巨匠の名を冠した“プロダクト”という言葉が似合う腕時計
衣食住、そして趣味に至るまで我々の生活を彩ってくれる北欧デザインの数々。人々を魅了するデザインの特徴として、シンプルでナチュラル、生活を邪魔することなくセンスを与えてくれる点が挙げられる。これらは美しい自然や情緒ある歴史的建造物といった、北欧特有の感性や背景から生まれた魅力だ。
その源流とも言っても過言ではないのが、北欧文化の中心地デンマークのブランド『アルネ・ヤコブセン』。同国において多くの歴史的建造物の設計や家具などのデザインで有名なアルネ・ヤコブセン氏だが、一時はデンマークを離れスウェーデンに亡命していた時期があったという。その頃は、建築やプロダクトデザインは行わず、ロマンチックな花柄の壁紙といったそれまでのデザインキャリアからは考えられないテキスタイルを中心に手がけていたそうだ。2018年秋に登場するニューフェイスは、当時のヤコブセン氏が手がけていた植物モチーフの幾何学模様がシリコンラバーのストラップへと落とし込まれたスペシャルウォッチ。これまでのブランドイメージにはない柄モノかつ、土台となるケースは2015年に限定リリースされ、即完売したテーブルクロックのカラーが再現されている。
シンプルながらもセンスを感じさせ、奇抜ではないものの他にはないエッセンスを持ち合わせる……、この類まれなプロダクトは北欧デザイン好きだけにとどまらず、チェックしておいて損はないだろう。
Text_Daisuke Kobayashi
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