
旬ど真ん中のラグスポか、ロマン息づく復刻か? ブローバの新作が僕らに迫る究極の選択
アメリカ時計の名門『ブローバ』がニューモデルをリリース。トレンドのラグスポとレトロな復刻モデル、魅力溢れる2つの選択肢がこの夏、私たちの心を大いに迷わせます。
今夏の時計選びに2つの有力選択肢。示したのは、米国きっての名門『ブローバ』
薄着になる夏は、スタイリングのアクセントとなる腕時計がいつにも増して欲しくなる季節。そんな折、アメリカを代表する時計ブランド『ブローバ』が、所有欲を刺激するニューモデルをリリースしました。かたや「マリンスター」から誕生した最旬ラグスポウォッチ、かたや「アーカイブス シリーズ」からリリースされたレトロ顔クロノグラフ。いずれも夏のスタイリングに映え、かつ幅広いシーンでの活躍を期待できるオン・オフ兼用ウォッチです。
今夏、腕時計を狙う大人にとって、“究極の選択”となりそうな『ブローバ』のニューモデル。迷えるアナタのために、それぞれのモデルの魅力を深掘りしていきましょう!
その歩みはアメリカとともに。『ブローバ』の栄光の歴史を読み解く3つのエピソード
新作を詳しくご紹介する前に、ブランドの根幹を形作るヒストリーについておさらいしておきましょう。『ブローバ』の強みはなんといっても、時計ラジオの開発をはじめ、テレビコマーシャルの放送、音叉式電子時計のリリースなど、数々の”世界初“を実現してきた高い技術力。アメリカ合衆国の発展を支えてきたともいえる名門ブランドです。
エピソード1
合衆国が信頼を寄せる品質。“空飛ぶホワイトハウス”のオフィシャル時計に
第二次世界大戦中の1940年代、『ブローバ』はアメリカ軍に正式採用され、時計を納入した実績を持ちます。さらに1958年には海軍の宇宙計画であるヴァンガード衛星計画をサポート。一方で技術開発にも力を注ぎ、1960年には世界初の音叉式電子時計「アキュトロン」を発表。月差1分以内の高精度を誇る画期的な時計は、世界から称賛を浴びました。
こうした功績が認められ、1967年には大統領専用機に採用されます。アメリカの威信を世界に示し、上空から国家を動かす“空飛ぶホワイトハウス”の公式時計に選ばれることは、アメリカの時計ブランドにとって最大の栄誉のひとつ。こうして『ブローバ』はアメリカの国民的ブランドとなったのです。
エピソード2
宇宙へ旅立つこと46回。アポロ11号による人類初の月面着陸にも貢献
1960年代、宇宙計画を進めていたNASA(アメリカ航空宇宙局)もまた『ブローバ』の技術力に注目しました。1969年、音叉式電気時計・アキュトロンの計時装置は、人類初の月面着陸を果たした有人宇宙船アポロ11号に搭載され、着陸地点である「Sea of Tranquility(静寂の海)」と呼ばれる場所に設置され、今なお存在しています。
1971年にはアポロ15号が宇宙へ旅立ち、人類4度目の月面着陸に成功。その船長の腕に巻かれていたのは『ブローバ』の「ルナ パイロット クロノグラフ」でした。通称“ムーンウォッチ”と呼ばれるこのクロノグラフは復刻され、今なお高い人気を博しています。宇宙へ旅立つこと46回。アメリカの宇宙計画への貢献度は、時計界でも『ブローバ』が随一といえるでしょう。
エピソード3
ニューヨーカー御用達の証し。ニューヨーク市長によって「ブローバの日」が制定された
『ブローバ』は長年にわたってニューヨーカーに愛されてきたブランドです。もともとのルーツは、1875年にジョセフ・ブローバがマンハッタン南端のメイデン・レーンに開業した宝飾店。1911年に高級時計メーカーへ転身すると、1920年には本社をマンハッタンの5番街に移設。本社のある高層ビルの最上階には天文台が設置され、観測記録は製品の時刻設定に役立てられました。
そしてブランド創立125周年を迎えた2000年、ニューヨーク市長によって、創業日の10月4日が「ブローバの日」と制定されたのです。『ブローバ』がいかにニューヨーカーに愛されて続けてきたかを物語るエピソードでしょう。
選択肢1:「マリンスター」から登場。ワンランク上の美しさを湛える、濃紺のラグスポ
時計シーンのビッグトレンドである“ラグスポ”。『ブローバ』の人気コレクション「マリンスター」から登場した新作2モデルもその系譜を継いでおり、ラグジュアリーとスポーティが見事に融合した旬のデザインが光ります。
マリンスター1
ローマンインデックスとオレンジの挿し色が上品な遊び心を演出する「98A303」
「マリンスター」は1970年代に誕生したブランドの基幹コレクションのひとつ。高級宝飾店としてのルーツを持つ同ブランドは、マリンウォッチにおいてもその美意識と技術力を発揮し、ワンランク上の美しさを志向します。そんなスタイルを体現するのが、今年5月26日に発売された「98A303」です。ベースは5時位置のスモールセコンドと7時位置のオープンハートが特徴的な「マリンスター」の代表モデル。海を連想させる深いブルーや6本のビスがスポーティなイメージを強めつつ、大ぶりなローマンインデックスや随所のオレンジが上品な遊び心を演出します。
それでいてポリッシュとサテンで仕上げられたベゼルなど、質感の高さを感じさせるのが『ブローバ』らしいところです。ケース径はラグスポの中でも大ぶりな45mm。存在感のあるラグスポウォッチは、薄味になりがちな夏カジュアルのアクセントとして真価を発揮することでしょう。
ケースバックはシースルーになっており、文字盤のオープンハートとともに、自動巻きムーブメントの動きを楽しむことが可能です。しなやかにフィットするシリコンラバーのストラップは表面がネイビー、裏面はグレーになったバイカラーが採用されています。
防水性はマリンウォッチとしての実用性が確保された20気圧防水で、ムーブメントにはパワーリザーブ42時間の自動巻きムーブメントを搭載。これほどの高級感とスペックをそなえたラグスポが6万円台で入手できる、という点にも名門の底力が感じられます。
マリンスター2
ムーブメントの動きが楽しめる、シンプルなデザインが魅力的な「96A303」
ビジネスシーンでも使えるようなシンプル顔のラグスポが欲しい、という人には「マリンスター」から登場したもうひとつのニューモデル「96A303」がおすすめです。同じく深いブルーを基調にしたモデルですが、スタイルはビジネスファッションにハマるシンプルな3針時計&バーインデックス。そんな端正な顔つきに、7時位置のオープンハートや半透明になったスケルトン仕上げの文字盤、スケルトンのケースバックなど凝ったディテールが上質なウィットを感じさせます。
上品さと遊び心を兼ねそなえたラグスポは、ビジネススタイルだけでなく、カジュアル時計としての活躍も期待できる万能ウォッチとなるでしょう。
ビジネス時計に欠かせない視認性もこのモデルのストロングポイント。インデックスは蛍光仕上げのバーインデックスで、さらにシルバーの枠に収めることで視認性が高められています。そして45mm径のケースや20気圧防水、パワーリザーブ42時間の自動巻きムーブメントと、基本スペックは先にご紹介した「98A303」と同じ。プライスも同じ6万円台で、どちらを選ぶか思わず迷ってしまう人は少なくないでしょう。
選択肢2:月に降り立った、伝説の「ルナ パイロット クロノグラフ」の復刻が今再び
トレンドのラグスポも魅力的だけど歴史のある正統ウォッチも気になる……そんな人におすすめしたいのが、アポロ15号の偉業を支えたクロノグラフの復刻モデルです。復刻ならではのレトロな風格が男心をくすぐります。
歴史を感じさせるレトロなテイストとスポーティなカラーリングが目を引く「98K112」
第二の選択肢となるのが6月16日に発売された「98K112」。復刻モデルをラインアップするコレクション「アーカイブス シリーズ」から登場した「ルナ パイロット クロノグラフ」の復刻モデルです。以前にも復刻されましたが、今回はデザインや機能面がアップデートされています。まずはこのモデルの歴史を振り返っておきましょう。
「ルナ パイロット クロノグラフ」はその名の通り、月にゆかりがあるモデルです。1971年、人類4度目の月面着陸に成功したアポロ15号に搭乗し、人類で7番目に月面を歩いたディビッド・スコット船長の腕に巻かれていたのが、この腕時計でした。『ブローバ』から贈呈されたというクロノグラフは、大気条件や温度の変化、重力シフトの圧力に耐えて正確な時を刻み続けたのです。月面での活動中も生命維持装置に不備をもたらすことなく作動し、地球大気圏への再突入時にはバックアップ時計としても活用されました。
こうして「ルナ パイロット クロノグラフ」はキズひとつ負うことなく、アポロ15号の帰還をサポートしたのです。2015年に開催された時計オークションでは、月へ降り立ったこのクロノグラフが2億円近い値段で取り引きされ、大きな話題となりました。そんなタイムピースの復刻だけあって、「98K112」のデザインにはレトロな風格が漂います。
クロノグラフの正統である“横目”のスタイルをはじめ、視認性が追求されたフェイスデザインや装着感に優れたケースのフォルムなど、当時の姿を忠実に再現。英字のロゴもオリジナルと同じ書体というこだわりよう。デザインはオリジナルを踏襲しつつも、機能面はアップデート。ムーブメントは1/20秒で計測でき、かつ262kHzの高振動で作動するハイパフォーマンスクォーツ クロノグラフムーブメント。風防には高硬度なサファイアクリスタルが採用されています。
さらに今回の復刻では、新たにブルー×ホワイトのカラーリングがラインアップされました。オリジナルのブラックとはひと味違う、ラグジュアリーなスポーツテイストを感じさせる色味は夏のスタイリングに映えること請け合いです。
ステンレススチールのストラップのほかに、しなやかなブルーのレザー製NATOストラップが付属。特殊ラッチつきスプリングバーによって工具を使わずに交換できるので、着こなしに合わせてストラップをつけ替えることが可能です。何よりこれほど歴史のあるクロノグラフの復刻モデルがアンダー10万円で入手できる点も特筆に値します。
夏のおしゃれにも真価を発揮する『ブローバ』のニューモデル。アナタはどちらを選ぶ?
『ブローバ』の話題のニューモデル「マリンスター」と「ルナ パイロット クロノグラフ」の魅力をチェックしてきましたが、スペックは甲乙つけがたく、ファッションへの汎用性の高さや使い勝手の良さに関してもほぼ互角というのが正直なところ。しいていえば、トレンドを重視するならラグスポ顔の「マリンスター」、定番がお好みなら復刻モデルの「ルナ パイロット クロノグラフ」を選ぶのが良いのではないでしょうか。
いずれのモデルも、所有する喜びを感じさせてくれますし、かつ夏スタイリングの主役級アイテムとして活躍してくれることは間違いありません。あとはアナタの感性がどちらにビビッと反応するか、です!
▽今こそお気に入りの1本を手に入れる好機。サマーキャンペーンを見逃すなかれ!
『ブローバ』は6月23日(金)から8月6日(日)まで、「ブローバ 2023 サマーキャンペーン」を開催します。正規販売店(参加店舗のみ)と自社ECサイトで腕時計を購入すると、今治製のオリジナルハンドタオルがプレゼントされるというもの(なくなり次第終了)。今がまさに、お気に入りの1本を手に入れる絶好の機会ですよ!
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※掲載の金額はすべて税込価格です
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Text_Ryota Osujo