五感に響く!デニムが得意な日本ブランド、カトー

五感に響く!デニムが得意な日本ブランド、カトー

形、生地、 縫製、洗い、すべての要素が重り、着込むほどに持ち主と同化し変化する。そんなジーンズの本質を追究する『カトー』のモノ作りの秘密に迫る。

菊地 亮

2015.08.20

カトー(KATO`)
ボトムス
ジーンズ
MADE IN JAPAN・国産

普遍性の中に垣間見えるブランドの“個”が我々の心をつかむ

普遍的なデザインや長く付き合える素材の特性。ジーンズの良さを語れば、とどのつまりそこに行きつく。移り気の激しいファッションの分野において、父、子、孫と世代を超越し結びつけるもの、それこそがジーンズ。『カトー』のアイテムに、改めてその事実を気づかされる。

『カトー』とは

アメリカ、フランスなど、世界のデザインシーン最前線において、デニムを中心に活躍してきた加藤博氏が1999年に設立。“TOOL PROJECT”のテーマのもと、“人は服を完成させるための道具=人が着て初めて服は完成する”といった信念にそってジーンズを軸にアイテムを展開。その高いクオリティから、世界でも注目を浴びる存在に。

“五感で感じる服”、それが『カトー』のコレクション

アメリカ、ヨーロッパ双方のジーンズに対するアプローチを、シーンの中心で経験してきた同氏だけに、モノ作りにおける懐の深さは他の追随を許さない。彼が生み出すアイテムは、着続けるほどに自分の体へと同化していき、愛着が形となっていく。パターン、生地、縫製など、随所に潜ませた加藤氏得意の仕掛けがそうさせるのだ。

ブランド渾身のスタンダードモデルをまずはご覧いただきたい

Model1P02A

ブランド設立当初から作り続けられている永久欠番にして、デザイナーの「いつ買いに行ってもお気に入りのジーンズがそこにある事実が大切」という想いが込められた不動のロングセラーモデル。使用している生地は、これまでの経験と知識に裏付けされたオリジナルのセルビッチ生地で、シルエットは自然なテーパードラインで。

Detail1カトージーンズのアイデンティティを脈々と継承

過去へのオマージュを持ちながらそこへ自身の感覚を落としこむ加藤氏。そこには妥協など一切ない。フロントポケットは手を出し入れしやすい形状に考えられ、コインポケットはライターがすっぽり収まる適度な深さに。シルエットにいたっては、裾へ向けうっすらシェイプをかけたエレガントなラインで自然な美しさを誘発する。

Detail2ディテールに見える『カトー』ならではの個性的な一面

特筆すべきポイントは生地やシルエットだけにとどまらない。例えばバックポケット。右側は、一般的なペンタゴン型やスクエア型と一線を画す、緩やかにラウンドした猫目ボタン付きのフラップポケット。そして、左ポケットを玉縁仕立てにしたアシンメトリー仕様になっている。また、随所に見られるラフな始末も実に味がある。

Model2P03A

P02Aと並ぶカトージーンズの定番だが、実はこのP03Aのプロトタイプが、ブランド設立前の98年にはもう完成されていたとか。実質的な元祖ともいえるこちらは、アウトラインが緩やかに湾曲し、サイドシームが前に流れるカッティングが特徴的な立体裁断。直線部にはセルビッチを贅沢に使い、もも~膝にかけ美しい色落ちも楽しめる。

Detailはいた時の心地よさやルックスを決定づける細やかな仕事

やや太いシルエットながらルーズ過ぎないバランスを生み出しているのは、何も立体裁断による仕立てだけではない。膝裏にダーツを加えることで、野暮ったさの解消と動きやすさを実現。さらに、バックヨークをやや深めに設定し、ヒップよりも下に配置した個性的なポケットなどバックシルエットも様になるよう計算されている。

Model3P21A

13.5オンスのオリジナル生地を使って仕上げたトラウザー型。古くからワークトラウザーと呼ばれたスタイルを、現代的解釈によりカトー流にアレンジしたモノで、センターバックに入ったV字スリットも相まってオーバーサイズではいてもしっかりキマる。特にワンウォッシュタイプはパーティージーンズとして海外からの評価も高い。

デザイナーの引き出しの多さを感じさせる魅力的なアイテム群も魅力

『カトー』のジーンズに初めて足を通す人も、ジーンズ選びに一家言ある人も、定番モデルを選べば概ね納得してもらえるだろう。ただ、他のアイテムにひとたび目を移せば、改めてブランドの凄み、こだわり、素晴らしさ、そしてデザイナーの豊富なキャリアに裏打ちされた真摯なモノ作りを理解してもらえるはずだ。

Collaboration Item『カトー』×『ワイルドシングス』

ジーンズは直球的な5ポケットパンツもいいが、変化球的アプローチによる楽しい1本も魅力的だ。アウトドアの雄、『ワイルドシングス』とのコラボは、その面白さに気付かせてくれる。ウエストに施したウェービングベルトや股下のガゼットなど、ベースはマウンテンパンツながら使用した生地は『カトー』のオリジナルセルビッチ生地。

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山崎 サトシ

women's Item繊細なデザイン&シルエットが光るウィメンズライン

加藤氏がフリーデザイナーとしてのキャリアをスタートさせた際、主に手掛けていたのがウィメンズ服。ゆえに、『カトー』ブランドを語る際にはウィメンズコレクションも欠かせない要素のひとつになる。特にジーンズは、素材特有のカジュアルさの中に、リラックス感、脚線美、そして女性らしさを落としこんだ素敵な1本に。

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那珂川廣太

地方の出版社にて編集を経験した後、独立。フリーのエディター・ライターとしてメンズファッションを中心に、スポーツ、グルメ、音楽など幅広い分野で活動。現在は、生まれ故郷である岩手県、そして東北の魅力を発信すべく東奔西走中。
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    髙須賀 哲

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