
寒さが終われば暑さが来る。ちょっと気の早い、新しいリネンの話
着心地が良い服、機能的な服。寒かったり暑かったりと気温差に踊らされる今の日本においては、優れたデザイン同様にそんな“中身”が重宝される。そこで大事になるのが、服を形作る素材だ。例えば防水&透湿性に優れたゴアテックス製のアウターなどを今冬にゲットした方も多いだろう。
そこでちょっと早いが、春夏素材の話をしたいと思う。春夏にありがたい機能とは、涼しくて汗ばまないこと。その両方を完璧に満たす新素材が、「アーバンリサーチ」がプロデュースする“高機能リネン”だ。「リネン=麻」と思われがちだが、今回ご紹介するリネンの原材料は亜麻科のフラックスという植物。ヘンプ(大麻)やラミー(苧麻)と似ているが、より吸水速乾性に優れた、まるで別の素材なのである。話が逸れたが、いずれにせよ通気性と吸湿性が高いリネンは、春夏物の衣服にうってつけ。実際に『アーバンリサーチ』では近年、リネン製のアイテムが飛ぶように売れているらしい。
ではこの新しいリネンは何が違うのか。ズバリ、エコなのである。前述のようにフラックスを用いた、伝統ある「ハードマンズリネン」の“落ち綿”と、ポリエステルを掛け合わせてできたのが「アーバンリサーチ」のプロデュースする“高機能リネン”。落ち綿とは製造過程で生まれる繊維くずのことで、通常は捨てられてしまうようなものにスポットを当て、科学の力を借りながら新たな機能素材として生まれ変わらせたのだ。しかもその結果、新素材は接触冷感、吸水速乾に加え、UVカットまでも装備。よりパワーアップした合繊が誕生した。
もちろんリネン特有のサラリとした質感は損なわれず、軽さも担保。アイテムラインアップを見てもわかるように、軽快なルックスを約束してくれる。また、絶妙な風合いのナチュラルカラーも特徴で、合わせる服を選ばない点も優秀だ。シンプルだけど、着心地抜群。さらにエコを追求した結果としてコストパフォーマンスも向上している。なお、同素材は「アーバンリサーチ」全体としての取り組みにより生まれた肝いり。春に向けて各ブランドに落とし込まれていくことになり、メンズでは『アーバンリサーチ』と『アーバンリサーチ ドアーズ』により展開が行われる。
「アーバンリサーチ」が生んだ、時代性を捉えた新素材。エコ&コンフォートな”理念”あるリネンを、冬が明け、気温が上がるまで覚えておこう。
Text_Naoki Masuyama

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