
ブランドきっての人気シリーズが進化。ジャズマスターの新作が、いろんな意味でちょうどいい
ちょうどいい。近年その感覚は、価値観の多様化に伴って一層ありがたみが増したように思う。“どうでもいい”とはまるで異なる、自分のスタイルに無理なくスッとハマる快感。それはファッションシーンにおいても重要視され、楽な着心地やオン・オフ両用のウェアの人気ぶりとも無縁ではないはずだ。
腕時計もそう。投資的側面が高まってばかりの超高級時計はともかくとして、ちょうどいい1本が重宝される。価格帯がこなれていて、シーンを選ばず肩肘張らずに身に付けられる。発信元であるブランドに、確かな歴史などの安心感があればなお良し。例えばこんな、老舗『ハミルトン』の新作のように。
先日発表されたばかりの「ジャズマスター パフォーマー」は、クラシカルで汎用性の高い「ジャズマスター」コレクションに加わったニューフェイスだ。従来のタイムレスな魅力はそのままに、スポーティかつシックな趣きをプラス。その塩梅がまさにちょうどよく、大人の日常を誠実かつ健やかに彩ってくれる。
ラインアップの充実も、ちょうどよさに拍車をかける。ダイナミックなデザインのクロノグラフ「ジャズマスター パフォーマー オートクロノ」のほか、小振りなケース径38mm・34mmの3針モデルがスタンバイ。それぞれカラーバリエーションも豊富で、着用者の好みに細やかに対応する。
3つのクロノグラフカウンターと固定式タキメーターベゼルを備えたケース径42mmの「ジャズマスター パフォーマー オートクロノ」は、アクティブなルックスに加えて内面にもオリジナリティを持ち合わせる。非磁性補正合金であるニヴァクロン製ヒゲゼンマイを採用した自動巻きクロノグラフムーブメント「H-31」を搭載。それでいて30万円台の価格に収まる優れたコストパフォーマンスも特筆で、ブランドの誠実性やスウォッチグループの展開力を証明する。
2サイズ展開の3針モデルは、日常生活に過不足のないシンプルデザイン。10気圧防水が頼もしく、上記の「ジャズマスター パフォーマー オートクロノ」と同様にSSブレスレットかレーシングスタイルのパンチングレザーストラップを選択可能だ。ダイヤルはサンレイ仕上げ、またはマザーオブパールがあしらわれるが、これは今作がユニセックスモデルに位置付けられるため。この辺りの気配りも、実にモダンだ。
ロングセラーたる地位に決してあぐらをかかず、進化を求めた『ハミルトン』の「ジャズマスター」コレクション。普遍的で革新的。そのバランスもまた、ちょうどいい。
Text_Naoki Masuyama

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