
定番だから着こなしで差を。レッド・ウィングのコーデ術
老舗ブーツメーカーとして世界的に名を馳せる『レッド・ウィング』。誰もが通るブランドだからこそ、その着こなし方で差をつけるべきだ。人気の5モデルにフォーカス。
多くの人に支持されているからこそ、自分らしく履きたい『レッド・ウィング』
1990年代のアメカジブーム全盛期、『ダナー』や『チペワ』などと並び同時代を象徴するシューズブランドのひとつとして『レッド・ウィング』の存在が挙げられる。米国のリアルワーカー御用達というだけあり、ソールさえ張り替えれば10年も20年も愛用できるタフさは当時の若者たちを強く魅了。TASCLAP読者諸兄にも、靴箱に10年物の「アイリッシュセッター」が眠っているという方は少なくないはずだ。
世代を超え、幅広い年代層に愛されている『レッド・ウィング』。だがオーナーが多いということは、それだけ他人とのかぶりも多いということだ。シリーズごとに異なる魅力を持つ『レッド・ウィング』のシューズたち。そのモデル別に、自分らしく粋に着こなすための方法を見つけたい。
5つのモデル別にリサーチ。『レッド・ウィング』のコーディネート15選
数ある『レッド・ウィング』のモデルの中でも、トレンドに左右されない5つの定番をピックアップ。それぞれの特徴を押さえつつ、洒落者たちの着こなしをチェックしていこう。
▼アイテム1:全米のポストマン・ポリスマンに愛用された「ポストマン オックスフォード」
1954年に開発されたポストマン・ポリスマンのための「オックスフォードシューズ(短靴)#101」。美しい光沢感が特徴のブラックシャパレルレザーを使用し、軽量でクッション性に優れたウェッジタイプのラバーソールを備えたオールブラックの出で立ちは『レッド・ウィング』の中では少し特殊だ。オーセンティックなルックスを生かし、ドレスシューズのようにクリーンに履きこなしたい。
コーデ1
デニムスタイルとの相性は申し分なし!
ジーンズ×『レッド・ウィング』の組み合わせは王道中の王道。シンプル顔な「ポストマン オックスフォード」であれば、武骨になりすぎない“良い塩梅”な着こなしに帰結する。そして、トップスには『リーバイス』のトラッカージャケットをチョイス。あえてボトムスとは異なる色味を選び、メリハリ良く装った。
コーデ2
カジュアルコーデをレザーで引き締め
パーカー&スウェットパンツを取り入れたスポーティなコーディネートを「ポストマン オックスフォード」で格上げ。頑強さだけでなく上品さも併せ持った1足なので、こういった使い方も大いにアリだ。パーカーにさらりとオンしたレザーアウターも、コーディネートの大人っぽさを高める一因となっている。
コーデ3
男らしいミリタリーパンツとも違和感なく調和
ややクセの強いミリタリーパンツとだって、ミニマルな「ポストマン オックスフォード」であればすんなりマッチ。テイストを問わないその懐の深さは頼もしい限りだ。トップスにはBDストライプシャツを抜擢し、きれいめな雰囲気も巧妙に落とし込んでいる。このバランス感覚はぜひ参考に!
▼アイテム2:「モックトゥブーツ」と人気を 二分。創業者の名前を冠した「ベックマンブーツ」
レッド・ウィング社の創業時より存在するラウンドトゥブーツを、フェザーストーンレザーで再現したのが今日我々が手にすることができる「ベックマンブーツ」だ。とくに昨今の着こなしに合わせるなら、よりオリジンに近いフラットボックスタイプ(トゥ部分に芯のないっていないモノ)が良いだろう。似た形状の「クラシックワーク 6インチ ラウンドトゥ」というモデルもあるが、シングルソール仕様のグロコード・メダリオン・ソールを使用したこちらのほうがよりモダンに履きこなすことができる。
コーデ1
ロールアップでコートに負けない存在感を
カーゴパンツの裾を広めにロールアップすることで「ベックマンブーツ」のシルエットを強調。その存在感は主張あるロングコートにも負けていない。着こなしがボリューミーになりすぎないよう、すっきりとしたバンドカラーシャツで抜け感を出しているのもワザありな要素だ。
コーデ2
これぞ王道。男好みな“ザ・アメカジ”コーデ
「ベックマンブーツ」を筆頭に、トップスにボアベスト&チェックシャツ、ボトムスはジーンズと、アメカジのど真ん中を行くアイテムでスタイリング。装いの多様化が進む昨今においては、こんな正統派スタイルがかえって新鮮に映る。野暮ったくならないようにシルエットはジャストでまとめるのがお約束だ。
コーデ3
さりげなく温もりを宿した小粋なコーディネート
ブーツ&シャツ、そして各所の小物類をブラウン系カラーでリンクさせているのが特徴。これにより、着こなしにほんのりとウォーム感が生まれている。また、シャツのタックインによってシルエットに変化を出しているのも◎。シンプルな中にも、センスの良さを感じさせるGOODスタイリングだ。
▼アイテム3:80年前から存在。鉄道機関士のために開発された「エンジニアブーツ」
1936年のレッド・ウィング社のカタログには、すでに同様の形状のブーツが掲載されている。それから80年の時を経た今でも、ほぼ形状を変えられることなく生産され続けているというのだから、この「エンジニアブーツ」がいかに完成されたデザインであるかお分かりいただけることだろう。1点投入するだけで即男らしい着こなしが完成するが、気にかけるべきはひざ下まであるシャフトと『レッド・ウィング』随一の重厚さだ。ブーツインとブーツアウト、その両方から攻略法を紹介していく。
コーデ1
骨太感と上品さが共存するスタイリング
ミリタリーパンツ×「エンジニアブーツ」の組み合わせでラギッドなムードを強調! 足元に視線を呼び込むブーツインテクニックによって、そのインパクトは一段と強まっている。一方で、トップスには襟付きのコートをピックアップして、ひとさじの大人っぽさも注入。骨太感と品良さを巧みに共存させ、あか抜けスタイルを描き出した。
コーデ2
デニムオンデニムにベージュが効く!
昨今人気再燃中のデニムオンデニムスタイルで勝負。そして、周囲との差別化を狙うためのキーアイテムとなっているのが足元の「エンジニアブーツ」だ。淡く柔らかなスエードベージュのアッパーが、濃紺ベースのミニマルなセットアップスタイルに洒脱な表情をもたらしている。あえてブーツインはせず“程良く”アピールするのがコツだ。
コーデ3
ライダースとの共演なら男らしさMAXに!
ただでさえ男っぽさの色濃い「エンジニアブーツ」だが、ライダースジャケットとのマッチングならその持ち味に拍車が掛かる。両者ともクールな黒で呼応させることで、武骨になりすぎないよう配慮しているのもポイントだ。さらに、重く見えすぎるのを防ぐため、ワークパンツはあえて明るめのカラーをピック。全体を適度にトーンアップした。
▼アイテム4:日本でもっとも馴染みが深い「モックトゥブーツ」
8インチ丈の#877が開発された数年後に、バリエーションモデルとして登場したのがこの6インチ丈の「モックトゥブーツ#875」。30代以上にとっては『レッド・ウィング』といえばこのモデル、というほど馴染み深い。“ならでは”の存在感を放つモカ部分は歩きやすさだけでなく、コーディネートにおいても抜群の存在感を放つ。厚みのあるトラクショントレッドソールと合わせて、この2つをどういなすかが着こなしのカギだ。
コーデ1
赤茶のレザーが着こなしにコクを演出
オーバーサイズなミリタリーライナーとエイジングしたデニムによるラフ度高めなコーディネート。そこに赤茶レザーの「モックトゥブーツ」を合わせることで、スタイルに奥深い表情を描き出している。セルビッジのチラ見せや首もとのタートル出しなど、センスアップを叶えるちょっとした小技にも注目を。
コーデ2
オイルドジャケットとのコンビで味たっぷりに
オイルドレザー使いの「モックトゥブーツ」に合わせたのは、独特の質感を持つオイルドジャケット。どちらもニュアンス豊かなアイテムなので、着こなしはこのようにシンプルでOKだ。ボトムスにはサラッとした顔付きのベージュチノを持ってきて、両者の味わいある風合いを際立たせている。
コーデ3
ストリート系スタイルのハズしで使う高等テク
ワークベストにワイドデニム、BBキャップといったストリートムードなアイテムを駆使したスタイリング。クラシックなルックスの「モックトゥブーツ」は、その“ハズし”として効果を発揮している。しかも、全体的にダークトーンでまとめているため、レザーの美しい発色がより鮮明に! ちょっと変化球な使い方だが、こうやって遊んでみるのも面白い。
▼アイテム5:鉱夫のためのブーツが原型である「アイアンレンジャー」
モデル名の「アイアンレンジャー」とは、ミネソタ州の北部にある“アイアンレンジ”という炭鉱で働くワーカーたちを意味する言葉。つま先に一枚革を付け加えたキャップドトゥという仕様が特徴だが、これはもともと鉱夫たちの足先を保護するために取り入れられていたモノだ。ちなみに、1910年の『レッドウィング』のカタログでは、全37型中33型がこのキャップドトゥ仕様となっている。オイルを豊富に含んだプルアップレザーとも相まってクラシックワークな雰囲気満点で、装いにこなれ感を呼び込んでくれるはずだ。
コーデ1
モノトーンスタイルをタフに味出し
無彩色コーデならではのスマートなムードは生かしつつも、足元の「アイアンレンジャー」によってタフな雰囲気もブレンド。周囲の量産的なモノトーンスタイルとは一線を画す、キャラクターの立った着こなしとなっている。ウエストや顔周りで小物を上手く効かせているのも上級者ならでは!
コーデ2
レザーアイテムをアクセント使い!
選んだウェアは上下どちらもさっぱり顔。だからこそ、足元の「アイアンレンジャー」と肩掛けした革製ボディバッグがアイキャッチとして奏功している。こんな風に小物で個性を出す引き算的な手法は、今どきな大人の常套テクニック。特に「アイアンレンジャー」はレザーの風合いが抜群なので、しっかりと足元をアピールできる。
コーデ3
90’s風味なルーズスタイルをブーツでグレードアップ
旬な90'sテイストが香り立つ、オーバーサイジングなストリートスタイル。その足元にはスニーカーを持ってくるのが王道ながら、このコーデではあえて「アイアンレンジャー」をセレクト。スニーカーより断然大人っぽく仕上がりながらも、“生真面目”すぎないワークブーツだからカジュアルなウェアともすんなり馴染む。
この記事の掲載アイテム一覧(全5商品)
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『レッド・ウィング』 ポストマンオックスフォード
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『レッド・ウィング』 ベックマンブーツ フラットボックス
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『レッド・ウィング』 エンジニアブーツ
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『レッド・ウィング』 クラシックワーク モックトゥ
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『レッド・ウィング』 アイアンレンジャー
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