
細部に宿るリュクス感。存在感満点のスケルトン時計を、人気スタイリストはどう見たか
着実に需要が高まっているスケルトン時計。選択肢は数あれど、どうせ手に取るなら確かな背景を持つブランドの1本を狙いましょう。今冬の注目作、その細部を掘り下げます。
ニーズ高まる“スケルトン”。確かな1本を探すなら、信頼の置ける老舗から
これまでビジネスウォッチの大定番として君臨してきたジャンルといえば、シンプルな3針ウォッチ。ただ、近年は働き方の変化とともにビジネススタイルのカジュアル化が進んだことで、腕時計の世界にも変化が訪れつつあります。シンプルウォッチに代わって台頭してきたのは、クロノグラフやダイバーズといった、これまでカジュアル枠に位置していたカテゴリたち。それらが現在、ビジネスもカバーできる腕時計として着実に市民権を得ています。
そんな中、需要が急上昇しているのが“スケルトンウォッチ”です。スケルトンウォッチとは、文字盤の一部、もしくは全体がくり抜かれている腕時計のこと。その歴史は意外にも古く、18世紀のフランスで製作された文字盤のない時計がルーツといわれています。ルイ16世の王妃マリー・アントワネットが天才時計師・ブレゲ氏に作らせた逸品をきっかけに、広く世に知られるようになりました。その醍醐味は、通常の腕時計では見ることが叶わない時計の心臓部・ムーブメントを眺めることができる点。時計ブランドの技巧が凝縮された精緻なムーブメントの姿は、オーナーに所有する喜びを感じさせてくれます。また、着こなし面でも、クラス感を高めつつ上質なウィットを漂わせるアクセサリーとしての効果も期待できるんです。
なお、人気の高まりに合わせて、スケルトンウォッチの選択肢は年々多岐にわたっています。しかし、大人の男性がビジネスシーンでも使う1本とくれば、何でも良いというわけにはいきません。時計メーカーとしての由緒正しき歴史を有し、かつ数々のスケルトンウォッチを手がけてきた実績を持つブランドのものであること。そしてビギナーでも手に取りやすい価格帯であること。それらを満たすブランドは……、と考えたとき、アメリカ生まれの『ブローバ』が有力な選択肢として浮上してきます。
例えば、2021年10月に発売されたばかりの新作スケルトンは特におすすめ。今企画では、その実力をブランド・デザイン・スタイリング、3つの視点で解説していきます。なお、スタイリングは、数々のメンズファッション誌や広告で活躍中の人気スタイリスト・荒木義樹さんに依頼。果たして、『ブローバ』らしい“遊び”も潜むスケルトンモデルは大人の男性にどのような恩恵をもたらすのでしょうか?
宿すのはプライス以上のクラス感。『ブローバ』の要注目モデル、その細部を読み解く
まずは『ブローバ』についておさらいしておきましょう。同ブランドの歴史は、数々の“世界初”を生み出した革新の歴史。そのルーツは1875年にジョゼフ・ブローバ氏がニューヨークに開いた小さな宝飾店にあります。1911年から腕時計の生産を本格的に始めますが、翌年にはスイスに工場を開設して航空計器の開発に着手。これを機に『ブローバ』は飛躍的な技術革新を遂げていきます。1960年には世界で初めてとなる“音叉”を使用した高精度ムーブメントを開発。このムーブメントが搭載された「アキュトロン」は、今も時計史に残る名作として話題に挙がります。さらに2000年には機械式のようにスムーズに針が動く“スイープ運針”をクォーツ式時計に搭載したり、2016年には「カーブ」と呼ばれる屈曲したクロノグラフムーブメントを搭載したモデルを開発したり……、革新的な技術の進歩は止まるところを知りません。
▼ベースとなるのは、人気のスケルトンモデル。トレンドカラーを落とし込んだ意欲作にフォーカス
個性派揃いの『ブローバ』。そのラインアップにおいて、人気カテゴリの1つとして君臨しているのが機械式スケルトンウォッチです。同ブランドでは定期的にスケルトンウォッチを世に送り出しており、最近ではクラシックを基調に洗練されたデザインを志向する「クラシックコレクション」のモデルが特筆すべき人気を博しています。実は今回ご紹介するのは、そんなスケルトンウォッチの新色。写真を見てもわかるように、文字盤の中央部が大胆にくり抜かれたダイヤル、軽やかなアクセントを効かせるオープンワークが唯一無二の存在感を放っています。
また、文字盤の外周部に施されたペルラージュ仕上げもエレガントなムードを演出します。スケルトンウォッチは、デザイン性と視認性がトレードオフになりがち。ですが、このモデルは山型に成形されたインデックスと立体的な時分針を採用により、その問題をクリアしているのです。
実は、スケルトンデザインのルーツとなっているのは“時計の歴史を変えた”と評される前述の音叉時計「アキュトロン」。1960年に発売されたそのオリジナルモデルは、革新的な機構が実現した精度への自信の表れか、大胆にも内部の機械が鑑賞できるオープンワーク仕様となっていました。このたびの「クラシックコレクション」の新作も当時の興奮を呼び覚ますような、ムーブメントを堪能できるスケルトン文字盤を採用しているというわけです。その12時位置に配されたブランドアイコンの音叉マークからも「アキュトロン」のDNAを受け継ぐ1本であることが実感できることでしょう。
ムーブメントを存分に眺められるシースルーケースバックや、ストラップに負担をかけず着脱もスマートなディプロイメントバックルなど、本格機械式時計のディテールを備えているのもうれしいポイントです。細部まで心が尽くされた、機械式時計。しかも製作に手間のかかるスケルトン仕様であるにもかかわらず、価格は税込5万円台。プライスレンジを大きく上回るクラス感を放つ『ブローバ』のニューモデルは、スケルトンウォッチのファーストチョイスとしてもこれ以上ない1本です。
顔立ちの異なる3色。それぞれどう着けこなすべきか、スタイリストに聞いてみた
「クラシックコレクション」のスケルトンモデル、その新色にあたるバリエーションは全3色です。トレンド感漂うローズゴールドケースのモデルから、シルバートーンで統一された普遍的な顔立ちのモデル、ブラックを基調としたソリッドなものまで顔立ちも実に豊か。印象もガラッと変わるので、選ぶにあたってはどのように着けこなすべきかが気になるところでしょう。スタイリストの荒木さんは、それぞれのカラーの魅力を引き出すコツを教えてくれました。
▼1本目:色気漂うローズゴールドモデルは、トラッド感薫るツイード素材と好マッチ
まずはローズゴールドモデルから。昨今ジワジワ人気が高まっているゴールドウォッチ、その中でも日本人の腕に馴染むと注目を浴びているのがローズゴールドなんです。ややピンクがかったゴールドは、腕元で華やかさを嫌味なく醸成。さらにこのモデルは文字盤にブラックを取り入れることで、メリハリの利いた精悍なイメージを強めています。しかしあくまで、アプローチは大人っぽく。カーフのストラップにはブラウンをセレクトすることで、クラシックな空気も獲得している点にも注目です。
荒木さんが同モデルに合わせたのは、ネイビーをベースにしたツイードのブルゾンとワイドなブラウンのコーデュロイパンツ。色と素材で季節感と大人っぽさを演出しつつも、重い雰囲気にならないようインナーにはサックスブルーのスウェットパーカーを選びました。「こうしたトラッドなスタイリングには、ローズゴールドモデルが適役! 素材感から導き出したシックな空気の中に、ローズゴールドがラグジュアリー感とさりげないツヤ感をプラスしてくれます。ここで文字盤もゴールドやシルバーを選ぶと華美な印象が強くなりますが、ブラックでグッと引き締めているので今っぽいスポーティさも期待できますね」。
▼2本目:洗練されたシルバーフェイスのスケルトンウォッチを、シックなコートスタイルの個性出しに
ダイヤルからケース、針までシルバーカラーで統一された1本も秀逸。主張し過ぎないシンプル&クリーンなイメージもさることながら、くり抜かれた窓から覗くムーブメントの表情や奥行き、そしてエレガントなペルラージュが一層際立つというメリットも期待できます。加えてワントーンのカラーの恩恵としてスタイリングへの汎用性も高く、かっちりとしたビジネススーツにも違和感なくマッチしてくれます。
スタイリングにおいては、この冬も感度の高い人々を中心に注目を浴びているビッグシルエットのコートが主役です。それに合わせるように、ざっくりとした質感とサイズのニットとチノパンをコーディネート。この手の着こなしはウェアの存在感が強い分、腕時計のスタイリングにはひと工夫が必要です。そこで効いてくるのが、シルバーカラーのワントーンモデル。「シルバーのワントーンカラーがグレーのコートにすっきり馴染むのは大前提。しかし大胆なカッティングの窓から見えるムーブメントが、コートのボリュームに負けない存在感をアピールしてくれます。腕元を引き締める黒いカーフストラップも、時計本体とのコントラストを描く良いアクセントになりますね」。
▼3本目:ブラック基調の1本が、大人のアクティブコーデにラグジュアリー感をプラス
精悍なイメージが際立つオールブラックモデル。ケースやダイヤル、ストラップはブラックで揃えつつ、針やインデックス、インダイヤルにはローズゴールドカラーをポイント使いしています。この巧みな配色が迫力のあるスケルトンデザインと相まって、豪奢なイメージを演出。黒が占める割合が高くオールブラックの腕時計のように取り入れることができるため、幅広い着こなしにマッチするのも強みです。モノトーンコーデとの相性の良さはもちろん、淡いカラートーンを主役とした着こなしを引き締める効果も期待できます。
「ダウンをはじめ、ニットやパンツもオールブラックに揃えてみました。それぞれの素材感でメリハリをつけつつ、ブラックのワントーンにまとめることでこの腕時計が持つ色気と洗練を最大限に引き出しました」と荒木さん。「ポイント使いされたローズゴールドカラーがコーデ全体の中でアクセントとして機能することで、重い印象にならずラグジュアリーなスパイスも無理なく演出できます。また、ダウンなどボリュームのあるアウターとのマッチングにおいては、43mm径の主張のあるサイズがぴったりハマります」。
これで5万円台は、まさに買い。スタイルの即戦力となる腕時計を『ブローバ』で
由緒あるブランド力、トレンド感あるデザイン、スタイリングにおける汎用性を兼ね備えた『ブローバ』のスケルトンモデル。特にスタイリングにおいてもたらすメリットは絶大で、「着こなしの魅力を引き出し、かつクラス感を高めてくれるパワーアイテムです。どのカラーを選んでも、高いパフォーマンスを約束してくれるでしょう」と荒木さんも太鼓判! 名門ブランドの機械式時計を所有する喜び、ムーブメントを鑑賞する楽しみ、大人のおしゃれにおいてもたらされるメリット……。世にスケルトンウォッチは数あれど、価格以上の満足感を求めるなら『ブローバ』は間違いありません。
ちなみに『ブローバ』では、2022年1月10日(月・祝)まで、「ブローバ 2021機械式時計キャペーン」を開催中。対象店舗およびブランド公式オンラインショップにて機械式時計を購入すると、ロゴ入りのオリジナルタンブラーがプレゼントされます。購入に向けて最後の一押しがほしいなら、キャンペーン期間中に検討してみてはいかがでしょうか。
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※掲載の金額はすべて税込価格です
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Photo_Shoichi Muramoto
Styling_Yoshiki Araki
Hair&Make_Raishiro Yokoyama
Model_Shogo
Text_Ryota Osujo