
小さな違いが生み出す比類なきエレガンス。特別仕様の“GS”が大人の腕元にもたらすもの
腕時計の本質を追い求め、着用者に違いをもたらす稀有なブランド『グランドセイコー』。そのタイムレスな魅力と合わせて、販路を絞った特別なモデルを解説していきます。
10年後も変わらず愛せるか? を問うと、人は『グランドセイコー』にたどり着く
ファッショントレンドはもちろんのこと、流行り廃りが目まぐるしく変化する現代。確かなモノが少ない社会において、普遍的であり、価値判断のベンチマークとなり得るアイテムのニーズは益々高まりを見せています。普遍的なモノとは、すなわち本質を突き詰めたモノと言い換えても良いかもしれません。
そして腕時計の本質とは、まず“時間が正確”であること、その時間が“見やすい”こと、そして装飾品としての腕時計の価値が上がっている昨今、重視されるのが“美しい”こと。そんな腕時計の本質をここ日本において徹底的に追い求めているブランドこそが、日本が世界に誇る『グランドセイコー』です。今回、販路限定で展開されるニューモデルを掘り下げていく前に、時代に左右されないその魅力について読み解いていきましょう。
▼普遍を体現する、“セイコースタイル”の存在
『グランドセイコー』がいかに普遍的な価値観を守り続けているか、を端的に表すのが“セイコースタイル”の存在です。このセイコースタイルは、腕時計にとっての見やすさとは何か、美しさとは何か……、『グランドセイコー』のデザイナーたちが考え抜いた3つの方針と9つのデザイン要素からなる決まりのことを指します。具体例を挙げると、「12時のインデックスの太さは他のインデックスの2倍とする」、「時分針は太く多面カットする」といった具合です。昨今スポーツモデルの取り扱いも増えつつある同ブランドですが、このデザインコードは今なお愚直に守られ続けています。
もちろんデザイン以外にも、ユーザーの使い勝手への配慮が感じられるのが『グランドセイコー』。針の動きのブレを徹底的に抑え込んだり、リューズの引き出し幅を通常より長くして誤操作を防いだりなど、使えば使うほど見えてくる玄人をうならせる上質さを持ち合わせています。腕時計としての普遍の価値を突き詰めているからこそ、時代を超える傑作として、日本のみならず海外からも評価される存在であり続けているのでしょう。
▼自慢の愛機に何度でも惚れ直せる、万全のケア体制
精緻に作り込まれた腕時計でも、10年以上長く愛用したいならしっかりとしたメンテナンスが不可欠。決して安くない『グランドセイコー』を、背伸びしてでも欲しいと思わせる理由の1つが信頼感抜群のメンテナンス体制にあることは間違いありません。特に、ムーブメントだけでなく外装のライトポリッシュまで仕上げてくれる「コンプリートサービス」は白眉。ザラツ研磨による稜線の復活、筋目の再現、とムーブメント以外にも同ブランドならではの技術がふんだんに落とし込まれて返ってきた愛機を見たなら、惚れ直すこと請け合いです。加えて、分解・修理を行うオーバーホールは一般的に機械式腕時計だけのものと考えられがち。しかし、後述する高精度クォーツモデルをラインアップする『グランドセイコー』は、クォーツモデルまで抜かりなくオーバーホールを行ってくれることも大きなポイントでしょう。長く使うための環境が『グランドセイコー』の魅力の一角となっているのです。
『グランドセイコー』だからこそ。“9Fクオーツ”は、玄人も満足させる上級ムーブだ
1969年、世界初のクォーツ式腕時計を誕生させた『セイコー』。正確さ、という腕時計の本質を追求する『セイコー』は、驚くべきことに以降50年以上にわたってクォーツ技術の最高峰であり続けているのです。そのテクノロジーの結晶こそが、『グランドセイコー』が採用する「9Fクオーツ」。まず、精度が圧倒的です。その年差はなんと±10秒! ちなみに、スイスの高級腕時計が採用する機械式ムーブメントにおいては1日で10秒の誤差程度なら上々とされています。一般的なクォーツムーブメントでも、“月”差20秒程度が平均的です。それらと比較すると、この「9Fクオーツ」がいかに優れた機械であるかわかるでしょう。この比類ない精度を保つために、精度を司る水晶振動子を3か月エイジングしたり、ICに水晶振動子の個体差をプログラミングしたりするなど、圧倒的な手間をかけた作りになっています。
また、通常クォーツ式はトルクが弱く、太い針を動かすことができません。しかし、「9Fクオーツ」はツインパルス制御モーターなどの独自技術によりこれを解決。太い時分秒針を組み込むことが可能になり、力強いデザインが可能になっています。しかも、職人の手作業によって組み立てられるというこだわりぶり。それゆえ機械式腕時計至上主義が多いマニアの間でも、この「9Fクオーツ」だけは認める人も多いのです。見えない箇所の、徹底したこだわり。『グランドセイコー』のクォーツモデルにファンが多いのは、そんなところもあるのでしょう。
特別な1本、をいつもの店舗で。高級感と清廉さを兼備する販路限定“GS”がある
これまで見てきたように、『グランドセイコー』は時代を超えて腕時計の本質を具現化している存在。毎年新作がいくつも世に送り出されていますが、その中でも今おすすめしたいモデルが「SBGX351」。上記の高機能クォーツムーブメント「9Fクオーツ」を搭載しており、年差±10秒という最高峰の精度を持ち合わせています。ケース径は37mmと手首に収まりの良いサイズで、ビズスタイルにもぴったり。これ見よがしなアピールはせずとも、職人のハンドメイドによる丁寧な鏡面やサテン仕上げがもたらす繊細なケースを見れば、誰もがその“良いモノ感”に納得すること間違いありません。
なお、『グランドセイコー』は販売店も限られているモデル。実際に手に取る機会がない……、と悩まれている方もいるかもしれません。しかし、この「SBGX351」は全国で展開する「ザ・クロックハウス」と「ウオッチタウン」の『グランドセイコー』取り扱い店舗で実際手に取ることができるモデルとなっています。2社合わせて実に100以上の店舗で試着可能なため、写真では伝わりにくい細かいディテールの美しさをしっかりチェックできるというのは、『グランドセイコー』をより身近に感じることができる良い機会といえるでしょう。
見どころ
高級機の証し“青焼き針”と、『グランドセイコー』ならではの輝きが大人の格を演出する
「SBGX351」に個性を与える最大の要素といえば、秒針に採用された青焼き針です。この青焼き針は針の素材となるスチールを高温度で焼き込み、ブルーの酸化被膜を表面に形成させたもの。ムラのない美しいブルーにするためには温度管理をはじめとする高度な職人技が必須だったため、昔から高級腕時計が好んで採用するディテールとして知られています。特にブルーがもたらす品の良さからドレスモデルに採用されることが多く、数多くのラグジュアリーブランドが青焼き針を採用しています。そんなディテールをあしらった「SBGX351」は、セイコースタイルによる安定したデザイン性で信頼感を、青焼き針によって華やかさやファッションセンスを相手に印象付けるのにもってこいの存在となってくれることでしょう。
決して派手にアピールをしていないのに、実際手に取れば誰が見ても高級感を読み取れる『グランドセイコー』。その理由の1つが、ケースの面と面が接する境界線に美しいエッジが立っていることです。その秘密は職人が手間暇かけて行う研磨作業にあります。特に、ザラツ研磨と呼ばれるケースを平面にする基礎研磨は他ブランドの追随を許さないほどハイクオリティ。経験豊かな職人によってザラツ研磨された面はまさに真っ平らで、その素材から生み出されるケースはシャープなメリハリを持ち、光の反射の輝きさえも別次元です。そんな高等技術を存分に味わうなら、こんな普遍的な顔立ちの1本がまさに適役。高級腕時計のデザイントレンドや流行りの素材を採用するのではなく、基礎工程で高級感を演出できるブランドは世界広しといえども『グランドセイコー』のほかに数えるほどしかありません。
1本の青焼き針が描き出す、確かな存在感。「SBGX351」をローテの基軸に
永遠のスタンダードともいえるセイコースタイルを忠実に踏襲しながら、青焼き針の採用によってさりげなく個性を主張できる「SBGX351」。フォルムやルックスはあくまでクラシック、奇をてらわないものゆえに合わせるコーディネートを選ばないのはいうまでもありません。加えて針のブルーはコーデの挿し色にもぴったりで、傑出した研磨技術によって輝くケースも上品さを醸し出すアクセントになります。控えめながらも確かな上質感が、着用者の格を上げてくれるのです。
腕時計の本質を追い求め、外装もムーブメントも世界に誇るクオリティを実現している『グランドセイコー』。普遍的な価値に基づくブランドだけに、これから10年後、どんなにファッショントレンドが変わっていようともその腕に「SBGX351」が馴染むことは間違いありません。
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Text_Fumihiro Natsume