
その仕上がり、唯一無二。日本の伝統文化を堪能できる至高の限定ウェア
草木染め、正藍染めなど比較的メジャーで身近なものから、屋久杉や芋を使った変わり種まで、古来、日本で行われてきた染物の種類は多岐にわたる。それはただ色のついた液体に浸せば良いという簡単なものではなく、色素を繊維に定着させるための工程、より鮮やかな色みを出す作業、糸にダメージを与えないための技術など、複合的なテクノロジーを駆使した“化学”とも呼ぶべき高度な手業をもって職人から職人へと受け継がれてきた。ロストテクノロジーとなってしまったものも多いが、化学染料では出せない深みのある色彩に魅せられた海外のメゾンや国内のブランドから、今また注目を浴びている。例えば今回、日本を代表するカットソーブランド『フィルメランジェ』が鹿児島県は奄美大島に伝わる「泥染め」に着目したように。
奄美大島の高級織物といえば、大島紬。ただの黒とは異なる、渋みのある黒はまさにこの「泥染め」によって染められたものだ。まず島に自生するシャリンバイの煮汁で茶褐色に染めた後、泥田に入れる。鉄分を多く含む奄美大島の泥とシャリンバイの成分が化学反応を起こし、独特な黒が生まれるのである。工房によってその工程は異なるが、染料の原料となるテーチ木(シャリンバイ)の発酵過程、シャリンバイ染め回の後、泥染め、これを1セットとして合計4セット。気の遠くなるような手間を繰り返し、泥染めは完成する。
みずから奄美大島の工房にワードローブを持ち込んで染めてくるというのもいいが、せっかく『フィルメランジェ』がブランドの定番アイテムを染めてきてくれたのだ。手軽にその魅力に触れたいなら、このチャンスを利用しない手はない。ラインアップは、ニットキャップを含む計7型。完全に黒には染め切らない、泥の風合いを残した茶褐色のトーンは、他のブランドにも類を見ない唯一無二の仕上がりだ。すべて、「ハウスフィルメランジェ神宮前店」にて数量限定での販売となる。
発売日初日となる11月23日(金)から11月25日(日)の期間は、上記の製品に加えて地元のお菓子やお酒が用意されたり大島紬の実物が展示されるなど、まさに店内は奄美大島尽くし。とくに23日には奄美大島から職人が訪れ、店頭で泥染めの実演も披露される。東京・外苑前で「泥染め」の生まれた地に思いを馳せながら、その奥深い世界に触れてみるのも面白い。

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