レトロシックが合い言葉。大人ストリートには80年代風スニーカーが必要だ
長期的なトレンドであるストリートMIX。その足元にしっくりくる有力候補は、80年代風のレトロシックなスニーカーです。旬とこなれを両得するならこんなブランドはいかが?
秋の大人カジュアルに必要なのは、“レトロ”なスパイスだ
オーバー30世代の間で、ストリートMIXスタイルは今季もオフの日のトレンド筆頭として君臨。むしろ流行の枠を超え、定番の装いとして市民権を獲得しつつあります。その持ち味といえば、やはりラフ&スポーティなゆるい雰囲気。ただし、大人である以上程良く落ち着きを持たせ、あか抜けたニュアンスに仕上げるのが鉄則といえるでしょう。それを踏まえて今秋に活用したいのが80年代テイストのランニングスニーカー。最先端のハイテクスニーカーとは一味違うレトロかつシックなデザインで、洒脱な足元へと導いてくれます。
80年代の生き字引き。『ハイテック』のスニーカーが旬を呼び込む
80年代の復刻スニーカーが相次ぐ昨今だけに選択肢は豊富ですが、とりわけ大人の足元に推奨したいのが英国の老舗ブランド『ハイテック』の一足。1978年発表の名作ハイキングシューズ「シエラ」を筆頭に、高品質なアウトドア靴で今日まで本国でも高い支持を集めています。しかし、実は1980~90年代にかけては靴作りで培ったノウハウを生かしランニングシューズも展開していました。
そして、その当時の希少なレトランが「ハイテック スポーツウェア」と銘打たれたヘリテージコレクションとして復活。どのモデルも大人好みのオールドスクールな顔つきで、この秋冬は有名セレクトショップでの取り扱いも決定するなど話題性も十分です。今回はこのコレクション内で展開される3つの復刻モデルにフォーカスし、大人ストリートなコーデサンプルとともに紹介します。
モデル1:ぽってりとしたフォルムがダッドさを醸す「シルバーシャドウ」
1981年に発表された「シルバーシャドウ」は、英国で最も売れたランニングシューズとして知られる存在。同年のロンドンマラソンにおいては、なんと参加ランナーの23%が着用したともいわれています。「ハイテック スポーツウェア」で展開される今作は、1989年製「シルバーシャドウ」のリバイバル版。ぽてっとしたダッド感あるアッパーを忠実に再現しながら、ミッドソールをワントーンにアレンジすることでシックなルックスに仕上げています。
スエード&メッシュを駆使したアッパーに加え、EVAミッドソールとラバーアウトソールのコンビネーションも当時のまま。しかし、それらの素材の改良によってクッション性に関しては30年前よりも大きく向上しています。ヒール部分にはスタビライザーが装着され、歩行時の安定感も抜群! なお、中敷きは履き心地も柔らかなカップインソールへとアップデートを遂げました。
コーデサンプル
ゆるいジャケットスタイルが放つリラックス感に足元のレトランが呼応
本来はお堅いとした印象が先行するテーラードジャケット主体のコーデですが、あえてゆるめのサイズバランスで着こなすことでカジュアルダウン。インナーのパーカー挿しでストリートな要素も加味しました。さらに、抜け感あるジャケットコーデの決定打となるのが足元にピックした「シルバーシャドウ」。レトロランニングスニーカーらしいコロンとしたフォルムが、着こなしのリラックス感を効果的に後押しします。
モデル2:ハイブリッドデザインが高鮮度な「シャドウTL」
ベースデザインは、イギリス軍のトレーニングシューズとしての実績もある1981年発売の「シルバーシャドウ2」。そこに『ハイテック』オリジナルのトレイルランニング用ソールユニットを新たに組み合わせた、ハイブリッドなモデルがこの「シャドウTL」の特徴です。オーセンティックなアッパーとボリューム感満点の高機能ソールによる、ギャップの効いた風貌は実にスタイリッシュ。
グリップ力とクッション性、どちらにも長けたソールユニットは、『ハイテック』の現行アウトドアシューズにも採用される極めて信頼性の高いもの。レトロな外観に現代のスペックを巧妙にクロスオーバーした1足は、履き心地の面でも大人のニーズにばっちり応えてくれます。
コーデサンプル1
モノトーンの「シャドウTL」で大人のアクティブ系スタイルをより秋らしく
ストリート感を盛り上げるコーチジャケットを投入しながら、全体をダークトーンで統一してクールなイメージも注入。温かみある素材感のコーデュロイパンツで秋らしさも隙なく訴求しました。落ち着きとセンスが同居するこんなカジュアルコーデによく似合うのは、無彩色でミニマルにまとめた「シャドウTL」。着こなしにスムーズに溶け込みつつ、ソールユニットも適度に肉厚ゆえ、さりげないスパイスとしても一役買います。
コーデサンプル2
フリース使いのアウトドアMIXを足元で軽快にブラッシュアップ!
さらりとフリースアウターを上から羽織った、ストリート×アウトドアのテイストMIXコーデ。モコモコと量感のあるアウターを取り入れた分、足元にはクリーンな配色となった「シャドウTL」を落とし込んで着こなしを軽快な印象へと誘導しています。トレラン用のスポーティなソールを使った1足だけに、アウトドアテイスト濃厚なフリースとの親和性は良好!
モデル3:古き良き風貌と抜群のサポート性を両得した「バッドウォーター146」
「バッドウォーター146」は、トレイルとロードにまたがり146マイル(現在は135マイル)もの距離を走破する過酷な米国のウルトラマラソン“バッドウォーター”での着用を想定して開発されたモノ。『ハイテック』史上最高のランニングシューズとも称されるモデルで、誕生したのは1989年のことです。加圧シリンダーをヒールに組み込んで走行時のサポート性を飛躍的に向上させた、ブランド独自のABCアウトソールも30年前と変わらず搭載しています。他の2モデルと比較すると、シルエットはやや細身です。
1989年当時のデザインをリアルに復刻していますが、中敷きは足裏を立体的に包み込むカップソールへとアレンジされているので、着用感は一層快適なものに。表面がやさしく起毛した中敷きにつき、足当たりも実にソフトです。また、ABCソールは現代のマテリアルを使って再現されており、衝撃吸収性がアップしています。
コーデサンプル1
好発色な「バッドウォーター146」が味系アウターに映える
重厚な顔立ちのオイルドジャケットで季節感を色濃く演出。それでいて重々しく見えないのは、サイドライン入りのほんのりスポーティなチノパンや足元に抜てきした「バッドウォーター146」のおかげです。しかも、ダークトーン基調の装いに美発色なスニーカーを合わせることにより、メリハリのあるルックスに仕上がっています。
コーデサンプル2
英国トラッド感満点なコーデにランシューで遊びを
グレンチェックのパンツ+ステンカラーコートという、ブリティッシュトラッドな佇まい。きれいめなスタイリングですが、ゆとりを持たせたシルエットであれば脱力感も同時に描き出せます。王道の革靴ではなくあえて80年代顔のランシューを足元に持ってくれば、都会にも馴染むアクティブさを獲得可能です。
『ハイテック』のスニーカーで、この秋のスタイルを盤石なものに
大人のストリートファッションにハマるレトロシックな外観に、日常使いしやすいコンフォータブルな履き心地。由緒正しき英国ブランドから満を持して放たれた80年代風ランニングスニーカーは、この秋のカジュアルコーデを一段と完成度の高いものへと仕上げてくれるはずです。ファッション感度の高い人々からも熱視線を浴びる『ハイテック』を味方に、今季も引き続きスニーカーライフを謳歌しましょう。
▲着用アイテム(「シルバーシャドウ」コーデサンプル)
ジャケット33,000円/フリーマンズ スポーティング クラブ(フリーマンズ スポーティング クラブ ギンザ シックス TEL:03-6263-9924)、パーカ12,000円/アナクロノーム(アナクロノーム コンテキスト ギャラリー TEL:03-5784-2669)、パンツ28,000円/ファクトタム(ファクトタム ラボ ストア TEL:03-5428-3434)、リング9,000円/アダワット トゥアレグ(アダワット トゥアレグ TEL:050-5218-3859)、その他スタイリスト私物
▲着用アイテム(「シャドウTL」コーデサンプル1)
ブルゾン24,500円/キャル オー ライン(ユナイト ナイン TEL:03-5464-9976)、パンツ40,000円/ピーティーゼロウーノフォワード(ピーティージャパン TEL:03-5485-0058)、ソックス2,800円/トラディショナル ウェザーウェア(トラディショナル ウェザーウェア 青山メンズ店 TEL:03-6418-5712)
▲着用アイテム(「シャドウTL」コーデサンプル2)
カーディガン25,000円/ア ボンタージ(ブリックレイヤー TEL:03-5734-1098)、ポロシャツ33,000円/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー TEL:03-5784-1238)、パンツ16,000円/ジョンブル(ジョンブルカスタマーセンター TEL:050-3000-1038)、キャップ2,900円/メイ(スタンレーインターナショナル TEL:03-3760-6088)、バッグ5,000円/アンカーコンパウンデッド(アンカーコンパウンデッド TEL:03-3470-4152)、バングル27,000円/アダワット トゥアレグ(アダワット トゥアレグ TEL:050-5218-3859)、ソックス3,400円/アルマジロ メリノ(真下商事 TEL:03-6412-7081)
▲着用アイテム(「バッドウォーター146」コーデサンプル1)
ブルゾン49,000円/バブアー(バブアー 渋谷店 TEL:03-6450-5993)、カットソー13,000円/トラディショナル ウェザーウェア(トラディショナル ウェザーウェア 青山メンズ店 TEL:03-6418-5712)、パンツ37,000円/ピーティーゼロウーノフォワード(ピーティージャパン TEL:03-5485-0058)、メガネ28,000円/掌×ポーカーフェイス(ポーカーフェイス池袋店 TEL:03-5391-8571)、ソックス1,800円/シックストックス(ノーデザイン TEL:03-6677-7208)
▲着用アイテム(「バッドウォーター146」コーデサンプル2)
コート59,000円/ア ボンタージ(ブリックレイヤー TEL:03-5734-1098)、ハーフジップカットソー24,000円/イチエフ(ファクトタム ラボ ストア TEL:03-5428-3434)、パンツ40,000円/ピーティーゼロウーノフォワード(ピーティージャパン TEL:03-5485-0058)、カバン29,000円/エバーグッズ(サンウエスト TEL:03-3544-2751)、ソックス1,800円/シックストックス(ノーデザイン TEL:03-6677-7208)
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※掲載の金額はすべて税抜価格です
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Photo_Shoichi Muramoto
Styling_Kazuhiro Soeda
Hair&Make_Taichi Yoneo
Model_Hayase
Text_Satoshi Yamasaki