紳士のマストハブ。バブアーの歴史から名品までそのすべてを読み解く
英国で誕生し、紳士の必須ブランドとして長きにわたって愛されている『バブアー』。その変わらぬ人気の秘密を、その歴史と名品の数々から読み解いていきます。
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男の定番ブランド。その一角を担う『バブアー』を持っているか
120年を超える歴史を持つ『バブアー』は、その確かな品質で世界中の男性を魅了してきた名門中の名門。今や、定番ブランドとしての地位を確立しています。その一方で名だたるブランドとコラボレーションを行うなど、老舗でありながら新しい試みに積極的に挑戦することで、ファッション業界においても常に注目される存在として認知されているんです。このように、伝統と革新を兼ね備えたまさに英国的なスタイルが、『バブアー』の魅力の1つとなっています。
『バブアー』が長年にわたり支持を集めてきた理由の1つが、そのオーセンティックなデザインです。英国貴族がハンティングウェアとして愛用したことからもわかるように、実用性を重視した武骨で機能的なデザインと品格のあるルックスが絶妙に融合しており、アウトドアからビジネスシーンまで幅広く通用する点が魅力となっています。また、1着羽織るだけで大人っぽい雰囲気を演出できるため、特にカジュアルな着こなしでは重宝されます。汎用性に優れた『バブアー』のジャケットは、まさに男のワードロープに欠かせないアイテムといえるでしょう。
英国紳士の魂、『バブアー』。まずは100年を超える歴史をおさらい
ここからは、『バブアー』の長い歴史を読み解きながら、その魅力を探っていきましょう。『バブアー』が創業したのは、今から120年以上前の1894年のこと。スコットランド出身の創業者、ジョン・バブアー氏がイングランド北東部のサウスシールズに衣料品店を開いたことからその歴史が始まりました。サウスシールズは北海に面しており、漁師や港湾労働者でにぎわう街。そこで、同氏は彼らのためにワックスドコットンを使った防水ジャケットを販売することにしたのです。
ワックスドコットンジャケットはその優れた防水性能が労働者たちの間で話題となり、『バブアー』の名前は瞬く間に英国中に広まりました。国からの信頼も得ることで、第一次大戦と第二次大戦中には英国軍に防水服を供給。また、第二次大戦で活躍した英国海軍の潜水艦ウルスラの艦長であったジョージ・フィリップ大尉がその機能性に注目し、自費でクルーに提供したというエピソードも残っています。こうした実績もまた『バブアー』の名声を高めました。
1936年には、ブランドを象徴するアイテムの1つである「インターナショナルジャケット」が誕生します。当時、富裕層の間で流行していたモーターサイクルレース用に開発されたライダースジャケットで、俳優のスティーヴ・マックィーン氏が愛用したことでも知られています。その後、『バブアー』は英国の上流階級との結びつきを深め、乗馬ジャケットの「ビデイル」やフィールドジャケットの「ビューフォート」などを開発。それらは英国王室から高く評価され、3つのロイヤルワラント(王室御用達)を獲得し、ブランドのステータスは確固たるのものになりました。
『バブアー』の代名詞、ワックスドコットンの長所と短所を知っておく
『バブアー』の特徴といえば、オイルを染み込ませることで防水性を高めたワックスドコットンです。その武骨な風合いや防水性は確かに魅力的ですが、一方で特殊な素材だけに短所もありますし、それなりのお手入れが必要なのも事実。以下で述べるワックスドコットンの性質を理解すれば、きっとうまく着こなせることでしょう。
長所
インナー次第で真冬も対応可能な優れた防水・防風性能
『バブアー』のアウターは基本的に中綿が入っていないため、保温性自体は高くありません。そのため、寒い時期はインナーに厚手のニットなどを合わせたり純正のボアライナーを装着したりする必要があります。しかし、ワックスドコットンの長所はやはり優れた防水性と防風性。オイルがたっぷり染み込んだワックスドコットンであれば冷たい風や雨をしっかり防いでくれます。
短所
浸透させたワックスの香りとべたつきにより、街中での着用には注意
ワックスドコットンに染み込んでいるのはオイル、いわゆる油です。そのため、特有のにおいがありますし、触ればべたつきます。最近は、オイルの配合が改良されてにおいはかなり軽減されていますが、ユーズドで購入したものなどには酸化した油のにおいが残っていることがあります。また、他人に接触するとべたつきが移ってしまうこともあります。そのため、満員電車など狭いところや人が集まるところに行くときに着用するのは避けた方がベターです。
お手入れ
ワックスが抜けてもあわてない。手順を知って、休日に自宅でリプルーフ
ワックスドコットンに染み込んだオイルは着ていくうちに抜けていき、防水性も落ちてきます。そのため長く着続けるには、オイルを補充してあげる必要があります。正規代理店に持ち込む、という手もありますが、純正オイルを購入して自分でケアをすることも可能。手順は簡単にまとめると以下の通りです。
1. 表面の汚れを落とし、表面を冷水で水拭きして乾くまで干す。
2. 純正オイルの「ソーンプルーフドレッシング」を湯煎し、溶けたオイルをウェス(もしくは素手)で全体に塗りこむ。
3. ドライヤーを当てながらオイルを均等に伸ばし、風通しの良い場所で陰干しする。
オイルがコットンに馴染むまでに3か月程度を要するため、着用シーズン前の8~9月ごろに作業をしておくと良いでしょう。
間違いない名品揃い。『バブアー』のラインアップを徹底解説
『バブアー』のジャケットには多くのモデルがあります。それぞれ、丈の長さやシルエット、ディテールなどが異なるため、用途や着こなしに応じてベストなアイテムを選びたいものです。ここでは、『バブアー』の主なアイテムについてご紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
モデル1
ビデイル
フランスで流行していたショートジャケットにインスパイアされ、1980年に開発された1着。乗馬用のワックスドジャケットとして作られており、馬にまたがったときに邪魔にならないようにサイドベンツを備えていたり、風が入り込まないように袖口にリブを配したりといった工夫がなされています。また、内側に起毛したコットン素材を配したハンドウォーマーポケットを備えているのも特徴です。
モデル2
ビデイル SL
2011年に登場したモデルで、定番モデルの『ビデイル』をスリムフィットのシルエットにアレンジしたもの。サイドベンツや袖口のリブ、ハンドウォーマーポケット、ラグランスリーブなど『ビデイル』のディテールを受け継ぎつつ、身幅や肩幅を狭めにとったり、襟を小ぶりにしたりすることで、現代的な着こなしにも似合う1着に仕上がっています。ビジネススタイルに合わせるなら、俄然こちら。
モデル3
ボーダー
すでに生産終了となっている「ノーザンブリアジャケット」というモデルのライトウェイトバージョンとして開発されたフィールドジャケットが、こちらの「ボーダー」です。フィッシングやハンティングなど、さまざまなアウトドアアクティビティに対応するウェアとなっています。長めの着丈が特徴で、レインウェアとしても活用可能。ややAラインがかったシルエットは、飾らない自然な着こなしを実現します。
モデル4
ビューフォート
『バブアー』を代表する名品アウトドアジャケットです。元々はハンティングジャケットとして作られており、獲物を入れるために背面に設けられた大きなジップポケットがその名残を伝えています。ゆったりとしたシルエットとヒップまで隠れるミドルレングスの着丈は汎用性が高く、スーツの上から羽織るなどビジネスシーンでも活用可能。また、別売りのライナーをセットすることもできるため、寒い時期でも活躍してくれます。
モデル5
スペイ
『バブアー』のアーカイブにあったフライフィッシング用ジャケットを、街着としても着られるようにカジュアルにアレンジしたのがこちらの「スペイ」。本来は腰まで水に浸かった際にも濡れないように……、とかなり短めの丈でしたが、現代ではオリジナルよりも着丈がやや長めに設定されておりコーディネートしやすくなっています。ブルゾンライクに使える丈により個性的な着こなしができますし、持ち前のワイド幅は自転車に乗る際にも邪魔にならないのが魅力です。なお右胸や左脇に配されたD環は、元々フライフィッシングの道具をつるすために配されたディテールです。
モデル6
ニューバーレー
乗馬用のコートとして開発された「バーレー」が2010年に廃盤になった代わりに登場したのが、こちらの「ニューバーレー」というモデル。「バーレー」と比較して着丈を膝丈まで短く調整することで、カジュアルにもビジネスにも取り入れやすくなりました。また、ゆったりしたシルエットゆえに、今どきな着こなしも可能。無駄を排したシンプルなデザインですが、バックのセンターベントが程良いアクセントになっています。
モデル7
インターナショナル
1930年にモーターサイクルレース用に開発された歴史ある「インターナショナルジャケット」は、「ビデイル」と並ぶブランドのアイコン的存在。風の侵入を防ぐチンストラップ付きのスタンドカラーや、バイクに乗りながらでも物の出し入れがしやすいように設定された斜めの胸ポケット、ウエストに配されたベルトなど、機能的なディテールが満載されています。
モデル8
ウィットレー トレンチコート コーデュロイ
『バブアー』のアーカイブの中から復刻を果たした「ウィットレー トレンチコート」にオーバーダイ加工のコーデュロイ素材を用いたこちら。右肩のガンパッチや背面のヨーク、ウエストや袖口にあしらわれたストラップなど、トレンチコートならではのディテールを踏襲しています。しかし、各ディテールはあくまで『バブアー』流。中太畝のコーデュロイ生地が、通常のトレンチコートとは一線を画す雰囲気を醸し出しているのが魅力です。
モデル9
ビーコン スポーツジャケット
ワックスドコットンを使用しながら、テーラードジャケット型に仕立てたユニークな1着。映画『007』の中で、ジェームス・ボンド役を務めたダニエル・クレイグ氏が着用したことでも人気になりました。補強のためのショルダーパッチやエルボーパッチに加え、マチ付きの大きなフラップポケットや背面のジッパー付きのゲームポケットなど、個性的なディテールも魅力となっています。
モデル10
エンデュランス
1990年代に作られていたモデルをベースに、ワックスドコットンに素材を変えて復刻させたモデル「エンデュランス」。フロントにはマチ付きのフラップポケットとハンドウォーマーポケットを配するなど、当時の機能的なディテールを踏襲しつつも、随所をアップデートしてモダンなデザインに仕上げられています。大きめのフードは、着こなしに応じて着脱可能できるようになっているのもポイント。
『バブアー』をモダンに着こなしたいなら、別注という選択肢も
さまざまなファッションブランドによる別注アイテムが豊富なのも『バブアー』の魅力。定番ゆえに皆が持っているブランドだからこそ、両者のセンスが融合した別注ならではのデザインは他人と差をつけるのにうってつけです。ここでは、注目のモデルを厳選してご紹介します。
1着目
『キャプテン サンシャイン』別注 3/4レングスコート
オーセンティックながら機能美溢れるデザインを得意とする、『キャプテン サンシャイン』の別注により製作した「別注 3/4レングスコート」。『バブアー』のアーカイブにある「3/4レングスコート」を再構築し、ラグランスリーブとリラックスしたシルエットで『キャプテン サンシャイン』らしさを持たせた逸品です。また、4オンスのライトウェイト・バブアークロスを使用し、ロングシーズンに対応する仕上がりtなっています。クラシカルな『バブアー』に現代的なエッセンスを融合させた渾身作といえるでしょう。
2着目
『アンドワンダー』別注 コーデュラ シャツジャケット
スタイリッシュなアウトドアウェア&ギアを手掛けることで知られる、『アンドワンダー』とのコラボレーションモデル。耐久性の高いコーデュラ リップストップ素材やリフレクタープリント素材を使用したライトなアウターです。ミリタリーやワークなイメージが強い『バブアー』ですが、こちらは「ソルウェイ スモック」をベースにしつつも現代風でスタイリッシュな仕上がりの1着。随所にリフレクタープリントやリフレクターステッチを配して視認性を高めているのもポイントです。
3着目
『マーガレット・ハウエル』別注 A7 ワックス
英国発のブランド『マーガレット・ハウエル』ともコラボレート。斜めに配置された胸ポケットなどを見てわかるように「インターナショナルジャケット」をベースにしていますが、右胸のポケットを排することでシンプルな印象にアレンジしています。また、着脱可能なフードをあしらうことでモッズコートのような雰囲気も醸成。インラインではあまり見られない、『マーガレット・ハウエル』らしいライトブラウンのカラーリングも秀逸です。
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『バブアー』 ビューフォート
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『バブアー』 ニューバーレー
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『バブアー』 ビーコン スポーツジャケット
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『バブアー』 エンデュランス
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『バブアー』×『キャプテン サンシャイン』 別注 3/4レングスコート
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『バブアー』×『アンドワンダー』 コーデュラ シャツジャケット
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