好きだからこそわかる。この秋、このベーリング Vol.2
『ベーリング』ならではの魅力を、日々豊富なブランドを扱っている目利きに伺う。連載2回目は、『ロフト』にて展開する『オンタイム』竹内氏に魅力をたずねた。
“使用者本位”こそ、差別化のキーワード
北欧デザインがあらゆるシーンで受け入れられているのは、デザインの源流が生活者の日常に寄り添っているからだろう。奇をてらわず、それでいて美しく、誰にでも馴染み、便利であること。2012年の日本初上陸以降、多くの人々に親しまれている『ベーリング』もまたしかり。視認性が高い文字盤や、どんなシーンでも着用できるルックスは言わずもがな、素材に対する注力ぶりもまた北欧ブランドならでは。
多彩な雑貨や家具を取り扱う『ロフト』内に店舗を構え、修理工房も併設する時計専門店『オンタイム』のバイヤー竹内脩太氏もその点に共感する。竹内氏は、店舗の販売スタッフからキャリアをスタートさせ、常時100以上を数えるブランドと常に接してきた。そして、3年前にバイヤーへ就任。毎年40~50ブランドのフルコレクションを目にしながら、持ち前の審美眼でアイテムをセレクトする。そんな経験豊富な辣腕バイヤーが語る『ベーリング』の愛すべき魅力とは。
竹内氏(以降、竹内):「今でこそ落ち着きましたが、私が『ベーリング』と出会った頃は北欧デザインのブランドがもっとも市場をにぎわせていたとき。それらを、どう差別化しながらお客様へ伝えていこうか考えていました。その点『ベーリング』は、他とは一線を画す機能性がありました。機能といってもテクニカルな側面ではなく、素材にこだわることで生活者を支える“さりげない便利さ”と表現するほうが近いかもしれません」。
北欧デザインを主としたブランドは、無駄のないミニマルなデザインにばかり目が行きがちだ。『ベーリング』もそれが魅力の1つではある。ただ竹内氏は、数多あるブランドとの違いを、日々生活するうえでストレスを感じさせない利便性にあると説く。その好例として、同ブランドが設立当初から採用しているサファイアガラスを挙げる。
竹内:「傷がつきにくいサファイアガラスを風防に使用しているアイテムといえば、スイス製の高級時計が一般的。カジュアル時計にはほとんど使われていませんでした。私の知るところでは、『ベーリング』はその先駆け的存在だと思います。店頭に立っていたときは、接客などでショーケースを開ける際に、時おり自分の腕時計をぶつけてしまうことも往々にしてありました。ただ、『ベーリング』の風防はノーダメージ。お客様に見せると、たいていの方は納得していただけましたね。使用者の視点に立ち、使用者の日常に何が必要かをつきつめているからこその素材採用やデザインに、『ベーリング』の真価があるのではないでしょうか」。
実用性も洒落感も。大人のニーズを両立できるのは、この3本
ブランドの押し売りではなく、使用者の日常を思った生産背景こそ『ベーリング』の魅力だと語る竹内氏。目利きである同氏に、大人の日常使いに適した腕時計を選定してもらった。
屈強な風防に加え、ケースの素材にも“らしさ”を見せる。メタル時計でよく使われるのがステンレススチール。その上質な雰囲気から世界的な時計ブランドも率先して使用している。ただ、重さが少々気になるのもまた事実。そこで、異なる素材でケースを製作したのがこちらの「ウルトラ スリム チタニウム」である。
竹内:「使われている素材はチタン。エレガントなステンレススチールもいいのですが、双方を比較すると40%ほどチタンのほうが軽いんです。重さにあえて触れずお客様にそれぞれの腕時計を着用してもらうと、たいていの方は重さの違いに驚かれます。着用したときの違和感から腕時計と距離を置いている方もいらっしゃいますが、そんな方にこそチタンメイドを手にとってもらいたいですね。素材の特性上、金属アレルギーの方でも比較的安心して着けられますし、格式の高い質感も魅力です」。
▲「ウルトラ スリム チタニウム」19,500円(写真左)、20,500円(写真右)
『ベーリング』は屈強さや軽さに加え中身も実に優秀で、それがちょっとした手間を省く一助になっている。『オンタイム』限定の「スカンジナビアン ソーラー」は、デザインがシンプルというだけでなく、計算し尽くした末の結果であることを、手にしたときに実感できるだろう。
竹内:「最近では、オールブラックの腕時計が徐々に目につくようになってきました。「スカンジナビアン ソーラー」は、それに輪をかけソーラータイプ。太陽光や蛍光灯の光を受けて発電し、さらに充電されていくため半永久的に使え、電池交換も基本的には不要です。男性のみならず、女性もきっと共感してくれるのではないでしょうか。さらに、文字盤をすり鉢状にデザインすることで薄くすっきり見せています。そのため、スタイリッシュな腕元を演出してくれるんです」。
▲「スカンジナビアン ソーラー」27,500円
毎日を共にしたい1本を選ぶのもいいが、仕事とプライベート、あるいは気分によって腕時計を付け替えるのもまた楽しい。とはいえ懐事情により複数本を使い分けるほど余裕がない場合もあるはず。そこでうれしいのは、オン・オフで共用できるマルチな1本。「チェンジズ」シリーズは、その願望を叶えたモデルである。
竹内:「レザーとメッシュの各ストラップを簡単に付け替えられるモデルは、店舗のリアルな声を受けて生み出されたもの。同じ顔でも、ベルトを替えるだけで印象はだいぶ変わりますよね。しかも、ひと昔前のビジネスシーンではメッシュが主流でしたが、今ではレザーも許容されているので、その時代性にもマッチします。そして、この薄さとラグの程良い湾曲。これが手首にフィットするんです。価格と見た目でハマっても、試着した際に“やっぱり違う”と戻される方もいらっしゃいますから、やはり着け心地は大切。その点は革靴と似ていると思います。そんな細部に至る配慮も『ベーリング』ならではですよね」。
▲「チェンジズ」23,000円
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※掲載の金額はすべて税抜価格
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Photo_Takeshi Sasaki
Text_Ryo Kikuchi
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