
“あの日”の冒険を腕時計に。大人になった今、選ぶのはどのポケモン?
世代を超え、愛され続けてきた、「ポケットモンスター」。今回、カントー地方のあの3匹が腕時計になって登場です。あなたは、どの1匹を選びますか?
『ポケットモンスター 赤・緑』の舞台、カントー地方のあの3匹が腕時計に
日本のウォッチシーンにおける旗手であり、成熟した技術を持って実用的な腕時計を世に送り出し続けている「セイコー」。特に今年は140周年(!?)を記念したモデルも続々リリースされており、筆者も改めて時計メーカーとしての歴史の重さ、業界における存在感を実感させられています。読者諸兄の中にも、父親から譲り受けた時計が、初めて買った腕時計が、「セイコー」ブランドの1本だった……、という方がいることでしょう。それだけ日本人にとって馴染み深い「セイコー」。そんな質実剛健なイメージがある同メーカーですが、実はカルチャーとのコラボレーションも得意分野だったりします。
今回「セイコー」がオファーをかけたのが、同じく日本発信のコンテンツである、「ポケモン」です。ピカチュウ・イーブイ・ミュウツーをデザインに落とし込んで話題を呼んだ第一弾に続き、この夏、カントー地方の旅立ちのポケモンであるフシギバナ・リザードン・カメックスの3匹がデザインされた腕時計がリリースされます。どのポケモンを選ぼうか悩みすぎて寝られなかった、そんなあの頃を思い出させてくれる様な腕時計が、このモンスターボールをモチーフとしたケースの中に入っています!
実用性も十分。ベースとなったのは、『セイコーセレクション』のソーラーモデル
今すぐにでもモンスターボールを開けたいところですが、グッと堪えてまずは時計自体のご紹介を。というのも、いわゆるファングッズの時計とは一線を画す完成度であることを、最初にお伝えしたいのです。ベースとなっているのは、TASCLAPでもお馴染み『セイコーセレクション』。「セイコー」が考える時計の基本性能とデザイン性を追求したブランドで、機能、品質、デザインのトータルバランスに優れています。さらにソーラーウォッチのため、電池交換いらずというのもうれしいポイント。光があれば、自ら発電して動き続けてくれます。つまり、モノとしての実用性もピカイチ! というわけなんです。
わかればニヤける遊びが満載。今回の「ポケモン」スペシャルモデルを順に読み解こう
ここからは早速、今回のスペシャルモデルの全貌を“ずかん”の順にご紹介していきましょう。旅立ちの3匹が並ぶあの日以来のシチュエーション。当時はどの1匹を連れていくか悩みに悩んだものですが、私たちが大人になった今、1匹といわず3匹とも手に入れる……、なんて楽しみ方ももちろんアリです。
▼グラデで表わしたのは「ソーラービーム」! ゴールド使いも目を引くフシギバナモデル
まずは「くさタイプ」をもつポケモン、フシギバナ。背中に生えた大きな花が印象的ですが、このフシギバナを選んだ人にとって馴染み深いわざが2つありますよね。それは、「ソーラービーム」と「つるのムチ」。このモデルには、これらのわざがデザインに落とし込まれています。ちなみに、前者は美しいグラデーションのダイヤルに、後者はゴールドカラーのベゼルにそれぞれ表現されていて、そう聞くと確かにわざの特徴を捉えているのがわかります。そしてこちらのインデックスではフシギバナの背中に生えた大きな花を表現。こんな小さなパーツにまで模様を施した、芸の細かい作り込みは流石です。
サブダイヤルにはフシギダネとフシギソウがいますが、フシギソウのサブダイヤルの中には32の数字が。リザード、カメールとは進化のレベルが違っているんですね。そんな発見ができるところもスペシャルモデルらしさであり、1つの楽しみ方でもあります。
▼「ほのおタイプ」の力強さを表現。インデックスがキバをむくリザードンモデル
続いては「ほのおタイプ」をもつポケモン、リザードンにまいりましょう。真っ赤なデザインはいうまでもなく炎をモチーフとしているわけですが、実はこれ、「ほのおのうず」というわざをイメージしたもの。激しく渦をまく炎の中に相手を閉じ込めて攻撃する、というわざの効果になぞらえ、ダイヤルには今にも引き込まれそうな渦の柄をデザイン。さらにはキバや爪を思わせる形状のインデックスが、リザードンが持つ力強さを演出しています。その堂々たる姿を刻印した裏蓋も要チェックです。
ダイヤルをより詳細に見てみると、2つのサブダイヤルにヒトカゲとリザードがそれぞれ描かれているのにお気付きでしょう。さらに、そのサブダイヤルの中には16と36の数字が。そう、もうおわかりですよね。ヒトカゲは16、リザードは36と、それぞれ進化するレベルの目盛りがハイライトされているんです。しかもドット風の表示まで再現されているなんて、“わかってる”とうなるしかありません。
▼「ハイドロポンプ」が文字盤で踊る。プッシュボタンにも秘密を潜ませたカメックスモデル
最後はこちら、「みずタイプ」をもつポケモン、カメックス。実は今モデルには、ディテールに他とは違う仕様が見られるんです。例えば、他モデルと同様にカメックスのわざの1つである「ハイドロポンプ」を文字盤で表現していますが、型打ち模様が入った立体的なものになっていたり、甲羅模様のベゼルから飛び出るプッシュボタンをロケット砲に見立てていたり……。何かと、私たちの心をくすぐってくれる1本となっています。
より近づいて見てみると、その質感も詳細にわかります。ちなみにサブダイヤルには他モデルと同様に、ゼニガメとカメールが描かれています。そしてそろそろ、9時位置のモンスターボールが気になりますよね。実はこれ、秒針になっているんです。1秒ごとにカチカチと揺れる姿は、まるでポケモンを捕まえるときのボールの動きのよう。ただモンスターボールをデザインするのではなく、ここまで世界観を表現してくれるとは何とも粋な計らいですよね。
コレクションにもギフトにも。ボックスもクロスも飾って楽しい特別仕様に
そんな3匹をデザインした今回のモデルですが、特別なのはもちろん腕時計だけではありません。モンスターボールを模したボックスは、開くとそれぞれのポケモンのデザインとともに時計が現れる演出もにくいところ。自身での使用に加え、プレゼントにしても面白いでしょうし、3本揃えてコレクションケースに飾っておくというのも大人になった今だからこそできる楽しみ方。身に着けずとも、眺めているだけで満足できてしまうのは先述の通り、細部まで世界観を作り込んでいるからこそ。それだけでも、このスペシャルモデルの存在価値があるといえるのではないでしょうか。
ちなみに、ボックスを開いたときに出てくるポケモンのデザインはクロスにも施されており、取り外して腕時計をきれいに拭くこともできます。腕時計本体だけではないこれらのこだわりからも、「セイコー」の本気度が伝わってくるとは思いませんか?
大人になったから今だから。「ポケモン」スペシャルモデルで在りし日に思いを馳せて
普段から腕時計というモノに真摯に取り組み、タッグを組む相手にもリスペクトを忘れない真面目なメーカーだからこそ実現できたこのたびのスペシャルモデル。「ポケモン」とともに成長してきた世代に響くのはもちろん、かつて青春のど真ん中であった大人たちも、「ポケモン」をきっかけに世界が広がっていったあの頃を思い出せそうな“想い”の詰まった3本に仕上がっています。画面越しに見ているより、実際に手に取ってみるとグッとくるものがありますよ。
Text_Ryo Ishii