大人の着こなしは“紺ジャケ”より “紺ブレ”でメイク

大人の着こなしは“紺ジャケ”より “紺ブレ”でメイク

大人のジャケットスタイルの基本は“紺ジャケ”ですが、今年はよりトラディショナルな気分の“紺ブレ”がおすすめです。ジャケットとブレザーの違いも含め解説しましょう。

池田 やすゆき

2018.04.09

アウター
ジャケット
テーラードジャケット
春の着こなし・コーデ

今年着たいのは、アメトラを気取れる“紺ブレ”です

オンはもちろんオフのシーンでも、テーラード型のジャケットは大人着こなしの基本ですが、スーツの上着だけ単品使いするようなベーシックな“紺ジャケ”では当たり前過ぎかもしれません。今年新調するなら、紺色のブレザー“紺ブレ”を選んでみましょう。あくまできれいめながら肩肘を張らない知的な印象を作る紺ブレなら、見え方も気分もがらりと変わります。

オンからオフまで、大人が選ぶブレザーの条件

19世紀中盤、英国海軍の有する艦「ブレザー号」の制服として採用されたダブルブレストのジャケットがブレザーの起源だといわれています。その後19世紀後半に、カレッジアイテムの象徴としてシングルブレストが登場。さらにアメリカに渡るなかでフラップ付きポケットやセンターベントが採用されるなど、時代を追うごとに軍の実用品から都会になじむ紳士服へと改良が施されてきました。そんな歴史あるアイテムゆえにバリエーションも多種多様で、ブランドによって解釈の異なるアイテムが乱立しています。そのなかからクラシックになりすぎず、現在の着こなしに似合う1着を探すことが大切です。その基準となるポイントをご説明しましょう。

条件1まずは何といってもメタルボタンを選ぶ

紺ブレにはメタルボタンが必須です。ドーム型で刻印入りのものやフラットな足付きのものなどがありますが、とくに刻印入りのものはヴィンテージ感が強く格式高い着こなしを構築したい人におすすめです。色についてはゴールドでもシルバーでも着こなしに合うほうをお選びいただければと思いますが、モダンで若々しい印象を与えたいならシルバーが良いでしょう。

条件2ポケットはパッチ式のものを選びます

スーツのジャケットのポケットはフラップ付きの切りポケット(袋状の部分が内側にあるポケット)ですが、ブレザーはパッチ式のモノが主流です。切りポケットでフラップがないものが最もフォーマルなスタイルで、次がフラップ付き、そしてパッチポケットはカジュアルなジャケット用と覚えておきましょう。胸ポケットまでパッチ式の3パッチなら、よりアメリカ式のトラディショナルなブレザーといえます。

条件3ワッペンなどのない、すっきりしたデザインのものを選びましょう

学校やチームのユニフォームとして定着した紺ブレは、パッチ式の胸ポケットにワッペン(エンブレム)がついているモノを良く見かけます。ですが、街中でファッションとして着るのに所属を表すワッペンは不要です。スクールプレップな着こなしよりシックなトラッドスタイルが隆盛している現状を鑑みても、デザインはシンプルさが肝心です。

知っておいて損はなし。上級者に見る紺ブレの着こなし方

大人が選ぶべき紺ブレの条件がわかったら、次いで理解すべきはその着こなし方。ビジネスの場からきれいめなカジュアルスタイルまで幅広く使えるアイテムですが、もちろんTPOに沿ったスタイリングの作法があります。達人たちの着用例を参考にしつつ、そのテクニックを探ります。

着こなし1会社に着ていくならグレースラックスを合わせましょう

紺ブレとグレーのスラックスは最強の組み合わせ。タイドアップすれば、フォーマルなシーンでも通用します。なお、このとき白無地のシャツにソリッドカラーのタイをするのが紺ブレの基本です。レジメンタルタイだとそれこそユニフォームみたいになってしまいますし、プリントタイのような華やかな色柄は用いないのが紺ブレ着こなしのマナーとなっています。あまり遊んだ着こなしにしないのが、紺ブレをドレッシーに着るコツです。

着こなし2ギンガムチェックのシャツとの相性は抜群です

紺ブレはアイビーやアメトラでも人気の高かったアイテムですので、プレッピー風味のギンガムチェックシャツとの相性が抜群です。こちらはインにダブルのジレを合わせたコーデ。紺からブルーのグラデーションで色数を絞りながら、チーフやタイでもさりげない色柄を載せることでおしゃれな空気に仕上げています。

着こなし3白パンを合わせれば、大人スポーティなコーデに

紺ブレ&白パンの組み合わせは、上下のコントラストが効果的に働いて存在感がアップするコーデです。白パンはクリース入りのドレスパンツではなく、細身の5ポケットにしてカジュアル味を強調してもブレザーが上品に格上げしてくれるので安心です。ここではボタンダウンシャツにクルーネックのニット、足元はレースアップのUチップと、あえて王道を外したコーデを展開することでいやみのない個性を主張しています。

着こなし4ボーダーカットソーでマリンなブレザースタイルを

紺ブレ×マリンボーダーの組み合わせも王道のカジュアルスタイルです。初夏の大人カジュアルはワークよりマリンテイストが似合います。ボーダーは白に紺または黒でクリーンなコントラストを描くのがポイントで、このボーダーの色が浅いとキリッと締まらないのでご注意を。

ハズレなし。人気ブランドの紺ブレ10選

紺ブレはアメトラブランドの定番こそが間違いないとされていますが、最近ではスポーティできれいめな紺色のカジュアルジャケットにメタルボタンの組みわせでいろいろなブランドからリリースされています。定番からモダンな1着まで、幅広いテイストの紺ブレを以下にご紹介しましょう。

アイテム1『オーバーザストライプス』

コットンとラミー(麻)の混紡生地は上品な光沢感が特徴。ゴールドのメタルボタンを配して、1990年代渋カジ時代の紺ブレを意識して作られているそうです。胸ポケットまでの3パッチ式になっていますので正統派のデザインといえますが、ラペルのゴージ位置が低めなあたりにデザイナーズブランドらしい遊び心を感じさせます。

アイテム2『ジェイプレス』

アメトラ定番ブランドの紺ブレは、フロントダーツをとらないサック型シルエットが本物の風格を漂わせます。ペピンメリノと英国調のウールをブレンドしたトロピカルウール生地は、ドレッシーな印象でオンのスタイルにも通用するもの。腰ポケットはパッチ&フラップ式でこれまたトラッドなムードを高めてくれます。

アイテム3『ニューヨーカー』

ブラックメタルのボタンが渋くも新鮮な紺ブレ。アンコン仕立てで腰ポケットはフラップ式と、カジュアルな着心地にドレッシーなルックスを両立させています。軽量糸を使っており、防シワ性と撥水性も備わっているので、ビジネスシーンに選んでも活躍してくれる機能的な1着といえそうです。

アイテム4『ブルックスブラザーズ』

紺ブレの王道たるブランド、『ブルックスブラザーズ』のモデルのなかでは、最も細身で着丈も短いコンパクトなシルエットの「ミラノ」モデル。素材はコットンジャージーを用いることで高い伸縮性を有しており、タイトフィットでも快適に過ごせます。タイドアップしてオンにはもちろん、オフのカジュアルにも使い勝手のよい紺ブレです。

アイテム5『タリアトーレ』

今イタリアのブランドの中で最も勢いのある『タリアトーレ』に、『ビームス』が別注したダブルの紺ブレ。ピークドラペルはワイドめで、英国式のチェンジポケットもあしらわたクラシックな印象の1着です。ウェストはかなり絞られていますので、着てみると真面目そうな紺ブレながら色気のあるスタイルを作れるはずです。

アイテム6『エムズブラック』

パリ在住の日本人デザイナーが手がけるブランドの紺ブレは、各部にダーツを入れたオリジナリティあふれるパターンメイキングがされています。3パッチポケットもバルカ型だったり、ボタン位置も高めだったり。ゆるくカーブを描くラペルのラインも、じつに優雅です。アメリカともイギリスともイタリアとも違う、パリらしさを感じさせる1着です。

アイテム7『グリーンレーベル リラクシング』

ラペルエッジの内側にパイピングのようにステッチを入りたり、フラップ付きのパッチ式ポケット、袖の2つの飾りボタンなど、クラシックな紺ブレのデザインを踏襲した1着。国内ウールメーカーの最高峰といわれる御幸毛織の生地を使い、国内生産されている価値ある逸品です。

アイテム8『ハンツマン』

サヴィルロウの名店のブレザーは、構築的なフォルムにフロント1ボタンというドレッシーなスタイル。腰ポケットはフラップ式ですが、ほんのりスラントしていて英国式のデザインが採用されています。ノーベントであったりセンターベントを基本とするブレザーにおいて、こちらはバックにサイドベンツの入ったクラシックな仕様。ですが、このドレッシーな紺ブレもまた紺ブレの1つのスタイルなのです。

アイテム9『ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ』

3パッチポケットに、センターベントとオーセンティックな紺ブレ。金のメタルボタンは刻印を入れず、プレートタイプの端正なモノをセレクトすることで現代的な着こなしにも対応する汎用性を見せてくれます。何よりうれしいのは、自宅で手洗いできるウォッシャブル仕様だということ。それを可能にするのはポリエステル100%の素材使いですが、ひと目ではそうと判別のつかない高級感が漂っています。

アイテム10『チルコロ1901』

伸縮性の高いジャージー素材を使ってテーラード型のジャケットを仕立て、しかも洗い加工を施しています。色は濃紺に近しい、インディゴカラーというのも遊びが効いていてユニークですね。着心地もルックスもオーセンティックな紺ブレとはまったく違いますが、最旬の紺ブレはここまで進化しているんです。

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