都市型アウターの本命。3万円台の“完売ダウン”がアップデート
良質なアイテムを、控えめの価格帯で購入したい。季節不問の願望だが、秋冬のアウターともなればその気持ちは一層。そんな我々に格好のラインアップがある。
欲しいのは、ハイパフォーマンス×ハイコスパな都市型アウター
快適で、体にストレスがかからない。そんな機能的な服がアウトドアの専売特許ではなく、日常のワードローブにも定着しつつある。だからこそ、街着としてより快適な1着を求めるのは当然のこと。ただ、常に頭によぎるのは「何が最良なのか?」という疑問ではないだろうか。秋冬のアウター探しでは、その問いはよりシビアになる。なぜなら、機能的なヘビーアウターの多くは高価格帯であることが珍しくないからだ。もちろん、高価格帯であれば値段相応の機能服は手に入る。そんなファッションシーンに一石を投じるのが『アダム エ ロペ』である。
あくまでも手が届く価格帯で、最良のパフォーマンスを発揮するアウター。そんな理想的なアイテムの全貌を知るべく同社のMD(=マーチャンダイザー)を務める吉田智仁氏(写真右)と、VMD(=ビジュアルマーチャンダイザー)の伊阪孝亮氏(写真左)に今シーズン展開するアウターについて話を伺った。
『アダム エ ロペ』が展開するラインアップの中、注力しているのがダウンジャケットであると語る伊阪氏。同ブランドのショップスタッフとしての勤務経験がある同氏は、昨シーズンのダウンジャケットに対する反響を「とんでもなかった」と振り返る。
伊阪氏(以降:伊阪):「ダウンジャケットは早くても11月、本格的なオンシーズンは12月以降ですよね。でもその時期になると在庫が少なくなる。つまり、早い段階で品切れになるほどのスピード感でした。2018年の秋冬は顕著で、サイズによっては予約段階で完売というものもあったくらい。その要因は、やはり弊社のダウンジャケットならではのコストパフォーマンスにあるのかなと。パッと着て、すぐに洒落感が出せる。加えて快適な着心地なので、3万円台というのはどう考えても魅力ですよね」
昨シーズンの人気ぶりに驚きを隠せなかったのは、吉田氏も同様とうなずく。「去年リリースしたモデルが完璧に近いと思っていた」と語りつつも機能面が向上した今シーズンにも揺るぎない自信を覗かせる。
吉田氏(以降:吉田):「毎シーズン変わらないのが、きれいに見えて、快適であること。シンプルなデザインやスマートなシルエットは言わずもがな、『アダム エ ロペ』では素材の選定に対するこだわりを徹底しています。ダウンジャケットともなれば毎日着用するアイテムですから、素材の耐久性はもちろん常に快適で、大人らしいクリーンな見た目も求められます。こうした点を、お客様の声も加味しながら年々アップデートさせ、自分たちにとっても、お客様にとっても理想的な1着に仕上げられたと自負しています」
ダウンジャケットにおける理想を叶えるべく、今シーズンから表地として導入したのが東レ(株)の高機能素材であるプライムフレックス(R)。軽く、しなやかなストレッチ性とマットな質感こそが大人のダウンジャケットに好適であると伊阪氏は太鼓判を押す。
伊阪:「お客様にとってわかりやすいのが、高いストレッチ性によるメリットです。窮屈さを感じないので、ジャストサイズでスマートに着こなせます。きれいな見た目であっても、アクティブな動きにも柔軟に対応してくれるので、子持ちのパパさんにもうってつけですね」
吉田:「日々の行動に対するストレッチ性の恩恵はたしかに大きいです。一方で、目立たないながらも長所として推しているのが表地の質感。生地がこすれやすい可動部、例えば脇の下や腕元のマジックテープの部分は、毛羽だって劣化しやすいんです。もちろん、耐久性に特化した素材を表地に使えば解決するのですが、ゴツい質感になってしまう。プライムフレックス(R)にすることで上品なルックスと毛羽立ちのスピードをゆるやかに抑えることができました。いつまでもしなやかな質感だから、スラックスに合わせても違和感がありません。ジーンズなどのカジュアル着を大人らしいスタイリングに昇華してくれるのもポイントです」
アップデートという点でプライムフレックス(R)を挙げる両氏だが、一方で昨シーズンから継承している素材もあるという。その1つが、裏地に採用したダーミザクス(R)。これは、プライムフレックス(R)同様に東レ(株)が開発したラミネート素材で高いストレッチ性と透湿性、低結露性に惚れ込んでいると吉田氏は語る。
吉田:「ダウンジャケットは寒いシーンでこそ真価を発揮するものですが、それはアウトドアにおける話。日常で暮らす僕たちは、外にも出かけるし、電車や車に乗ることもあるでしょう。特に電車内だと、ダウンの熱気で汗をかいてしまうこともザラにある。だからこそ、湿気を外に逃がす透湿性に秀でたダーミザクス(R)を裏地に使い、寒い環境下での保温力と蒸れやすい場所での快適性を両立しました。この心地良さは、実は気づきにくいもの。いろんな場所に出かけることではじめて“動いても暑すぎない”とか“電車内でも蒸れない”って思える。でも、それがストレスフリーにつながり、ずっと着ていたくなるんです」
表地と裏地で快適性を追求しながら、さらにはダウン自体の品質にもこだわっていると吉田氏は続ける。「暖かく、軽いことがダウンの最低条件である」と話しつつも、採用したダウンには別の視点からも高い評価を示す。
吉田:「ダーミザクス(R)同様に前作から変わらずに採用しているのが、アライド社というアメリカのダウンメーカーが手がけたダウンです。ここはトレーサビリティシステム、つまり製品の原材料から廃棄までの物流の流れが消費者にも必要に応じて調べられるシステムを確立していて、誰にでもダウンのさまざまな情報を開示しています。裏を返すと、それだけ自信を持ってダウンを供給しているということ。そんな姿勢に共感と信頼を寄せています」
「信頼できるダウンだからこそ、お客様に胸を張って提案できる」とは伊阪氏。
伊阪:「ダウンジャケットを選ぶ際に、暖かければいいと思う方は少なくありません。でも、暖かさだけではなく、快適性やデザイン、各メーカーへの信頼なども含めて自信があるからこそ、笑顔で提供できるし、多くの方に受け入れられているのだと思います」
スマートな装いに馴染む。だから『アダム エ ロペ』のダウンジャケットは重宝する
表地にはストレッチ性の高いプライムフレックス(R)、裏地には透湿性に長けたダーミザクス(R)、そしてダウンにはアライド社が手がける700フィルパワーのハンガリー産の高品質なマザーグースを採用。品質面で抜かりない逸品だが、デザイン面もシンプルで大人好みであることが特徴。伊阪氏はベージュとグレーを合わせた“グレージュ”をシャツスタイルに取り入れた。上品な面持ちのダウンに明るいブルーのシャツ×スラックスでクリーンな印象を倍増。吉田氏はブラックをモノトーンのスタイリングに合わせ、大人らしいルックスに仕上げている。
季節をまたいで使えるアウターが欲しいなら、マウンテンパーカー&モッズコートもアリ
冬の定番としてダウンジャケットが注目を浴びる『アダム エ ロペ』だが、インナー次第で秋から春まで長きにわたって活躍するアウターも揃う。これらにはもちろん高機能素材であるプライムフレックス(R)とダーミザクス(R)を採用しながら、2万円台、3万円台と手の届くプライスレンジ。ダウンがコーデの主役に躍り出るまでに用いたい2種のアウターを紹介する。
アウトドアウェアの定番といえるマウンテンパーカーも、『アダム エ ロペ』の手にかかればシティライクな表情に一変。シンプルでありつつ、ミリタリーアウターに採用されるビッグポケットにより、モダンな様相に。さらに、プライムフレックス(R)ならではのストレッチ性やマットな質感は、大人の装いにもよく馴染む。それを証明するように、伊阪氏はブラックを基調とするスポーティシックなスタイリングに、吉田氏はシャツスタイルにそれぞれ取り入れた。いずれも、ゆったりとしたスラックスとの親和性は抜群。
プライムフレックス(R)やリラックス感のあるシルエットで都会的にアレンジしたモッズコートも注目のアイテム。パラシュートボタンをはじめ、ディテールの要所ではミリタリー由来のスペックを残しつつ、見え方は上品。今らしいアイテムを、伊阪氏はフリースニットのパンツと合わせアウトドア仕様に。セットアップとシャツというベーシックな大人の装いに合わせ、異なるテイストを巧みにMIX。品のあるアウターの質感ゆえ、セットアップとも好相性であることを体現してくれた。
『アダム エ ロペ』ならば、ハイパフォーマンス×ハイコスパが叶う
出典:アダム エ ロペ
ダウンジャケットのみならず、マウンテンパーカーやモッズコートの快適性を追求した末での素材選びや、大人の日常着に馴染むデザインセンスは『アダム エ ロペ』ならでは。いずれも手が届きやすい価格帯であることも魅力的に映る。なお、今回紹介したアウターコレクションを海外で撮影したムービーも公開中。現地の人々の暮らしに溶け込んでいるところ、彼らの着こなしがアウターを羽織るだけで一段と洒落感を増しているのを目にすると、自分の中の物欲が高まっていくのを感じるに違いない。
Photo_Keiichi Ito
Text_Ryo Kikuchi