
70年代の”ワクワク”が時代を超えてやってきた。旧いが新しいティソのニューフェイス
暑い。けれどもこの熱気が、無性に心地いい。今年の夏こそアクティブに遊びたい。コロナ禍の反動から、そう願う大人は少なくないはずだ。となれば、時間の針をポジティブに進める夏の腕時計が欲しくなる。
そんな世の中の気分を察してか、スイスの名門ウォッチメーカー『ティソ』が、新たなモデル「ティソ シデラル」を発表した。カラフルなストラップが、そして赤と緑のインジケーターを備えたレガッタタイマーが、見るからに楽しい夏を想起させる。とはいえ今作は単なる新作にあらず。1970年代のアイコンウォッチ「シデラル S」を、そしてその前身たる世界初のグラスファイバー製ウォッチの初代「シデラル」をベースとした、由緒正しきニューフェイスだ。
左:1971年発売のモデル、右:2023年発売のモデル
時計の針を少々巻き戻し、オリジナル発売当時の話を掘り下げたい。1960~70年代にかけては科学技術が急発展を遂げ、世の中が大きく動いていた頃。大袈裟にいえば、世界中のみんながワクワクしていたような時代だ。
1969年には初めて人類が月面に降り立つなど、スペーシーなニュースに人々は魅了された。『ティソ』のシデラルも、そのネーミングは“恒星の、星座の”を意味する英語から付けられたもの。未知との遭遇的挑戦は、問答無用のロマンを誘う。航空や宇宙産業の分野で広く使われるグラスファイバーを素材に採用した『ティソ』の挑戦は、そのポップなデザインと相まってまさしく宇宙的楽しさを提供したのだろう。
実際に、ウォッチメイキングの伝統を良い意味で打ち破る「シデラル」に付けられたキャッチコピーは、“若者向けのヤングウォッチ”、“現代人のためのアバンギャルドなコレクション”など前向きな勢いを感じるものばかり。当時の熱を、確かに感じる。
そのDNAを現代につなぐ今作が、楽しくないはずがない。前衛的なルックスはそのままに、ケース素材はモダンに進化。グラスファイバーはフォージドカーボンに置き換えられ、軽量性・革新性・弾力性をくまなくフォローする。パンチングが施されたラバーストラップと、革新的なブレスレットクリップシステムは踏襲。快適な装着感と容易な着脱方法が、開放的ムードをさらに盛り上げるだろう。
当然、機能面もアップデート。優れた耐磁性と最長80時間のロングパワーリザーブ、さらには300m防水まで備えた「パワーマティック 80 ニヴァクロン(TM)製ムーブメント」は、あらゆるシーンで頼りになるはずだ。
ある種の“夜明け”に向かう今、ワクワクしなきゃ損だ。それこそ、1970年代に青春を過ごした先人たちのように、この腕時計とともに。楽しいはいつだって、明日への活力になるはずだから。
Text_Naoki Masuyama

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