
この存在感が心強い。海を感じる腕時計の名品を老舗ブランド、ブローバで見つけた
夏の着こなしを決定づける腕時計といえば、海を感じさせるマリン&ダイバーズウォッチ。時計史における名作を生み出してきた『ブローバ』なら、確かな1本が見つかります。
マリン&ダイバーズ全盛の夏だからこそ、見た目にも個性に満ちた名作で差別化を
カラーやディテールで海を表現したマリンウォッチや、その機能から深海を思わせるダイバーズウォッチがここまで世間的に認められる存在になるなんて、きっと昔の人たちは思ってもいなかったはず。少し前までは特にカジュアルシーンに特化したカテゴリであり、まさかビズ~ビジカジでも着用して良い腕時計になるなんてあり得ませんでしたから。しかしこのコロナ禍において腕時計が持つ意味も大きく変化。汎用性より、個性。主張のある実用的な腕時計こそが価値を発揮する現代において、上記カテゴリは人々の嗜好のど真ん中を貫いています。
左「マリンスター」[98A282]63,800円(税込)、右「オーシャノグラファー“デビルダイバー”」[96B350]82,500円(税込)
特にこの夏は、これまで以上に海を感じさせる腕時計が各ブランドからリリースされています。なかでも筆者が注目しているのは、独自性を備えたデザインとカラーリングで頭1つ抜きん出た実力を見せる老舗『ブローバ』。その個性だけでなく、時計メーカーとして世界初となる数々の革新的な名作を生み出してきたブランドの歴史と、高品質&高機能な腕時計を作っているところも魅力です。今からトレンドのマリン&ダイバーズウォッチを手に入れるなら、信頼の置ける1本を。そんな期待に応えるべく、新鋭と古参、その両面から今夏の新作をピックアップしてみましょう。
腕時計史に輝く名作も多数。1875年より続く名門『ブローバ』とは
と、その前にブランドについておさらいを。創設は1875年、ジョセフ・ブローバ氏がニューヨークに開いた小さな宝飾店から『ブローバ』は始まりました。腕時計の製造を本格的に始めたのは1911年ですが、宝飾店時代から数えるとなんとその歴史は140年以上にもわたります。1912年にはスイス・ビエンヌに自社工場を構え、以降、航行用クロックや高度計測器をはじめとする航空計器を開発するなど飛躍的な技術革新を実現。宇宙開発事業にも積極的に参加し、NASAで行われた46回の宇宙飛行に採用された実績もあります。イチ腕時計ブランドとしての枠組みを超えた数々の取り組みは高い評価を受け、世界的ブランドとして広く認知されていきました。
自社工場設立の1912年より守り続けているのが、手が届く腕時計を高い水準で提供するという理念。その理念に則り、現在にいたるまで数々の偉業を達成してきました。もっとも有名なところが、1960年の音叉式時計「アキュトロン」です。クォーツ(水晶)同様に振動数が安定している音叉に目を付けた同作は驚きを持って迎えられました。その他にも、1971年にアポロ15号の船長に携行された「ルナ パイロット クロノグラフ」、LEDを採用した斬新なデザインの「コンピュートロン」……、と数え上げればキリがありません。2000年代に入ってからも、高精度のハイパフォーマンスクォーツを搭載した「プレジショニスト」、大胆にクロノグラフムーブメントを湾曲させた「カーブ」の発表など、技術革新は続いています。
腕時計の発展に真摯に貢献してきた『ブローバ』。今季的な1本を選ぶにおいても、確固たる背景のあるこんなブランドなら候補として間違いありません。
手の込んだ作りが示す存在感。ラグジュアリーさが光る「マリンスター」の新色
さて、そんな『ブローバ』ですが、前述の通り1875年の創業当時は宝飾を生業とする企業でした。それゆえ、昨今ラグジュアリー&リゾーティな空気が求められているマリンウォッチにおいても、その美しさはひとしおです。ここからは、2019年の登場と新鋭も新鋭ながらすでに同ブランドの人気TOP3の常連として位置しているマリンウォッチ、「マリンスター」の自動巻きモデルに注目してみましょう。
▼2019年登場ながら人気モデルに君臨する「マリンスター」の自動巻きモデルとは?
2019年の発売より瞬く間に人気となったこの自動巻きモデルは、ラグジュアリースポーツトレンドを体現する1本として登場しました。色味に変化をつけることで奥行きを表現した2層構造のベゼルや、“ラグスポ”の代名詞でもある6か所のビス、そして機械式ファンの心くすぐる7時位置のオープンハート……、と保守的な腕時計シーンに一石を投じるような豪奢なディテールの数々は、同価格帯の腕時計の中でも1つ抜けた存在として受け入れられました。さらに、防水性能においてはダイバーズウォッチ顔負けの20気圧防水を実現しています。あらゆる面でプライス以上の作り込みを実現している「マリンスター」の自動巻きモデルが短期間で人気作として認知されるようになったのは、当然といえるでしょう。
比類無き個性を表現する「マリンスター」は、たとえTシャツ1枚でも着こなしを成立させてくれる“格上げウォッチ"としても真価を発揮。注目すべきは上記のディテールに加え、45mmの大口径。裏と表で配色を違えたラバーストラップも、本体に負けない花を添えてくれます。その証左は、上の画像を見ての通り。それ単体でももちろん十分に効果を発揮してくれる「マリンスター」ですが、より洒落感を出すならアクセと重ね着けするのも良いでしょう。写真のように大振りなブレスを重ねても負けない重厚感があるので大胆な組み合わせを楽しめます。
▼グレーシャーブルーが演出する大人ラグジュアリー。その立体感に見惚れる
そして2021年春夏の新色として登場するのが、ブルーの中でも落ち着いた空気を纏うグレーシャーブルーを取り入れたこちら。グレーシャーブルーとは、雪の堆積を繰り返し、結晶となることで青い光を反射するアラスカの氷河に名付けられた色を指します。このどこまでも深く包み込まれるようなブルーが、持ち前のラグジュアリー感をさらに後押ししてくれるのです。2層構造のベゼル、およびビスにもグレーシャーブルーを配色。立体的な造型をさらに美しく昇華しています。
もちろん、見た目だけでなくスペックにも抜かりないのが『ブローバ』の腕時計。特に、この価格で自動巻きムーブメントを採用していることは腕時計初心者にとってもうれしいところです。ケースは従来モデルと同様に視認性と存在感を同時に高める45mm径で、20気圧防水。日常をともに過ごすには十分なスペックを誇ります。そして裏側がスケルトンになっていることにより、ローターやテンプの動きを鑑賞できることも所有欲をくすぐるポイントです。帰宅して着替えるとき、もしくは飲食店で席に着いておもむろに外すとき……、ふとしたときに“この腕時計を買って良かった”と思わせてくれる、粋なディテールといえるでしょう。
ただの復刻モノにあらず。初めて、を備えた“デビルダイバー”の冴え
140年以上の歴史を誇る『ブローバ』には時計史に残る名作がある、とは先述した通り。同ブランドにはそれらからインスピレーションを受けた復刻モデルも多く存在します。「ルナ パイロット クロノグラフ」、「コンピュートロン」などの傑作が属する「アーカイブスシリーズ」、その一角に位置する"デビルダイバー"こと「オーシャノグラファー」もその1つ。同モデルがなぜそんな異名で呼ばれているのか、その歴史を知るとこの腕時計がグッと魅力的に見えてきます。
▼「アーカイブスシリーズ」に属する“デビルダイバー”。半世紀に迫る歴史は伊達じゃない
デビルは、言わずもがな悪魔のこと。その名前の由来を知るには、オリジナルモデルが発表された1970年代まで遡る必要があります。当時は300フィート(約90 m)の防水性能が一般的だった時代。そこへ666フィート(約200m)という高い防水性能を持つ時計として登場したのが、 "デビルダイバー”こと「オーシャノグラファー」でした。その666という数字が、新訳聖書の"ヨハネの黙示録"に登場する獣(悪魔)を表す数字と一致することから、悪魔の異名を取るようになったのです。
そんな“デビルダイバー”は、デザイン面においても特徴的なディテールをいくつも有しています。例えば、立体的な円柱型インデックス。角度によって表情を変えるクリア素材は、同作を特徴付ける“ならでは”な意匠です。また、異名の由来となっている666ft防水も文字盤に明記。ブランドの旧ロゴと併せて、目の肥えた復刻時計ファンをうならせるポイントとなっています。
ちなみに、現在の“デビルダイバー”は全モデルISO規格を取得した200m防水の本格ダイバーズウォッチとして展開されています。アーカイブに忠実な見た目に、現代的なスペック。復刻時計の理想の形といえるでしょう。
▼鮮烈なオレンジにモデル初のラバーストラップを備えた、スポーティなニューモデル
そしてこちらが、2021年夏にお目見えした新色にして新作。そのフェイスを覗いてみると、まず鮮烈なオレンジに目が奪われます。これは1970年代のオリジナルモデルを忠実に再現したもの。暗い海の中での視認性を高めるため、鮮やかな配色となっているのです。また、シリーズで初めてラバーストラップを採用したことも特筆すべき点。よりダイバーズウォッチらしい見た目になっただけでなく、実際に海で使う際の装着感にも寄与しています。このストラップも本体のスポーティさを支える肉厚かつしなやかな仕様となっており、細部まで手を抜かない『ブローバ』らしいモノ作りへ姿勢が垣間見えます。そして何より、今作ではオリジナルの44mmよりややサイズダウンした41mm径のケースを採用。日本人にとって好適なサイズ感となったことで、より腕馴染み良く身に着けることができそうです。
ちなみに、こちらが当時の"デビルダイバー"の姿がわかる貴重な広告。この通り、鮮やかなオレンジを纏っていることがわかります。当然ながら、その丸みを帯びた特徴的なケースも同様のデザインを踏襲。その裏付けのあるレトロさゆえ、鮮やかなオレンジも悪目立ちしせず合わせる服を選ばないのも魅力となっています。さまざまな着こなしを引き立てる要素として活躍することは、間違いありません。
この夏の腕時計難民たちへ。相棒に迷ったら、『ブローバ』でご一考を
腕時計が持つ魅力が前面に押し出される夏。だからこそ、どんな腕時計を身に着けるべきか悩むものです。時計史に残る数々の名作を生み出してきた歴史を持ち、また、現代においても魅力的な腕時計を作り続ける『ブローバ』なら、その有力候補となってくれるはず。ラグジュアリーさで着こなしを格上げする「マリンスター」と、鮮やかなオレンジが映えるスポーティな「オーシャノグラファー“デビルダイバー”」。どちらを選んでもこの夏の良き相棒となり、そして季節を超えて長く愛用したくなることでしょう。
アクティブシーンの良き友に。ブランドオリジナル防水スマホケースを見逃すな
今回紹介した2つの新作の発売を祝し、「ブローバ 2021 サマーキャンペーン」がスタート。2021年8月1日(日)までの期間中、対象店舗および公式オンラインストアにて「マリンスター」あるいは「オーシャノグラファー“デビルダイバー”」を購入すると、『ブローバ』のロゴが入ったオリジナル防水スマホケースが手に入ります。アクティブなシーンで光る腕時計の詳細と合わせて、キャンペーン内容もぜひチェックしてみてください!
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※掲載の金額はすべて税込価格です
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Text_Ryo Ishii