
大人には大人のスポーツMIX。都会的な雰囲気を纏うアウターに、名門ブランドで出会う
スポーツMIXコーデはトライしやすいからこそ、取り入れるアイテムが問われるもの。おすすめしたいのは、アーバンテイストを取り入れたアクティブなアウター類です。
長らくトレンドのスポーツMIXコーデ。今年はいかに周囲と差をつけて楽しむか
人気が継続しているスポーツMIXコーデは、この秋も見逃せないトレンド。そのままランニングやジムに行くようなスタイルを作るのではなく、アクティブなルックスにひとさじのモダンさを振りかけ、あくまでも“都会的”に落とし込むのがコツです。特におしゃれに気を配りたいTASCLAP世代においては、スポーツテイストのアイテムを合わせてカジュアルダウンするだけでなく、年齢に見合った落ち着きも表現したいもの。スポーツ由来のデザインや機能を確保しつつ、大人にマッチする上質さを担保することが鍵となってきます。
我々に見合う、都会的なスポーツMIXコーデを構築するための最短ルートは、そうしたコンセプトを持つブランドをセレクトすることに他なりません。候補はいくつかありますが、例えば『レノマオム』はその1つ。従来からモードテイストとスポーツテイストを掛け合わせたタウンウェアに定評があった同ブランドですが、今シーズンからは明確な「アクティブモードスタイル」へとシフトアップ! 素材から、シルエットから、ディテールから……、大人のスポーツMIXコーデで取り入れたい洗練されたアイテムが揃っているんです。
『レノマオム』の解説とともに、この秋冬に活躍が期待される珠玉のアウターをチェックしていきましょう。
始まりは1963年。パリ生まれの名門『レノマ』と、そこから派生した『レノマオム』
『レノマオム』について説明するなら、そのオリジンともいえるブランド『レノマ』に触れておくべきでしょう。『レノマ』は、モーリス・レノマ氏が1963年にオープンしたショップ「ホワイトハウス」を原点とするフレンチブランド。現在でもパリの一等地に建っているショップは、目の前の名門校に通う高感度な学生たちの心を掴みました。ショップでは毎週コレクションを開催し、斬新なデザインの服を次々と披露。レノマ氏が提案する革新的なウェアの評判はセレブたちの耳にも届き、セルジュ・ゲンスブール氏、イヴ・サン=ローラン氏、ジェームス・ブラウン氏といった歴史的なトレンドセッターたちが愛用していました。
そんなブランドの行く末を決定づけた代表作の1つが、「フィッシュネックバッグ」です。網製のポケットが印象的なカジュアルバッグが1970年代半ばに爆発的な人気を呼び、その流行は日本にも波及。百貨店で『レノマ』のバッグを購入するのに整理券を配布した、お目当てのバッグを購入するのに4~5年待った、という逸話からも当時の人気が伺えます。なお、ブームが落ち着いた現在も2019年に「ユナイテッドアローズ」、2020年に「ラブレス」といった高感度なショップでポップアップが行われるなど、ブームをリアルに体験した世代を中心に根強いファンを擁しています。
1963年に誕生してから『レノマ』ブランドが確立していく中で、その象徴的な概念として認知されるようになったのが「ドレスダウン」です。例えばジーンズにジャケットを羽織るというのは昨今当たり前のスタイルですが、『レノマ』登場以前には見られなかったものだといいます。クラシックであること、トラディショナルであることに縛られず服を着ることで、自分の生き方や感じ方を表現する。自分らしいアレンジを尊重する同ブランドだからこそ、クリエイティブな感性を持つ人々に受け入れられてきたのでしょう。
なお、『レノマ』からはいくつかのブランドが派生しています。その1つが『レノマオム』。前述の通りモードにスポーツを掛け合わせたデザインを得意としており、よりスタイリッシュに昇華したコレクションが特徴です。そこには、テイストの融合が得意な『レノマ』のDNAがしっかりと受け継がれているといえます。今シーズンは特に「アクティブモードスタイル」というテーマに則り、機能的でクールなコレクションを提案しています。昨今のアーバンスポーツを攻略するにふさわしい選択肢として、間違いありません。
今年『レノマオム』が表現した“アクティブモード”を、3種のアウターから読み解く
大人なスポーツテイストを呼び込むことができる『レノマオム』のコレクション。今季のテーマである「アクティブモードスタイル」を特に体現しているアウター3種にフィーチャーします。これからの季節にぴったりなマウンテンパーカーにCPOアウター、真冬の主役となってくれそうなダウンジャケットはどれも、スポーティな機能とアーバンなルックスを兼ね備えています。
▼アウトドアウェアの王道・マウンテンパーカーも、大人の街着に似合う都会顔に
「アクティブモードスタイル」をもっとも象徴しているアウターが、「撥水ストレッチ マウンテンパーカー」です。ベースはいわゆるマウンテンパーカーそのもので、トレッキングや登山といったアウトドア系のスポーツテイストが漂っています。その一方、細部までブラックで統一されたミニマルなデザインやソリッドな生地感、アクセントとして効いているシルバーのジップやロゴプレートがモードなテイストを醸出。適度なツヤと、モダンなムードを感じさせます。
軽やかな着心地とユル過ぎないシルエットも好バランスで、夏に活躍したTシャツの上に重ねるのに最適! 秋口に重宝する使い勝手の良い1着に仕上がっています。
「撥水ストレッチ マウンテンパーカー」の素材はナイロンがベース。ポリウレタンを6%ブレンドすることで優れたストレッチ性をプラスしているので、大胆な動きも邪魔しません。また、アイテム名の通り撥水加工を施しているので、ちょっとした雨を弾き、汚れも付着しにくくなっているのもアクティブ派にうれしいポイント。フード口の開き具合をドローコードで調整できたり袖口をベルクロで絞れたりと、細かい機能性も充実しています 。
着用アイテム
ジップからライニングまでこだわり抜いた、リュクスなムード漂う1着
羽織った際のシルエットの美しさは上記の通りですが、モノとしての完成度も上々です。例えば、デザイン上のアクセントになっているジップは日本の老舗、YKKへの特注品。丁寧に磨き上げられたむし(ジップの歯)の光沢がラグジュアリーなだけでなく、スライドもいたって滑らか。ジップポケット自体もアウトドアウェアらしく深く広く取られており、収納力も抜群です。加えて裏地も凝っていて、シャドーのロゴがふとしたタイミングでリュクスなムードを醸成。しかも、日本国内で回収したペットボトルによる再生糸を使用しており、エコの観点からも現代的といえるでしょう。なお、背面部分の内側にメッシュを採用して蒸れを防止してくれている点からも、晩夏~秋の羽織りとして“わかっている”1着に仕上がっています。
▼旬のカジュアルセットアップを、あくまでクリーンに仕上げた『レノマオム』の手腕
秋に活躍するライトなアウターとして、「ストレッチ セットアップ CPOアウター」にも注目していきましょう。実はCPOシャツ、CPOジャケットとも呼ばれるアイテムは肉厚なウール地を用いたミリタリーアイテムを出自としているもの。しかし『レノマオム』のCPOアウターは、スタイリッシュなルックスと品のある生地感を備えた現代的な1着となっています。
素材はナイロン、ポリウレタン混のストレッチ素材。表面には微光沢を湛えており、光を受けることでリュクスな表情を見せてくれます。象徴的な両胸のフラップポケットもデザイン上のポイントとして主張しており、シンプルに着こなすだけでサマになるのも魅力です。
なお、同じ生地を使った「ストレッチ セットアップ ワンタックパンツ」も別売りで展開。上下セットで着用することも可能です。カジュアルなセットアップは最近のトレンドですが、ここまでクールなタイプは実に新鮮。
「ストレッチ セットアップ CPOアウター」はその名前通り、シャツジャケット型のアウターとして着回せるアイテムです。モードなルックスながら適度なゆとりがあるボックスシルエットを採用しているので、コーデにおける汎用性は抜群なんです。高いストレッチ性から中に仕込むインナーも選びません。
加えてシンプルなデザインなので合わせられるパンツも幅広く、スポーティなスウェットパンツなどとも好相性! ミリタリー系アウターらしからぬリュクスな生地が、コーディネート全体をクラスアップしてくれます。
着用アイテム
微光沢素材が高級感も担保するCPOアウターと、共地のイージーパンツ
「ストレッチ セットアップ CPOアウター」も「ストレッチ セットアップ ワンタックパンツ」も上下ともにシルエットに適度な余裕があり、着回しやすいサイズ感が魅力。CPOアウターはスナップボタンで着脱が容易であり、ボタンの質感もマットでチープな印象はありません。袖口がボタンレスゆえ、袖まくりなどのアレンジがしやすいのも着回し力を上げるポイントです。一方のパンツは、ワンタック入りのイージー仕様。ウエストのドローコードでフィット感が調整可能となっています。背面側にシャーリングが入っているので、はき心地はこちらもノンストレス! 今っぽいナチュラルなテーパードシルエットで大人な体型もすっきり見せてくれます。なおこちらはネイビーカラーですが、バリエーションとしてブラックも用意。
▼冬には冬の『レノマオム』。フロントを閉じても開いても色香が漂う、抜け目ないダウン
冬のアウターに目を向けると、ダウンジャケットにも秀作が揃っている『レノマオム』。特に「ストレッチダウンパーカー」は、「アクティブモード」の色を強く感じさせる出来栄えです。前出のマウンテンパーカーと共通し、ジップポケットをはじめとしたアクティブなデザインを取り入れることでスポーティな空気を強めています。なお、見た目だけでなく機能もアウトドア仕様に近いスペック。撥水性があって水に強く、素材の伸縮性により動きやすく軽快な着心地を叶えています。
また、上記のアイテム同様に、微光沢を発する生地感やいたずらにワイド過ぎないシルエットがモードな雰囲気もしっかりカバー。カジュアルテイストが強いパンツを合わせても、大人っぽくて都会的なコーディネートをキープしてくれます。
なお、ふとした際に粋なアクセントが覗くのも『レノマオム』らしい心遣いの表れです。フロントの止水ジップを開くと、見返し部分にロゴプリントが現れます。生地と同色のブラックで統一しているため、主張し過ぎずエレガントな印象とツヤを演出。さり気ない個性が、絶妙なバランスで配置されています。
フロントジップを開けた際にスタンドカラーが美しく立つのも、良いアウターのポイントです。上質感が漂うだけでなく、洗練されたイメージも醸出してくれます。もちろん防風性も抜群にもばっちり寄与。
着用アイテム
ディテールにモード感漂うダウンアウターも、冬に向けてキャッチアップ
「ストレッチダウンパーカー」で使用している生地はポリエステル100%。適度なストレッチ性で、アクティブに行動しやすい軽い着心地が売りです。また、撥水加工も施しているのに加え、前立て、両脇の大きなポケット、左袖のポケットに使っているジップはすべて止水仕様。多少の雨や雪は気にせず着用できるため、冬の屋外での安心感もひとしおです。
中綿はダウン80%×フェザー20%で見た目以上の温かさ。今作では上質なダウンをやや薄めに封入し、着膨れを防いでスタイリッシュなシルエットを実現しています。ハードなアウトドアの現場を意識したダウンウェアでは、都会では少々オーバースペック過ぎる……、と感じている方にもおすすめです。最初に紹介したマウンテンパーカー同様、リュクスなジップや左袖のロゴプレートの存在も白眉。「アクティブモード」なディテールが、シックでアーバンなムードを醸しています。
この秋冬、自信につながるアウターを『レノマオム』で手に入れる
『レノマオム』が掲げる「アクティブモードスタイル」。今回紹介したマウンテンパーカー、CPOアウター、ダウンジャケットといったアウター群に、それがしっかり具現化されていることがおわかりいただけたことでしょう。大人にうれしい機能性とデザインの共存はその完成度を高めており、きっと1着袖を通すと他のアイテムも増やしたくなってしまうはず。羽織るだけで都会的なスポーツMIXコーデが構築できる『レノマオム』の傑作アウターを、ぜひ体感してみてください!
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※掲載の金額はすべて税込価格です
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Photo_Yuichi Sugita
Styling_Yu Sugiura
Hair&Make_Takae Kamikawa
Model_Shogo
Text_Masahiko Taira
撮影協力 群馬県立館林美術館