目の肥えた時計好きはなぜロンジンを選ぶのか。“格”を示すフラッグシップに見る、その理由
約190年に及ぶ歴史を持つ『ロンジン』は、時計界において特別な存在。その旗艦モデルは一生モノの枠を超え、後世に受け継ぐ価値を備えたタイムピースだ。
時計を知る人ほど好きになる。確かな価値を守り続ける“恒久”時計『ロンジン』
腕時計の世界には、価格では測れない“格”というものが存在する。歴史やモノ作りへの姿勢、蓄積された技術力などによって裏打ちされたこの価値は、悠久の時をかけて醸成される各ブランドの宝というべきもの。世界に冠たるスイス時計ブランド、その中でも『ロンジン』は随一の格を持つ名門だ。
その歴史は重厚そのもの。創業は1832年、スイスのサンティミエにて。1867年に自社工場を開設すると、初の自社製ムーブメント「キャリバー20A」の開発に成功し、パリ万国博覧会で受賞する。当時はムーブメントなどのパーツを外注するエタブリスールが当然だったことを考えると、いかにその技術力が時代の先を行っていたかがわかる。
後にクロノグラフムーブメントの開発に成功すると、馬術競技などのスポーツの分野に広く採用されるように。さらに1919年には国際航空連盟の公式時計として認定され、空のタイムキーパーとして名を馳せる。とりわけ有名なのが、初の単独大西洋無着陸横断飛行を成功させた冒険家、チャールズ・A・リンドバーグ氏のアイデアによって生まれた「アワーアングルウォッチ」。経緯度計算を容易にし、位置を正確に測定できるこのモデルは時計史に燦然と輝くタイムピースだ。
他にも、1938年に当時世界最速の世界一周飛行を成し遂げたハワード・ヒューズ氏や1932年に女性で初めて太平洋単独横断飛行を達成したアメリア・イアハート氏。彼らの偉業を支えたのもまた『ロンジン』だった。1896年の近代五輪アテネ大会では計時用ポケットウォッチを提供。2006年からは国際スキー連盟の公式パートナーを務めるなど、幅広い分野で実績を築いてきた。
そんなスイス時計きっての名門にもかかわらず、『ロンジン』はバリューの高さも魅力だ。例えば、旗艦モデルの「ロンジン マスターコレクション」には、ムーンフェイズ搭載モデルがラインアップされているが、3針タイプの価格は税込30万円弱。これは他の高級時計ブランドが展開するムーンフェイズ搭載モデルの相場を圧倒する設定だ。近年、機械式時計の世界は高価格化が顕著だが、『ロンジン』はそうした時流に流されることがない。同ブランドは、高級腕時計の格を保ちながら挑戦的な価格設定が可能なことを証明しているのだ。
スイス時計の中でも、由緒正しき歴史と優れた技術力を持つ『ロンジン』。一本筋の通った職人気質なイメージは時計玄人からの評価も高く、機械式時計に一家言ある上司や取引先の方にも一目置かれること請け合い。『ロンジン』は、過去から現在、未来へと不変の価値を保ち続ける“恒久”時計なのだ。
ブランドの理念を色濃く宿す「ロンジン マスターコレクション」は“現実的”な名品だ
190年近い歴史を持つブランドだけに、「ヘリテージ」や「アビエーション」など、そのバリエーションは実に多彩。「ロンジンが欲しいが、どのモデルを選べばいいかわからない」という人は少なくないだろう。ただ、このブランドの神髄を味わいたいなら、答えは1つに絞られる。「ロンジン マスターコレクション」だ。
出典:ロンジン
2005年に誕生した「ロンジン マスターコレクション」は、ブランドのフラッグシップに位置づけられるコレクション。そのデザインは、腕時計の本分である高い視認性を第一義に、「クラシック」、「エレガンス」、「タイムレス」のエッセンスが息づく『ロンジン』の美学を体現したデザインに仕上げられている。格調高いその姿は、上品なカジュアルから、かっちりとしたスーツスタイルまで幅広いスタイリングに違和感なく調和し、装いの品格を高めてくれる。
また、2005年の登場時『ロンジン』の機械式時計への回帰を印象づけたコレクションだけあって、全モデルに高精度な機械式ムーブメントが搭載されている点も特徴。同じスウォッチグループに属するムーブメントの世界的メーカー、ETA社が『ロンジン』のために製作したエクスクルーシブムーブメントを中心に、ムーンフェイズからクロノグラフ、トリプルカレンダー、レトログラードといった複雑機構のムーブメントが一堂に会する。
ただ、フラッグシップモデルにこだわりのムーブメントとくれば、気になるのは価格。だが、そこは『ロンジン』。適正価格にこだわる姿勢は変わらない。「ロンジン マスターコレクション」は冒頭でも触れた通り30万~40万円前後が中心で、トリプルカレンダーやレトログラードといった複雑機構のモデルでも40万円台に収まる。他の高級時計ブランドと比べても断然手が届きやすい。
クラシックなデザインと高精度なムーブメント、そして今や希少な存在となった現実的な価格設定。名門の魅力が凝縮された「ロンジン マスターコレクション」は、『ロンジン』をすでに意中としている人はもちろん、本格機械式時計の購入を検討するすべての人におすすめしたい逸品だ。
精緻な複雑機構の結晶。「ロンジン マスターコレクション」の今を示すクロノグラフ
「ロンジン マスターコレクション」の中でも、今が買い時な最旬モデルを挙げるならクロノグラフモデルの「L2.673.4.92.0」が筆頭候補。折しも装飾性がそぎ落されたミニマルウォッチブームがひと段落着き、近年はクロノグラフやダイバーズウォッチといった趣味性の強い時計が新たな潮流になりつつあるところ。「L2.673.4.92.0」はクロノグラフに加え、月の満ち欠けを示すムーンフェイズ機構、月・日付・曜日を表示するトリプルカレンダー搭載という、本格機械式時計ファンのハートも鷲掴む旬な1本に仕上がっているのだ。これらの複雑機構が当然の顔をして、取り回しも良い40mm径の腕時計に収まっている。腕時計が好きな人なら、いかにこれが高い技術力のうえに成り立っているかがわかるはずだ。
ただ、こうしたコンプリケーションウォッチは故障の心配がつきもの……。その点、『ロンジン』なら、確かな技術力と確立されたケア体制のおかげで、複雑機構のモデルでも安心して使い続けることができる。なお、2021年以降は自動巻き時計の保証期間を購入より5年に設定。これは一般的に高級からオーバーホールまでに必要とされる期間をカバーするものであり、『ロンジン』のユーザー本位の姿勢には頭が下がる思いがする。
加えて、ムーブメントはETA社製をベースに改良が加えられた、最大54時間のパワーリザーブを誇る「L687」を搭載。デザインの完成度も高く、文字盤のカラーは知性を感じさせる深いブルーを採用した。さらに見る角度によって光の反射が変化するサンレイ加工や立体的なアプライドインデックスも、エレガントな印象を強めている。要素は多いのに印象はあくまで端正。この辺りにも『ロンジン』の卓越した美意識がうかがえるだろう。
なお、元来スポーティな意匠であるクロノグラフを搭載したモデルの中には、スーツスタイルとの相性が今ひとつというものも少なくない。しかし、「L2.673.4.92.0」は例外だ。サンレイ加工により光を受けて輝くブルーダイヤルと、優美な曲線を帯びたリーフ針、同色アリゲーターストラップが織りなすエレガントなイメージのおかげで、きれいめカジュアルからジャケパンスタイル、ドレッシーなスーツスタイルにも見事に調和する。その腕時計としての実力も後押しし、1本あればオン・オフ兼用ウォッチとして幅広い活躍を約束してくれるだろう。
飾らないゆえに気付く美しさ。この先も変わらぬ価値を宿す、ムーンフェイズ3針モデル
より幅広いスタイリングにマッチする汎用性を備えた、飽きの来ないベーシックな腕時計が欲しいなら3針仕様の「L2.909.4.92.6」をおすすめしたい。サンレイ加工が施されたブルーの文字盤をはじめ、リーフ針、アプライドインデックス、6時位置のムーンフェイズといった「L2.673.4.92.0」の基本スペックを受け継ぐモデルは、若い年代の時計好きや機械式時計のビギナーにもぴったりな1本。顔立ちが40mm径と比較的小ぶりでオーセンティックな分、ムーンフェイズをはじめとした各要素がピリッと際立っている。もちろん着回し力はクロノグラフをしのぎ、重要なビジネスシーンからウィークエンドまで、シーンを問わずカバーしてくれることだろう。
また、「L2.673.4.92.6」は実用性もハイレベル。ムーブメントには金曜日の夜、外す前にリューズを巻いておけば、月曜日の朝も駆動し続けているという72時間のロングパワーリザーブを誇る「L899」を搭載。また、ケースバックは機械式時計ならではの精緻な動きを楽しめるシースルー仕様に。前述のムーンフェイズと合わせて、本格機械式時計の醍醐味を味わえる1本となっている。
一生モノの枠を超え、後世に受け継ぐ価値がある時計。この冬、『ロンジン』を手にする
本物の機械式時計に求められる要素とは? 腕時計としての格、流行に流されない普遍的な価値、末長く愛用できる信頼感、後世に受け継がれる資産価値……。『ロンジン』の粋を結集した「ロンジン マスターコレクション」は、機械式時計を愛する人々が抱くあらゆる望みに応えてくれる。数十年の時が経ち、やがて次の世代の手にわたってもなお、「ロンジン マスターコレクション」はオーナーの目に品格に満ちたその姿を映していることだろう。
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Text_Ryota Osujo