
ナンガ独自の研究所から誕生した、“究極”のスリーピングバッグとは?
真冬もキャンプや登山を楽しみたいアウトドアフリークにとって、スリーピングバッグ(寝袋)の性能は最大の関心事の1つ。では、「2021年時点における最高峰のスリーピングバッグとは?」……その問いに対して有力な候補を提示するのが、1941年に滋賀県で誕生したアウトドア向けダウン製品のトップブランド、『ナンガ』だ。スリーピングバッグはブランドの名を世界に知らしめた看板商品。使用するダウンは国内で洗浄・精製した最高品質のヨーロッパ産ダウンのみで、縫製は熟練の職人を擁する国内の工場で行う。業界トップクラスの素材と技術が融合したスリーピングバッグは、“生命を守るギア”として、極地で活動する冒険家やクライマーたちから絶大な信頼を獲得している。今回紹介する「レベル8」は、そんな『ナンガ』が“究極”と自負するスリーピングバッグだ。
「レベル8」を開発したのは、『ナンガ』が設立した研究機関「ナンガマウンテンラボラトリー(NML)」だ。NMLは、最先端テクノロジーを駆使して自社製品の断熱効果や快適性を数値化し、素材や構造、質量にいたる高次元な研究・開発を行っている。
ファースト・ミッションとなったスリーピングバッグ開発においてNMLが最初に行ったのは、既存の常識を疑うこと。多くのスリーピングバッグの使用設定温度帯はスイスにある研究機関の検査結果に基づいて設定されているが、人種が異なれば体温も異なるため、日本人には適合しない可能性もある。その点に注目したNMLは、開発研究のプロフェッショナルや国内の試験場と協力しながら、独自の研究を開始した。経験豊富な冒険家からもヒアリングを行いつつ、極地で起きる現象を想定し、自社のスリーピングバッグが思った通りの結果を導き出せるかどうかを検証。素材や構造、細部まで試行錯誤を繰り返した。NMLの研究の成果が注ぎ込まれた「レベル8」は、卓越した性能だけでなく、「日本ブランドが手がけた日本人のためのスリーピングバッグ」という意味でも特別な存在なのだ。
「レベル8」という名称はアメリカ軍のミルスペック規格に由来する。同規格では、身に着けるアイテムが「レベル1」から「レベル7」までのレイヤリングシステムによって構成されており、『ナンガ』はさらにその外側をカバーするアイテムとして、このスリーピングバッグを「レベル8」と位置づけたのだ。体を包む構造は単に上下で挟むだけではなく、間にダウンを封入した壁を設置。本体が立体的に立ち上がり、ダウン本来のパフォーマンスを発揮できるつくりになっている。内部には寒気の流れを遮る隔壁となるウォーマーやチューブが設けられ、背面はダウンが体により密着する縦方向のバッフル構造に。地面からの冷気を遠ざけるべく、ファスナーが胸よりの位置にあしらわれている点も特徴的だ。
「レベル8」のラインアップを見てみよう。まずは極寒地での使用を想定した「レベル8 -23 オーロラライト」。その名の通りマイナス23度での使用を可能にしたハイスペックモデルの表地には、防水透湿性を持つ軽量素材「オーロラライト」が使用されている。カラーはコヨーテとレッドの2色。一方の「レベル8 -20 UDDバッグ」は約1,540gという軽量性が売り。湿気を逃がしつつ、水を吸わない高機能ダウン「UDD DX」が封入されており、マイナス20度でも使用できる保温性を誇る。カラーはグレーとブラックの2色。
スリーピングバッグ開発でMNLが生み出した数々のテクノロジーは、今後、ウェアにも応用されていくという。理論とデータに裏打ちされた『ナンガ』のダウン製品は、これまで以上の信頼感と快適さをもって、冬に挑むアウトドアマンたちをサポートすることだろう。
Text_Ryota Osujo

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