せる実力派でもあります。こちらの紺ブレはオーセンティックな見た目でいて、極薄でハイパワーストレッチ機能を持つ生地を採用。岡山県児島のボタンメーカーに別注した、都会的な雰囲気を醸すオリジナルのメタルボタンにも注目です。
ブランド3
『ポロ ラルフローレン』
1968年に設立した『ポロ ラルフローレン』が提案するのは、アメリカのより豊かで理想的な上流階級のライフスタイル。イギリスの伝統的なファッションをアメリカ流にアレンジした、アメリカントラッドを得意としていますが、それらを着崩すアイビールックにもうってつけのブランドでもあります。ウォッシュをかけたチノクロスに4種類のマルチ刺繍をあしらったチノパンは、シンプルな着こなしのアクセント使いにも最適。
ブランド4
『トミーヒルフィガー』
創始者のトミー・ヒルフィガーが、1985年に自分の名を冠したブランドをスタート。昔ながらのアメリカンクラシックに、クールなテイストやツイストを効かせたスタイルを提案しています。豊富なラインアップからセレクトしたのは、スタンダードなオックスフォード生地のボタンダウンシャツ。左胸にさりげなくあしらわれたフラッグロゴが『トミーヒルフィガー』らしい仕上がり。
ブランド5
『ローイング ブレザーズ』
『ローイング ブレザーズ』は、2017年よりスタートしたアイビー界の新星。考古学者でありながらアメリカのボートチームにも所属するという、異色の経歴を持ったデザイナーが手がけています。昔ながらの製法にこだわったブレザーをはじめ、クラシックながらも遊び心や現代的な解釈を加えたアイテムを展開。ラガーシャツもブランドを象徴するアイテムのひとつです。ゆったりとしたシルエットと小さめの襟とのコントラストがユニーク。
▼カテゴリ2:現代的なセンスが光る、セレクトショップのオリジナルブランド
今っぽい空気感を纏ったアイビールックに仕上げたいなら、セレクトショップのオリジナルを取り入れるのがおすすめ。しかも比較的リーズナブルに手に入れられるので、アイビー初心者でもチャレンジしやすいはずです!
ブランド6
『ビームス プラス』
“永年着られる飽きのこない本物の男服”をコンセプトに、次世代へと続く正統派のアメリカンカジュアルを追求している『ビームス プラス』。モダンな解釈を加えたアイビーアイテムの宝庫でもあります。定番の紺ブレは1960年代のスポートコートをベースに、フィッティングを現代的にアップデートしたもの。ゆったりとしたコットンパンツと合わせれば、より今っぽいアイビールックに仕上がりますよ。
ブランド7
『シップス』
1952年に上野・アメ横にオープンした「三浦商店」が始まり。1970年代からアメリカントラッドやアイビーを得意としており、現在は今っぽい感覚を融合させた『シップス』視点のアイビールックを提案しています。マドラスチェック柄のボタンダウンシャツは、春夏のアイビーファッションに欠かせないアイテムのひとつ。コットンリネンの混紡糸を用いているので、ヴィンテージのような雰囲気を醸し出してくれるのも特筆すべき魅力。
ブランド8
『ジャーナル スタンダード』
ベーシックでスタンダードなアイテムと、旬のブランドをMIXした独自のセレクトが支持されている『ジャーナル スタンダード』。オリジナルはアメリカンテイストのカジュアルなデザインが多く、アイビールックにも使えるアイテムが充実しています。このTシャツはアイビーリーグのひとつであり、ヴィンテージ市場でも人気が高いイエール大学へ別注したもの。特殊な加工によるリアルなダメージ感も目を引き、1枚でもインナーでも存在感を発揮してくれます。
ブランド9
『フリークスストア』
1986年に創業した『フリークスストア』のコンセプトは”10年経っても色あせない服”。アメリカンカジュアルが中心ですが、アイビールックにも使えるアイテムがラインアップされています。ルーズフィット イージーワークパンツは、膝下にかけてのテーパード具合を微調整することでバランスの良いワイドシルエットにアップデートされ、大人のアイビースタイルにもうってつけ。紺ブレやボタンダウンシャツとの相性も抜群です。
ブランド10
『アーバンリサーチ ドアーズ』
“都市に生きる自分らしい人々”に向けてライフスタイルを提案している『アーバンリサーチ』のオリジナルブランド。『アーバンリサーチ ドアーズ』では、時代を超えて長く愛されるベーシックなアイテムを発信しています。ここでピックアップしたオックスフォード生地のボタンダウンシャツも、流行に左右されることなく毎日でも着たくなる1枚。あえてオーバーサイズをチョイスして、アイビールックに今っぽさをプラスするのもおすすめです。
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