大人のための“かっこいい”。今夏手に取りたいのは、こんなTシャツ
クールな音楽や映画に魅了され、関連する服を着ることで高揚を得たあの頃。『アダム エ ロペ』の新作は、当時の記憶とともに“かっこよさ”とは何かを改めて教えてくれる。
シンプルではない、“かっこいい”を求めたい
年を重ねるほどに角が取れて丸くなっていくように、今やTシャツ選びも“シンプル”がスタンダード。ただ、ありふれた選択肢に“かっこよさ”はあるのだろうか。我々が若かりし頃は、内に秘めた葛藤と憤りを代弁してくれた音楽やセンス溢れる描写で俗世間を煙に巻いた映画、アートの新たな一面を示したフォトグラフィなどから、それが何たるかを学んできた。そんな当時の気持ちを呼び起こしてくれそうなコレクションが『アダム エ ロペ』から登場する。そう、“かっこいい”とはつまり、こういうことだったはずだ。
カルチャーを、着る。それが我々の“かっこいい”
Tシャツといえば名刺代わりみたいなもの。あしらわれているデザインを見れば、その人の嗜好性やセンスが垣間見え、カルチャーというフィルターを通して知ったファッションはやはり重みと説得力が違う。『アダム エ ロペ』が考える“かっこいい”とは、見ためだけの表層的な部分でファッションを捉えるのではなく、背後にあるカルチャーとの相乗効果によって表現されるものであることを示している。熱狂したカルチャーを理解して着ること、それが“かっこいい”につながる。
『アダム エ ロペ』が2019年より展開するニュープロジェクトは、ファッションと密接な関係にあるさまざまなカルチャーがベース。ジャンルは、1980年代から’90年代にシーンを席巻し、多くの若者たち、つまり我々に強烈な印象を残した音楽や映画、アートなど多岐にわたる。そのアイコニックなデザインを、『アダム エ ロペ』のふっくらとしたタッチが心地良いシグネチャーファブリックを使用したTシャツへと落とし込んでいる。
Tシャツに落とし込まれたカルチャー。今夏注目したい3つのシリーズ
プロジェクトの第1弾となる今回は、1980年代にカリスマ的人気を誇ったバンドや、映画監督、写真家にフィーチャー。彼らのレガシーを、Tシャツに落とし込んだ全3シリーズを展開する。時を経ても色褪せないその趣は、まさに大人が惚れ込む“かっこよさ”を代弁する。
シリーズ1
ボウイ(BOOWY)×『アダム エ ロペ』ソングタイトルTシャツ
1981年に氷室京介氏や布袋寅泰氏らが結成したバンド、ボウイ(BOOWY)は、後のバンドブームの火付け役として日本のロック史にその名を刻む。前例のない斬新なビジュアル、メディアに迎合しない尖った姿勢は多くの若者たちの共感を呼び、’87年の絶頂期に解散を宣言したその短命さも伝説化の要因に。
こちらは、代表曲をリュウミンの書体で表現した1枚。袖を通せばきっと聞こえてくるだろう、「ライブハウス武道館へようこそ」と。
シリーズ2
デニス・モリス×『アダム エ ロペ』フォトTシャツ
セックス・ピストルズ、オアシス、ボブ・マーリー氏……。歴史を振り返れば世界に衝撃と興奮を届けた“神”とも呼べるアーティストたちがいる。
普段は見せない彼らの何げないひとコマを写真に収め、アートとして昇華させた男こそ稀代の写真家、デニス・モリス氏だ。今回はレディオヘッドのフロントマン、トム・ヨーク氏のツアー時のひとコマを落とし込んでいる。アートを纏う喜びは、時代を経てもなお我々を熱くさせるはずだ。
シリーズ3
ジム・ジャームッシュ by 『アダム エ ロペ』ムービーTシャツ
1980年、『パーマネント・バケーション』で長編映画監督デビュー。以降、ハリウッド作品とは異なる視線、思想、施策で表現してきたジム・ジャームッシュ氏の作品は、とにかくワンシーン、ワンシーンの描写がスタイリッシュでセンスフル。
Tシャツへ落とし込んだ『ミステリー・トレイン』や『コーヒー&シガレッツ』もご多分に漏れず、特別な1枚に仕上がっている。
刺激ある1枚が、いつものTシャツスタイルを変えてくれる
無地Tシャツがどんなコーデにも馴染むこと、その魅力も十分理解している。ただ、カルチャーが宿ったアイテムでないと表現できないファッションがあるのもまた事実だ。それらは大人だからこそ解釈できる、大人だからこそ着こなせるものでもある。ときには難しく考えず、直感的に気に入った1枚をコーデのスパイスとして加えてみてほしい。久しぶりにカルチャーに袖を通せば、当時の熱き想いとともに“かっこよさ”とは何かを思い出すはずだ。
Photo_Keiichi Ito
prop_Ryosuke Ito