
クラシックなのに今どき。大人が辿り着く先は、トノー型の腕時計だ
時代を超越する普遍性と、今を的確に捉える旬な感覚。そんな相反する要素を兼ね備えた希有な存在が、名門『オロビアンコ』のトノーウォッチ。その魅力を読み解きます。
直線と曲線が織り成すエレガンス。トノーウォッチで冬の腕元に差をつける
腕時計の形状といえば、スポーティな雰囲気をたたえる丸型の“ラウンド”や、角張っていて硬派な印象を与える四角形の“スクエア”が一般的。しかしそれらを一通り手にした大人たちが辿り着く先にあるのが、「樽」を意味する“トノー”型の腕時計です。ラウンドやスクエアとは異なり、直線と曲線が交じり合うこのトノーウォッチは、力強さやエレガントさ、そして柔らかさが同居した絶妙なバランスが特徴。どこか懐かしさの漂うクラシックな風貌でありながら、変化球的なそのフォルムからは新鮮さも感じられ、大人の腕元にさりげない個性をもたらしてくれるとあって支持を集めているのです。
品格と個性を両取り。『オロビアンコ』流トノーウォッチ「レッタンゴラ」とは
時計史を振り返ってみると、トノーウォッチには名品と謳われるモデルが多く存在します。そして今回ご紹介する『オロビアンコ』の「レッタンゴラ」もまた、その系譜に名を連ねることになりうる1本といっても過言ではありません。
アールデコと呼ばれる、幾何学図形を組み合わせたクラシックなデザインをベースに『オロビアンコ』らしくモダンにアレンジしたこの「レッタンゴラ」。トノーウォッチといえば、ベルトと接続するラグ部分まで曲線が一体化したモデルが大半ですが、ラグにあえて膨らみを持たせることでトノー型のフォルムが際立つ独特な表情を演出。また、ケースにはブラッシュ仕上げを施すことにより、エッジを立たせて高級感もプラス。文字盤へ目を移すと、立体的にされたローマンインデックスとバーインデックスが、鋭い菱形のドーフィン針とともに視認性を高めるポイントとなっています。
ご存じの通り、『オロビアンコ』はイタリア・ミラノ近郊で創設されたバッグ発祥のファクトリーブランド。それだけに、ベルトに使われている革の選定にも抜かりはありません。イタリア製の上質な牛革を採用しつつ、そこへクロコの型押しを施すことでラグジュアリーな印象を一層高めています。使い込んでいくうちに柔らかくなって腕馴染みが良くなり、光沢感が増していくという経年変化を楽しめるのもうれしいポイントといえるでしょう。そして、裏蓋には格調高いブランドロゴが刻印されているのも見逃せない意匠。ブランド名である『オロビアンコ』の“オロ”はイタリア語で“金”を意味し、まさにそれを体現するようなゴールドカラーがエレガントなムードを振りまいています。
マスキュリンなムードに偏り過ぎない柔和な表情のトノーデザインは、女性の腕にも馴染みが良いのも利点。つまり、ペアウォッチとしても好適というわけです。『オロビアンコ』の「レッタンゴラ」は、お揃いで着けられるウィメンズモデル「レッタンゴリーナ」もスタンバイ。実はこちら、単なるメンズの縮小版ではありません。ラグのふくらみを抑えたり、インデックスを細くしたりと、女性向けモデルとしての配慮がしっかりなされているのです。
メンズ・ウィメンズともに、印象の異なる3種類のカラーバリエーションをラインアップ。同じカラーを一緒に着けるのも良し、それぞれで異なるカラーを着けて楽しむのも良し。直接会う機会をなかなか持ちづらい今だからこそ、この『オロビアンコ』のペアウォッチを手にしてパートナーと絆を深めるのも良いでしょう。
スペシャル感をそそる「チックタック」別注モデルにも要注目
数量限定で展開されるエクスクルーシブモデルにも言及しておきましょう。人気時計ショップ『チックタック』による別注「レッタンゴラ」は、アイボリーの文字盤とピンクゴールドケース、ブルーの針に深みのあるブラウンベルトという組み合わせで構成されており、よりクラシカルな印象が際立つ仕上がりとなっています。通常ラインのキリッと引き締まった白や黒の文字盤も良いですが、アイボリー特有のマイルドな表情は、今季トレンドとなっているベージュやブラウンを基調にしたコーディネートと相性抜群。腕元に投入すれば、たちまちこなれたニュアンスを醸成してくれるに違いありません。そして、こんな限定ウォッチをペア使いすれば、ちょっとしたスペシャル感も加わって2人の関係はさらに特別なものへと昇華されることでしょう。
『オロビアンコ』のトノーウォッチで、今こそ“腕”の見せどころ
根底にはしっかりとした知性や品格を宿しつつ、周囲に埋没することのない確かな個性もアピールする『オロビアンコ』の「レッタンゴラ」。大人であれば誰しもが“こうありたい”と願う理想の姿を具現化したかのような1本は、腕元のクラスアップにまたとない選択肢といえるでしょう。ラウンドやスクエアといった、手持ちの定番時計とは一線を画すトノーデザインを手にすることは、これまでになかった新たな自分を切り開くための第一歩となってくれるに違いありません。
Text_Masato Nachi