スーツ選びに役立てたい。インポート生地の種類や特徴

最近ジャケットやスーツでインポートの生地を採用したモノが増えているのをご存じでした? イギリス製やイタリア製など、生地メーカーのブランドっていろいろあるんです。

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スーツ選びに役立てたい。インポート生地の種類や特徴

最近ジャケットやスーツで、インポート生地が増えているってご存じでした?

ジャケットやスーツを選ぶ際、『カノニコ』、『レダ』、『ハリスツイード』などの名前を聞いたことがある人も多いのでは? 今、セレクトショップやスーツショップがこぞって、海外製の”インポート生地”を採用したスーツやジャケットをリリースしているんです。

そもそも、インポート生地って何?

読んで字のごとく「インポート(import)」生地とは、輸入生地のこと。日本以外の海外で織られている生地はすべてインポート生地です。もともとイギリスの産業革命時の主要産業が織物業なわけで、イギリス生地は世界中で重用されてきました。しかし近代は北イタリアでも織物業が盛んになり、イギリスとはひと味違う生地を大量に生産しています。もちろんアジア圏も含めその他諸外国でも生地生産はされていますが、その先駆者的存在であるイギリスとイタリア生地は、今もスーツ&ジャケット生地の上級素材とされていて、さまざまなブランド名で展開しています。

インポートの生地のよさって? 日本製じゃダメなの?

インポートの生地のよさって? 日本製じゃダメなの?

スーツやジャケットに使う織物は、使う糸や織機、染料を使うための水の成分などによって異なります。まったく同じ環境で同じ生地を織ることは不可能に近いため、同じような色の生地でも産地やブランドによってすべて違うんです。インポート生地はイギリスとイタリアで異なりますし、ましてや日本製ともまったくの別モノ。

イギリス生地は一般的に糸が密に織り込まれていて硬く張りが強いモノが多く、イタリア生地はしなやかで滑らかなモノが多いといわれています。またイギリス生地はくすんだ発色が多く、イタリア生地は色鮮やか。そんななか日本の生地は比較的中庸で品質にバラツキがないといわれますが、そのぶん特徴が薄いともいわれます。

イギリスがイタリアよりいいというわけではなく、それぞれに特徴ある生地ブランドがありますので、好みで選べばいいわけです。日本製の生地も決してダメというわけではなく、国内で生産するため価格が抑えられたり、高い機械技術力を有するため希少な織機を保存してヴィンテージ生地を再生するなどの試みがされたりと、服好きにとって垂涎の生地もたくさんあります。

押さえるべきは、それぞれの生産国の違いや間違いナシのブランドについて。さっそく見ていきましょう。

まずはイギリス生地について知っておきましょう

イギリス生地の歴史は古く、南部イングランドでは薄手のしなやかな生地、北部のスコットランドでは厚手の硬い生地が多く生産されていました。「いました」と過去形なのは、現在多くの生地メーカーが統廃合され、その数が激減しています。フランネルやツイードなど、特徴ある生地ブランドを今も継続して作り続けているメーカーはとくに希少な存在です。

ブランド1

『ウィリアム ハルステッド』

1875年、イングランド ウェスト ヨークシャー州ブラッドフォードに創業。「キング・オブ・モヘア」の異名を持つ老舗ミル(生地ファクトリー)。モヘアのなかでも最高級品といわれる南アフリカ産のキッドモヘアを使うことで知られています。

『ソブリン』シングル3B段返りスーツ

『ユナイテッドアローズ』の最高級レーベルの3B段返りスーツ。1プリーツ入りのパンツを合わせるスタイルが最旬のクラシックスタイルです。生地は『ウィリアム ハルステッド』のモヘア混生地で、上品な光沢があるため印象はかなりドレッシー。ビジネスだけでなく、パーティーやフォーマルなシーンにもふさわしい1着です。

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ブランド2

『スキャバル』

ベルギーのブリュッセルに本拠を置き、イギリスとイタリアに工場を持つ生地ブランドですが、主にイギリス生地に人気があります。なかでも選ばれているのは、生地の表面の毛羽をクリアカットしたつるっと滑らかな英国生地。厚地すぎず、薄地すぎず、日本の気候にあったビジネススーツに適した素材ブランドです。

『オースチンリード』ダブルブレストスーツ

英国王室御用達のテーラーとして知られる英国ブランド。『スキャバル』の生地を採用したしっかりと構築的なダブルのスーツは、貫禄あるブリティッシュクラシックスタイルです。一見無地に見えながら、トーン・オン・トーンで目立たない格子柄が織り込まれていて、近くで見るとしっかり柄が浮き上がるハイセンスなもの。人に合うことの多い、社会的地位の高い方に似合います。

ブランド3

『ドーメル』

150年以上の歴史を持つ生地ブランド。本拠はフランスだが、創業当初から英国生地の輸入を手掛けてきたため、英国生地の取扱量が多いんです。フランス本国から色柄のデザインコントロールを行っているため、発色や柄使いはいわゆる英国調よりもモダンなモノが多くラインアップされているのが特徴。かつてドーメルの代名詞的存在であったのは「トニック」と呼ばれるモヘア生地ですが、現在は美しい光沢が浮き上がる「アマデウス」がフラッグシップです。

『タケオキクチ』スーツ

イングリッシュドレープと呼ばれる胸周りのボリュームを意識しながら、背面をすっきり見せることにこだわった、『タケオキクチ』のニュースタンダードモデルである「ブリティッシュモデル」。素材は『タケオキクチ』30周年を記念して『ドーメル』とコラボした「ドーメル84」。通年で着られるシャドーストライプの上質素材です。

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ブランド4

『ハリスツイード』

スコットランド北西部の小さな島ハリス島で、18世紀から今日まで伝統的な手法を守りながら織られているツイードです。英国羊毛特有の硬めの糸で織られたラギッドな素材ですが、近年は薄手で軽いモノも登場しています。小物や雑貨などに使われることもありますが、ジャケットに仕立てると英国らしい、とても雰囲気ある仕上がりとなります。

『トランスコンチネンツ』ツイードジャケット

2014年に復活した『トランスコンチネンツ』。以前のストリートカジュアルから、大人のクラシックカジュアルへと成長を遂げていまして、こんなツイードのジャケットもリリースされています。グレー×ブルーの地にイエロー×オレンジの格子柄が乗った、スコットランドテイストな色柄のジャケット。タイドアップはもちろん、Tシャツに重ねるなど使い勝手のいい1着です。

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スーツに多用されるイタリア生地の特徴は?

イタリア生地メーカーは、北部のコモ湖周辺やビエラ地区に多く、豊富な水資源を使ったしなやかで光沢感ある生地が多く生産されています。細く長い羊毛を使うことが多いため生地は薄く滑らかになりますが、シルクやカシミヤ、リネンやコットンなどを混紡する技術力も高く、生地のタッチもさまざま。染料と水のバランスがよく、鮮やかな発色を生み出すのもイタリア生地の特徴です。

ブランド5

『ロロ・ピアーナ』

1924年、ピエトロ・ロロピアーナが設立した生地メーカーは「最高級品」だけを扱うことを掲げる正真正銘の高級生地ブランド。羊毛は世界最高品質のモノだけ、カシミヤやビキューナといった高級素材も扱うイタリアのみならず世界を代表する生地メーカーです。羊の飼育から手掛けるという一貫生産により、品質には絶対的なモノがあります。1980年代には自社で既製品のコレクションを展開。ニット製品をはじめ、スーツやジャケット、インテリアなどへと拡充し、今やトータルラグジュアリーブランドとなっています。

『シップス』シングル2Bスーツ

『ロロ・ピアーナ』のシルク混生地を使ったスーツは、昼間は深いネイビーでも、夜は光沢によってネイビーが明るく華やかに見えるドレッシーなモノ。スーツはハンド工程を多用したソフトなフィッテイングで、細身ながら型紙によって可動域を大きくとることで動きを妨げない快適な着心地を実現しています。

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ブランド6

『ヴィターレ バルベリス カノニコ』

イタリア生地の聖地、ビエラ地区に1663年創業した老舗。原毛を買い付け、糸を紡績し、染色、フィニッシュまでを自社で手掛ける稀有なメーカーであり、多くの一流ブランドに生地を提供する大手サプライヤーです。手頃な価格帯から超高級品番まで幅広いコレクションを生産する技術と設備を有しています。長く日本では『カノニコ』と呼ばれてきましたが、最近は『VBS(ヴイ・ビー・エス)』と呼ばれることが推奨されています。

『グリーンレーベル リラクシング』ジャケット

共地のベストとパンツをセットアップで着られる、ロイヤルブルーの『カノニコ』生地を使ったジャケット。発色のよさがイタリア生地らしい先染めのトロピカル生地が使われています。単品でも明るいブルーのカラーなら、グレーパンツと合わせたジャケパンスタイルも新鮮な印象です。

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ブランド7

『レダ』

1865年、北イタリア・ビエラ地区に創業した生地メーカー。糸からフィニッシュまでトータルで手掛ける、『カノニコ』に比肩する規模のメーカーです。機能性生地開発にも積極的で、撥水加工や接触冷感など、日本の気候にふさわしい生地のコレクションが豊富なため、国内のスーツメーカーの多くが『レダ』社の生地を採用しています。

『ナノ・ユニバース』ジャケット

細身でシャープ、かつ色気もある若々しいスーツは、『ナノ・ユニバース』らしいスタイルです。素材は太陽光線を反射して生地の表面温度を抑えてくれる『レダ』社の「アイスセンス」。淡色の涼しげな色目にくわえ、ウール100%ならではの上質なタッチに機能性を備えた、これからの季節にうれしい素材使いです。

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ブランド8

『カルロ バルベラ』

1949年、ビエラ地区に創業。世界中から買い付けた高品質な原毛を、いったん地下倉庫で寝かし「糸の緊張感を解く」という手法をとることで、糸本来の性質を引き出すという手の込んだ手順を頑なに守り続けている質実剛健な生地メーカー。昔ながらの手法を継承しているため、ヴィンテージライクな生地が多く、大量生産によって失われてしまった、味わいある生地が多くコレクションされています。

『リングヂャケット』ジャケット

京都発のセレクト・ショップ、グジと日本を代表するスーツファクトリー、『リングヂャケット』とのコラボジャケット。日本人体型をイタリア人のように美しく見せるフォルムに、素材は『カルロ・バルベラ』のシルク混生地。スモーキーカラーのウィンドーペーンは、仕事着から遊び着まで幅広く対応します。

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スーツだけじゃない、シャツにもインポート生地があるんです

スーツやジャケットのほかに、シャツにおいてもインポート生地が注目されています。

シャツは直接素肌に触れるからこそ、こだわりある素材選びをしたいものです。国産生地も良質ではありますが、インポート生地には細番手の糸を使ったものが多く、300双(240番という極細の糸を双糸=2本引きした糸で織り上げた繊細な生地)なんていう超高級生地も存在します。ただし、ここまでくると自宅で簡単に洗濯できません。ビジネスシャツやフォーマルシャツでも、だいたい200双ぐらいが上限です。キメの日用の高級シャツを選ぶなら、インポート生地から選びましょう。

スーツだけじゃない、シャツにもインポート生地があるんです

イタリア生地メーカーは、北部のコモ湖周辺やビエラ地区に多く、豊富な水資源を使ったしなやかで光沢感ある生地が多く生産されています。細く長い羊毛を使うことが多いため生地は薄く滑らかになりますが、シルクやカシミヤ、リネンやコットンなどを混紡する技術力も高く、生地のタッチもさまざま。染料と水のバランスがよく、鮮やかな発色を生み出すのもイタリア生地の特徴です。

ブランド1

『トーマスメイソン』

1796年、英国に創業。英国の最高級品だけに冠される王室御用達のロイヤルワラントを得た生地屋として知られ、「シャツ地の宝石」の異名を持っています。1992年にイタリアのシャツ生地メーカー、アルビニ社傘下に入ると、多くの一流ブランドが自社のシャツ生地に採用するようになりました。オーダーシャツ地のコレクションには、さらに高級なものもラインアップされています。

『インターナショナルギャラリー ビームス』ドレスシャツ

人気の高いエクストラタイトフィットは、Vゾーンにシワのよらない細身のフィットがスーツ姿を美しく見せてくれるシャツ。ノータイでも襟元が開きすぎず上品に着こなせるカッタウェイカラーはクールビズにも最適です。濃いめのネイビーストライプは、きりりと引き締まった表情に見せるのに適した色柄。『トーマスメイソン』ならではの滑らかな生地感も上質を物語ります。

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ブランド2

『アルビニ』

1876年、ミラノ北東に位置するアルビニ村に創業。今もこの街に本拠を構えており、地域住民の大半が、このアルビニ社になんらかの関わりがあるといわれるほど地域に根づいた大企業です。高番手のドレス生地から、カジュアル生地まで幅広いラインアップを備え、「シャツ地の宝石」と呼ばれた英国シャツ生地ブランドの『トーマスメイソン』や、『デイヴィッド・ジョン・アンダーソンズ』も傘下に治めています。

『ジェイプレス』ストライプボタンダウンシャツ

ポケット付きでアメリカンなタイプのボタンダウンシャツ。東海岸の上流階級に愛されてきたブランドだけに、高番手の『アルビニ』社のポプリン生地を使いながらもカジュアルに着られるスポーティーな印象のシャツとなっています。着込むほど、洗い込むほどに生地の風合いが増して、愛着が湧いてくる1着となるはずです。

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