
スケーターが生み出した名作。ハーフキャブの記念モデルを’90sスタイルの決め球に
東京五輪スケートボード競技での日本人選手の活躍が追い風となり、巷は空前のスケボーブーム。日本においては、裏原カルチャーと融合した80年代後半から90年代前半にかけての第三次ブーム以来の盛り上がりを見せ、スケーター文化を感じさせるファションも復権の兆しを見せています。そんなスケータースタイルを完成させるシューズといえば、今も昔も『ヴァンズ』がファーストチョイスに。その中でも今回スポットを当てるのは、90年代のストリートスタイルを通過したTASCLAP世代にとっての真打ちと言っても過言ではない1足。何を隠そう、生誕30周年を迎えた名作「ハーフキャブ」が、アップデートを加えた「スケート ハーフ キャブ '92」として現代のストリートシーンに解き放たれたのです。
オリジナルの「ハーフキャブ」が誕生したのは、1992年のこと。レジェンドスケーターのスティーブ・キャバレロのシグネチャーモデルとして名を馳せたミッドカットの名作ですが、前身モデルの「キャバレロ」がハイカットだったというのはスニーカーヘッズやスケーターの間では有名な話。90年代はスケートパークではなく、ハンドレールや階段などを使ってスケートボードを乗りこなすスタイルが広まった時代で、スケーターたちは足首の自由度を求める傾向があったのだとか。とはいえ、憧れのスティーブ・キャバレロのシグネチャーモデルはどうしても履きたいというということで、ハイカットのものをミッドカットに自分でカットして履くカスタムが流行することに。それを知ったキャバレロの「だったら最初からミッドカットのものを作ろう」という鶴の一声で、オリジナルの「ハーフキャブ」が完成したという伝説が語り継がれています。
そんな名作に敬意を表す生誕30周年モデルとしてリリースされたのが、「スケート ハーフキャブ '92」です。スペック面では、アッパーは内側にゴムを配し柔軟性を高めたピッグスウェード製で、余分な部材を取り除くことでオリジナル以上の耐久性を担保しているのが特徴。抜群の衝撃吸収性を誇るポップクッシュのインソールは安定感を向上し、優れたエネルギーリターンで軽快な足取りもアシストしてくれます。加えて、ビジュアル面を特徴づけるのは、90年代後半から2000年代前半に活躍したスケーターたちに対するオマージュとして採用されたカラーリング。ドレスブルー、そしてトープという配色はいずれも現行のオリジナルにはないカラーで、ごく稀にヴィンテージ市場に出回ることがありますがコンディションの良いものを探すのは至難の業でしょう。昨今のカジュアルにおいては90年代スタイルが引き続き人気を博していますが、記念モデルならではのスペシャルなカラーリングの1足は、旬コーデの“決め球”になってくれるに違いありません。
Text_Takumi Endo

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