重要ポイントは3つ。タトラスと探る、今季的なダウン選びの「傾向と対策」
人気の高まりによって選択肢が豊富になったダウンジャケット。その一方、何をどう選べば良いのかわかりにくいのも事実です。今季“買い”の基準を『タトラス』と探ります!
ダウン選びを成功に導くには、現在のシーンの流れを知ることが第一歩
近年、冬のファッションシーンで不動の人気を誇っているダウンジャケット。各ブランドのラインアップが充実し、選択肢が増えるのは歓迎すべきことですが、その半面、いったいどれを選べば良いかわからない……といった事態に陥っている人も少なくないでしょう。プライス的に考えてもかなり“大物”の部類に入るアイテムなので、悩んでしまうのも仕方のない話です。そんな中、自分に合った間違いのないダウンと出会いたいのなら、まずは現在のトレンド事情をしっかりと把握することが肝要! そのうえで何を選ぶかを吟味するのが、もっとも合理的なやり方といえます。
大人ダウンの代名詞。『タトラス』とともに、“今”にふさわしい1着を読み解こう
各所からリリースが相次ぎ、玉石混交のダウンジャケット戦線において、真っ先にフォーカスしておきたい存在といえるのが、イタリア発のダウンブランド『タトラス』です。ミラノに拠点を置く精鋭デザインチームが手掛ける同ブランドは、まさに都会派ダウンジャケットの急先鋒。“今”の空気感を色濃く纏った、大人好みの逸品がずらりと顔を並べます。しかも、最高級のポーランド産グースダウンを贅沢に充填するなど、防寒性は極めて高水準。洒落感も暖かさも欲張れる極上ダウンは、我々の盟友としておあつらえ向きといえるでしょう。そんな『タトラス』のコレクションから、この冬に最適な1着をリサーチしていきます。
最重要トピックは3つ。ダウンジャケットに関する、この冬の「傾向と対策」
ここからは、今シーズン注視すべき3つのトレンドキーワードを見ていきましょう。合わせて、それらの傾向に対する最適解となる『タトラス』の新作ダウンをレコメンド。異なる魅力を備える秀作群の中から、この冬のベストパートナーを見つけ出してください!
なお、今回取り上げるダウンケットは、YouTubeの「TASCLAP CHANNEL」でも詳細に解説しています。モデルとスタイリストによる息の合った掛け合いも楽しめるので、本記事とともにそちらもぜひチェックを!
▼傾向1:引き続きリラックスフィットが人気。ダウンも“ゆったり化”が加速
コーディネートに程良い抜け感を生み出せるリラックスフィットのアイテムは、この秋冬も継続して多くの支持を集めています。そして、そのトレンドは主力アウターであるダウンジャケットにも確実に波及! 従来よりもゆったりと設計された、オーバーサイズのモデルが数多く市場にお目見えしています。
【対策】 今どき仕様にアップデート。大きめサイズが選びやすくなった人気モデルを狙うべし
トレンドに沿って、『タトラス』ではいくつかの定番モデルのシルエットを今季的にアップデートしています。たとえば、日本国内において不動の最人気モデルとして君臨する「ドミツィアーノ」もその1つ。身幅を旧モデルからワンサイズ程度大きく設定することで、今どきなリラックスフィットを実現しています。着丈・袖丈はあえてサイズアップしないことで、すっきりとした印象を損なわないように配慮しているのもポイント。
適度に余裕のあるフォルムへとアップデートされた「ドミツィアーノ」は、『タトラス』らしい上品さがありながらも、気負いのないこなれた雰囲気。それゆえに、ニットやコーデュロイパンツといったウォーム感のあるワードローブとも抜群の親和性を発揮してくれます。リラックス感と同時に洗練された印象もアピールしたいのであれば、全体をモノトーンカラーでシックにまとめるのがおすすめです。
程良いリラックスフィットへと昇華された同モデルですが、なかには従来の細身シルエットをそのまま楽しみたい、という方もいるでしょう。そんな場合には1~2サイズ下をチョイスすればOKです。参考までに、上の写真1枚目ではサイズ4を、2枚目ではサイズ2を着用。ご覧のように選ぶサイズ次第で今っぽくゆったり着ることも、これまでのようにキリッとシャープに着ることも可能です。なお素材は以前と変わらず、微光沢感が美しいロロ・ピアーナ社製のウールシルクを使用。同社独自のレインシステムと呼ばれる特殊加工によって、高次な撥水性も確保しています。
ちなみに
リラックス視点ならこちらもおすすめ!
同じくブランドの定番モデルとして高い人気を誇る「ボルボレ」も、身幅をゆったりとブラッシュアップ。本作は表地にナイロンが採用されているため、よりカジュアルに着こなしを楽しめます。表面にサイレントコーティング加工を施し、ナイロン特有の“シャカシャカ音”が抑えられているのもこだわりの要素として見逃せません。さらに、平面的なボックスシルエットになってしまわないよう、脇パーツを設けて立体的に仕上げられています。
▼傾向2:今やダウンを買うにも“サステナブル”は無視できないキーワード
昨今のファッション業界において重要ワードとなっている“サステナブル”。これは、自然や社会に配慮した環境に優しい取り組みのことです。無農薬のオーガニックコットンを使ったり、あるいは廃棄物を原料とするリサイクル素材を活用したり……。そのアプローチ方法は実にさまざまですが、アースフレンドリーなモノ作りはシーンに浸透しつつあります。
【対策】 高級メゾンも使用するリサイクルナイロン製。シャリ感が独特な表情の1着に注目
『タトラス』からも、時流に沿ったサステナブルなダウンがお目見え。しかも、ただ環境にやさしいというだけでなく“街映え”する上質なルックスも兼ね備えています。その1つがこちらの「ディクル」。マテリアルには名門生地メーカー・リモンタ社のナイロンが使われているのですが、実はこの生地は廃棄された漁網を原料としたもの。リサイクル素材とは思えないほど品行方正な風合いを備え、着こなしのクラスアップにも一役買ってくれます。なんと某ラグジュアリーブランドでもこの生地が取り入れられているそう。
N-3Bジャケットのデザインを取り入れたこちらの「ディクル」は、腰まですっぽりと覆うダウンコートタイプ。格段に暖かいのはもちろん、いわゆるジャケット型と比べて丈長な分、大人っぽさが増しています。ウォッシュドジーンズを合わせたラフなスタイルも、これ1着でグッとあか抜けた印象に! ラクーンファーや大ぶりのメタルジップといった高級感あるディテールも、モダンなイメージを増幅してくれます。
もともと漁網に使われていた高強度ナイロンを活用した生地だけあって、耐久性は折り紙付き! フードもファーも、それぞれ別々に取り外しできる利便性の高い仕立てもメリットで、コーデや気分に合わせて自分好みのアレンジを楽しめます。さらに、裾とウエストにドローストリングスが付属し、フィット感やシルエットを微調整できるのも◎。使い勝手に長けた1着はヘビーローテーションにうってつけといえるでしょう。
ちなみに
サステナブル視点ならこちらもおすすめ!
リモンタ社のリサイクルナイロン生地を使ったサステナブルなダウンとして、「グラミ」もご紹介。余計なディテールを削ぎ落としたミニマルなデザインが同モデルの持ち味で、あらゆる着こなしと調和してくれます。身幅&肩幅広め、かつ着丈もやや長めというワイドシルエットの作りにつき、インナーとのレイヤードを楽しみたい人にもぴったり! ダブルジップフスタイルですから、いろいろとニュアンスを付けて着るのも楽しそうですね。
▼傾向3:都市生活で“もこもこダウン”はもういらない!? 薄手ダウンのニーズが急増!
ダウンアウターといえばボリューミーなシルエットが最大の特徴。しかし、ここ最近は量感を抑えた薄手のダウンジャケットが注目株として急上昇しています。いわゆる王道の“もこもこダウン”と比較して、スマートに着こなせるのが最大の持ち味。本格ダウンより保温力はやや控えめですが、都市生活で着用することを考えると防寒性はそれで十分、と考える人も多いようです。
【対策】 厚すぎないから暑すぎない。まさに“ちょうどいい”すっきり顔のダウンをチェック
すらっと着られる薄手のダウンを求める都会派の大人に最適なのが、M-65をモチーフとしたミリタリーテイストの「モルゴ」。このモデルは羽毛の量を必要最小限に抑えることで、無駄な膨らみを抑えたすっきりフォルムを形成しています。加えて、ダウンステッチが表面に露出しないフラットなルックスもアーバンな雰囲気を後押し。フロントに4つポケットを設けた収納性の高い作りなので、手ぶらでサクッと出かけたいときにも重宝しそうです。
オーバースペック過ぎない“ちょうどいい”ダウンは、街なかで快適に過ごすうえで大きな味方となってくれること請け合い。それほど冷え込みの厳しくない初冬であればパーカーの上にさらっと「モルゴ」を羽織るだけで難なく対応できますし、真冬であってもインナーを調整すれば問題なくコンフォートに装えます。ミリタリージャケット風の大人好みなデザインなので、手持ちのジーンズとの相性も良好!
セミダルナイロンと高収縮ナイロンを混紡した撥水タフタ生地は、合計3段階にも及ぶこだわりのシワ加工が施されたもの。細やかなワッシャー感があり、最初から着慣れたようなコクのある風合いを堪能できます。そして、ポケットのディテールにも『タトラス』らしいこだわりが。ジップの務歯(むし)が露出しないコンシールファスナーを用いることで、ミリタリー系アウターにありがちな武骨さを払拭。アーバンな表情をさらに後押ししています。
ちなみに
薄さ視点ならこちらもおすすめ!
薄型を好む大人におすすめしたいダウンとして「サンジオン」もピックアップ。身頃部分にシワ加工ナイロン、袖部分にジャージー素材を使ったハイブリッドモデルで、羽毛は身頃にのみ封入されています。そのため、アウターとしてはもちろん、インナーとしても大活躍! 袖がジャージー素材に切り替えられているおかげで運動性に長けており、アクティブシーンにおいても強さを発揮してくれます。
時流に合った“理想のダウン”は、今季も『タトラス』にある!
間違いなく今季の本命アウターであるダウンですが、ラインアップが多彩だからこそ、どれを選べば良いのか迷ってしまうかもしれません。ならば、“鉄板”の1着としてぜひ手に取りたいのが『タトラス』。ダウンとしての品質は言わずもがな、時流も隙なくキャッチアップした逸品は、まさに高感度な大人にとって理想的な存在です。冬のコーディネートを暖かに、そして洒脱に彩ってくれることでしょう。
※ダウンジャケット以外の着用アイテムはすべてスタイリスト私物
Photo_Katsunori Suzuki
Movie_Motoyuki Sasaki
Styling_Yonosuke Kikuchi
Hair&Make_Raishiro Yokoyama[Yolken]
Model_Patricio
Text_Satoshi Yamasaki