
ストップウォッチの技術を腕時計に。“正確さ”への情熱を体現したコレクションが誕生
“正確な時を計る”技術を長きにわたって培ってきた『セイコー』。その歴史のターニングポイントとして挙げられるのが、1964年に開催された東京オリンピックです。選手のタイム計測を担う公式タイムキーパーに任命された同社は、大会に向けて新たなストップウォッチを開発。それまで不可能とされていた0.01秒単位の高精度な計時を実現し、イベントの成功に大きく貢献しました。そんな歴史あるストップウォッチをオリジンに持ち、オリンピックの5年後に発売された世界初の自動巻クロノグラフ「1969 スピードタイマー」の名を継承した新コレクションが、『セイコー プロスペックス』より登場。腕時計ファンも注目する新生「スピードタイマー」のメカニカル2モデル、ソーラー4モデルを、順番にご紹介していきましょう。
1964年当時のストップウォッチの設計思想とデザインからインスピレーションを得た、限定メカニカルモデルがこちら。まず注目すべきはその優れた操作性と視認性です。クロノグラフ秒針はタキメーター目盛りまで届くほど長く、先端を曲げてより目盛りに近づけることで、一瞬で針が指し示す数値を読み取れるようになっています。また、ストップウォッチのような大型プッシュボタンの採用により、確実にストップウオッチ機能をオン・オフ、リセットすることが可能に。ステンレススチール製のブレスレットは今回新たに開発されたもので、適度な厚みと重量感を持たせた作りが、高い装着性に寄与しています。
ムーブメントの「キャリバー 8R46」も腕時計ファン垂涎の仕上がりです。垂直クラッチやコラムホイールといった「1969 スピードタイマー」で採用されていた機構を、更にパワーアップさせて搭載。また、クロノグラフ機能を作動させる3本のアームは、『セイコー』独自の三叉ハンマーとして一体化されており、針の瞬時帰零を可能にするほか、耐久性やメンテナンス性にも優れています。
この限定モデルには、付け替え用のカーフストラップも付属。オフホワイトのステッチがスポーティな印象で、裏面に施されたコンシール加工は汗による革素材の劣化を防いでくれます。細部までこだわり抜いた本作は世界限定1,000本のため、完売は必至。気になる人は早めの購入をおすすめします。
「SBEC009」330,000円 (税込)
こちらのレギュラーモデルは、前述の限定モデルと同じムーブメント「キャリバー 8R46」を搭載しており、3連のブレスレットも同じ仕様となっています。ルックス上の大きな違いは、チャコールグレーのダイヤル、バーインデックスやくさび形のシャープな時分針を採用することで、ネオクラシックな高級感を漂わせていること。数値を読み取りやすくしたクロノグラフ針や、1964年に登場した国産初のクロノグラフ「クラウンクロノグラフ」をイメージしたハンマー型のプッシュボタンからは、『セイコー』のこだわりがひしひしと感じられます。垂直クラッチとコラムホイールを採用したクロノグラフムーブメントのプッシュ感は腕時計マニアも絶賛するほどの出来で、『セイコー』が現代まで積み重ねてきた技術を堪能できるモデルになっています。
光に当てている限り電池切れを心配しなくてよい、ソーラーモデルもラインアップしています。メカニカルモデルのケース径が42.5mmなのに対し、こちらのソーラーモデルは39mm。現代の腕時計の中ではやや小ぶりなサイズ感で、腕への収まりが良いコンパクトな仕上がりです。「スピードタイマー」コレクションだけあってもちろんクロノグラフを搭載、ダイヤルに光の反射を抑える砂目調パターンを施すことで視認性を向上させるなど、スポーツウォッチとしてのこだわりも満点です。アクティブさをキープしながらも、ケースはヘアラインとポリッシュで磨き分けられ、高級時計のような輝きを持つことも特徴。カラーは4色展開で、オン・オフで活用できる万能性が際立つモデルです。
メカニカル、ソーラーモデルともに発売は11月6日(土)。コレクション誕生までの歴史や製品のディテールを確認できる特設ページも用意されているので、こちらの事前チェックもお忘れなく。
Text_Fumihiro Natsume
セイコーウオッチ(株) お客様相談室
0120-061-012
https://www.seikowatches.com/jp-ja/products/prospex/special/speedtimer/

腕時計・ウォッチ
セイコープロスペックスはカジュアルウォッチの最適解。主要モデルを完全網羅
質実剛健で頼れる腕時計の筆頭である『セイコー プロスペックス』。しかし、いざ選ぶとなると種類豊富ゆえに悩みがち。最新作を含め、主要モデルを一気にご紹介します!
石井 良
2021.07.10

腕時計・ウォッチ
日本の至宝、セイコー。その歴史と人気ブランドを読み解く
腕時計について知れば知るほど、その奥深さがわかるのが「セイコー」というメーカー。ここではそんな“国産時計の雄”の歴史とおすすめをたっぷりご紹介します。
夏目 文寛
2021.08.06

腕時計・ウォッチ
クロノグラフの新機軸。セイコー スピードタイマーはなぜ評価されているのか?
“スピードタイマー”という伝説的な名を持つモデルが2021年に復刻され、人気を博しています。ここではその秘密を読み解きつつ、どのようなモデルなのか解説しましょう。
夏目 文寛
2022.03.28
KEYWORD関連キーワード